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新人薬剤師が教えてもらえないのは放置か|人員配置と法令から自分の店を判定する

2026 9/22
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転職の進め方・基礎知識
2026年9月22日
新人薬剤師が教えてもらえないのは放置か人手不足か|薬剤師のリアル

質問をしたら「自分で考えて」と返された。その日の帰り道から、ずっと同じことを考えている。これは放置されているのか、それとも自分が受け身なだけなのか。

僕は地方の調剤薬局で管理薬剤師をしているたろうです。薬剤師になって10年目、34歳。同じ言葉を返されて2ヶ月で辞めた経験と、今は新人の教育を組む側にいる立場、その両方を持っています。

先に書いておくと、この記事は「あなたは悪くない」で始めません。そう言われても、明日また同じ職場に行くなら何も変わらないからです。代わりに、自分の店が放置なのか、単に人が足りていないだけなのかを見分ける材料を先に出します。この2つは似て見えますが、やることがまったく違います。

それと先にひとこと。ここでいう「新人」は新卒に限りません。転職して入ったばかりの中途の人にも、同じことが起きます。むしろ「経験者だから分かるだろう」で説明が省かれるぶん、中途のほうが起きやすいくらいです。

材料は3つ使います。人員配置の基準という数字、薬局の教育について法令が会社に求めていること、そして僕が指導を組む側で実際に何を見ているかです。最後に、判定したあとに残るか出るかを決める線まで書きます。

この記事を書いた人
  • 調剤4年→DS2年→調剤4年
  • いまは管理薬剤師(34歳)
  • 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
  • 3回目で年収480万→610万にアップ
  • 人気転職エージェント5社を全部利用

「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。

詳しい筆者の経歴はこちら

詳細記事:薬剤師ブログ|転職で2回やらかした僕が年収130万上げた話

管理薬剤師たろう
管理薬剤師たろう
目次

新人薬剤師が「教えてもらえない」と感じる状態は3つに分かれる

薬剤師 新人 教えてもらえない 放置|新人薬剤師が「教えてもらえない」と感じる状態は3つに分かれる

同じ「教えてもらえない」でも、中身は別物です。ここを分けずに悩むと、対処が全部ずれます。僕が見てきた範囲では、だいたい次の3つのどれかに当てはまります。

新人薬剤師が「教えてもらえない」と感じる状態は3つに分かれる
  • 指導する人が決まっていない
  • 指導者はいるが時間がない
  • 教える中身が言葉になっていない

指導する人が決まっていない

いちばん多いのがこれです。全員が「誰かが教えているだろう」と思っている状態。あなたが質問するたびに違う人が答えて、答えの内容もバラバラになります。

見分け方は簡単で、「私の指導担当は誰ですか」と聞いたときに、名前が即答で返ってくるかです。「みんなで見てるから」と返ってきたら、それは決まっていないということです。悪意ではなく、決める手間が誰にも割り当てられていないだけのことが多いです。

指導者はいるが時間がない

担当は決まっていて、本人にも教える気はある。ただ、処方箋の山が途切れないので、口を開く時間が物理的にない。この場合、質問への返事が「あとで」「今ちょっと」に集中します。

これは指導の問題ではなく配置の問題です。次の章で数字の見方を書きますが、先に結論だけ言うと、この状態はあなたが頑張っても解決しません。頑張ると、教わらないまま業務だけ増えます。

教える中身が言葉になっていない

3つ目が見落とされがちです。先輩自身が体で覚えていて、手順を言葉にできないパターン。本人に悪気はなく、むしろ「見てれば分かるよ」は親切のつもりで言っています。

このタイプは、抽象的に「どうすればいいですか」と聞くと何も出てきませんが、「この患者さんのこの薬について、次に何を確認しますか」と場面を限定して聞くと、急に具体的に答えます。質問の粒度を細かくするだけで状況が変わるなら、これに当たります。

