薬剤師2年目の年収は、厚生労働省の統計でみると約493万円が目安です(経験1〜4年・残業代を除く)。1年目の約409万円から大きく上がるのは、主に賞与がそろうためです。
一方で、基本給の昇給は小さい職場が多く、6月からは住民税の天引きも始まります。「年収は上がったのに、毎月の手取りは減った」と感じやすいのが2年目です。
地方の内科門前の調剤薬局にいた僕の2年目は、約395万円でした。昇給は1回あたり月5千〜1万円ほどです。この記事では、統計の平均と僕の実額を分けて並べ、昇給額の相場と手取りが減る仕組みを数字で整理します。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師2年目の平均年収は統計で約493万円
数字の出どころは、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査(職種・年齢階級・経験年数階級別)です。薬剤師の欄を経験年数ごとに見ると、次のようになります。
| 経験年数 | 月の給与 | 賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 0年 | 32.8万 | 15.7万 | 約409万 |
| 1〜4年 | 35.1万 | 71.9万 | 約493万 |
| 5〜9年 | 39.3万 | 82.8万 | 約555万 |
2年目は「経験1〜4年」の区分に入ります。表で目立つのは、月の給与より賞与の差です。0年の賞与15.7万円に対して、1〜4年は71.9万円あります。
1年目の夏の賞与は、在籍期間が短く少額になりやすいものです。2年目は賞与の算定期間がそろうので、年収の伸びの多くは基本給ではなく賞与から来ます。
読むときの注意が2つあります。
- 残業代は含まれていない
- 2年目〜5年目がまとめて入る
所定内給与は、毎月決まって出る給与から残業代などを引いた額です。区分には5年目まで入るので、2年目だけで見ればこれより少し低めに出ると考えてください。
勤め先の規模で変わる年収
同じ調査は企業の規模別にも集計しています。薬剤師・経験1〜4年を規模で分けると、こうなります。
| 企業規模 | 年収の目安 |
|---|---|
| 10〜99人 | 約432万 |
| 100〜999人 | 約492万 |
| 1,000人以上 | 約507万 |
小さい会社の区分は、大きい会社より60〜70万円ほど低く出ています。人数の少ない区分は年によって数字がぶれやすいので、傾向として見てください。
この調査には「調剤薬局」「ドラッグストア」「病院」といった業態の区分がありません。ドラッグストア併設の職場は提示額が高めになりやすいですが、僕が28歳で移ったDS併設の調剤Bは、年収550万円の代わりに月の残業が45時間ありました。額面だけで比べないほうがいいと思います。
額面から手取りがいくらになるかは、薬剤師の手取り早見表で年収ごとに出しています。
僕の薬剤師2年目は年収約395万円だった(調剤薬局Aの実額)
ここからは統計ではなく、僕個人の実額です。24歳で新卒入社したのは、地方にある内科クリニックの門前の調剤薬局Aでした。
| 年次 | 僕の年収 | 前年から |
|---|---|---|
| 1年目 | 約380万 | - |
| 2年目 | 約395万 | +15万 |
| 3年目 | 約405万 | +10万 |
| 4年目 | 約420万 | +15万 |
基本給の昇給は、1回あたり月5千〜1万円ほどでした。年に直すと6〜12万円です。1年目から2年目で年収が15万円増えていても、毎月の給与明細で見える変化はこの程度でした。
統計の約493万円と比べると、100万円近く低い位置です。地方の門前薬局で、もともとの給与水準が高くなかったのが大きいと思います。
2年目になると、調剤も監査も投薬も一通り回せるようになります。仕事に慣れて任される量は増えたのに、給料はほぼ横ばい。「できることは増えたのに、給料は置いていかれる」感覚が、この頃から続いていました。
管理薬剤師たろう2年目の僕は「薬剤師の給料ってこんなものか」と思っていました。職場ごとの給与レンジの差を知ったのは、ずっと後です。
給料が横ばいだった2年目に何を意識していたかは、薬剤師2年目の目標に書きました。3年目・4年目の実額は、それぞれ別の記事にまとめています。
薬剤師の昇給額はいくらが普通か
「月5千円の昇給は少なすぎるのか」を、公的な数字で確かめます。薬剤師だけの昇給額を出している統計はないので、2つの資料から見ていきます。
業種別の賃上げ額
厚生労働省の令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査では、1人平均の賃金の改定額(月額)がこう出ています。
- 全体:13,601円
- 卸売業,小売業:12,183円
- 医療,福祉:5,589円
対象は常用労働者100人以上の民間企業で、定期昇給とベースアップの両方を含みます。薬剤師以外の職種も入った数字なので、目安として見てください。病院は「医療,福祉」に入り、この業種の改定額は全体の半分以下です。
経験年数ごとの給与の差
