薬剤師3年目の年収は、厚生労働省の統計でみると約493万円が目安です(経験1〜4年・残業代を除く)。
ただ、これは全国をならした数字です。地方の内科門前の調剤薬局にいた僕の3年目は、約405万円でした。統計より90万円近く低い計算です。
この記事では、統計の平均と僕の実額を分けて並べます。そのうえで「同じ職場にいたらどこまで伸びるか」と「上げるなら何をするか」を数字で整理します。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師3年目の平均年収は統計で約493万円
数字の出どころは、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査(職種・年齢階級・経験年数階級別)です。薬剤師の欄を経験年数ごとに見ると、次のようになります。
| 経験年数 | 月の給与 | 賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 0年 | 32.8万 | 15.7万 | 約409万 |
| 1〜4年 | 35.1万 | 71.9万 | 約493万 |
| 5〜9年 | 39.3万 | 82.8万 | 約555万 |
3年目は「経験1〜4年」の区分に入ります。年齢を25〜29歳に絞ると、同じ経験1〜4年で約480万円です。
読むときの注意が2つあります。
- 残業代は含まれていない
- 2年目〜5年目がまとめて入る
所定内給与は、毎月決まって出る給与から残業代などを引いた額です。残業の多い職場なら、実際の年収はこれより上に出ます。
また、1年目は賞与の算定期間が短いことが多く、表でも賞与が少なく出ています。3年目は賞与がそろい、1年目より年収が大きく上がって見える時期です。
額面から手取りがいくらになるかは、薬剤師の手取り早見表で年収ごとに出しています。
薬剤師3年目の年収は勤め先の規模で差が出る
同じ調査は、企業の規模別にも集計しています。薬剤師・経験1〜4年を規模で分けると、こうなります。
| 企業規模 | 年収の目安 |
|---|---|
| 10〜99人 | 約432万 |
| 100〜999人 | 約492万 |
| 1,000人以上 | 約507万 |
小さい会社の区分は、大きい会社より60〜70万円ほど低く出ています。人数の少ない区分は年によって数字がぶれやすいので、傾向として見てください。
この調査には「調剤薬局」「ドラッグストア」「病院」といった業態の区分がありません。業態でどう違うかは、僕の年収の動きが一つの材料になると思います。
- 調剤薬局A(3年目):405万
- DS併設調剤B(28歳):550万
- 調剤薬局D(初年度):610万
Bは年収が一気に上がった代わりに、月の残業が45時間ありました。Dは今の職場で、年収交渉を経ての金額です。年次が違うので単純には比べられませんが、同じ調剤薬局でも職場によって給与レンジはこれだけ違います。
業態別や地域別の相場をもっと広く見たい人は、薬剤師の年収完全ガイドにまとめています。
管理薬剤師たろう平均より低くても、原因は本人より職場の給与レンジにあることが多いです。まず自分の職場がどの位置か見てみてください。
薬剤師3年目の年収は同世代より低いのか
「同い年の会社員と比べてどうなのか」も気になるところだと思います。同じ調査の月の所定内給与で比べると、差ははっきりしています。
- 薬剤師25〜29歳:33.9万円
- 全労働者25〜29歳:26.7万円
全労働者の数字は、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査の概況(性、年齢階級別賃金)の男女計です。月7万円ほど、薬剤師のほうが高いことになります。
それでも3年目で「安い」と感じるのは、額そのものより伸び方のせいだと思います。6年制で社会に出るのが2年遅く、僕のように奨学金を返しながらの人もいます。そこへ昇給が小さいと、先が見えない感じが強くなります。
比べるなら、今の額よりも「この先どう伸びるか」です。それを次の2章で見ていきます。
僕の薬剤師3年目は405万円だった(調剤薬局Aの実額)
ここからは統計ではなく、僕個人の実額です。新卒で入ったのは、地方にある内科クリニックの門前の調剤薬局Aでした。