ここまでの3つは、どれも「あなたを嫌っているかどうか」とは関係がありません。嫌われているのではと考え始めると判断が止まるので、まずは状態の種類から入ってください。人間関係そのものがしんどい段階まで来ている場合は、薬剤師1年目が辛い時の乗り越え方のほうに感情の整理を書いてあります。

薬剤師の放置は、人員配置の数字でかなり説明がつく

薬剤師 新人 教えてもらえない 放置|薬剤師の放置は、人員配置の数字でかなり説明がつく

ここがこの記事でいちばん書きたかったところです。「教える余力があるか」は、性格ではなく人数で決まっています。そして薬局の人数には、法令で決まった下限があります。

薬剤師の放置は、人員配置の数字でかなり説明がつく
  • 処方箋40枚に薬剤師1人という下限
  • 基準を満たしていても余力はない
  • 自分の店の枚数を数えてみる

処方箋40枚に薬剤師1人という下限

薬局の体制については、「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令」という省令があります。その第1条第1項第2号に、調剤に従事する薬剤師の員数について次のように書かれています。

一日平均取扱処方箋数を40で除して得た数以上であること。ここでいう一日平均取扱処方箋数は、前年の総取扱処方箋数を前年に業務を行った日数で割った数です。1に満たないときは1とし、端数が出たときはその端数を1として扱います。つまり1日平均41枚なら薬剤師2人が下限という計算になります。

細かい話ですが、眼科・耳鼻咽喉科・歯科の処方箋は枚数に3分の2を掛けて数えます。門前が眼科の店で「思ったより人が増えない」と感じるのは、この換算が効いているからです。

ここで誤解しやすいのが、この数字はその店に在籍している薬剤師の員数の話であって、「いつも何人が調剤台に立っていなければならないか」ではないことです。時間のほうは同じ省令の別の号で、調剤に従事する薬剤師の週当たり勤務時間数の総和が、その薬局の開店時間の1週間の総和以上であること、と定められています。つまり「頭数」と「延べ時間」が別々に決まっていて、どちらを満たしていても、同じ時間帯に2人並んでいるとは限りません。あなたが一人きりで立っている午後があるのは、これが理由です。

基準を満たしていても余力はない

ここが本題です。40枚に1人というのは下限であって、教育を含めた適正人数ではありません。この基準は「調剤を回せる最低ライン」を示したもので、新人に横について説明する時間は、そもそも計算に入っていません。

だから、法令上は何の問題もない配置で、現場は「教える時間がない」状態になります。あなたの店が違法かどうかを調べても、この問題は解けません。見るべきなのは、下限からどれだけ余裕があるかです。ぴったり下限で回している店は、誰かが休んだ瞬間に全員が調剤台から動けなくなります。そこに新人が入れば、放置に見える状態が毎日起きます。

自分の店の枚数を数えてみる

今日から数えられます。やることは2つだけです。

  1. 1日の処方箋枚数を1週間メモする
  2. その日に出ていた薬剤師の人数も書く

枚数はレセコンの日計表で分かりますし、分からなければ事務さんに聞けば教えてくれます。1週間分の平均を40で割って、その日の薬剤師の人数と比べてください。下限ぎりぎりで回っている日が週の半分以上あるなら、それは指導の問題ではなく配置の問題です。薬剤師が足りないと言われ続けているのに現場が回らない理由については、薬剤師は人手不足なのに現場が回らない理由で構造のほうを書いています。

薬局の新人教育は、先輩の善意ではなく会社の体制として法令に書かれている

薬剤師 新人 教えてもらえない 放置|薬局の新人教育は、先輩の善意ではなく会社の体制として法令に書かれている

ここも、たぶん誰も教えてくれないところです。教育は「気が利く先輩がいる店だけのもの」ではありません。薬局を開設している会社の義務として、法令に書かれています。

薬局の新人教育は、先輩の善意ではなく会社の体制として法令に書かれている
  • 教育訓練の実施と評価は会社の義務
  • 指示と監督の権限は管理者にある
  • 引き継ぎ資料の有無で分かること

