薬剤師パートの時給は、国の統計(令和6年賃金構造基本統計調査)で平均2,639円です。女性だけに絞ると2,483円でした。
求人サイトで見かける時給より高く感じた人もいると思います。この統計は平均年齢が53.6歳で、男性(平均62.3歳・3,388円)が平均を押し上げている面があります。自分の時給と比べるなら、女性の2,483円も並べて見るのがおすすめです。
同じ統計からもう一つ分かるのは、経験年数が長くなっても時給がほとんど上がっていないことです。時給を上げたいなら、長く勤めて待つより、入る時間帯・勤務先・雇用形態を変えるほうが近道になります。
扶養内で働く人は、2026年の制度変更も押さえておきたいところです。所得税の壁は178万円まで上がったので、実際に意識するのは社会保険の130万円と週20時間の線です。時給2,483円なら、130万円には週10時間ほどで届きます。
僕は正社員の管理薬剤師で、パートとして働いた経験はありません。この記事では統計と制度を一次資料で確認し、求人を出す店側・一次面接をする側から見えることを添えて書きます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
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「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師パートの時給相場は平均2,639円(令和6年の統計)
厚生労働省の賃金構造基本統計調査には、パートなどの「短時間労働者」を職種別に集計した表があります。薬剤師の行を抜き出すと、次のとおりです。
| 区分 | 時給 | 平均年齢 | 月の日数 1日の時間 |
|---|---|---|---|
| 男女計 | 2,639円 | 53.6歳 | 14.1日 6.0時間 |
| 男性 | 3,388円 | 62.3歳 | 10.8日 5.6時間 |
| 女性 | 2,483円 | 51.7歳 | 14.8日 6.1時間 |
時給は「1時間当たり所定内給与額」で、残業代は含みません。これとは別に、年間の賞与などが男女計で平均9.5万円ありました。
働き方の平均は月14日・1日6時間ほどです。時給2,483円で1日6時間・週3日働くと、月およそ19万円、年間でおよそ230万円になります。
統計の平均が高く見える理由
求人サイトの時給は、2,000円台前半の求人も多く目に入ります。それより統計の2,639円が高く見えるのは、集計の対象が違うからです。
統計は、いま実際に働いている人の賃金の平均です。短時間で働く男性薬剤師は平均62.3歳で、時給は3,388円でした。定年後に短時間で働くベテランなど、条件のいい人が含まれていると考えられます。
子育て中などで扶養内を考えている人なら、女性の2,483円のほうが自分に近い物差しになると思います。
経験年数では上がりにくい
同じ調査には、薬剤師としての経験年数別の表もあります。短時間労働者の男女計で見ると、時給はこう並びます。
| 経験年数 | 時給 |
|---|---|
| 0年 | 2,493円 |
| 1〜4年 | 2,709円 |
| 5〜9年 | 2,558円 |
| 10〜14年 | 2,374円 |
| 15年以上 | 2,708円 |
階級ごとに年齢や働く人の構成が違うので、単純な比較はできません。それでも、経験が長いほど時給が右肩上がりになる形ではないことは読み取れます。
正社員の給料は勤続で少しずつ上がる会社が多いですが、パートの時給は入ったときの金額のまま続きやすい。時給は入口で決まると考えて、職場選びや更新のタイミングで動くほうが現実的です。
大手ほど高いとは限らない
会社全体の従業員数(企業規模)で分けた時給は、次のとおりです。
- 10〜99人:2,607円
- 100〜999人:2,748円
- 1,000人以上:2,505円
いちばん大きい会社の平均が、いちばん低くなっています。大手チェーンは時給の表が決まっていることが多く、店舗ごとの上乗せが出にくいのかもしれません。大手には研修や休みの取りやすさなど別の良さもあるので、時給だけで外す必要はないと思います。
