薬剤師7年目の年収は、厚生労働省の統計でみると約555万円が目安です(経験5〜9年・残業代を除く)。月の手取りにすると30万円前後になります。
7年目は結婚や出産、住まいの話が重なりやすい時期です。給与明細を見ながら「この額で家族を養っていけるのか」と考えている人も多いと思います。
管理薬剤師のたろう(薬剤師歴10年目・34歳)です。僕の7年目(30歳)は、1年のうちに職場が3つ変わり、年収も550万→480万→610万と動いた年でした。この記事では統計の数字と僕の実額を分けて並べ、手取りの内訳と、7年目から年収を上げる方法を整理します。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師7年目の給料・年収は統計で約555万円
数字の出どころは、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査(職種・年齢階級・経験年数階級別)です。薬剤師の欄を経験年数ごとに見ると、次のようになります。
| 経験年数 | 月の給与 | 賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 1〜4年 | 35.1万 | 71.9万 | 約493万 |
| 5〜9年 | 39.3万 | 82.8万 | 約555万 |
| 10〜14年 | 42.1万 | 94.1万 | 約600万 |
7年目は「経験5〜9年」の区分に入ります。年齢を30〜34歳に絞ると、同じ経験5〜9年で約540万円です。
読むときの注意が2つあります。
- 残業代は含まれていない
- 5年目〜9年目がまとめて入る
所定内給与は、毎月決まって出る給与から残業代などを除いた額です。残業の多い職場なら、実際の年収はこれより上に出ます。
会社の規模で見た7年目
同じ調査を企業の規模別に分けると、経験5〜9年の薬剤師はこうなります。
| 企業規模 | 年収の目安 |
|---|---|
| 10〜99人 | 約576万 |
| 100〜999人 | 約543万 |
| 1,000人以上 | 約557万 |
経験1〜4年では小さい会社ほど低く出ていましたが、5〜9年では差がほとんどありません。人数の少ない区分は年によってぶれやすいので、「規模だけで年収は決まらない」くらいに見てください。
この調査には「調剤薬局」「ドラッグストア」「病院」といった業態の区分がありません。業態別の相場をうたう数字を見たら、出典と残業代込みかどうかを確かめるのがおすすめです。
管理薬剤師たろう同じ年収でも、残業20hと45hじゃ別世界ですよ。
薬剤師7年目の手取りはいくら?額面555万円から引かれるお金
統計の約555万円を例に、実際に口座に入る額を概算します。30歳・独身・扶養なし・協会けんぽ加入の場合の目安で、住んでいる地域や加入している健康保険によって数千円〜数万円変わります。
引かれるお金は大きく3つ
年収555万円から、1年で引かれるお金の目安です。
- 社会保険料:約79万円
- 所得税:約12万円
- 住民税:約28万円
合計で約120万円、年間の手取りは約435万円です。額面の8割弱が残ると覚えておくと、ざっくり計算できます。
一番重いのは、健康保険・厚生年金・雇用保険を合わせた社会保険料です。税金より保険料のほうが大きいのは、給与明細を見慣れていても意外と気づきにくいところです。



税金より社会保険料のほうが重いの、地味にショックでした。
月の手取りと賞与の関係
統計の月の給与は39.3万円です。ここから社会保険料と税金を引くと、毎月の手取りは30万円前後になります。
年間の手取り435万円を12で割ると約36万円ですが、実際の月の振込はそれより少なく見えます。差は賞与です。統計の賞与82.8万円は、手取りにすると年65万円前後で、夏と冬にまとめて入ります。
家計を組むときは、毎月の手取りを生活費の基準にして、賞与は別枠にしておくのが安全です。賞与は業績や評価で変わるので、当てにして固定費を上げると、減った年に苦しくなります。
年収ごとの手取りは、薬剤師の手取り早見表に300万〜900万円まで並べています。
手取りを増やす順番
引かれる額は額面で決まるので、手取りを増やす方法は限られます。
- iDeCoなどで課税額を下げる
- 役職手当を取りにいく
- 給与水準の高い職場へ移る
1は誰でもすぐ始められますが、増える手取りは年に数万円ほどです。大きく動くのは2と3で、どちらも額面そのものを上げる方法です。次の章から順に見ていきます。
薬剤師7年目の年収は役職の有無で差がつく
7年目前後は、管理薬剤師や薬局長を任され始める人が出てくる時期です。口コミサイトにも、新卒入社7年目で薬局長や責任者になっている年収事例が投稿されています。
同じ7年目でも、役職がつくかどうかで年収は変わります。僕の今の職場では、管理薬剤師手当が月3〜5万円です。年にすると36〜60万円になります。
その代わり、発注や在庫の管理、スタッフのシフト、本部への数字の報告、監査や行政の対応まで背負います。監査の前日は、今でも胃が痛くなります。