もう一つは、さきほどの賃金構造基本統計調査の表です。薬剤師の月の給与は、経験0年32.8万円、1〜4年35.1万円、5〜9年39.3万円でした。
区分の真ん中どうしで差をとると、経験1年あたり月1万円前後ずつ上がっている計算になります。同じ人を追いかけた数字ではないので、あくまでざっくりした比較です。
2つを合わせると、1回あたり月5千〜1万円の昇給は、珍しく低い額ではないと言えそうです。月5千円だと低めの側ではあります。
自分の職場で今後どこまで上がるかは、次の3つで見当がつきます。
- 給与規程の昇給幅
- 賞与が何か月分か
- 役職手当の有無と額
僕の今の職場では、管理薬剤師手当が月3〜5万円つきます。昇給の数年分が一度に乗る額なので、役職の枠があるかどうかは大きいです。昇給が止まったときの考え方は、薬剤師が昇給しないのは普通かで詳しく書いています。
薬剤師2年目の手取りが6月から減る理由は住民税
2年目の6月の明細で「昇給したのに手取りが減った」と気づく人は多いと思います。原因はほぼ住民税です。薬局がケチなわけでも、評価が下がったわけでもありません。
住民税は前年の所得にかかる
住民税の所得割は、前年1月〜12月の所得をもとに計算されます。会社員は、その税額を6月から翌年5月までの12回に分けて給与から天引きされます(東京都主税局「個人住民税」)。
学生だった前年は、給与所得がほとんどありません。だから1年目は、住民税がほぼ引かれないまま1年が過ぎます。
2年目の税額は9か月分
2年目の6月から引かれるのは、1年目の暦年、つまり4月〜12月の9か月分の給与にかかる住民税です。
1年目の1〜3月はまだ学生なので、この年の所得は1年分より少なくなります。そのぶん、2年目に引かれる住民税はまだ小さめです。
手取りは月いくら減る?
住民税の所得割は税率10%、均等割は年4,000円、2024年度からは森林環境税1,000円が一緒に課税されます(総務省「個人住民税」)。これをもとに、ざっくり試算します。
前提は、1年目の4〜12月の給与と賞与の合計が300万円、扶養なし、社会保険料を収入の約15%とした場合です。
- 給与所得:約202万円
- 控除後の所得:約114万円
- 住民税:年約11.7万円
- 月あたり:約1万円
給与所得は、収入から給与所得控除(300万円なら98万円)を引いた額です。そこから社会保険料45万円と住民税の基礎控除43万円を引き、10%を掛けて調整控除と均等割を加減しています。
昇給が月5千〜1万円なら、住民税の約1万円でほぼ相殺されます。昇給したのに手取りが同じか少し減るのは、この組み合わせのせいです。



昇給したのに、手取りは増えないんですか…?
そうなんです。金額は住んでいる自治体や控除で前後するので、正確な額は5〜6月ごろに会社経由で届く「特別徴収税額の決定通知書」で確かめてください。
3年目の6月にもう一度増える
見落としやすいのがここです。3年目の6月からは、2年目の1月〜12月、つまり丸1年分の所得に住民税がかかります。
同じ前提で年収400万円として試算すると、住民税は年約17.6万円、月約1.5万円です。2年目より月5千円ほど天引きが増える計算になります。
2年目と3年目の6月は、昇給分が住民税の増加で消えやすい時期です。家計を組むときは、この2回の増加を見込んでおくと慌てずに済みます。
薬剤師2年目で転職を考えたときの見極め方
給料が上がらないと、転職が頭をよぎる時期だと思います。先に僕の考えを書くと、給料だけが理由なら、2年目で急いで動かなくていいです。
理由は2つあります。2年目の手取り減は住民税の仕組みによるもので、職場を変えても同じように引かれます。もう一つは、在籍が短いと面接で確かめられることが増える点です。
僕は今、管理薬剤師として採用の一次面接もしています。面接する側からすると、在籍が2年に満たない人には、辞める理由と次は続けられるかをどうしても聞きたくなります。
僕自身、焦って決めた転職で失敗しています。30歳のとき、DSを早く抜けたい一心で移った調剤薬局Cを2ヶ月で辞めました。職場見学を自分から断っていたのが原因です。2回の失敗の経緯は自己紹介の記事に書いています。
ただし、給料以外で次のような状態なら、情報集めだけは早めに始めて損はないと思います。
- 人間関係で心身がしんどい
- 残業が多くて体を壊しそう
- 統計より大幅に低い
- 数年いても上がる見込みがない
動くと決めた場合も、賞与の在籍条件は先に確かめてください。支給日に在籍していることを条件にしている会社があります。退職日を決める前に、就業規則や給与規程で支給日と条件を見ておくと損をしにくいです。
今の職場が地方の中小薬局で、統計より大きく低いと感じているなら、まず相場を知るところからで十分です。たとえばファゲット薬剤師は、公式サイトで「中小調剤薬局の求人・病院薬剤師の求人に強く」と案内している転職サービスです。僕自身は使っていませんが、相談は無料と書かれています。
ほかのサービスとの違いは、薬剤師転職エージェントのおすすめ比較で並べています。
薬剤師2年目の年収・給料でよくある質問
- 薬剤師2年目の年収は平均でいくらですか?
