薬剤師1年目の給料は、厚生労働省の統計で月約32.8万円が目安です(経験0年・残業代を除く)。
手取りは、額面30万円なら5月以降で約25万円です。2026年度の保険料率で僕が試算した数字で、4月の初任給だけは約29万円と多めに出ます。
ちなみに、地方の内科門前の調剤薬局に入った僕の1年目は、年収約380万円でした。この記事では統計と僕の実額を分けて並べ、明細で何が引かれるのか、2年目に手取りが減る理由まで数字で整理します。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
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「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師1年目の給料は統計で月約32.8万円
数字の出どころは、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査(職種・年齢階級・経験年数階級別)です。薬剤師で経験0年の人を見ると、次のようになります。
| 区分 | 月の給与 | ×12か月 |
|---|---|---|
| 経験0年(全年齢) | 32.8万 | 約393万 |
| 経験0年・20〜24歳 | 32.2万 | 約386万 |
この「月の給与」は、残業代を除いた毎月決まって出る額です。通勤手当や資格手当などの手当は含まれます。明細でいう「総支給額(額面)」に近い数字で、手取りではありません。
年収は、この月給×12か月に賞与を足した額になります。ただ、統計の賞与の欄は「前の年1年間に支給された額」です。経験0年の人は前年に働いていないので、1年目の賞与は表から読めません。
そのため1年目の年収は、月給×12か月+自分の職場の1年目の賞与で見積もるのが確実です。賞与が少なめに出る理由はボーナスの章で説明します。
同じ調査で経験1〜4年になると、賞与を含めた年収の目安は約493万円です。2年目以降の数字は薬剤師3年目の年収の記事で並べています。
薬剤師1年目の手取りは額面30万円で約25万円(試算)
初めての給与明細で「思ったより少ない」と感じた人向けに、引かれているお金の中身を分解します。数字はすべて試算で、条件は次のとおりです。
- 額面(総支給)30万円
- 扶養する家族なし・20代
- 協会けんぽの全国平均の料率
明細から引かれる5つの項目
額面から手取りまで減るのは、社会保険料と税金が給料から天引きされるからです。1年目の明細で引かれるのは、次の5つです。
- 健康保険料
- 子ども・子育て支援金
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 所得税
いちばん大きいのは厚生年金で、料率18.3%を会社と折半した9.15%が本人の負担です。子ども・子育て支援金は2026年4月分から始まった新しい項目で、健康保険料と一緒に引かれます。40歳からは介護保険料も加わりますが、1年目の人にはまだ関係ありません。
料率の出典は、協会けんぽ「令和8年度保険料率のお知らせ」(健康保険の全国平均9.9%・子ども・子育て支援金0.23%)、日本年金機構の保険料額表、厚生労働省の令和8年度雇用保険料率(本人負担0.5%)です。大手チェーンなどで会社独自の健康保険組合に入る場合は、料率が少し変わります。
額面30万円の手取り試算
5月以降の、社会保険料がすべてそろった月の試算です。自分の明細と見比べる目安にしてください。
| 項目 | 金額(試算) |
|---|---|
| 額面 | 300,000円 |
| 健康保険 | −14,850円 |
| 子ども・子育て支援金 | −345円 |
| 厚生年金 | −27,450円 |
| 雇用保険 | −1,500円 |
| 所得税 | −6,320円 |
| 手取り | 約249,500円 |
額面の約17%が引かれ、手取りは額面の8割強になります。所得税は国税庁の源泉徴収税額表で、社会保険料を引いたあとの金額から決まります。
この表には住民税が入っていません。1年目はまだ住民税がかからないので、この手取りはむしろ多めに出ている時期です。2年目に何が起きるかは住民税の章で説明します。
額面が30万円以外の人や、年収ごとの手取りを見たい人は、薬剤師の手取り早見表にまとめています。
初任給だけ手取りが多い理由
意外と知られていませんが、4月の初任給だけは手取りが多めに出ます。社会保険料は前の月の分を今月の給料から引くのが原則で、4月分の健康保険と厚生年金は5月の給料から引かれ始めるからです。
同じ額面30万円で試算すると、4月に引かれるのは雇用保険1,500円と所得税7,820円だけです。手取りは約29万円になります。
5月からは社会保険料がそろうので、手取りは約25万円に下がります。4月の手取りを基準に家賃や固定費を決めると、5月に約4万円足りなくなります。本当の手取りは5月以降の数字で見てください。
