薬剤師の手取りは、額面年収のおよそ73〜80%です。年収500万円なら手取りは年約393万円、年収600万円なら年約464万円になります。
ただ、毎月の口座に入る額はもっと少なく見えます。賞与がある人は、手取り年収を12で割った額より月の手取りが下がるからです。年収600万円で賞与が年87万円ほどなら、毎月の手取りは約33万円です。
この記事の数字は、2026年度の保険料率と2026年分の所得税のルールで僕が計算した試算です。僕自身の給与明細の数字ではありません。条件をそろえた早見表として、自分の額面や内定の提示額に当てはめて使ってください。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
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「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師の年収300〜900万の手取り早見表【2026年】
早見表は、次の条件で計算しています。
- 40歳未満・独身・扶養なし
- 協会けんぽ(全国平均)
- 2026年度の保険料率
- 2026年分の所得税の控除
- 賞与は年収の約14%・年2回
賞与の割合は、厚労省の令和6年賃金構造基本統計調査で薬剤師の年間賞与(約82万円)が年収(約571万円)に占める割合に合わせました。住民税は、同じ年収が前の年も続いていた場合の額です。
| 額面年収 | 手取り年収 | 毎月の手取り | 社会保険(年) | 所得税(年) | 住民税(年) |
|---|---|---|---|---|---|
| 300万 | 約241万 | 約17.0万 | 約45万 | 約3万 | 約12万 |
| 350万 | 約278万 | 約19.6万 | 約53万 | 約4万 | 約14万 |
| 400万 | 約318万 | 約22.5万 | 約58万 | 約6万 | 約18万 |
| 450万 | 約356万 | 約25.1万 | 約66万 | 約7万 | 約21万 |
| 500万 | 約393万 | 約27.7万 | 約74万 | 約9万 | 約24万 |
| 550万 | 約432万 | 約30.5万 | 約79万 | 約12万 | 約28万 |
| 600万 | 約464万 | 約32.7万 | 約90万 | 約15万 | 約31万 |
| 650万 | 約501万 | 約35.3万 | 約97万 | 約18万 | 約34万 |
| 700万 | 約531万 | 約37.4万 | 約103万 | 約28万 | 約38万 |
| 750万 | 約563万 | 約39.7万 | 約110万 | 約36万 | 約42万 |
| 800万 | 約595万 | 約41.9万 | 約116万 | 約44万 | 約45万 |
| 850万 | 約623万 | 約43.9万 | 約127万 | 約50万 | 約49万 |
| 900万 | 約653万 | 約45.9万 | 約134万 | 約60万 | 約53万 |
※「毎月の手取り」は賞与を除いた月給から引かれる分を差し引いた額です。手取り年収を12で割った額ではありません。住んでいる自治体、加入している健康保険組合、扶養の人数、手当の中身で実際の額は前後します。
出典:協会けんぽ 令和8年度保険料率/日本年金機構 厚生年金保険料額表/厚生労働省 雇用保険料率/国税庁 令和8年度 源泉所得税の改正のあらまし/e-Stat 賃金構造基本統計調査
年収÷12と毎月の手取りの差
年収550万円の行で見ると、手取り年収は約432万円です。12で割ると約36万円ですが、毎月の口座に入るのは約30.5万円です。
差の約5.5万円は、賞与として年2回にまとめて入ってくる分です。この条件だと月給は額面約39万円、賞与は年約79万円で、賞与の手取りは年約66万円になります。
家賃やローン、毎月の貯金額を決めるときは「毎月の手取り」の列を見てください。賞与のない職場や派遣なら、手取り年収÷12がそのまま月の手取りに近くなります。
