薬剤師が短期離職を繰り返す原因は、根性や能力より職場の選び方のクセにあることが多いです。条件だけで選ぶ、焦って決める、失敗を誰にも話さない。この3つのどれかが、前回と今回で同じ形で出ていないかをまず見てください。
僕は30歳のとき、入社2ヶ月で調剤薬局を辞めています。その前のドラッグストア併設の調剤も2年で出ました。3回目の転職で選ぶ基準を変えてからは、今の職場で4年目、管理薬剤師をしています。
この記事では、繰り返す原因と自分のパターンの見つけ方、次で止めるための進め方を書きます。管理薬剤師として一次面接をする側から、短期離職が採用でどう見えるかも正直に書きました。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師が短期離職を繰り返す原因は「選び方」にあるかも
短期離職を繰り返す原因は、たぶんあなたの根性ではなく「職場の選び方」のクセです。僕は2回失敗して、3回目の転職でようやくそこに気づきました。
薬剤師は資格職なので、辞めても次の求人が見つかりやすい仕事です。だから「合わなかったら次がある」と、わりと軽く決めてしまう。そしてまた合わなくて辞める。この輪に入っている人は、思ったより多い気がします。
原因を分けると、だいたい3つに集まります。条件で選ぶ、焦りで決める、本音を隠す。どれか1つ、あるいは全部に当てはまることが多いです。
管理薬剤師たろう正直、僕は3つ全部やってました…
短期離職を繰り返す薬剤師に共通する3つのパターン
自分も含めて見てきた共通点を3つ挙げます。耳が痛いかもしれませんが、原因が分かれば断ち切れます。
- 年収や条件だけで選ぶ
- 「早く抜けたい」で焦る
- 過去の失敗を誰にも言えない
年収や条件だけで職場を選んでいる
一番多いのがこれです。年収、勤務地、休みの数。数字で比べられる条件だけで選ぶと、入ってから「思っていたのと違う」が起きやすくなります。条件は良くても、人間関係や忙しさが合わないことは普通にあります。
僕は28歳のとき、新卒で入った調剤薬局から年収550万に釣られてドラッグストア併設の調剤へ移りました。お金は確かに増えました。でも月の残業は45時間で、閉店後の品出しで夜10時。「何のために年収を上げたんだっけ」と、暗い部屋でつぶやいていました。
条件は紙に書いてあるので、誰でも比べられます。でも毎日のしんどさを左右するのは、紙に書いていない部分なんですよね。
早く抜けたいという焦りで決める
今の職場がつらいと、とにかく早く抜け出したくなります。その焦りで次を決めると、ろくに確かめずに飛びつくことになる。これが繰り返しの典型です。
30歳の僕は、DSの激務から逃げたい一心で、年収を550万から480万に下げてでも調剤薬局Cに移りました。求人票には「アットホームな職場です」。入ってみると、誰も目を合わせず、挨拶も返ってきません。出勤前に駐車場で車を停めたまま動けない朝もありました。
結局、入社2ヶ月で退職です。長いあいだ「求人票に騙された」と思っていました。でも本当は、職場見学の提案を「日程が合わない」と自分から断っていたんです。騙されたのではなく、確かめなかった。焦りはこういう形で判断を飛ばさせます。
過去の失敗を誰にも話していない
見落とされがちですが、ここも大事です。繰り返す人ほど、過去の失敗が恥ずかしくて誰にも話せていません。僕もそうでした。
2ヶ月で辞めたことは、結婚したばかりの妻にも最初は言えませんでした。天井をにらんで眠れない夜が続きました。失敗を隠したまま次を探すと、同じパターンを自分でなぞっていることに気づけません。
僕が繰り返しを断てたのは、過去の失敗を正直に全部話すと決めてからでした。このあと詳しく書きます。
短期離職を繰り返す薬剤師が自分のパターンを知る方法
3つのうちどれが自分に当てはまるかは、頭で考えるより書き出すほうが早いです。これまでの職場ごとに、次の3つを1行ずつ書いてみてください。
- 入社を決めた一番の理由
- 辞めた一番の理由
- 入る前に確かめなかったこと
僕の場合、決めた理由は「年収」と「早く抜けたい」、辞めた理由は「忙しさ」と「人間関係」でした。確かめなかったことは、2回とも現場の空気です。並べると、決めた理由と辞めた理由がまったく別の物差しだったと分かります。
辞めた理由が毎回同じなら、それが次の職場で最初に確かめるべき項目です。逆に毎回ばらばらなら、職場ではなく調剤の仕事そのものが合っていない可能性もあります。その場合は調剤に向いてないと感じる薬剤師向けの記事で、仕事と職場のどちらが原因かを切り分けてみてください。
薬剤師という仕事ならではの「辞めやすさ」も原因
共通点とは別に、薬剤師という仕事そのものが短期離職を起こしやすい面もあります。知っておくと、自分を責めすぎずに済みます。
1つは、求人が多いこと。辞めても次が見つかりやすいのは強みですが、「合わなければ次」が簡単すぎて、踏みとどまる前に動いてしまいがちです。