教育訓練の実施と評価は会社の義務

薬機法の第9条の2は、薬局開設者に法令遵守体制を整えることを求めています。その中身を定めているのが薬機法施行規則の第15条の11の2です。

そこには、整備すべき体制として「従業者に対する教育訓練の実施及び評価」を行う体制が挙げられています。さらに同じ条文の中に、「業務の適正を確保するために必要な人員の確保及び配置」のための体制という項目もあります。教育と人員配置は、どちらも会社が整えるものとして並んで書かれているわけです。

だから、教えてもらえない状態が続いていることは、あなたの姿勢の問題である前に、会社の体制の話として持ち出していい論点です。ただし、これを持ち出して相手を詰める材料にするのはおすすめしません。現場の先輩は、この条文を理由に教えているわけではないからです。使いどころは、店ではなく本部や人事と話すときです。

指示と監督の権限は管理者にある

同じ施行規則第15条の11の2には、薬局の管理者が持つ権限として「薬局に勤務する薬剤師その他の従業者に対する業務の指示及び監督に関する権限」を明らかにすること、と書かれています。

読み替えると、店の中で誰が誰に指示を出すかは、管理薬剤師が整理しておくべきことだということです。あなたが「誰に聞けばいいか分からない」状態にあるなら、それは管理薬剤師に一度言っていい話です。感情ではなく業務の交通整理として聞こえるように、「この件は誰に確認するのが正しいですか」と場面ごとに聞くのが実務的です。

引き継ぎ資料の有無で分かること

条文の話を現場の判定に落とすと、ひとつの分かりやすい指標になります。その店に、新人が最初に読む紙が存在するかどうかです。

門前の科の頻用薬リスト、疑義照会の連絡先と時間帯、在庫の置き場所のルール、クリニックごとの申し送り。こういうものが何かしらの形で残っている店は、人が入れ替わる前提で運営されています。逆に、全部が誰かの頭の中にしかない店は、あなたが3人目の新人でも同じことが起きます。

これは入職前にも確認できます。面接や見学で「新人が最初に読む資料はありますか」と聞くだけです。ブラック薬局の見分け方で挙げた地雷サインとも重なる話で、資料が無い店は、たいてい他のところも人任せで回っています。

新人薬剤師が7日でできる、放置かどうかの判定

薬剤師 新人 教えてもらえない 放置|新人薬剤師が7日でできる、放置かどうかの判定

ここまでの材料を、実際に自分の店に当てる手順にします。期間は7日で十分です。長く見ても結論は変わりませんし、悩んでいる時間のほうが消耗します。

新人薬剤師が7日でできる、放置かどうかの判定
  • 質問の返り方を3回記録する
  • 到達目標があるかを聞く
  • 聞く相手を決めてもらう

質問の返り方を3回記録する

今日から、質問をした場面を3回だけメモしてください。書くのは4つです。

  • 何時ごろ聞いたか
  • そのとき店は忙しかったか
  • 誰に聞いたか
  • どう返ってきたか

3回そろうと、かなりはっきりします。忙しい時間帯だけ「あとで」と返り、落ち着いた時間には普通に答えてくれるなら、それは放置ではなく余力の問題です。時間帯に関係なく同じ返り方をするなら、人の問題として扱っていい。メモがあると、この2つを混同しなくなります。

記憶で判断すると、印象の強い1回に引きずられます。僕自身、あとから振り返って「毎日そうだった」と思い込んでいた場面が、実際には数回だったことがあります。逆に、記録してみて本当に毎回だったなら、それはもう十分な材料です。

到達目標があるかを聞く

2つ目は、管理薬剤師か指導担当に一度だけ聞く質問です。「入職して3か月の時点で、どこまでできていればいい想定ですか」。

この質問には角が立ちません。前向きな確認に聞こえるからです。そして返ってくる答えで、店の状態がほぼ分かります。「投薬は一人で、在宅は同行まで」のように段階で返ってくるなら、教育の設計がある店です。「まあ、慣れてくれれば」で終わったら、設計はありません。

