新卒で薬剤師になって初めての給与明細、見て「思ったより少なくない?」と固まりませんでしたか。
僕も24歳で調剤薬局に入った1年目、額面より少ない手取りを見て「えっ、薬剤師ってこんなもん?」と本気で焦りました。管理薬剤師のたろう、薬剤師歴10年目・34歳です。
結論から言うと、薬剤師1年目の給料はだいたい額面で月29万円前後、手取りで22〜23万円、年収は350〜420万円が平均ゾーン。
僕自身も1年目は年収約380万円、手取り月22〜23万円、賞与は2ヶ月分ほどでした。だからあなたの数字がこのあたりなら、おかしくないし損もしていません。
この記事では「あなたの給料は普通か」「なぜ額面より手取りが減るのか」「2年目に手取りが減る落とし穴」を、僕の1年目の実体験つきで具体的な数字でお伝えします。
もし「給料の数字より、結局どこで働くかが大事」と先に腑に落ちた人は、僕が5社を実際に使って比べた転職エージェントのランキングだけ先に見ておけば十分です。今すぐ動かなくても、将来の選択肢として頭の片隅に置いておくと安心ですよ。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収を480万円→610万円にアップ
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「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
詳しい筆者の経歴はこちら
薬剤師1年目の給料・年収は平均いくら?結論は手取り22〜23万
まず一番知りたいところに答えます。薬剤師1年目の給料は、額面で月29万円前後、そこから税金や社会保険料が引かれて手取りは22〜23万円が一般的です。
ボーナスを含めた年収は、おおむね350〜420万円のあいだに収まる人が多いです。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査などを見ても、薬剤師全体の初任給は他の大卒職より高めで、1年目の平均年収はおよそ420万円とされています。
つまり1年目から年収350万円を超えてくるのは、世間的に見ても決して低い数字ではありません。
下の表で、あなたの給料が平均ゾーンに入っているか、ざっと当ててみてください。
| 項目 | 1年目の目安 |
|---|---|
| 額面(月) | 27〜31万円 |
| 手取り(月) | 22〜23万円 |
| ボーナス | 1〜2ヶ月分 |
| 年収 | 350〜420万円 |
ここで覚えておいてほしいのは、額面と手取りは別物だということ。月29万円もらえると思っていたら、口座に振り込まれたのは23万円。
この6万円の差で焦る新人がとても多いんです。差が出る理由は、次のセクションで明細の中身を分解しながら説明します。
管理薬剤師たろう明細の「額面」じゃなく「差引支給額」を見れば、それがあなたの本当の手取りです。
薬剤師1年目の手取り計算|額面29万から何が引かれる?
新人の最初の給料明細を見て「何これ、こんなに引かれるの?」と固まった人向けに、引かれているお金の正体を分解します。
明細から引かれる4つの項目
額面から手取りまで6万円も減るのは、給料天引きで「税金」と「社会保険料」が引かれているからです。1年目に引かれるのは、次の4つだと思ってください。
- 健康保険料(額面の約5%)
- 厚生年金保険料(額面の約9%)
- 雇用保険料(額面の約0.5%)
- 所得税(数千円ほど)
いちばん大きいのは厚生年金の約9%。額面29万円なら2万円以上がここで引かれます。
健康保険と合わせた社会保険料で、額面の14%前後が消える計算です。これは薬剤師に限らず会社員みんな同じ仕組みなので、薬局がケチっているわけではありません。
初任給だけ手取りが多い理由
意外と知られていませんが、4月の初任給だけは手取りが多めに出ます。社会保険料は「翌月控除」が原則で、4月分の健康保険・厚生年金は5月の給料から引かれ始めるからです。
つまり4月は雇用保険と所得税しか引かれず、手取りは額面の約97%にもなります。
問題は5月です。ここから社会保険料がフルで乗るので、手取りは額面の8割ちょっとまで一気に下がります。
