薬剤師4年目の年収は、厚生労働省の統計でみると約493万円が目安です(経験1〜4年・残業代を除く)。25〜29歳に絞ると約480万円です。
一方、地方の内科門前の調剤薬局にいた僕の4年目は、420万円でした。昇給は1回あたり月5千〜1万円ほどで、4年目で頭打ちがはっきり見えました。
この記事では、統計の平均と僕の実額を分けて並べます。そのうえで、4年目に給料が伸びにくくなる理由と、手取りの目安、動くなら何を確かめるかを整理します。僕は4年目のあと年収だけを見て転職し、失敗しています。その話も隠さず書きます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師4年目の平均年収は統計で約493万円
数字の出どころは、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査(職種・年齢階級・経験年数階級別)です。薬剤師の欄を経験年数ごとに見ると、次のようになります。
| 経験年数 | 月の給与 | 賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 0年 | 32.8万 | 15.7万 | 約409万 |
| 1〜4年 | 35.1万 | 71.9万 | 約493万 |
| 5〜9年 | 39.3万 | 82.8万 | 約555万 |
4年目は経験3年なので、「経験1〜4年」の区分に入ります。年齢を25〜29歳に絞ると、同じ経験1〜4年で約480万円です。
読むときの注意が2つあります。
- 残業代は含まれていない
- 2年目〜5年目がまとめて入る
所定内給与は、毎月決まって出る給与から残業代などを引いた額です。残業の多い職場なら、実際の年収はこれより上に出ます。
もう一つ見てほしいのが、次の区分との差です。経験5〜9年は約555万円で、1〜4年より60万円ほど高く出ています。4年目から先の伸び方は、職場の昇給の仕組みしだいです。
薬剤師4年目の年収は勤め先の規模で差が出る
同じ調査は、企業の規模別にも集計しています。薬剤師・経験1〜4年を規模で分けると、こうなります。
| 企業規模 | 年収の目安 |
|---|---|
| 10〜99人 | 約432万 |
| 100〜999人 | 約492万 |
| 1,000人以上 | 約507万 |
小さい会社の区分は、大きい会社より60〜70万円ほど低く出ています。人数の少ない区分は年によって数字がぶれやすいので、傾向として見てください。
この調査には「調剤薬局」「ドラッグストア」「病院」といった業態の区分がありません。業態でどう違うかは、次の章の僕の年収の動きが一つの材料になると思います。広く相場を見たい人は、薬剤師の年収完全ガイドにまとめています。
管理薬剤師たろう平均より低くても、原因は本人より職場の給与レンジにあることが多いです。まず自分の職場がどの位置か見てみてください。
僕の薬剤師4年目は420万円だった(調剤薬局Aの実額)
ここからは統計ではなく、僕個人の実額です。24歳で新卒入社したのは、地方にある内科クリニックの門前の調剤薬局Aでした。
| 年次 | 僕の年収 | 前年から |
|---|---|---|
| 1年目 | 約380万 | - |
| 2年目 | 約395万 | +15万 |
| 3年目 | 約405万 | +10万 |
| 4年目 | 約420万 | +15万 |
基本給の昇給は、1回あたり月5千〜1万円ほどでした。年収にすると、毎年10〜15万円ずつしか増えていません。
統計の約493万円と比べると、4年目で70万円ほど低い位置です。規模別の表の「10〜99人」の約432万円のほうが、僕の実感に近い数字でした。
4年目にもなると、仕事は一通り一人で回せます。それでも給料の上がり方は変わらない。「給料もスキルも、ここで頭打ちだ」と感じたのが、僕の4年目でした。これが転職を考え始めたきっかけです。
1つ前の年次の実額は、薬剤師3年目の給料・年収に書いています。
薬剤師4年目で給料が上がりにくくなる3つの理由
4年目で伸びが止まったように感じるのは、サボりや能力不足のせいとは限りません。職場によって違いはありますが、よくある理由は次の3つです。
理由1:賞与の伸びが一段落する
統計の表で、賞与は経験0年が15.7万円、1〜4年が71.9万円でした。1年目は賞与の算定期間が短いことが多く、2〜3年目の年収の伸びは、賞与がそろった影響が大きいと考えられます。
賞与が満額になってしまえば、その上乗せはもう起きません。4年目に「上がった実感」が消えやすいのはこのためです。
理由2:昇給が月数千円になる
僕のA時代の昇給は、1回あたり月5千〜1万円でした。月7千円の昇給なら、年収で増えるのは約8万円に、賞与への反映分が少し乗る程度です。
このペースが続くと、年収は毎年10万円前後しか増えません。同じ職場に居続けるだけでは、大きくは増えない形です。昇給の考え方は薬剤師が昇給しないのは普通かで詳しく書いています。
理由3:役職の空きがまだ無い
年収を一段上げる手は、管理薬剤師などの役職手当です。僕の今の職場では、管理薬剤師手当が月3〜5万円つきます。
