薬剤師1年目の目標は、「3ヶ月・半年・1年」で区切った到達ラインを1〜3個、行動と数字で書くだけで十分です。
目標管理シートや面談の紙を前に、何を書けばいいか手が止まっている人も多いと思います。この記事では、欄ごとの記入例をそのまま写せる形で並べました。
書いているのは、新卒で地方の内科門前の調剤薬局に入り、いまは別の薬局で管理薬剤師をしている僕です。新人の教育や、本部から降りてくる店舗目標をスタッフに割り振る側の目線も入れています。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師1年目の目標は3ヶ月・半年・1年の到達ラインで決める
1年目の目標を「早く一人前になる」のようにぼんやり立てると、いつ達成したのか分からず、自信だけが減っていきます。
入職からの月数で区切り、「この時期はここまで来ていれば心配いらない」という線を先に決めておくと、シートにも書きやすくなります。
調剤薬局1年目の到達ライン
調剤薬局の場合の目安です。多少前後しても問題ない「普通の順番」として見てください。
| 時期 | 到達したい目標 |
|---|---|
| 3ヶ月 | 薬の場所・代表的な用法を覚え、処方の入力と調剤の流れに慣れる |
| 半年 | 監査の基礎が回り、簡単な疑義照会を先輩のフォローありで出せる |
| 1年 | 日常の処方を一通り自分で回せ、投薬で患者さんの質問に答えられる |
大事なのは、全部を同時に上げようとしないことです。3ヶ月の時点で監査の精度まで求めると、どれも中途半端になります。
このスピードは店によって変わります。処方の種類が多い門前なら覚える薬が増えますし、在宅対応がある店なら早めに訪問への同行が始まることもあります。
ちなみに僕の1年目の年収は約380万でした。地方の内科門前という、僕個人の条件での実額です。1年目の給料の相場や手取りは薬剤師1年目の給料・年収にまとめています。
病院1年目は研修の区切りで
僕は病院で働いた経験がないので、ここは公開されている研修の例をもとに書きます。
病院は、部署を順番に回る研修(ローテーション)を組んでいるところが多く、目標もその区切りに合わせると書きやすいです。
たとえば名古屋市立大学病院 薬剤部の新人教育では、4月から調剤・化学療法などの部門を約4か月で回ります。10月ごろから病棟業務の見習いに入り、少数の患者さんの担当から段階的に広げる流れが紹介されています。
期間や順番は病院ごとに違います。自分の病院の研修計画表があれば、その区切りをそのまま目標の期限にしてしまうのが一番ずれません。
薬剤師1年目の目標管理シートの書き方と記入例
ここからは、目標管理シートや面談シートにそのまま写せる記入例です。書式は職場ごとに違いますが、中身はだいたい同じ欄で構成されています。
シートに書く5つの欄
欄の名前が違っても、次の5つが埋まっていれば目標として成り立ちます。
- 目標:何ができるようになるか
- 達成基準:何をもってOKか
- 期限:いつまでに
- 行動計画:毎日・毎週やること
- 振り返り:できた・できない理由
1年目がつまずきやすいのは2番の達成基準です。「何を・どれくらい・いつまでに」が入っていれば、読む側も達成したかどうかを判断できます。
目標の数は1〜3個で十分です。欄が5つあっても、全部を埋める必要はありません。
3ヶ月の目標文例
入職から3ヶ月は、覚えることが一番多い時期です。目標は「覚える」「流れに慣れる」に絞ります。
| 欄 | 記入例 |
|---|---|
| 目標 | よく出る薬の置き場所を覚え、ピッキングで迷わない |
| 達成基準 | 処方頻度の高い薬を、棚を探さずに取れる |
| 期限 | 6月末 |
| 行動計画 | 毎日3つずつ置き場所をメモし、終業前に見直す |
ほかに書きやすい3ヶ月の目標です。
- 処方入力を先輩確認ありで一人で
- 一包化の手順を口に出して言える
- 分からない薬を当日中に調べる
半年・1年の目標文例
半年を過ぎたら、監査と疑義照会、投薬へ少しずつ比重を移します。1年の区切りでは「日常の処方を一人で回す」が一つの目安です。
| 時期 | 目標 | 達成基準の例 |
|---|---|---|
| 半年 | 監査で規格と用量を必ず声に出して確認する | 監査のたびに声出し確認を省かない |
| 半年 | 疑義照会を先輩同席で出せる | 9月末までに同席で1件以上 |
| 1年 | 日常の処方を一通り一人で回す | 先輩の手直しなしで回せる日が増える |
| 1年 | 投薬で患者さんの質問に答える | その場で答えられない質問は調べて次回伝える |