4月の手取りを基準に生活設計してしまうと、5月の明細で「3万円も減った…」と慌てることに。本当の手取りは5月以降の数字で見てください。



僕も4月の明細だけ見て財布のひもをゆるめ、5月にあわてた一人です。
額面29万の手取り早見
イメージしやすいように、額面29万円のケースで5月以降の手取りをざっくり並べてみます。あくまで概算ですが、自分の明細と見比べる目安にしてください。
| 項目 | 金額(概算) |
|---|---|
| 額面 | 290,000円 |
| 健康保険 | −14,000円前後 |
| 厚生年金 | −26,000円前後 |
| 雇用保険 | −1,700円前後 |
| 所得税 | −5,000円前後 |
| 手取り | 約23万円 |
この表に住民税が入っていないのがポイント。1年目はまだ住民税ゼロなので、この手取りはむしろ「いちばん多い時期」です。なぜ2年目に減るのかは、記事の後半でくわしく説明します。
勤務先で違う1年目の年収|調剤・ドラッグストア・病院の差
同じ薬剤師1年目でも、どこに就職したかで初任給はけっこう変わります。
ざっくり言うと、給料が高いのはドラッグストア、安定して中くらいなのが調剤薬局、いちばん低めなのが病院です。年収の目安はこんなイメージです。
| 勤務先 | 1年目の年収目安 |
|---|---|
| ドラッグストア | 350〜450万円 |
| 調剤薬局 | 350〜400万円 |
| 病院 | 300〜350万円 |
ドラッグストアが高いのは、OTC販売やレジ・品出しといった調剤以外の業務、早番遅番のシフトや残業が給料に乗ってくるから。
1年目で年収450万円に届くこともありますが、その分だけ拘束時間や体力的な負担が大きい職場が多いのも事実です。
病院が低めなのは、教育・研修体制が整っている代わりに給与水準が抑えられているから。お金より「臨床のスキルを早く身につけたい」人が選ぶ場所です。
だから金額の高い低いだけで職場の良し悪しは決められません。何を得たいかで見るべきです。
もしあなたの1年目の年収がこの表の幅に入っていれば、勤務先のタイプから見ても妥当な水準です。
同期と数十万円ちがっても、それは多くの場合「勤務先のタイプの差」であって、あなたの評価が低いわけではありません。
業態ごとの働き方と給料の違いは薬剤師の転職の基本でも整理しています。
薬剤師1年目のボーナスは少ない|夏は寸志の理由
年収のところで見落とされがちなのがボーナスです。先に結論を言うと、1年目の夏のボーナスはほぼ期待しないほうがいいです。
求人票の「賞与4ヶ月」を満額もらえるのは、早くても2年目からだと思っておきましょう。
理由はシンプルで、ボーナスは「査定期間」の働きに対して払われるから。
4月入社だと夏のボーナスの査定期間にはほとんど在籍していないので、夏は寸志の2〜3万円、あるいは支給なしという職場が多いんです。
まとまった額が出始めるのは、4月から半年以上働いた冬のボーナスからになります。
僕の1年目も、夏はちょっとしたお小遣い程度で、冬から「賞与らしい賞与」になりました。年収380万円という数字も、この賞与2ヶ月分が含まれての金額です。
だから1年目の年収は、フル査定される2年目より低く出るのが普通。2年目に年収がぐっと上がるのは、昇給よりボーナスがフルになる影響が大きいです。
ここで多くの新人がつまずくのが、奨学金の返済です。薬学部は6年制で学費がかさみ、奨学金を借りた人の返済額は月2.5万円前後が平均。
手取り22万円から毎月これが出ていくと、1年目の家計はかなりカツカツになります。
ボーナスをあてにして固定費を組むと、夏に寸志しか出なかったとき一気に苦しくなるので注意してください。
対策はシンプルで、1年目は「毎月の手取りだけで生活が回る固定費」にしておくこと。ボーナスは返済の繰り上げや貯金に回すくらいの気持ちでいると、家計が安定します。
奨学金の負担が重い人は、返済支援制度のある職場や年収の高い職場を、無理のない範囲で次の選択肢として持っておくと安心です。
僕の同期にも6年制の学費を奨学金でまかなった子がいて、初任給の手取りから毎月3万円近くを返済に回していました。