| 年次 | 僕の年収 | 前年から |
|---|---|---|
| 1年目 | 約380万 | - |
| 2年目 | 約395万 | +15万 |
| 3年目 | 約405万 | +10万 |
| 4年目 | 約420万 | +15万 |
基本給の昇給は、1回あたり月5千〜1万円ほどでした。年収にすると、毎年10〜15万円ずつしか増えていません。
統計の約493万円と比べると、3年目で90万円近く低い位置です。地方の門前薬局で、もともとの給与水準が高くなかったのが大きいと思います。
3年目にもなると、処方箋も一通り回せて、仕事には慣れてきます。それなのに給料の上がり方は変わらない。「できることは増えたのに、給料だけ置いていかれる」感覚が、3年目の僕にはいちばん重かったです。
2年目と4年目の実額と、そのころ考えていたことは、それぞれ別の記事に書いています。Aを出たあとの転職で2回失敗した話は、自己紹介の記事に全部書きました。
薬剤師3年目から同じ職場にいたら年収はどこまで伸びるか
僕は28歳でAを辞めたので、ここから先は試算です。4年目の420万円から、毎年10〜15万円ずつ増え続けたと仮定します。
- 5年目:430〜435万
- 7年目:450〜465万
- 10年目:480〜510万
統計では経験5〜9年で約555万円です。同じペースのままだと、10年目でも統計の5〜9年目に届かない計算になります。
もちろん、昇給の幅は職場によって違います。自分の職場の天井を知るには、次の3つを確かめるのが早いです。
- 給与規程の昇給幅
- 賞与が何か月分か
- 役職手当の有無と額
昇給幅と賞与の月数が毎年ほぼ同じなら、年収の伸びはこの試算と似た形になります。上に行ける道が役職しかない職場も少なくありません。
昇給が止まったときの考え方は、薬剤師が昇給しないのは普通かで詳しく書いています。



3年目で伸びの鈍さに気づけたなら、まだ選べる道は多いです。僕がはっきり頭打ちを感じたのは4年目でした。
薬剤師3年目から年収を上げる3つの道
3年目で取れる手は、大きく分けて3つです。年収の上がり幅と、引き換えになるものをセットで見てください。
今の職場で管理薬剤師を狙う
職場を変えずに上げるなら、管理薬剤師への昇格がいちばん効きます。僕の今の職場では、管理薬剤師手当が月3〜5万円つきます。年にすると36〜60万円です。
その代わり、在庫や発注の管理、シフト、本部への報告、監査や行政の対応まで背負います。枠は店舗に1人なので、先輩が長く務めている職場では順番が回ってこないこともあります。
仕事の中身は管理薬剤師の仕事内容にまとめています。
DS併設など忙しい職場に移る
ドラッグストア併設の調剤に移ると、提示される年収は上がりやすいです。僕も28歳でDS併設のBに移り、420万円から550万円になりました。
ただ、調剤に加えてOTCの接客やレジ、品出しもあり、月の残業は45時間でした。お金は増えたのに、使う時間も体力も残らない状態で、2年で離れています。年収と一緒に、残業と業務の範囲を必ず確かめてください。
転職で給与レンジを変える
いちばん大きく動くのは、給与水準の高い職場へ移ることです。昇給は職場の給与レンジの中でしか起きないので、レンジそのものを変えるしかない場面があります。
僕は3回目の転職で、今の調剤薬局Dに移りました。提示は560万円で、交渉して初年度610万円です。その前に焦って2回失敗しているので、「転職すれば上がる」と単純には言えません。交渉のやり方は薬剤師の年収交渉に書いています。
今の職場が地方の中小薬局で、統計より低いと感じているなら、まず相場を知るところからで十分です。たとえばファゲット薬剤師は、公式サイトで「中小調剤薬局の求人・病院薬剤師の求人に強く」と案内している転職サービスです。僕自身は使っていませんが、相談は無料と書かれています。
ほかのサービスとの違いは、薬剤師転職エージェントのおすすめ比較で並べています。
薬剤師3年目で転職を考えたときに確認したいこと
3年目で転職を考えるのは、早すぎることはないと思います。僕は今、管理薬剤師として採用の一次面接もしています。面接する側から見ても、3年続けた職歴は説明のいらない材料です。逆に僕は2回目の転職先を2ヶ月で辞めていて、その期間は職歴に書けませんでした。