もう1つは、職場が小さいこと。調剤薬局は少人数で回しているところが多く、人間関係が合わないと逃げ場がありません。一人薬剤師なら相談相手もいない。大きな会社のように部署異動で仕切り直すことが難しく、「人が合わない」がそのまま「辞める」につながりやすいんです。



あなたが飽きっぽいんじゃなくて、構造の問題な部分も大きいです
薬剤師の求人票に書かれない3つを確かめる
いまの僕は、管理薬剤師として欠員募集を出す側にもいます。求人原稿の文面を作るのは本部で、店から上げるのは欠員の理由、希望する時間帯、常勤かパートかくらい。上がってきた原稿を見て「うちの残業はこんなに少なくない」と思ったこともありますが、店に書き換える権限はありません。
2ヶ月で辞めたCの求人票も、後で読み返すと嘘は1行もありませんでした。「アットホーム」は主観の言葉で、条件の記載は実際と合っていた。問題は、書かれていなかったことのほうです。
- 常勤薬剤師は何人いるか
- 欠員補充か増員か
- 前任者はいつ辞めたか
欠員補充で、しかも前任者が短期間で辞めているなら、同じ理由で自分も辞める可能性があります。この3つは紹介会社の担当か、見学のときに直接聞けます。聞いてはぐらかされるなら、それも1つの判断材料です。
短期離職を断ち切るために薬剤師の僕が「変えた3つ」
3回目の転職で、僕が変えたのは次の3つでした。テクニックというより、選ぶ基準そのものを入れ替えた感じです。
- 条件より雰囲気を最優先にした
- 応募前に必ず職場見学を入れた
- 過去の失敗を正直に全部話した
条件より人間関係と雰囲気を優先
まず、年収や勤務地で選ぶのをやめました。2回の失敗が、どちらも「条件で選んで、中身で潰れた」だったからです。希望を伝えるときも、人間関係と職場の雰囲気を一番上に置きました。
結果として、今の職場の年収は610万で、Cの480万より上がりました。雰囲気を優先しても、年収が後からついてくることはあります。続かない職場でいくら高年収でも、辞めたらそこで止まります。
応募前に必ず職場見学を入れた
これが一番効きました。雰囲気は、その場に立たないと分かりません。求人票やネットの口コミだけでは見抜けないところです。
見学では、スタッフ同士の会話のトーン、新人への接し方、薬剤師の表情を見ました。挨拶が自然に飛び交っているか、ピリついていないか。Cも見学していれば、入る前に気づけたはずです。
何を見ればいいか不安な人は、薬剤師の職場見学チェックリストを使ってください。見る・聞く項目を決めておくと、見学の意味が変わります。
過去の失敗を担当に全部話した
3回目は転職エージェントを使い、担当者に過去2回の失敗を恥を忍んで全部話しました。年収に釣られて失敗したこと、焦って2ヶ月で辞めたこと。
話したおかげで、紹介される求人が見学できるところ中心になり、同じタイプの職場を避けられました。隠していたら、また条件だけ良い求人を追いかけていたと思います。
繰り返しを断つ本質は、自分が選ぶ基準を変えることでした。担当者は、それを手伝ってくれる存在です。
短期離職を繰り返した薬剤師は面接でどう見えるか
面接をする側に回って思うのは、見られるのは回数や期間そのものより、辞めた理由と次の選び方がつながっているかです。僕が一次面接で知りたいのも、「うちでも同じ理由で辞めないか」という一点です。
だから説明は、前の職場の悪口ではなく、自分の選び方のどこを変えたかで話すほうが伝わります。たとえば「条件だけで決めて失敗したので、今回は見学してから応募しています」。これなら、面接官が気にする「また辞めないか」への答えになっています。
短い職歴も、書類には正直に書くほうが安全だと思います。書かずに後で分かると、辞めた理由より隠したことのほうが問題になりかねません。回数別の見られ方や、履歴書・職務経歴書の書き方は薬剤師の転職は何回まで?回数別の見られ方と伝え方にまとめています。
2回やらかした薬剤師の僕が今だから言える本音
2ヶ月で辞めたころ、僕は本気で「自分はどこに行ってもダメなんじゃないか」と思っていました。職務経歴書を開くたびに、2ヶ月の行が目に入って情けなくなる。
でも振り返ると、繰り返していたのは弱かったからではなく、選び方を知らなかったからでした。条件より雰囲気を見ろ、見学しろ、失敗を話せ。誰も教えてくれなかったし、自分で確かめもしなかった。それだけのことです。
渦中にいるときは、こういう言葉が響かないのも分かっています。それでも、あなたが欠陥品なわけじゃない、とだけは書いておきます。あれだけ転々とした僕でも、今の職場で4年目になりました。
薬剤師が次こそ短期離職を繰り返さないための進め方
ここまでの話を、次に動くときの順番にするとこうなります。一人で進めると、また焦りで飛ばしがちなので、第三者の目を入れるのがコツです。
- 職場ごとの理由を書き出す
- 譲れない条件を「人」で書く
- 担当に失敗を正直に伝える