1年目の彼が言っていたのは「年収の額面じゃなく、返済を引いたあとの実際に使えるお金で職場を見ればよかった」ということ。
額面の高さだけで飛びつかず、返済後に手元にいくら残るかで考えるのが、1年目を乗り切るいちばんのコツです。



1年目の夏に寸志を見て「えっこれだけ?」となるの、本当にあるあるです。
【体験談】初任給を見て「少ない」と給湯室で焦った話
ここからは僕自身の1年目のリアルです。24歳の春、新卒で入ったのは内科クリニックの門前にある調剤薬局でした。
国家試験に受かって「これでやっと一人前」と浮かれていた僕は、初任給にそれなりに期待していたんですよね。
で、最初の給与明細をもらった瞬間です。額面はたしかに「薬剤師っぽい」金額だったのに、その下の差引支給額が手取り22〜23万円。
「あれ、思ってたのと違う…」と、給湯室でコーヒーを淹れる手を止めて、しばらく明細を見つめてしまいました。
学生時代のバイトの感覚が抜けてなくて、額面がそのまま入ると本気で思っていたんです。
内訳をならすと、僕の1年目は基本給に住宅手当などが少し乗って、賞与が2ヶ月分ほど。全部合わせて年収は約380万円でした。
正直に言うと、これは世間の統計平均(1年目で約420万円)より少し低めの数字です。地方の内科門前の調剤薬局という、僕の職場の条件もあったと思います。
だからもしあなたの数字が420万円より下でも、落ち込む必要はまったくありません。僕の380万円という実額は、あくまで一人の薬剤師の地方調剤の事例。
あなたの職場の事情とは別の話です。平均はあくまで真ん中の目安、と割り切ってください。
そして10年たった今だから言えるのは、給料の額そのものより、これからどう伸びるか・どんな職場かのほうが100倍大事だったということ。
僕はこのあと年収に釣られて職場選びで大失敗するんですが、それはまた別の記事で。1年目は数字に一喜一憂しすぎないでいいんです。
じゃあ数字より何を大事にすればいいの?という話ですが、僕の場合は1年目に立てた目標を月別に振り返った記事で、給料以外に何を積み上げたかを書いています。年収に焦ってる人ほど、こっちを先に読んでおくと気がラクになるはず。
僕の経歴はこちらに詳しく書いています。



初任給の額に焦ったのは僕だけじゃないはず。あの感覚、今でもよく覚えています。
要注意|薬剤師2年目に手取りが減る住民税の落とし穴
最後に、1年目のうちに知っておいてほしい大事な話をします。それは2年目に入ると手取りがむしろ減ったように感じること。
「昇給したはずなのに、なんで?」と毎年たくさんの新人が驚くポイントです。
理由は住民税です。住民税は前年の所得をもとに計算されて、翌年の6月から天引きが始まります。
つまり1年目はまだ住民税が引かれていないので、手取りが少し多めに出ているんですね。
それが2年目の6月から急に引かれ始めるので、わずかな昇給分が打ち消されて、手取りが横ばいか少し減ったように見えるわけです。
金額にすると、月に1万円前後が新しく引かれるイメージ。これは誰のせいでもなく、働き始めた全員が必ず通る仕組みです。
あなたの薬局がケチなわけでも、評価が低いわけでもありません。あらかじめ知っておけば、明細を見て「減った…」と落ち込まずにすみます。
とはいえ、ここで悲観しなくて大丈夫。薬剤師の給料は、経験を積んで職場を選び直していけば着実に上げていけます。
僕自身、1年目の380万円から、いくつかの失敗を経て今は年収を130万円以上伸ばせました。1年目はまず仕事を覚えること、お金の話はそのあとでゆっくり考えれば十分です。
この380万円が10年でどこまで伸びたのかは、薬剤師10年目の給料の明細で公開しています。先の見通しが立つと、今の不安は少し軽くなりますよ。
もしこの先「給料を上げたい」と思ったとき、職場選びで失敗しないために、僕が実際に5社使って比べたエージェントの選び方をまとめてあります。
1年目の今すぐ動く必要はありませんが、知っておくだけで将来の選択肢が広がります。
薬剤師1年目の給料・年収でよくある質問
1年目の給料まわりで、新人からよく聞かれる質問をまとめておきます。気になるところだけ開いて読んでください。
- 薬剤師1年目の手取りはいくらが普通ですか?