疑義照会の電話がどうしても怖い人は、疑義照会が怖い・緊張する薬剤師へも参考にしてください。
病院1年目の目標文例
病院の場合は、研修で回る部署ごとに1つずつ書くと形になります。ここも病院勤務の経験がない僕の書き方の提案なので、研修担当の先輩の指示を優先してください。
- 調剤:内服・外用の調剤と鑑査の手順
- 注射:払い出しの流れを一人で
- 病棟:担当患者の持参薬を確認
どれも「いつまでに」「どの状態ならOKか」を添えます。たとえば「10月末までに、担当患者さんの持参薬確認を先輩のチェックつきで行える」のような形です。
店舗目標とのつなげ方
シートによっては「店舗・部署の目標にどう貢献するか」を書く欄があります。1年目が一番困る欄だと思います。
調剤薬局だと、店舗には本部から件数の目標が降りてきます。僕の店でいえば、いまは服薬フォローアップの実績件数などです。管理薬剤師の僕は、それをスタッフに割り振る側をやっています。
その立場から言うと、1年目が店舗の件数をそのまま自分の目標に書く必要はないと考えています。店の数字を、自分の行動に1段分解して書けば十分です。
- 店の件数→先輩の記録を見て型を覚える
- 待ち時間短縮→入力を先輩確認で速く
- 過誤ゼロ→監査の声出しを省かない
どの数字を追っている店なのかは、書く前に管理薬剤師か教育担当に聞いておくと外しません。
振り返り欄の書き方
中間や期末の振り返り欄は、「できた・できなかった」の事実、その理由、次にやることの3点で書きます。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 結果 | 疑義照会は先輩同席で2件出せた。一人ではまだ出せていない |
| 理由 | 処方意図の確認点を整理する前に電話してしまい、言葉に詰まった |
| 次の行動 | 電話の前に確認点を2行メモしてから先輩に見せる |
未達でも、理由と次の手が書けていれば、読む側はどこを手伝えばいいか分かります。できなかったことを隠すより、そのほうがずっと話が早いです。
薬剤師1年目の目標でよくあるNG例と面談での伝え方
シートを書き終えたら、提出前に次の3つに当てはまっていないかだけ見直してください。
NG目標3つと直し方
| NG例 | 直した例 |
|---|---|
| 業務を頑張る | 6月末までに処方入力を先輩確認ありで一人で行う |
| 監査を完璧にする | 監査で規格と用量の声出し確認を毎回行う |
| 1年目で専門資格を取る | 研修会に参加し、学んだことを先輩に1つ報告する |
どれも、やる気は伝わるのに達成したかどうかが測れません。半年後の面談で本人も「結局できなかった」と落ち込むだけになりがちです。
1年目は土台づくりの時期です。背伸びより、確実に○をつけられる大きさに寄せたほうが、自信も積み上がります。
管理薬剤師たろう壮大な目標より、毎日○をつけられる目標のほうが続きます。
面談で添えたい1行
面談では、目標の隣に「いまつまずいていること」を1行添えてみてください。
新人の教育に関わる側からすると、困りごとを言葉にしてもらえると、何を手伝えばいいかがすぐ分かります。自分の課題を把握できていること自体も伝わります。
そもそも誰も教えてくれず、目標どころではないと感じている人は、新人薬剤師が教えてもらえないのは放置かで店の体制を確かめる方法をまとめています。
薬剤師2年目・3年目の目標は何が変わるか
1年目の目標は「自分が一通りできるようになる」でした。2年目以降は、できることの幅を広げ、3年目あたりからは周りに渡す側へ少しずつ移ります。
| 年次 | 目標の軸 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 1年目 | 一通りできる | 日常の処方を一人で回す |
| 2年目 | 幅を広げる | 在宅訪問に先輩と同行し、報告書の下書きを書く |
| 3年目 | 人に渡す | 新人に一包化の手順を教え、つまずく点をまとめる |
3年目になると、苦手をつぶす目標より、得意な分野を伸ばす目標のほうが書きやすくなります。在宅、特定の疾患、後輩指導など、自分が店で頼られ始めた分野から選ぶと自然です。
ただ、2年目・3年目の目標も「何を・どれくらい・いつまでに」で書く点は1年目と変わりません。
薬剤師1年目は目標達成より”事故らないこと”が最優先
ここまで目標の書き方を並べてきましたが、1年目で何より大切なのは成長の速さではありません。調剤過誤を起こさないこと、これが最優先です。
