薬剤師5年目の年収は、厚生労働省の統計でみると約555万円が目安です(経験5〜9年・残業代を除く)。手取りにすると、月30万円前後になります。
僕(管理薬剤師たろう)の5年目は28歳で、ドラッグストア併設の調剤薬局Bに移った年でした。年収は550万円。統計とほぼ同じ額ですが、中身は月45時間の残業込みです。
この記事では、統計の平均と僕の実額を分けて並べます。そのうえで、手取りの内訳と、5年目から年収を上げる道を数字で整理します。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師5年目の平均年収は統計で約555万円
数字の出どころは、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査(職種・年齢階級・経験年数階級別)です。薬剤師の欄を経験年数ごとに見ると、次のようになります。
| 経験年数 | 月の給与 | 賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 1〜4年 | 35.1万 | 71.9万 | 約493万 |
| 5〜9年 | 39.3万 | 82.8万 | 約555万 |
| 10〜14年 | 42.1万 | 94.1万 | 約600万 |
5年目は「経験5〜9年」の区分に入ります。4年目までの区分より、年収で60万円ほど高い位置です。
読むときの注意が2つあります。
- 残業代は含まれていない
- 5年目〜9年目がまとめて入る
所定内給与は、毎月決まって出る給与から残業代などを引いた額です。同じ調査の職種別の集計では、薬剤師の残業(超過実労働時間)は平均で月8時間です。残業の多い職場なら、実際の年収はこの表より上に出ます。
求人サイトなどで「5年目の平均557万円」という数字を見かけることもあります。ただ、出どころを確かめられなかったので、この記事では統計の約555万円を使っています。
額面から手取りがいくらになるかは、薬剤師の手取り早見表で年収ごとに出しています。
薬剤師5年目の年収は年齢や勤め先の規模でどう違うか
経験5〜9年の区分には、30代前半の人が多く入っています。6年制を出て5年目なら、多くは28〜29歳です。年齢で分けると、こうなります。
| 経験5〜9年 | 月の給与 | 賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 25〜29歳 | 36.8万 | 71.5万 | 約513万 |
| 30〜34歳 | 38.8万 | 74.1万 | 約540万 |
20代で5年目を迎えた人なら、比べる相手は約513万円のほうが近いと思います。約555万円に届いていなくても、それだけで低いとは言えません。
勤め先の規模でも分けてみました。
| 企業規模 | 経験1〜4年 | 経験5〜9年 |
|---|---|---|
| 10〜99人 | 約432万 | 約576万 |
| 100〜999人 | 約492万 | 約543万 |
| 1,000人以上 | 約507万 | 約557万 |
4年目までは小さい会社ほど低く出ますが、5〜9年では差が縮まり、小さい会社がむしろ高く出ています。人数の少ない区分は年によってぶれやすいので、傾向として見てください。
この調査には「調剤薬局」「ドラッグストア」「病院」といった業態の区分がありません。業態の違いは、次の章で僕の実額を材料にします。業態別・地域別の相場は薬剤師の年収完全ガイドにまとめています。
管理薬剤師たろう平均と比べて凹む前に、その平均に残業代が入っているか、どの年齢の人の数字かを見てほしいです。
薬剤師5年目の手取りはいくら?月と賞与の内訳
年収で聞くと大きく見えても、口座に入るのはもっと少ないはずです。5年目の手取りがいくらになるか、ざっくり計算しておきます。
年収550万の手取りは約432万
独身・扶養なしで年収550万円の場合、手取りは年約432万円が目安です。引かれるのは年120万円ほどで、内訳はこうなります。
- 社会保険料:約79万
- 住民税:約28万
- 所得税:約12万
社会保険料は、健康保険・厚生年金・雇用保険の合計です。扶養する家族がいると税金が少し減り、手取りは数万円ほど増えます。
月の手取りは30万前後
統計の経験5〜9年(月の給与39.3万円・賞与82.8万円)で計算すると、月の手取りは30万円前後、賞与の手取りは年65万円前後です。
賞与の比率が高い職場ほど、毎月の手取りは少なく見えます。「年収550万のはずなのに月27万」と感じても、賞与に寄っているだけで計算は合っていることが多いです。月だけでなく、年のトータルで見てください。
同世代より月10万円ほど高い
薬剤師以外の同世代と比べると、差ははっきりしています。月の所定内給与(残業代を除く)で比べました。
- 薬剤師25〜29歳・5〜9年:36.8万
- 全労働者25〜29歳:26.7万
全労働者の数字は、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査の概況(性、年齢階級別賃金)の男女計です。月10万円ほど、薬剤師のほうが高い計算になります。