ただ、管理薬剤師の枠は店舗に1人です。先輩が長く務めている職場では、4年目で席が回ってくるとは限りません。
薬剤師4年目の手取りは月いくらか
年収と一緒に気になるのが手取りです。額面との差と、昇給したときの注意点をまとめます。
額面の約75〜80%が手取り
所得税・住民税・社会保険料が引かれるので、手取りはざっくり額面の75〜80%です。求人票の「年収◯◯万円」は、そのまま使えるお金ではありません。
4年目の手取りの目安
薬剤師の手取り早見表の計算に当てはめると、目安は次のとおりです。
- 統計の493万円:年約387万
- 僕の420万円:年約333万
月の給与(所定内)35.1万円なら、賞与を除いた月の手取りは27万円前後になります。扶養の有無や住む地域、残業代でも変わるので、幅をもって見てください。
昇給分は9月の保険料に反映
厚生年金や健康保険の保険料は、4〜6月の給与の平均をもとに決まり、その年の9月分から切り替わります(日本年金機構)。
そのため、4月に昇給しても秋から保険料が上がり、手取りの増え方は小さく見えます。4〜6月に残業が多かった年も同じです。「昇給したのに秋から手取りが減った」と感じたら、この仕組みを疑ってみてください。
薬剤師4年目で年収だけ見て転職した僕の失敗
4年目で頭打ちを感じた僕は、28歳で転職しました。選んだのは、年収550万円を提示されたドラッグストア併設の調剤Bです。420万円から130万円上がる数字に、そのまま飛びつきました。
実際は、調剤に加えてOTCの接客、レジ、品出しがあり、週の半分は遅番でした。月の残業は45時間です。お金は増えたのに、使う時間も体力も残りませんでした。
2年後、早く抜けたい一心で移った調剤薬局Cは、入社2ヶ月で辞めています。このとき僕は、職場見学の提案を「日程が合わない」と自分から断っていました。年収を480万円に下げてでも出たかったのに、肝心の職場を確かめなかったんです。
3回目の転職では、職場見学を必ず入れ、雰囲気や人間関係を最優先にしました。今の調剤薬局Dは、提示560万円を交渉して初年度610万円です。4年目の420万円から見れば上がりましたが、その間に2回失敗しています。Dに移ったあとの年収は薬剤師7年目の給料・年収に書きました。
- 調剤薬局A(4年目):420万
- DS併設調剤B(28歳):550万
- 調剤薬局C(2ヶ月):480万
- 調剤薬局D(初年度):610万
年収の数字は、残業や業務の範囲とセットで見ないと比べられません。2回の失敗の詳しい経緯は、自己紹介の記事に全部書きました。



4年目の頭打ちは動くきっかけになります。ただ、焦って決めると僕のように遠回りします。
薬剤師4年目から年収を上げる3つの道
4年目で取れる手は、大きく分けて3つです。順番に確かめていくと、遠回りしにくくなります。
今の職場の天井を確かめる
まずは、今の職場にいたらどこまで伸びるかです。次の3つを見ると見当がつきます。
- 給与規程の昇給幅
- 賞与が何か月分か
- 役職手当の有無と額
僕のA時代のペース(年10〜15万円増)が続いたと仮定すると、10年目で480〜510万円です。統計の経験5〜9年(約555万円)にも届かない計算でした。
管理薬剤師を狙う
職場を変えずに上げるなら、管理薬剤師への昇格がいちばん効きます。手当が月3〜5万円なら、年36〜60万円です。
その代わり、在庫や発注の管理、シフト、本部への報告、監査や行政の対応まで背負います。仕事の中身は管理薬剤師の仕事内容にまとめています。
転職で給与レンジを変える
昇給は、職場の給与レンジの中でしか起きません。天井が低いと分かったら、レンジそのものを変えるのがいちばん大きく動きます。交渉のやり方は薬剤師の年収交渉に書いています。
今の職場が地方の中小薬局で、統計より低いと感じているなら、まず相場を知るところからで十分です。たとえばファゲット薬剤師は、公式サイトで中小の調剤薬局や病院の求人に強いと案内している転職サービスです。僕自身は使っていませんが、相談は無料と書かれています。
ほかのサービスとの違いは、薬剤師転職エージェントのおすすめ比較で並べています。
薬剤師4年目で転職するときに確かめたいこと
4年目で転職を考えるのは、早すぎることはないと思います。僕は今、管理薬剤師として採用の一次面接もしています。面接する側から見ても、同じ職場で4年続けた職歴は説明のいらない材料です。
気をつけたいのは、求人票に書かれていないことです。2ヶ月で辞めた薬局Cの求人票には、あとで読み返しても嘘は書かれていませんでした。足りなかったのは、次の情報です。
- 常勤の薬剤師は何人か
- 欠員補充か増員か
- 前任者はいつ辞めたか
今は求人を出す側にもいますが、うちの会社では求人原稿を作るのは本部です。上がってきた原稿を見て「うちの残業はこんなに少なくない」と思ったこともあります。年収や残業の数字は、職場見学や面接で直接確かめるのがいちばん確実です。
もう一つ、賞与は支給日に在籍していることを条件にしている会社があります。退職日を決める前に、就業規則や給与規程で支給日と条件を確認しておくと損をしにくいです。転職の流れ全体は薬剤師の転職の基本で整理しています。
薬剤師4年目の年収に関するよくある質問
- 薬剤師4年目の年収の平均はいくらですか?