聞く相手を決めてもらう

3つ目は依頼です。「調剤のことはAさん、レセプトのことはBさん、みたいに決めてもらえると助かります」と伝えてください。これは不満ではなく提案なので、受け取られ方が全然違います。

ここで決まれば、状態は改善に向かいます。決まらない、あるいは「みんなに聞いて」で終わるなら、それは店として整理する意思がないということです。

7日で見るのは、担当が実際に決まったかどうかではありません。伝えたことに対して、その週のうちに何らかの返事が来るかどうかです。「考えておく」でも返事は返事なので、それは待つ材料になります。1週間まるごと何の反応もないなら、そこから先を待っても同じです。

僕が「自分で考えて」と返された薬局で、見落としていたこと

薬剤師 新人 教えてもらえない 放置|僕が「自分で考えて」と返された薬局で、見落としていたこと

ここで自分の話を書きます。30歳のとき、僕はドラッグストア併設の調剤を早く抜けたい一心で転職して、入った調剤薬局を2ヶ月で辞めました。短すぎて職歴にも書けていません。

その店で質問したときに返ってきたのが「自分で考えて」でした。誰も目を合わせず、挨拶も返らない。定時で帰ると無言の圧がある。出勤前に胃がキリキリして、駐車場で車を停めたまま動けない朝がありました。

長いあいだ、僕はこれを「求人票に騙された」と説明していました。でも、後になって求人票を読み返したら、嘘は1行も書かれていませんでした。「アットホームな職場です」は主観の表現で、条件面は実際と一致していた。決定的だったのは、書かれていた内容ではなく書かれていなかったことのほうです。

常勤の薬剤師が何人いるのか。今回の募集が欠員補充なのか増員なのか。前任者がいつ辞めたのか。この3つが分からないまま入っていました。今なら分かりますが、これは全部さっきの「40枚に1人」と「教育の設計があるか」に直結する情報です。人が抜けた直後の店に、教える余力があるはずがない。

そして正直に書くと、僕はそのとき職場見学の提案を「日程が合わない」と自分から断っていました。騙されたんじゃなくて、確かめなかった。ここを人のせいにしていた数年間は、次の転職の役に立ちませんでした。

もうひとつ、いまだに引っかかっていることがあります。逃げるように辞めたので、初日から良くしてくれた事務のパートさんに、直接あいさつができませんでした。同じ地方で働いている以上どこかで会いそうで、あれだけは今も宙に浮いたままです。

管理薬剤師として新人教育を組む側から見えている事情

薬剤師 新人 教えてもらえない 放置|管理薬剤師として新人教育を組む側から見えている事情

逆側の話も書きます。擁護をしたいのではなく、この事情を知っていると「言っても無駄かどうか」の見当がつくからです。

管理薬剤師として新人教育を組む側から見えている事情
  • 指導担当を置けない月がある
  • 教える時間は評価に入らない
  • 新人が辞めると店が止まる

指導担当を置けない月がある

指導担当を1人に固定すると、その人が調剤から半歩下がることになります。人数に余裕がある月はそれができますが、誰かが産休に入ったり、応援に出したりした月はできません。

そうなると「みんなで見よう」になります。この「みんなで」は、現場では「誰も」と同じ意味になります。組む側はそれを分かっていて、それでも人数が足りないときはそうせざるを得ない。ここは正直に書いておきます。

教える時間は評価に入らない

本部に上げる数字は、処方箋枚数、加算の算定件数、在庫金額あたりです。「新人が何をできるようになったか」を数字で上げる欄は、少なくとも僕のところにはありません。

つまり、教えるのが上手い人が報われる仕組みになっていない。それでも教えている先輩は、単純に善意でやっています。裏を返すと、善意が切れた店では教育がゼロになります。個人の良し悪しではなく、設計がそうなっているという話です。指導する側がどう消耗していくかは、新人薬剤師の指導で疲れる理由のほうに書きました。自分の指導担当が今どういう状態か、想像がつくと思います。