地域の相場は求人で確かめる
「地方のほうが時給が高い」という話はよく聞きます。ただ、短時間労働者の都道府県別の表は全職種の合計しかなく、薬剤師だけの県別時給は公表されていません。
参考になるのは常勤の年収です。令和6年の統計では、東京の572万円に対して広島は693万円、愛知は622万円でした。都市部ほど高いとは限らないことは、薬剤師が年収を上げる方法の都道府県別のところで詳しく書いています。
パートの時給は、同じ市内でも店ごとに違います。通える範囲の求人を3件以上並べると、自分の時給がその地域でどのあたりか見えてきます。
薬剤師パートの時給が高い職場・低い職場の見分け方
同じ地域の薬剤師パートでも、求人の時給には数百円の開きがあります。差がつくのは、主に「人が集まりにくい枠かどうか」です。
高い職場:夜間・土日・地方
- 22時以降は25%以上の割増
- 土日祝・夕方の枠
- 薬剤師が足りない地域
- 一人薬剤師になる時間帯
22時から翌5時までの深夜労働は、労働基準法第37条で25%以上の割増賃金が決まっています。土日や夕方以降は、人が集まりにくいぶん時給を上乗せした求人が出やすい枠です。
「平日の昼だけ」より「土曜も入れます」のほうが、条件の話は進めやすくなります。
低い職場:駅前・人気エリア
逆に時給が低めになりやすいのは、駅前や住宅街の通いやすい職場です。応募が集まる場所は、時給を上げなくても人が来ます。
ただ、僕は「時給が高い=良い職場」だとは思っていません。時給100円のために片道40分かけたり、休憩も取れない一人薬剤師の店に入ったりして消耗しては本末転倒です。
時給と通勤・人間関係・休みやすさのバランスで選ぶのが、長く続けるコツだと思います。
管理薬剤師たろう時給だけ追いかけて消耗するのは、正社員もパートも同じだと思います。
求人票の時間帯は店の本音
僕の会社では、求人票の文面を作るのは本部です。欠員が出たとき、店から本部に上げるのは「欠員の理由」「希望する勤務時間帯」「常勤かパートか」の3点だけです。
つまり求人票にある時間帯は、店がいちばん困っている時間帯です。一次面接をする側としては、その時間帯に入れる人の話は前に進めやすいと感じます。
反対に、原稿を書き換える権限は店にありません。面接の場で時給がその場で上がることは、あまり期待しないほうがいいと思います。条件を上げたいなら、応募の前に複数の求人を比べるか、紹介会社に交渉を頼むほうが確実です。
「時給3,000円」のような高い求人がどんな条件で出ているのかは、薬剤師の時給は高すぎる?派遣3000円の理由で分解しています。
薬剤師パートが扶養内で働くときの年収の壁(2026年版)
薬剤師は時給が高いので、ほかのパートより早く壁に届きます。2025年と2026年に税と社会保険の両方が変わったので、古い「103万円・106万円」の感覚のままだと判断を誤りやすくなっています。
所得税の壁は178万円に
長く「103万円の壁」と呼ばれた所得税のラインは、2年続けて引き上げられました。収入が給与だけの場合で整理します。
| 年分 | 自分に 所得税 | 配偶者控除 の上限 |
|---|---|---|
| 2024年まで | 103万円超 | 103万円 |
| 2025年 | 160万円超 | 123万円 |
| 2026・27年 | 178万円超 | 136万円 |
配偶者控除の上限を超えても、配偶者特別控除が段階的に続きます(2026・2027年分は給与207万円まで)。所得税だけで見れば、薬剤師パートが急に損をする線は以前よりずっと上に移りました。
住民税は所得税とは別の基準で、もっと低い収入からかかります。金額は住んでいる自治体の案内で確認してください。
社保は130万と週20時間
手取りに大きく響くのは社会保険のほうです。いま押さえておく線は次の2つです。
- 130万円:家族の扶養の線
- 週20時間:勤務先で加入
130万円は、健康保険の被扶養者でいられる年間収入の目安です(60歳以上などは180万円未満)。2026年4月からは、労働条件通知書などの契約内容から見込まれる年収で判断する取り扱いが始まりました(日本年金機構)。