なお、給料の締め日と支払日は職場によって違います。翌月払いの職場だと、4月には給料が出ず、最初の給料日が5月になることもあります。入社前に一度確かめておくと、引っ越し費用などの計画が立てやすいです。
管理薬剤師たろう明細の「総支給額」ではなく「差引支給額」が、口座に入る本当の手取りです。
薬剤師1年目の給料は勤め先の規模や手当で変わる
同じ1年目でも、同期と月に数万円違うのは珍しくありません。差が出るのは、主に会社の給与水準と、月給に何が含まれているかです。
会社の規模別の月の給与
同じ統計を企業規模で分けると、薬剤師・経験0年の月の給与はこうなります。
| 企業規模 | 月の給与 |
|---|---|
| 10〜99人 | 31.0万 |
| 100〜999人 | 36.9万 |
| 1,000人以上 | 31.8万 |
「大きい会社ほど高い」とは限らず、1年目は中規模の区分がいちばん高く出ています。ただ、経験0年は人数が少なく、年によって数字がぶれやすい区分です。傾向として見てください。
この調査には「調剤薬局」「ドラッグストア」「病院」といった業態の区分がありません。業態ごとの給料の違いは、薬剤師の転職の基本で働き方と合わせて整理しています。
月給に含まれる手当を見る
同期と比べるときは、額面の合計より内訳を見るほうが正確です。月給が高く見えても、中身が違うことがあります。
- 基本給
- 薬剤師手当・資格手当
- 住宅手当・地域手当
- 固定残業代の有無
賞与や昇給は基本給をもとに計算する会社が多いので、手当が厚くて基本給が低いと、賞与は思ったより増えません。固定残業代が入っている月給は、一定時間分の残業代が先に含まれている額です。
僕は今、管理薬剤師として欠員募集の一次面接もしています。うちの会社では求人原稿を作るのは本部で、店からは欠員の理由や勤務時間帯を上げるだけです。内訳や残業の実態は、給与規程や面接で直接確かめるのがいちばん確実です。
薬剤師1年目のボーナスは夏が少ない理由
年収で見落としやすいのがボーナスです。1年目の夏のボーナスは、少額か支給なしの職場が多いと考えておくと安全です。
賞与は、決められた査定期間の働きに対して支払われるのが一般的です。4月入社だと夏の査定期間にほとんど在籍していないので、寸志程度になりやすいです。まとまった額が出始めるのは、半年以上働いたあとの冬からという職場が多いと思います。
求人票に「賞与年◯か月」とあっても、1年目からその月数どおりに出るとは限りません。1年目の扱いは会社ごとに違うので、給与規程や内定時の説明で確かめてください。
そのため1年目の年収は、賞与がそろう2年目より低く出るのが普通です。2年目に年収が上がって見えるのは、昇給よりも賞与が満額に近づく影響が大きいです。
もう一つ気をつけたいのが奨学金の返済です。6年制の薬学部は学費がかさみ、僕も奨学金を借りていました。ボーナスをあてにして固定費を組むと、夏に寸志しか出なかったときに一気に苦しくなります。
1年目は、毎月の手取りから返済を引いた額で生活が回るように固定費を決めておくと安心です。賞与は返済の前倒しや貯金に回すくらいの気持ちでいると、家計が崩れにくくなります。
僕の薬剤師1年目は年収約380万円だった(調剤薬局Aの実額)
ここからは統計ではなく、僕個人の実額です。24歳で薬学部を卒業し、新卒で入ったのは地方にある内科クリニックの門前の調剤薬局Aでした。
| 年次 | 僕の年収 | 前年から |
|---|---|---|
| 1年目 | 約380万 | - |
| 2年目 | 約395万 | +15万 |
| 3年目 | 約405万 | +10万 |
| 4年目 | 約420万 | +15万 |
1年目の約380万円は、賞与を含めた年収です。統計の月給32.8万円を12か月分にしただけで約393万円なので、僕の1年目は統計より低めでした。地方の門前薬局で、もともとの給与水準が高くなかったのが大きいと思います。
だから、あなたの数字が統計より低くても、それだけで落ち込む必要はありません。1年目の差は、本人の評価より職場の給与水準で決まる部分が大きいからです。
気にしてほしいのは、今の額より伸び方です。僕のAでは、基本給の昇給が1回あたり月5千〜1万円ほどで、4年目でも420万円でした。1年目の額より、この先どれだけ上がる職場かのほうが、あとで効いてきます。
僕はそのあと、年収に釣られた転職と焦った転職で2回失敗しています。3回目の転職で今の職場に移り、初年度は610万円になりました。その経緯は自己紹介の記事に全部書いています。
年次ごとの実額と、そのころ考えていたことは、次の記事に続けて書いています。
薬剤師2年目に手取りが減る住民税の仕組み
1年目のうちに知っておいてほしいのが、2年目の6月から手取りが減ったように見えることです。昇給したのに減った、と驚く人が多いポイントです。
理由は住民税です。住民税は前の年(1〜12月)の所得をもとに計算され、翌年の6月から給料で引かれ始めます。学生時代のアルバイト収入が少なければ、1年目はまだ住民税がかかりません。