薬剤師のミスは、患者さんの体に直接届きます。スピードで先輩に負けても問題ありませんが、確認を飛ばした事故は取り返しがつきません。
だから「遅くてもいいから声出し確認を省かない」を、すべての目標の土台に置いてください。慣れて手が動くようになった時期ほど、確認を省きたくなります。
迷ったら一度手を止めて先輩に聞くことも、立派な行動目標です。1年目が確認のために質問するのは、周りを安心させる行動です。黙って自己判断で進めるほうが、周りからすると怖いんです。
声出し確認、指差し確認、迷ったら聞く。この3つがシートのどこかに入っていれば、1年目の目標としては上出来です。
薬剤師1年目の「同期より遅れてる」は環境の差が大きい
目標を書こうとすると、同期の進み具合が気になってくると思います。
ただ、配属先によって任される業務はバラバラです。処方の中身、患者さんの数、先輩のフォロー体制が違うのに、結果だけ並べて比べても意味がありません。
処方箋の多い店なら、新人にも早く実務を任せざるを得ません。少人数の店では、じっくり育てる方針で任されるまで時間がかかることもあります。「まだ監査を任されていない」のは、単にその店の方針かもしれません。
同期の「もう投薬してる」も、先輩が横についている状態を指していることがあります。比べるなら、先月の自分のシートと比べれば十分です。



焦りの正体は、たいてい情報不足からくる思い込みなんですよね。
薬剤師1年目の目標についてよくある質問
- 薬剤師1年目の目標は何を立てればいいですか?
3ヶ月・半年・1年で区切って立てるのがおすすめです。3ヶ月は薬の場所と調剤の流れ、半年は監査の基礎、1年で日常の処方を一通り回す、くらいの粒度で十分だと思います。
- 目標管理シートには目標をいくつ書けばいいですか?
1〜3個で十分です。数を増やすより、それぞれに「何を・どれくらい・いつまでに」が入っているかを見直してください。
- 店舗目標に貢献する欄に何を書けばいいか分かりません。
店の数字をそのまま書くのではなく、自分の行動に分解して書けば大丈夫です。どの数字を追っている店なのかは、管理薬剤師か教育担当に先に聞いておくと外しません。
- 病院1年目の目標はどう書けばいいですか?
研修で回る部署ごとに1つずつ書き、研修計画の区切りを期限にすると書きやすいです。期間や順番は病院ごとに違うので、研修担当の先輩の指示を優先してください。
- 同期と比べて遅れている気がして焦ります。
配属先で任される業務が違うだけ、ということがよくあります。結果だけ並べて比べても意味がないので、先月の自分と比べれば十分ですよ。
- 1年目で一番大事なことは何ですか?
成長の速さより、調剤過誤を起こさないことです。遅くてもいいので声出し確認を省かない。迷ったら手を止めて先輩に聞いてください。
- 目標を達成できなかったら評価が下がりますか?
評価の仕組みは職場ごとに違うので一概には言えません。ただ、振り返り欄に理由と次の行動が書けていれば、少なくとも自分の課題を把握できていることは伝わります。
- 3年目の目標はどう変わりますか?
自分ができるようになる目標から、得意分野を伸ばす目標や、後輩に教える目標へ移っていきます。書き方の型は1年目と同じで、「何を・どれくらい・いつまでに」を入れます。
- 1年目の年収はどれくらいですか?
僕は地方の内科門前の調剤薬局で約380万でした。地域や業態で差が出るので、相場は薬剤師1年目の給料・年収の記事で確かめてください。
- 1年目で転職を考えてもいいですか?
体や心に不調が出ているなら別ですが、そうでなければ本気で動くのは2年目以降がおすすめです。1年目はまだ「職場が合わないのか、自分が慣れていないだけか」の判断がつきにくいからです。僕自身、焦って動いて失敗した過去があります。
まとめ:薬剤師1年目の目標は小さく書いて積み上げる
1年目の目標は、到達ラインを時期で区切り、シートには行動と数字で書けば十分です。
- 3ヶ月は薬の場所と流れ
- 半年は監査の基礎
- 1年で一通り回せれば合格
- どの時期も事故らないが最優先
もし今の職場がつらくても、転職を本気で考えるのは早くて2年目以降がおすすめです。1年目は、職場の問題なのか慣れの問題なのかを見分けにくいからです。
僕は1回目の転職で年収だけを見て失敗し、2回目は焦って2ヶ月で辞めました。その経緯はこちらの自己紹介記事に書いています。
2年目以降に職場を変えたくなったときの相談先は、転職エージェントを比較したランキングにまとめています。今すぐ動く必要はないので、頭の片隅に置いておくくらいで十分です。