それでも5年目で物足りなく感じるのは、同じ薬剤師の同期と比べてしまうからだと思います。同期の額が、残業何時間で届いた額なのかまでは、たいてい聞こえてきません。
僕の薬剤師5年目はDS併設調剤で年収550万・月残業45時間だった
ここからは統計ではなく、僕個人の実額です。新卒で入ったのは、地方にある内科クリニックの門前の調剤薬局Aでした。
| 年次 | 職場 | 僕の年収 |
|---|---|---|
| 1年目 | 調剤A | 約380万 |
| 2年目 | 調剤A | 約395万 |
| 3年目 | 調剤A | 約405万 |
| 4年目 | 調剤A | 約420万 |
| 5年目 | DS併設調剤B | 550万 |
Aでは基本給の昇給が1回あたり月5千〜1万円ほどで、4年目で「このまま頭打ちか」と感じていました。そこで見つけたのが、ドラッグストア併設の調剤薬局Bの年収550万円の求人です。
前の年から130万円アップ。その数字に目がくらんで、中身をろくに確かめずに移りました。これが僕の1回目の転職の失敗です。
額面550万の中身は月残業45h込み
入ってみて分かったのは、550万円が激務を上乗せして作られた数字だったことです。Bでやっていたのは調剤だけではありませんでした。
- 調剤・監査
- OTC(市販薬)の接客
- レジ打ち・品出し
- 週の半分は遅番
閉店後に品出しをしていると、夜10時を回る日も珍しくありませんでした。月の残業はだいたい45時間。統計の薬剤師の平均(月8時間)の5倍以上です。
働いた時間で割ってみると、よく分かります。月の所定を160時間として計算しました。
- B(550万・月205h):約2,240円
- A(420万・月160h):約2,190円
年収は130万円上がったのに、1時間あたりはほとんど変わっていませんでした。統計の約555万円は残業代を除いた額なので、同じ550万円でも、残業45時間で届いた僕の額とは重みが違います。
お金は増えても時間も気力もない
通帳の数字は確かに増えました。でも、それを使う時間も体力も残っていません。暗い部屋で「俺、何のために年収を上げたんだっけ」とつぶやいた夜のことは、今でも覚えています。



年収は上がったのに、あの頃がいちばん「薬剤師つらい」と思ってました。お金って、使う時間と体力があって初めて意味があるんですよね。
このとき身にしみたのは、年収の数字”だけ”で職場を選ぶと後悔しやすい、ということです。Bには2年いて、30歳で離れました。
薬剤師5年目で年収が伸び悩む理由と、ここから上げる3つの手
統計では、経験5〜9年から10〜14年で年収は45万円ほど上がります。ただ、これは多くの人の平均です。同じ職場にいて、同じ額ずつ上がり続けるとは限りません。
僕のA時代のように、昇給が1回あたり月5千〜1万円なら、年収の伸びは月給分で年6〜12万円です。賞与が基本給に連動する職場なら、その分もう少し増えます。昇給は職場の給与規程の中でしか起きないので、役職が付かない限り大きくは動きません。自分の職場の天井は、次の3つで見当がつきます。
- 給与規程の昇給幅
- 賞与が何か月分か
- 役職手当の有無と額
昇給が止まったときの考え方は、薬剤師が昇給しないのは普通かで詳しく書いています。そのうえで取れる手は、大きく3つです。
今の職場で管理薬剤師を狙う
職場を変えずに上げるなら、管理薬剤師への昇格がいちばん効きます。僕は今の職場で2年目に昇格し、月3〜5万円の管理薬剤師手当が付きました。年にすると36〜60万円です。
ただ、ラクではありません。監査の前日は胃が痛いし、卸や本部の電話のたびに自分の調剤を止めて走ります。枠は店舗に1人なので、先輩が長く務めている職場では順番が回ってこないこともあります。仕事の中身は管理薬剤師の仕事内容にまとめています。
業態・職種を変える
ドラッグストア併設の調剤に移ると、提示される年収は上がりやすいです。ただ、僕のBのように、残業と業務の範囲がセットで増えることがあります。年収と一緒に、月の残業時間とOTC・レジの担当を必ず確かめてください。
在宅対応のある薬局や、企業(製薬・CROなど)に視野を広げる道もあります。僕の今の職場Dも在宅対応がある薬局です。ただ、業態を変えれば必ず上がるわけではないので、給与の条件は求人ごとに確かめる必要があります。
条件の合う職場へ転職する
いちばん大きく動くのは、給与水準の高い職場へ移ることです。ただ、僕はBへの転職(1回目)で、年収の数字だけで飛びついて後悔しました。
2回目もやらかしています。Bを抜けたい一心で焦って決めた調剤薬局Cは、入社2ヶ月で退職しました。3回目でようやく、職場見学を必ず入れ、担当に過去2回の失敗を正直に全部話して、今の調剤薬局Dに移りました。提示は560万円で、交渉して初年度610万円です。交渉のやり方は薬剤師の年収交渉に書いています。
5年目で統計より低いと感じているなら、まず自分の経験年数で出る求人の相場を知るところからで十分です。たとえばファゲット薬剤師は、公式サイトで中小の調剤薬局や病院の求人に強いと案内している転職サービスです。僕自身は使っていませんが、相談は無料と書かれています。
ほかのサービスとの違いは、薬剤師転職エージェントのおすすめ比較で並べています。