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査で、薬剤師・経験1〜4年は月の所定内給与35.1万円、賞与71.9万円です。年収にすると約493万円で、残業代は含みません。
- 1年目より年収が上がるのはなぜですか?
主に賞与です。1年目は在籍期間が短く賞与が少なめですが、2年目は算定期間がそろいます。統計でも賞与は経験0年の15.7万円から、1〜4年で71.9万円に増えています。
- 2年目の昇給が月5千円なのは普通ですか?
低めの側ですが、珍しい額ではないと思います。令和7年の厚労省調査で、医療,福祉の1人平均の賃金改定額は月5,589円でした。僕の調剤薬局Aでも、1回あたり月5千〜1万円でした。
- 昇給したのに手取りが減ったのはなぜですか?
2年目の6月から住民税の天引きが始まるからです。住民税は前年の所得にかかるので、1年目はほぼ引かれていません。昇給額より住民税が大きいと、手取りが減ります。
- 住民税で手取りは月いくらくらい減りますか?
1年目の4〜12月の収入が300万円なら、試算で月1万円前後です。自治体や控除で前後するので、会社経由で届く特別徴収税額の決定通知書で確かめてください。
- 3年目になると手取りは戻りますか?
3年目の6月からは、2年目の丸1年分の所得に住民税がかかります。年収400万円の試算で月1.5万円ほどになり、2年目より月5千円ほど天引きが増えます。
- 自分の年収が平均より低いのですが大丈夫ですか?
統計の約493万円は2〜5年目をまとめた数字で、規模の小さい会社では約432万円と低めに出ます。僕の2年目も約395万円でした。額そのものより、今の職場でこの先どこまで上がるかを見てください。
- 2年目で転職するのはアリですか?
給料だけが理由なら、急がなくていいと思います。手取りの減少は住民税の仕組みで、職場を変えても同じです。心身がつらい、統計より大幅に低いといった事情があるなら、情報集めは早めに始めて損はありません。
- 今の職場で年収を上げる方法はありますか?
給与規程の昇給幅、賞与の月数、役職手当の3つを確かめると見通しが立ちます。僕の今の職場では、管理薬剤師手当が月3〜5万円つきます。
薬剤師2年目の年収についてのまとめ
薬剤師2年目の年収は、統計で約493万円(経験1〜4年・残業代を除く)が目安です。1年目より上がるのは主に賞与で、基本給の昇給は1回あたり月5千〜1万円ほどの職場が多いと思います。
- 統計の目安は約493万円
- 僕の実額は約395万円だった
- 昇給は月5千〜1万円が目安
- 6月から手取りが月1万円減
- 3年目の6月にもう一度増える
手取りが減ったのは、評価のせいではなく住民税の仕組みです。見るべきなのは今の額より、給与規程や役職手当から分かる「この先どこまで上がるか」です。
僕はAで4年働いて420万円になり、28歳で職場を変えました。そこから2回失敗して、30歳の3回目の転職で今の610万円になっています。年次ごとの年収は薬剤師10年目の給料・年収まで続けて書いているので、先の見通しを立てる材料にしてください。
転職で年収を上げるときにどのサービスを選ぶかは、薬剤師転職エージェントのおすすめ比較にまとめています。