統計の平均年収なら手取りは
令和6年賃金構造基本統計調査で計算した薬剤師全体の年収は約571万円です(所定内給与×12+年間賞与、残業代を除く)。早見表と同じ条件で計算すると、手取りは年約445万円、毎月の手取りは約31万円です。
経験1〜4年の約493万円なら、手取りは年約387万円、毎月約27万円です。統計の年収に残業代は入っていないので、残業が多い職場ではここより上に出ます。
薬剤師の給料から引かれるお金の内訳【2026年】
額面から引かれるのは、社会保険料・所得税・住民税の3つです。それぞれの計算の仕方が分かると、早見表にない年収でも自分で概算できます。
①社会保険料(額面の約15%)
いちばん大きいのが社会保険料です。2026年度に本人が負担する率は、次のとおりです。
- 健康保険:4.95%
- 子ども・子育て支援金:0.115%
- 厚生年金:9.15%
- 雇用保険:0.5%
健康保険は協会けんぽの全国平均9.9%の半分で、都道府県や健康保険組合で率は変わります。子ども・子育て支援金(全体0.23%)は2026年4月分の保険料から新しく加わりました。
合わせると額面の約15%で、年収600万円なら年約90万円です。健康保険と厚生年金は毎月の給与を区切った「標準報酬月額」にかかるので、年収が同じでも月給と賞与の配分で少し変わります。40歳になると介護保険料(本人0.81%)も加わります。
②所得税(2026年は控除増)
所得税は、額面から給与所得控除・社会保険料・基礎控除などを引いた残りに5〜45%の税率をかけます。2026年分と2027年分は、基礎控除が年収に応じて次のように引き上げられました。
- 年収約665万以下:104万円
- 約665万超〜850万:67万円
- 850万超:62万円
年収は給与だけの場合の目安で、正確には「合計所得金額」で区切られます。このおかげで、年収500万円の所得税は年約9万円(額面の2%弱)、年収800万円でも年約44万円(5%強)に収まっています。
注意したいのは、年収665万円あたりの段差です。基礎控除が104万円から67万円に下がるので、早見表の条件だと年収665万円と666万円で所得税が年約4万円違います。年収670万円くらいまでは、665万円のときより手取りが少なくなる計算です。
この引き上げは、11月までの毎月の源泉徴収には反映されず、12月の年末調整でまとめて精算されます。2028年分からは多くの人で基礎控除が62万円に戻る予定で、そのときは年収500万円で所得税が年2万円ほど増える計算です。
③住民税(額面の約4〜6%)
住民税は、前の年の所得から控除を引いた額のおよそ10%です。額面に対しては4〜6%くらいになります。住民税の基礎控除は43万円のままで、所得税のような引き上げはありません。
前の年の所得で決まるので、新卒1年目は住民税がほぼかからず、2年目の6月から引かれ始めます。「2年目に手取りが減った」と感じるのはこのためです。1年目の具体的な額は薬剤師1年目の年収・手取りで試算しています。
逆に、転職で年収が下がった年は、前の職場の高い年収をもとにした住民税が引かれます。年収を下げてでも職場を変えるときは、最初の1年の手取りが早見表より少なくなると見ておくと安全です。
薬剤師が年収UPで本当に手元に残る手取りの計算
転職で年収が上がっても、額面の差がそのまま手取りになるわけではありません。どれくらい残るのかを、早見表と同じ条件で計算しました。
僕の場合:480万→610万の増え方
僕は3回目の転職で、年収が480万円から610万円に上がりました。額面の差は130万円です。
早見表と同じ条件で計算すると、手取りは年約378万円から約473万円になり、増えたのは年約94万円です。額面の差の約72%が手取りに残り、残りの約36万円は社会保険料と税金に回る計算です。
年収レンジ別:差額の手取り率
額面が100万円増えたときに増える手取りは、次のとおりです。
- 400→500万:+74万(74%)
- 500→600万:+72万(72%)
- 600→700万:+67万(67%)