薬剤師5年目で転職を考えるときに確かめたいこと
僕は今、管理薬剤師として採用の一次面接もしています。面接する側から見ると、5年続けた職歴は説明のいらない材料です。逆に僕は2回目の転職先を2ヶ月で辞めていて、その期間は職歴に書けませんでした。
ただ、年収だけを見て焦って動くと失敗します。動く前に、次の点を確かめておくと安心です。
年収の中の残業時間
提示年収に、月何時間ぶんの残業代が入っているかを聞いてください。僕のBの550万円は、月45時間の残業込みでした。残業なしの500万円と、残業45時間の550万円なら、1時間あたりは前者のほうが高いこともあります。
求人票に書かれていない3点
2ヶ月で辞めた薬局Cの求人票には、あとで読み返しても嘘は書かれていませんでした。足りなかったのは、書かれていない情報です。
- 常勤の薬剤師は何人か
- 欠員補充か増員か
- 前任者はいつ辞めたか
今は求人を出す側にもいますが、うちの会社では求人原稿を作るのは本部です。上がってきた原稿を見て「うちの残業はこんなに少なくない」と思ったこともあります。年収や残業の数字は、職場見学や面接で直接確かめるのがいちばん確実です。
賞与の在籍条件と支給日
賞与は、支給日に在籍していることを条件にしている会社があります。5年目の賞与は年80万円前後になることもあるので、退職日を決める前に就業規則や給与規程で確認しておくと損をしにくいです。



残業込みの550万と、残業なしの500万。額面だけ見てたら、どっちがいいか分からなくなりますね。
薬剤師5年目の年収・給料についてよくある質問
- 薬剤師5年目の平均年収はいくらですか?
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査で、薬剤師・経験5〜9年は月の所定内給与39.3万円、賞与82.8万円です。年収にすると約555万円で、残業代は含みません。25〜29歳に絞ると約513万円です。
- 「平均557万円」という数字は正しいですか?
出どころを確かめられなかったので、この記事では使っていません。統計の経験5〜9年は約555万円で、ほぼ同じ水準です。ただし統計のほうは残業代を除いた額です。
- 年収550万だと手取りはいくらになりますか?
独身・扶養なしなら年約432万円が目安です。統計の5〜9年の給与で計算すると、月の手取りは30万円前後、賞与の手取りは年65万円前後です。
- 5年目で年収500万を切っていたら低すぎますか?
統計の25〜29歳・経験5〜9年は約513万円なので、少し下くらいの位置です。残業が少ない職場なら、それほど気にしなくていいと思います。昇給幅と賞与の月数を見て、この先の伸びを確かめてください。
- 同世代の会社員と比べると高いですか?
高いです。月の所定内給与で、25〜29歳・経験5〜9年の薬剤師は36.8万円、25〜29歳の全労働者は26.7万円です。月10万円ほど薬剤師のほうが高い計算です。
- 女性薬剤師の5年目の年収はどのくらいですか?
性別と経験年数を掛け合わせた数字は、この統計の表では出ていません。参考として、年齢や経験を問わない女性薬剤師全体の平均は、月の所定内給与37.5万円・賞与80.9万円で、年収にすると約531万円です(残業代を除く)。
- 5年目で昇給が止まってきたのは普通ですか?
珍しくないと思います。昇給は職場の給与規程の中でしか起きないので、役職が付かない限り大きくは動きにくいです。僕の新卒の薬局も、昇給は1回あたり月5千〜1万円でした。
- 管理薬剤師になると年収はどれくらい上がりますか?
僕の今の職場では手当が月3〜5万円、年にすると36〜60万円です。その代わり、在庫や発注、シフト、本部への報告、監査の対応まで背負います。
- 年収アップだけを狙って転職するのは危険ですか?
危ないと思います。僕は550万円に釣られてドラッグストア併設に移り、月45時間の残業で、1時間あたりは前の職場とほとんど変わりませんでした。年収と一緒に、残業時間と業務の範囲を確かめてください。
- 転職でまた失敗しないか不安です。
不安になるのは自然です。僕も焦って2回失敗しました。常勤の人数、欠員か増員か、前任者がいつ辞めたかを確かめ、職場見学で空気を見てから決めると、失敗しにくくなります。
薬剤師5年目の給料・年収についてのまとめ
薬剤師5年目の年収は、統計で約555万円(経験5〜9年・残業代を除く)が目安です。25〜29歳に絞ると約513万円、手取りは月30万円前後になります。
僕の5年目は、DS併設調剤で550万円でした。統計とほぼ同じ額ですが、月45時間の残業込みです。額面は、働いた時間とセットで比べるのがいちばん大事だと思います。
- 統計の目安は約555万円
- 20代後半に絞ると約513万円
- 手取りは月30万前後
- 僕の5年目は残業45h込み550万
- 上げる道は3つある
年次ごとの年収は、薬剤師10年目の給料・年収まで続けて書いています。僕がどんな薬剤師で、なぜこのブログを書いているのかは自己紹介の記事にまとめました。転職で2回失敗して、3回目で年収を130万円上げた話です。
上げる一手として転職も考えるなら、薬剤師転職エージェントのおすすめ比較で、年収だけで選ばないための判断材料も並べています。