週20時間は、勤務先の社会保険に入る条件です。今は従業員51人以上の会社が対象で、2027年10月から36人以上、最終的に2035年10月には規模の条件がなくなります(厚生労働省 年金制度改正の概要)。
「106万円の壁」と呼ばれた月8.8万円の賃金要件は、2026年10月1日に撤廃されました(日本年金機構)。ただ、薬剤師の時給なら週20時間働けば月8.8万円を大きく超えるので、この撤廃で扱いが変わる人は多くないはずです。見るべきは週の所定労働時間のほうです。
気をつけたいのは、51人未満の会社で週20時間未満のまま、年収が130万円を超えるケースです。勤務先の社会保険に入れないまま扶養から外れ、国民健康保険と国民年金に自分で入ることになります。
派遣で働く場合の加入先や手続きは、派遣薬剤師の社会保険にまとめています。
時給から働く時間を逆算
扶養内に収めたいなら、年収の上限から働ける時間を逆算します。130万円に届く時間を時給別に出すと、こうなります。
| 時給 | 年間の時間 | 週あたり |
|---|---|---|
| 2,200円 | 約590時間 | 約11時間 |
| 2,483円 | 約520時間 | 約10時間 |
| 2,639円 | 約490時間 | 約9.5時間 |
| 3,000円 | 約430時間 | 約8時間 |
週3日・1日4時間ほどで130万円に届く計算です。統計の平均的な働き方(月14日・1日6時間)だと、年収は130万円を大きく超えます。
上限が決まっているなら、時給の高い職場のほうが同じ収入で自由な時間が増えます。時給2,200円と3,000円では、年間でおよそ160時間の差です。
「壁が怖くて時間を増やせない」なら、時間ではなく時給のほうを上げると考えると、選択肢が広がります。通勤手当などを収入に含めるかも含め、最終的な判定は加入している健康保険に確認してください。



壁を超えると損するって聞くと、こわくて時間を増やせないんです……
薬剤師パートの時給を上げる4つの方法
経験年数で時給が上がりにくい以上、上げ方は「条件を足す」「雇用形態を変える」「職場を変える」のどれかになります。
できることを足して交渉
いまの職場で上げたいなら、「長く勤めたから」より「何を引き受けられるか」を材料にします。
- 土曜・夕方に入れる
- 在宅の訪問に行ける
- 一人の時間帯を任せられる
切り出すのは契約更新の時期が自然です。時給は本部の基準で決まっている会社も多いので、店の責任者に「本部に上げてもらえますか」と頼む形にすると角が立ちにくいと思います。
何も言わなければ、今の条件のまま回ってしまうのが雇う側の正直なところです。断られたら、それはそれで職場を比べる理由になります。
派遣に切り替える
派遣の求人は、直接雇用のパートより時給が高めに出ていることが多いです。そのぶん契約は有期で、賞与や昇給の仕組みはパートと違います。
働く先にも決まりがあります。病院・診療所での調剤業務は、紹介予定派遣などを除いて派遣が認められていません(厚生労働省 労働者派遣事業関係業務取扱要領)。派遣先は調剤薬局やドラッグストアが中心になります。
派遣だけ時給が高くなる理由と、派遣でも単価が上がらない人の違いは薬剤師の時給が高すぎると言われる背景に書きました。派遣会社を比べるなら、ファル・メイトの評判で単発の条件や求人数も確認しています。
単発・スポットで上乗せ
普段はパートで、空いた日だけ単発で上乗せする働き方もあります。自分が決めた日だけ働けるので、子育てや介護と両立しやすいのが利点です。
ただし、雇用期間30日以内の「日雇派遣」は原則禁止です。60歳以上の人や、世帯収入などの条件を満たす人は例外になります(厚生労働省)。自分が対象になるかは、登録するときに派遣会社に確認してください。
時給の高い職場に移る
統計を見る限り、いちばん効くのは職場そのものを変えることです。同じ資格・同じ時間でも、入口の時給が違えば、その差がずっと続きます。
自分で求人を並べる方法のほかに、紹介会社に「この地域のパートはいくらが相場か」を聞く方法もあります。時給の交渉を代わりに頼めるのも利点です。