5月以降で月22〜23万円あたりが一般的です。額面29万円前後から社会保険料と税金で6万円ほど引かれるイメージ。僕の1年目もちょうどこのくらいでした。
- 1年目の年収が350万円台でも低すぎませんか?
低くないです。1年目は350〜420万円が平均ゾーンなので、その中なら妥当。僕も380万円スタートでした。賞与がフルで出る2年目から自然に上がっていきます。
- なぜ4月より5月のほうが手取りが減るんですか?
社会保険料が翌月控除だからです。4月の保険料は5月の給料から引かれ始めるので、4月だけ手取りが多めに出ます。本当の手取りは5月以降の数字で見てください。
- 1年目の夏ボーナスはどのくらい出ますか?
夏は寸志の2〜3万円か、支給なしの職場が多いです。査定期間にほとんど在籍していないからで、まとまった額が出るのは冬から。僕の1年目もそうでした。
- 勤務先で初任給はどれくらい変わりますか?
けっこう変わります。高めなのはドラッグストア、中くらいが調剤薬局、低めが病院という傾向。ただ給料が高い職場ほど拘束時間や負担も大きいので、金額だけで決めないほうがいいです。
- 2年目に手取りが減ったと感じるのはなぜですか?
住民税のせいです。前年の所得をもとに2年目の6月から天引きが始まるので、月1万円前後が新しく引かれます。昇給分が打ち消されて減ったように見えるだけで、誰のせいでもありません。
- 奨学金の返済があっても1年目の給料でやっていけますか?
正直カツカツになりがちです。返済が月2.5万円前後だと手取り22万円から差し引かれるので。1年目は毎月の手取りだけで回る固定費にして、ボーナスは返済や貯金に回すと安定します。
- 同期と給料が数十万円ちがいます。評価が低いんでしょうか?
たいていは勤務先のタイプの差で、あなたの評価とは別の話です。ドラッグストアと病院では年収帯がそもそも違うので、同期比較はあまり気にしなくて大丈夫です。
- 1年目から給料の高い職場に転職したほうがいいですか?
急がなくていいと思います。1年目はまず仕事を覚えるのが優先で、僕も年収に釣られて職場選びで失敗しました。動くなら情報を集めておく程度で十分です。
- 給料を上げたいとき、何から始めればいいですか?
まずは相場と求人の情報集めからで十分です。僕は5社のエージェントを使い比べて、職場見学や内部情報を出してくれるところが役立ちました。担当との相性差は大きいので、合わなければ変えてもらうのがコツです。
まとめ|薬剤師1年目の給料・年収は平均ゾーンなら心配いらない
薬剤師1年目の給料・年収を、もう一度コンパクトに整理しておきます。手取り22〜23万円・年収350〜420万円のゾーンに入っていれば、あなたの数字はごく普通です。
額面と手取りの差や、2年目の住民税の仕組みを知っておけば、明細を見て無駄に焦ることもなくなります。
- 手取りは月22〜23万円が普通
- 年収350〜420万円なら妥当
- 額面の14%は社会保険料で消える
- 1年目の夏ボーナスは寸志が普通
- 2年目は住民税で手取り減
1年目は数字よりも、目の前の仕事を一つずつ覚えていくのが何より大事な時期です。
お金の不安が少しでも軽くなって、明日からの仕事に集中できたなら、この記事を書いた甲斐があります。あなたの1年目を、心から応援しています。
そして数年後、もし「そろそろ給料を上げたい」と思う日が来たら、僕が遠回りしたぶん職場選びの判断材料は転職エージェント5社を使い比べた体験まとめに全部置いておきました。急がなくていいので、そのとき思い出してもらえれば十分です。