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査で、薬剤師・経験1〜4年は月の所定内給与35.1万円、賞与71.9万円です。年収にすると約493万円で、残業代は含みません。25〜29歳に絞ると約480万円です。
- 薬剤師4年目の年収420万は低いですか?
統計の約493万円よりは低いですが、珍しい額ではないと思います。僕の4年目も420万円でした。同じ調査でも、従業員10〜99人の会社は約432万円と低めに出ています。
- 4年目で昇給が止まったのは普通ですか?
よくあることだと思います。賞与がそろったあとは上乗せがなくなり、昇給が月数千円なら年収は毎年10万円前後しか増えません。僕の調剤薬局Aでも、昇給は1回あたり月5千〜1万円でした。
- 薬剤師4年目の手取りは月いくらくらいですか?
月の所定内給与35.1万円なら、賞与を除いた月の手取りは27万円前後が目安です。年収493万円なら年の手取りは約387万円、420万円なら約333万円です。扶養や地域、残業代で変わります。
- 昇給したのに手取りが増えないのはなぜ?
税金と社会保険料が引かれるうえ、保険料は4〜6月の給与をもとに9月分から切り替わるためです。4月に昇給しても、秋から保険料が上がって手取りの増え方が小さく見えます。
- ドラッグストアに移れば年収は上がりますか?
上がりやすいです。僕も28歳でDS併設に移って420万円から550万円になりました。ただ月の残業が45時間あったので、年収と一緒に残業と業務範囲を確かめてください。
- 薬剤師4年目で転職するのは早すぎますか?
早すぎないと思います。4年続けた職歴は、採用する側から見ても説明のいらない材料です。ただ焦って決めると失敗しやすいので、求人票に書かれていない点まで確かめてからにしてください。
- 転職してまた失敗しないか不安です。
不安になるのは自然です。僕は焦って2回失敗しました。常勤の人数、欠員か増員か、前任者がいつ辞めたかを確かめ、職場見学で空気を見てから決めると、失敗しにくくなります。
- 今すぐ転職する気はないですが、何から始めればいい?
今の職場の給与規程で、昇給幅・賞与の月数・役職手当を確かめるところからで十分です。そのうえで求人を眺め、4年目で狙える金額を知っておくと、いざ動くときに焦らずに済みます。
薬剤師4年目の年収についてのまとめ
薬剤師4年目の年収は、統計で約493万円(経験1〜4年・残業代を除く)が目安です。小さい会社では約432万円と低めに出ます。僕の4年目は、地方の門前薬局で420万円でした。
4年目は賞与の上乗せが終わり、昇給も月数千円になりやすい時期です。額そのものより、今の職場でこの先どこまで伸びるかを確かめてください。
その天井に納得できるなら、今の職場で管理薬剤師を目指すのも一つの道です。物足りないなら、年収だけで決めず、残業や職場の中身まで確かめてから動いてください。それが4年目のあとに2回失敗した僕からのお願いです。
- 統計の目安は約493万円
- 小さい会社は約432万円
- 僕の4年目は420万円
- 手取りは月27万円前後
- まず職場の天井を確かめる
- 年収だけで動かない
年次ごとの年収は、薬剤師5年目の給料・年収や薬剤師10年目の給料・年収にも書いています。転職でどのサービスを選ぶかは、薬剤師転職エージェントのおすすめ比較を見てください。