- 求人票に無い3つを聞く
- 見学してから応募する
転職エージェントは、2〜3社に登録して担当者を比べるのがおすすめです。僕は転職活動で5社を使いましたが、担当者との相性で、本音を話せるかどうかが大きく変わりました。合わなければ担当の変更を頼むか、別の会社を使えば済みます。
中小の調剤薬局や病院を中心に探すなら、ファゲットは公式に中小の調剤薬局・病院の求人を強みとして書いています。登録したら、上の3つの質問と見学の希望を最初に伝えておくと話が早いです。評判はファゲットの口コミ・評判で確認できます。
紹介予定派遣で試す手もある
どうしても入ってみないと不安な人には、紹介予定派遣という働き方もあります。派遣として働いたあと、本人と職場の双方が合意すれば直接雇用に切り替わる仕組みです。派遣の期間は同じ人について6か月までと決まっています(厚生労働省「紹介予定派遣とは」)。
職場の空気を働きながら確かめられるので、短期離職を繰り返してきた人とは相性がいい仕組みです。ただ、薬剤師の求人全体から見ると件数は多くありません。常勤の求人と並べて相談するのが現実的です。
MC-ファーマネットは派遣と紹介予定派遣も扱っています(MC-ファーマネットの口コミ・評判)。派遣と転職の両方を比べたいならアプロ・ドットコムもあります。派遣の働き方そのものは派遣薬剤師のメリット・デメリットで確認してから動くと安心です。
ほかの会社も含めてタイプ別に比べたい人は、比較記事を見てください。
- 短期離職を繰り返すと転職で不利になりますか?
書類の段階で不利になることはあります。ただ、面接で見られるのは「うちでも同じ理由で辞めないか」です。辞めた理由と、次の選び方をどう変えたかを話せると印象は変わります。
- 何ヶ月で辞めると「短期離職」扱いですか?
明確な定義はありませんが、1年未満だと短期と見られやすいです。ただ期間より、同じ理由で繰り返していないかのほうが見られます。
- 2ヶ月で辞めた職場は履歴書に書かなくていいですか?
書いておくほうが安全だと思います。書かずに後で分かると、辞めた理由より隠したことのほうが問題になりかねません。短く事実を書き、面接で変えた点を話すのがおすすめです。
- 繰り返すのは自分が甘いからでしょうか?
甘さの問題というより、選び方を知らないだけのことが多いです。薬局は職場が小さく逃げ場がないので、合わないとすぐつらくなる構造もあります。
- 今の職場、辞めるべきか我慢すべきか分かりません。
原因が「仕事そのもの」か「この職場だけ」かで分けて考えるといいです。調剤の作業自体が合わないなら働き方を、人間関係だけなら職場を変える。ここを切り分けないと、また同じ失敗をしやすいです。
- 職場見学は本当に意味がありますか?
僕の体感では一番効きました。雰囲気はその場に立たないと分かりません。スタッフの表情や挨拶のトーンで、求人票では見えない部分が伝わってきます。
- エージェントに過去の失敗を話すと紹介を断られませんか?
僕の場合は逆で、話したことで同じタイプの職場を避けた求人が中心になりました。隠すと、また条件だけ良い求人を紹介されかねません。本音を話せる担当に当たることのほうが大事です。
- 年収を下げてまで雰囲気を取る価値はありますか?
続けられるなら、結果的にそのほうが得なことが多いです。僕は一度480万まで下げましたが、合う職場に落ち着いたあと610万になりました。辞めたら年収はそこで止まるので、まず続くことが先かなと。
- 転職回数が多すぎて、もう動くのが怖いです。
怖さの正体は「また失敗するかも」なので、確かめる項目を一つずつ潰せば怖さは減ります。入ってみないと不安なら、紹介予定派遣で働きながら見極める方法もあります。
- エージェントは1社だけでいいですか?
2〜3社は登録して比べるのをおすすめします。担当者との相性で、本音を話せるかが変わるからです。合わなければ別を使えばいいだけです。
- 繰り返しを完全に止める方法はありますか?
絶対はないです。でも「条件だけで選ばない・焦らない・本音を話す」の3つを守ると、確率はかなり下げられます。僕はこれで2回の失敗から抜けて、今の職場で4年目になりました。
まとめ:薬剤師の短期離職の原因は弱さじゃなく「選び方」
薬剤師が短期離職を繰り返す原因は、能力や根性より、職場の選び方のクセにあることが多いです。条件で選び、焦りで決め、失敗を隠す。この3つを断てば、繰り返しは止めやすくなります。
- 繰り返す人には共通点がある
- 「条件」で職場を選んでる
- 焦りで決めて雰囲気を見ない
- 本音を誰にも話していない
- 求人票に無い3つを聞く
- 選ぶ基準を変えれば断てる
次に動くときは、これまでの理由を書き出し、求人票に無いことを聞き、見学してから決めてください。一人で抱えると、また焦って同じことになりがちです。第三者の目を借りて、今度こそ落ち着ける職場を選びましょう。