パートと派遣の両方を比べたい人には、アプロ・ドットコムが候補になります。公式サイトによると、正社員・パート・派遣・単発の求人を扱い、「扶養内勤務OK」「単発(1日からOK)」の条件で探せます。僕は利用していないので、書いたのは公式に載っている範囲です。
ほかの会社とも比べたい人は、薬剤師転職エージェントのおすすめに目的別の選び方をまとめています。
管理薬剤師の僕がパートの時給で伝えたいこと
僕は正社員なので、パートの時給を自分で交渉した経験はありません。それでも、数字だけで職場を選んだ失敗は2回しています。
28歳のとき、年収550万円に惹かれてドラッグストア併設の調剤に移り、月45時間の残業で余裕をなくしました。30歳のときは、そこを早く抜けたくて職場見学もせずに決めた薬局を、2ヶ月で辞めています。
3回目の転職では、職場見学を必ず入れ、条件の交渉は当時のエージェントの担当に任せました。提示560万円が610万円になり、残業が減って長女の寝顔を見られる日が増えました。
パートでも考え方は同じだと思います。時給は「いくらか」だけでなく、「その時給で何時間を取り戻せるか」で比べてほしいです。
評価と交渉のしやすさは、日々の働き方にも左右されます。現場で起きやすいすれ違いはパート薬剤師が「使えない」と言われてしまう理由に、シフトを組む側から書きました。



時給で取り戻せるのは、お金じゃなくて家族との時間なんですよね。
時給が高くても、入れる時間が削られると月の手取りは伸びません。勤務時間が減っていくときの対処は薬剤師パートの早上がり・シフトカットへの対処にまとめています。
薬剤師パートの時給に関するよくある質問
- 薬剤師パートで時給3,000円は可能ですか?
-
求人はありますが、統計の平均は2,639円なので上のほうの水準です。深夜・土日・派遣など条件が重なった求人が中心です。どんな条件で出ているかは「薬剤師の時給は高すぎる?」の記事で分解しています。
- ブランクがあると時給は下がりますか?
-
ブランクそのものの統計はありません。参考までに、経験年数0年の時給は2,493円で、全体の2,639円と大きくは違いません。時給の差より、復帰したときに教えてもらえる体制があるかで選ぶほうが安心です。
- 扶養内なら週何時間まで働けますか?
-
130万円を基準にすると、時給2,483円で週およそ10時間です。2026年4月からは労働条件通知書などの契約内容で見込み年収を判断するので、契約の時間と時給が大事になります。最終的な判定は加入している健康保険に確認してください。
- 時給交渉はパートでもしていいんでしょうか?
-
していいと思います。契約更新の時期に、入れる時間帯や引き受けられる業務を添えて伝えるのが自然です。本部の基準で決まる会社では通らないこともあるので、その場合は職場を比べる材料にしてください。
- 派遣と直雇用パート、どっちが時給高いですか?
-
求人では派遣のほうが高めに出ていることが多いです。ただ、派遣薬剤師の時給は公的な統計では出ていません。賞与・交通費・契約期間も含めて比べてください。病院での調剤は原則として派遣できない点にも注意が必要です。
- 2026年10月から何が変わりますか?
-
社会保険の「月8.8万円(106万円)」の賃金要件は2026年10月1日に撤廃されました。薬剤師の時給なら週20時間で月8.8万円を超えることが多いので、実際には週20時間と勤務先の規模で加入が決まる人がほとんどだと思います。
まとめ:薬剤師パートの時給は職場選びで決まる
薬剤師パートの時給は、統計の平均で2,639円、女性で2,483円です。経験年数では上がりにくいので、入る時間帯と職場の選び方で差がつきます。
- 平均2,639円・女性2,483円
- 経験年数では上がりにくい
- 大手ほど高いとは限らない
- 扶養は130万と週20時間
- 上げるなら職場ごと比べる
扶養内で働くなら、年収の上限から時間を逆算し、同じ時間で稼げる時給の職場を探すのが近道です。
職場を変えるかまだ迷っている人は、薬剤師の転職ガイドで全体の流れを確認できます。紹介会社を選ぶなら、薬剤師におすすめの転職エージェントで派遣・地方など目的別に比べています。