もう一つの注意は、枠が店舗に1人しかないことです。先輩が長く務めている店では、7年目になっても順番が回ってこないことがあります。「同期は管理薬剤師なのに自分は違う」という差は、能力より店の事情で生まれることが多いと思います。
仕事の中身は管理薬剤師の仕事内容にまとめています。
【実体験】僕の薬剤師7年目(30歳)は年収480万から610万へ|3つの職場を移った1年
ここからは統計ではなく、僕個人の実額です。7年目は、僕の薬剤師人生で年収がいちばん上下した年でした。まず1年目からの流れを並べます。
| 年次(年齢) | 職場 | 年収 |
|---|---|---|
| 1年目(24歳) | 調剤薬局A | 約380万 |
| 2年目 | 調剤薬局A | 約395万 |
| 3年目 | 調剤薬局A | 約405万 |
| 4年目 | 調剤薬局A | 420万 |
| 5〜6年目(28〜29歳) | DS併設調剤B | 550万 |
| 7年目(30歳) | 調剤薬局C(2ヶ月) | 480万 |
| 7年目(30歳) | 調剤薬局D(初年度) | 610万 |
つまり「7年目で610万円」は、7年目の途中で入った今の職場Dの初年度の年収です。7年目の1年間に610万円を丸ごと受け取ったわけではありません。
550万でも限界だったDS時代
28歳で、年収に惹かれてドラッグストア併設の調剤薬局Bに移りました。新卒で入ったAの420万円から、一気に550万円です。
ただ仕事は、調剤に加えてOTCの接客、レジ、品出しまでありました。週の半分は遅番で、閉店後の品出しを終えて帰ると夜10時。月の残業は45時間でした。
お金は増えたのに、使う時間も体力も残らない。「何のために年収を上げたんだっけ」と、暗い部屋で考えていたのを覚えています。
480万に下げて2ヶ月で退職
30歳で、DSを早く抜けたい一心で調剤薬局Cに移りました。年収は550万円から480万円に下げてでも、脱出を優先したんです。
求人票には「アットホームな職場です」とありました。実際は、誰も目を合わせず、挨拶も返ってこない職場でした。定時で帰ると無言の圧があり、質問すれば「自分で考えて」。駐車場に車を停めたまま、動けない朝もありました。
結婚したばかりで妻にも言えず、入社2ヶ月で退職しました。短すぎて、今も職歴には書けません。
長いあいだ、この失敗を「求人票に騙された」と思っていました。でも本当は、職場見学を提案されたのに「日程が合わない」と自分で断っていたんです。騙されたのではなく、確かめなかった。これが7年目の僕のいちばんの反省です。
提示560万を交渉で610万に
3回目の転職では、選び方を3つ変えました。
- 条件より職場の雰囲気を優先
- 応募前に必ず職場見学
- 担当に過去の失敗を全部話す
そうして決めたのが、今の調剤薬局Dです。提示は560万円で、交渉して初年度610万円になりました。Dでは2年目に管理薬剤師に昇格し、34歳の今も年収は610万円です。
DS時代の550万円と今の610万円は、額面では60万円しか違いません。それでも残業が減って、長女の寝顔を見られる日が増えました。7年目に学んだのは、年収の数字と同じくらい「その額をどんな働き方で得ているか」が大事だということです。
交渉でどう伝えたかは薬剤師の年収交渉に、転職で2回失敗した話の全体は自己紹介の記事に書いています。
薬剤師7年目で給料が頭打ちになる理由と、年収を上げる3つの道
「7年目になって昇給の手応えがない」と感じるのは、珍しいことではありません。多くの職場では、決まった昇給の幅の中でしか給料が上がらないからです。
僕が新卒で入ったAの昇給は、1回あたり月5千〜1万円でした。年収にすると年6〜12万円(賞与を除く)です。統計でも、経験5〜9年の約555万円から10〜14年の約600万円まで、差は45万円ほどしかありません。
もし僕がAに残っていたら、同じペースで7年目は450〜465万円という試算になります。同じ職場の昇給だけで、統計の平均まで追いつくのは難しいということです。この試算は薬剤師3年目の年収の記事で詳しく出しています。
今の職場で管理薬剤師を狙う
職場を変えずに上げるなら、管理薬剤師への昇格がいちばん効きます。手当は月3〜5万円が一つの目安です。
ただ、枠が空くかどうかは自分では決められません。上司に「次の管理薬剤師の予定はあるか」を聞いておくと、待つ価値があるかどうか判断しやすくなります。
DS併設など忙しい職場に移る
ドラッグストア併設の調剤は、提示される年収が上がりやすいです。僕も420万円から550万円になりました。
ただ、上で書いたとおり月の残業は45時間で、2年で離れています。年収と一緒に、残業時間と業務の範囲を必ず確かめてください。
転職で給与レンジを変える
いちばん大きく動くのは、給与水準の高い職場へ移ることです。昇給は職場の給与レンジの中でしか起きないので、レンジそのものを変えるしかない場面があります。僕が610万円に届いたのも、職場を変えたからでした。