ただ、年収だけを見て焦って動くと失敗します。僕の1回目と2回目がまさにそうでした。動く前に、次の点を確かめておくと安心です。
求人票に書かれていない3点
2ヶ月で辞めた薬局Cの求人票には、あとで読み返しても嘘は書かれていませんでした。足りなかったのは、書かれていない情報です。
- 常勤の薬剤師は何人か
- 欠員補充か増員か
- 前任者はいつ辞めたか
今は求人を出す側にもいますが、うちの会社では求人原稿を作るのは本部です。店から伝えるのは欠員の理由や勤務時間帯くらいで、上がってきた原稿を見て「うちの残業はこんなに少なくない」と思ったこともあります。年収や残業の数字は、職場見学や面接で直接確かめるのがいちばん確実です。
賞与の在籍条件と支給日
賞与は、支給日に在籍していることを条件にしている会社があります。退職日を決める前に、就業規則や給与規程で支給日と条件を確認しておくと、損をしにくいです。
3年目の今は、辞めるかどうかを決めるより、相場と求人の中身を集める段階と考えるのが現実的だと思います。僕が3年目の分かれ道で決めたことは薬剤師3年目の目標に書きました。
薬剤師3年目の年収に関するよくある質問
- 薬剤師3年目の年収の平均はいくらですか?
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査で、薬剤師・経験1〜4年は月の所定内給与35.1万円、賞与71.9万円です。年収にすると約493万円で、残業代は含みません。
- 3年目で405万円は低すぎますか?
統計の約493万円よりは低いですが、珍しい額ではないと思います。僕の3年目も405万円でした。同じ調査でも、従業員10〜99人の会社は約432万円と低めに出ています。
- 同世代の会社員と比べると高いですか?
月の所定内給与で比べると、25〜29歳の薬剤師は33.9万円、全労働者は26.7万円です。月7万円ほど薬剤師のほうが高い計算です。
- 今の職場に居続けたら、最終的にいくらになりますか?
職場の昇給幅しだいです。僕のA時代のペース(年10〜15万円増)で試算すると、10年目で480〜510万円でした。給与規程の昇給幅と賞与の月数を見ると、自分の職場の見通しが立てやすいです。
- 昇給はどのくらいが普通ですか?
会社によって違うので、一律の目安は言えません。僕の調剤薬局Aでは、基本給の昇給が1回あたり月5千〜1万円でした。
- 年収を上げるなら何から始めればいいですか?
まず今の職場の天井を確かめることです。そのうえで、管理薬剤師を狙う、忙しい職場に移る、給与水準の高い職場へ転職する、の3つを比べるのがいいと思います。
- ドラッグストアに移れば年収は上がりますか?
上がりやすいです。僕も28歳でDS併設に移って550万円になりました。ただ月の残業が45時間あったので、年収と一緒に残業と業務範囲を確かめてください。
- 3年目で転職するのは早すぎませんか?
早すぎないと思います。3年続けた職歴は、採用する側から見ても説明のいらない材料です。ただ焦って決めると失敗しやすいので、求人票に書かれていない点まで確かめてからにしてください。
- 転職してまた失敗しないか不安です。
不安になるのは自然です。僕は焦って2回失敗しました。常勤の人数、欠員か増員か、前任者がいつ辞めたかを確かめ、職場見学で空気を見てから決めると、失敗しにくくなります。
薬剤師3年目の年収についてのまとめ
薬剤師3年目の年収は、統計で約493万円(経験1〜4年・残業代を除く)が目安です。小さい会社では約432万円と低めに出ます。僕の3年目は、地方の門前薬局で約405万円でした。
額そのものより大事なのは、今の職場でこの先どこまで伸びるかです。給与規程の昇給幅、賞与の月数、役職手当を確かめると、自分の天井が見えてきます。
その天井に納得できるなら、今の職場で管理薬剤師を目指すのも一つの道です。物足りないなら、3年目の今は相場と求人の中身を集め始めるのにちょうどいい時期だと思います。
年次ごとの年収は、薬剤師10年目の給料・年収まで続けて書いています。転職で年収を上げるときにどのサービスを選ぶかは、薬剤師転職エージェントのおすすめ比較を見てください。