- 700→800万:+64万(64%)
- 800→900万:+58万(58%)
年収が上がるほど残る割合は下がりますが、増えた分の半分以上が税金で消えるレンジは、この早見表の範囲にはありません。年収800万円以上で6割を切り始めます。年収1000万を狙う費用対効果が落ちるのは、この税率の上がり方も理由の1つです。
内定の提示額は手取りで比べる
複数の内定や今の職場と比べるときは、提示された年収を早見表で手取りに直してから差を見るのがおすすめです。「年収50万円アップ」は、年収500万円台なら手取りで年35万円前後、月あたり3万円くらいの差です。
その差を、残業時間や通勤、仕事の範囲と並べて考えます。僕はドラッグストア併設の調剤で年収550万円でしたが、月の残業が45時間ありました。額面が高くても、時間で割ると割に合わないことはあります。
もう1つ、提示額の内訳も確かめてください。賞与が何か月分か、手当が何で、みなし残業が入っているかで、毎月の手取りも将来の伸び方も変わります。僕は今の職場で求人を出す側にもいますが、求人原稿を作るのは本部で、店から上げるのは欠員の理由など3点だけです。給与欄に書かれない内訳は、面接や条件通知の段階で自分から聞くのが確実です。
内定の条件を並べて返事を決める段階なら、比べる項目と確認の仕方を薬剤師の転職、内定に迷ったら|給与・働き方を比べて、返事を決める実践ガイド(note)にまとめています。無料部分で対象の人と目次を確認でき、本編は有料です。
薬剤師が手取りを増やす3つの方法
額面を上げる以外に、引かれる額を減らす方法もあります。どれも効き目は年数万〜十数万円なので、額面の差を埋めるほどではない、と知ったうえで使ってください。
①iDeCoは掛金が全額控除
iDeCoの掛金は全額が所得から引けます。企業年金のない会社員なら今は月2.3万円までで、年27.6万円を出すと、年収571万円の条件で所得税と住民税が年約5.6万円下がります。
2026年12月分の掛金からは、会社員の上限が月6.2万円に上がります(企業年金がある人はその掛金と合わせて6.2万円まで)。お金は原則60歳まで引き出せないので、手元の生活費を削ってまで増やすものではありません。詳しくはiDeCo公式サイトで確認できます。
②ふるさと納税は上限を確認
ふるさと納税は、自己負担2,000円を除いた寄附額が所得税と住民税から引かれる制度です。手取りが増えるというより、税金を先に払って返礼品を受け取る形なので、返礼品の分だけ得をするイメージです。
控除される上限は年収や家族構成で変わります。早見表の条件で計算すると、年収600万円の独身なら上限の目安は約7.7万円です。上限の考え方は総務省のふるさと納税ポータルに載っています。
③配偶者控除の136万ライン
配偶者の給与収入が136万円以下なら、所得税で配偶者控除(38万円)が使えます(2026年分から)。136万円を超えても207万円以下なら、配偶者特別控除が段階的に受けられます。年収610万円で配偶者控除を使えると、所得税と住民税が合わせて年約7万円下がる計算です。
一方、16歳未満の子どもには扶養控除がありません。子どもが生まれても、16歳未満のあいだは所得税・住民税が変わらない点は勘違いしやすいところです。控除の条件は国税庁の配偶者控除の解説で確認できます。
薬剤師が手取りを増やしたいなら年収交渉も
節税で動かせる額には限りがあるので、根本は額面を上げることです。僕は3回目の転職でエージェント経由で交渉し、提示560万円が初年度610万円になりました。
早見表の条件で計算すると、この50万円の差は手取りで年約37万円、月あたり3万円ほどです。1回の交渉としては小さくない額でした。交渉の進め方は薬剤師の年収交渉に書いています。
今申し込めるエージェントと、僕が転職で使った5社の本音を分けて比べています。
薬剤師の年次別の給料・手取りを見たい人へ
経験年数ごとの給料と手取りは、年次別の記事に分けています。統計の数字と僕個人の実額を分けて並べています。
薬剤師の手取りに関するよくある質問
- 薬剤師の年収と手取りはどれくらい違いますか?