額面30万円の条件で、1年目の4〜12月の給料だけをもとに試算すると、住民税は年10万円ほど、月9千円前後です。冬の賞与が出ていれば、そのぶん上乗せされます。わずかな昇給分がこれで打ち消され、手取りが横ばいか少し減ったように見えるわけです。
見落としやすいのが、3年目の6月にも住民税がもう一段上がることです。2年目の住民税は4月入社の9か月分の給料がもとですが、3年目は1年分の給料と賞与がもとになるからです。
どちらも働き始めた人が通る仕組みで、職場が損をさせているわけではありません。あらかじめ知っておけば、明細を見て慌てずにすみます。
薬剤師1年目で給料が低いと感じたときに確かめること
統計より低い、同期より少ないと感じたら、辞めるかどうかを決める前に、今の職場の見通しを確かめるのが先です。給与規程を見るか、上司や人事に聞けば分かることばかりです。
- 1回の昇給の幅
- 2年目以降の賞与の月数
- 管理薬剤師などの役職手当
この3つが分かれば、数年後の年収がおおよそ見えます。1年目の額が低めでも、昇給と賞与がしっかりしている職場なら、あせって動く理由は小さくなります。
1年目は、まず仕事を覚えるのが先だと僕は思います。僕は年収という数字だけで職場を選び、残業45時間の職場で消耗しました。1年目の目標の立て方は薬剤師1年目の目標の決め方にまとめています。
ただ、確かめた結果「この職場では先が見えない」と感じたなら、今すぐ動かなくても、ほかの職場の給与水準を知っておくのは悪くありません。たとえばファゲット薬剤師は、公式サイトで中小の調剤薬局や病院の求人に強いと案内している転職サービスです。僕自身は使っていませんが、相談は無料と書かれています。
ほかのサービスとの違いは、転職エージェントの比較記事で並べています。
薬剤師1年目の給料・年収でよくある質問
- 薬剤師1年目の給料の平均はいくらですか?
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査で、薬剤師・経験0年の月の所定内給与は約32.8万円です。残業代は含まず、12か月分で約393万円になります。これに職場ごとの1年目の賞与が加わります。
- 薬剤師1年目の手取りはいくらですか?
額面30万円・扶養なしで試算すると、5月以降は約25万円です。社会保険料と所得税で額面の約17%が引かれます。4月だけは社会保険料が引かれないので、約29万円と多めに出ます。
- 1年目の年収が380万円前後だと低すぎますか?
統計よりは低めですが、珍しい額ではないと思います。僕の1年目も地方の調剤薬局で約380万円でした。1年目は賞与が少なく出やすいので、2年目以降の昇給と賞与の見通しで判断するのがおすすめです。
- なぜ4月より5月のほうが手取りが減るんですか?
社会保険料は前の月の分を今月の給料から引くのが原則だからです。4月分の健康保険と厚生年金は5月の給料から引かれ始めます。本当の手取りは5月以降の数字で見てください。
- 1年目の夏ボーナスはどのくらい出ますか?
寸志程度か、支給なしの職場が多いです。4月入社だと夏の査定期間にほとんど在籍していないためです。1年目の扱いは会社ごとに違うので、給与規程で確かめてください。
- 同期と給料が違います。評価が低いんでしょうか?
1年目の差は、会社の給与水準や手当の内訳によることが多いです。基本給・薬剤師手当・住宅手当・固定残業代の有無を分けて比べると、差の理由が見えてきます。
- 2年目に手取りが減ったと感じるのはなぜですか?
2年目の6月から住民税の天引きが始まるからです。額面30万円の試算では月9千円前後です。3年目の6月には、1年分の給料と賞与をもとにした住民税になり、もう一段上がります。
- 奨学金の返済があっても1年目の給料でやっていけますか?
返済額しだいですが、1年目は賞与が少ないので余裕は小さめです。毎月の手取りから返済を引いた額で生活が回るように固定費を決め、賞与は返済の前倒しや貯金に回すと安定します。
- 1年目から給料の高い職場に転職したほうがいいですか?
急がなくていいと思います。まず今の職場の昇給幅・賞与の月数・役職手当を確かめると、数年後の年収が見えます。僕は年収だけで職場を選んで失敗したので、動くなら情報を集めるところからで十分です。
薬剤師1年目の給料・年収についてのまとめ
- 統計の月給は約32.8万円
- 額面30万なら手取り約25万
- 4月の手取りは基準にしない
- 夏のボーナスは少なめ
- 住民税は2年目・3年目に増える
1年目の給料は、統計で月約32.8万円、額面30万円なら手取りは約25万円が目安です。地方の調剤薬局だった僕の1年目は、年収約380万円でした。
額そのものより大事なのは、この先どこまで伸びる職場かです。昇給の幅と賞与の月数を一度確かめておくと、2年目以降の見通しが立ちます。
いつか給料を上げたいと思ったときの職場選びの材料は、薬剤師転職エージェントのおすすめ比較にまとめています。