7年目で転職すると決めていなくても、自分の経験で出せる相場を聞いておくと、今の職場に残るかどうかの判断材料になります。たとえばファゲット薬剤師は、公式サイトで中小の調剤薬局や病院の求人に強いと案内している転職サービスです。僕自身は使っていませんが、相談は無料と書かれています。
ほかのサービスとの違いは、薬剤師転職エージェントのおすすめ比較で並べています。
薬剤師7年目で転職を考えたときに確かめたいこと
7年目は、経験も年齢も転職市場で説明しやすい時期です。一方で、焦って決めると僕のように2ヶ月で辞めることにもなります。動く前に、次の2つを確かめておくと安心です。
求人票に書かれていない3点
2ヶ月で辞めたCの求人票は、あとで読み返しても嘘は書かれていませんでした。足りなかったのは、書かれていない情報です。
- 常勤の薬剤師は何人か
- 欠員補充か増員か
- 前任者はいつ辞めたか
今の僕は、管理薬剤師として求人を出す側にもいます。うちの会社では求人原稿を作るのは本部で、上がってきた原稿を見て「うちの残業はこんなに少なくない」と思ったこともあります。年収や残業の数字は、職場見学や面接で直接確かめるのがいちばん確実です。
賞与の在籍条件と支給日
賞与は、支給日に在籍していることを条件にしている会社があります。7年目の賞与は年収の中で大きな割合を占めるので、退職日を決める前に就業規則や給与規程で支給日と条件を確認しておくと、損をしにくいです。
薬剤師7年目の年収に関するよくある質問
- 薬剤師7年目の年収は平均でいくらですか?
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査で、薬剤師・経験5〜9年は月の所定内給与39.3万円、賞与82.8万円です。年収にすると約555万円で、残業代は含みません。30〜34歳に絞ると約540万円です。
- 自分の年収が相場より低い気がします。低いですか?
統計の数字は残業代を含まないので、比べるときは自分の年収からも残業代を除いてみてください。それでも低いなら、職場の給与レンジが原因のことが多いと思います。僕もAに残っていたら、7年目は450〜465万円という試算でした。
- 年収555万円だと手取りはいくらですか?
30歳・独身・扶養なしの概算で、年間の手取りは約435万円です。社会保険料が約79万円、所得税が約12万円、住民税が約28万円引かれます。月の手取りは30万円前後です。
- 年間の手取りを12で割った額より、毎月の振込が少ないのはなぜですか?
賞与の分です。統計の賞与は年82.8万円で、手取りにして65万円前後が夏と冬にまとめて入ります。家計は毎月の手取りを基準にして、賞与は別枠で考えるのが安全です。
- 7年目で昇給が止まった気がします。気のせいですか?
気のせいではないことが多いです。昇給が1回あたり月5千〜1万円なら、年収では年6〜12万円しか増えません。統計でも経験5〜9年と10〜14年の差は45万円ほどです。
- 管理薬剤師になると年収はどれくらい上がりますか?
僕の職場では管理薬剤師手当が月3〜5万円、年にすると36〜60万円です。ただ枠は店舗に1人なので、空かなければ待つしかありません。責任も重くなるので、仕事の中身を知ってから目指すのがいいと思います。
- 7年目で転職しても年収は上がりますか?
職場の給与レンジしだいで上がる余地はあります。僕は提示560万円を交渉して初年度610万円になりました。ただ年収だけで選ぶと働き方が崩れるので、残業や業務の範囲とセットで見てください。
- 調剤とドラッグストア、どっちが年収は高いですか?
提示額はドラッグストアのほうが高めに出やすいです。僕もDS併設で550万円でしたが、月の残業が45時間ありました。統計には業態別の区分がないので、残業込みの額面だけで比べないのがおすすめです。
- 焦って転職して失敗しないか不安です。
その不安は大事にしてください。僕は7年目に年収を480万円まで下げて、2ヶ月で辞めました。常勤の人数、欠員か増員か、前任者がいつ辞めたかを確かめ、職場見学で空気を見てから決めると失敗しにくくなります。
薬剤師7年目の年収についてのまとめ
薬剤師7年目の年収は、統計で約555万円(経験5〜9年・残業代を除く)が目安です。手取りにすると年約435万円、月30万円前後になります。
7年目は昇給の手応えが薄くなる一方で、役職や職場選びで年収に差がつき始める時期です。僕は7年目に年収を480万円まで下げる失敗を挟み、今の職場で初年度610万円になりました。
遠回りして分かったのは、焦らず、職場の雰囲気を自分の目で確かめ、担当には本音を全部話すことの大切さです。今の額に納得できないなら、まず相場と求人の中身を集めるところから始めてみてください。
その後の年収がどうなったかは、薬剤師10年目の給料・年収で実額を書いています。前後の年次は6年目と8年目の記事にあります。
転職で年収を上げるときにどのサービスを選ぶかは、比較記事にまとめています。