-
2026年の条件で、手取りは額面の73〜80%です。年収が上がるほど割合は下がります。年収300万円なら約80%、年収900万円なら約73%です。
- 年収500万の薬剤師の手取りはいくらですか?
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独身・40歳未満の条件で、手取りは年約393万円です。賞与が年72万円ほどなら、毎月の手取りは約28万円になります。賞与がない場合は、年の手取りを12で割った月約33万円が目安です。
- 年収600万の薬剤師の手取りはいくらですか?
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同じ条件で、手取りは年約464万円です。賞与が年87万円ほどなら、毎月の手取りは約33万円です。社会保険料が年約90万円と、引かれる額のいちばん大きな部分を占めます。
- ボーナスの手取りはどう計算しますか?
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賞与からは社会保険料(約15%)と所得税が引かれ、住民税は引かれません。所得税の率は前の月の給与で決まります。月給35万円前後の人が賞与60万円を受け取ると、手取りは48万円前後が目安です。そもそもの支給額は薬剤師のボーナス相場で業態別にまとめています。
- 早見表と自分の給与明細がずれるのはなぜですか?
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健康保険組合の料率、住民税の自治体差、扶養の人数、通勤手当などで数万円はずれます。住民税は前の年の所得で決まるので、年収が変わった年も大きくずれます。早見表は「だいたいこのあたり」の目安として使ってください。
- 2年目に手取りが減ったのはなぜですか?
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住民税が2年目の6月から引かれ始めるからです。新卒1年目は前の年の所得がほぼないので、住民税がかかりません。昇給があっても、住民税の分で毎月の手取りが下がることがあります。
- 扶養家族が増えると手取りはどれくらい変わりますか?
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配偶者控除が使えると、年収500〜700万円で所得税と住民税が年5〜9万円ほど下がります。16歳未満の子どもには扶養控除がないので、子どもが生まれただけでは税金は変わりません。
- 派遣薬剤師の手取りはどうなりますか?
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同じ年収なら、社会保険に入っていれば引かれる額の計算は正社員と同じです。違いは、賞与がないことが多いので月の手取りは多めに見える一方、休めば収入が減ることです。交通費が時給に含まれるかどうかでも手元に残る額は変わります。詳しくは派遣のメリット・デメリットに書いています。
- 管理薬剤師手当で手取りはどれくらい増えますか?
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僕の今の職場では管理薬剤師手当が月3〜5万円です。年36〜60万円の額面増で、年収570万円前後の人なら手取りは年25〜45万円ほど増える計算です。その分、発注や在庫、シフト、採用の一次面接まで背負うので、手当だけで決めないほうがいいと思います。
- 40歳になると手取りは減りますか?
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減ります。40歳から介護保険料(協会けんぽは本人0.81%)が加わり、年収500万円なら年4万円ほど保険料が増えます。早見表は40歳未満の条件なので、40歳以上の人は少し下に見てください。
- 転職で年収を上げても手取りはそんなに増えないと聞きますが本当ですか?
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増えた額面の6〜7割は手取りに残ります。年収500万円台から100万円上がれば、手取りは年70万円前後増える計算です。「税金で消える」というほどではないので、手取りに直してから、残業や仕事の範囲と比べて判断するのがおすすめです。
まとめ:薬剤師は手取りで考えれば転職判断がブレない
薬剤師の手取りは額面の73〜80%で、賞与がある人の毎月の手取りは年収÷12より少なく出ます。転職で「年収80万円アップ」と聞くと大きく感じますが、手取りでは年50万円台、月4万円台の増加です。
その額を知ったうえで「それでも十分」と思うのか、「もう少し条件を詰めたい」と思うのか。額面ではなく手取りで考えると、判断がぶれにくくなります。
年収を上げる具体的な方法は薬剤師が年収を上げる方法、業態や年代ごとの年収は薬剤師の年収ランキングにまとめています。
転職で提示額を上げたい人は、エージェント選びも大事です。今申し込めるところと、僕が転職で使った5社の本音を薬剤師転職エージェントのおすすめで比べています。