新人が辞めると店が止まる

組む側にとって、新人が辞めるのは痛手です。人員が1人減れば、そのぶんのシフトは残った人で埋めるしかなく、いちばん埋めやすいのは管理薬剤師自身の休みです。本部からは定着率のことを言われます。

だから、あなたが「このままだと続けられないかもしれない」と伝えたとき、管理薬剤師は基本的に真剣に聞きます。少なくとも、聞く動機はあります。言っても無駄だと決めつける前に、一度は言ってみる価値があるのはそのためです。

ただ、僕はここで正しい答えを持っていません。管理薬剤師になって2年目のころ、新人から「辞めたいです」と相談されて、自分の失敗歴から「逃げるのも選択肢だよ」と言ってしまったことがあります。その人は本当に辞めました。半年後に「元気です」とLINEが1通来たきりです。あの助言が正しかったのか、いまだに分かりません。

新人薬剤師が残るか出るかを決める線と、次で同じことを避ける質問

薬剤師 新人 教えてもらえない 放置|新人薬剤師が残るか出るかを決める線と、次で同じことを避ける質問

判定が終わったら、最後は残るか出るかです。ここは期限を決めないと、何年でも先送りできてしまいます。

新人薬剤師が残るか出るかを決める線と、次で同じことを避ける質問
  • 3か月で変わらなければ構造
  • 在籍が短いときの見られ方
  • 次の1社で必ず聞く3つ

3か月で変わらなければ構造

僕が線を引くなら3か月です。聞く相手を決めてほしいと伝えて、到達目標を確認して、それでも3か月後に何も変わっていないなら、それは人ではなく構造です。人は変わることがありますが、構造は本人が困らない限り変わりません。

ここで気をつけてほしいのは、3か月を「我慢する期間」にしないことです。判定のための期間なので、記録を取りながら過ごしてください。何も残さずに耐えた3か月は、次の面接で1文字も使えません。

在籍が短いときの見られ方

僕は2ヶ月で辞めた前歴を持ったまま次の転職をしました。そのとき担当者に言われたのは、期間の短さそのものより、辞めた理由を人のせいで説明するかどうかを見られるということでした。

「教えてもらえなかったので辞めました」だけだと、次の店でも同じことを言う人に見えます。そこに「指導担当が決まっていなかったので、決めてほしいと伝えましたが変わりませんでした」まで足せると、確認した人の話になります。この差は、7日の記録があるかどうかで決まります。短い在籍をどう説明するかは、薬剤師の第二新卒転職は不利かのほうに詳しく書きました。

次の1社で必ず聞く3つ

もし次を探すなら、僕が入る前に確かめなかった3つを、必ず聞いてください。どれも事実を答えるだけの質問です。

  1. 常勤の薬剤師は今何人いますか
  2. この募集は欠員補充ですか増員ですか
  3. 新人が最初に読む資料はありますか

濁されたら、それ自体が答えです。ただ、応募者が自分の口でこれを聞くと、条件にうるさい人だと思われないか不安になる気持ちも分かります。僕も面接では聞けませんでした。

間に人を入れると、これが普通の確認事項になります。薬剤師向けだとファゲットのような転職支援サービスに、最初の面談で「教育担当が決まっていない店は紹介しなくていい」と条件として渡しておくやり方があります。僕自身はこのサービスを使って転職したわけではないので、体験談としては書けません。ただ、担当者から会社に確認してもらう形なら、応募者が直接聞くより角が立たないのは確かです。紹介される求人は減りますが、入ってから同じ状態に戻る確率は下がります。

そのうえで、僕が3回目の転職でいちばん効いたのは職場見学を必ず入れたことでした。教える余力がある店は、見学中に先輩が新人に声をかける場面が普通に見えます。逆に、全員が黙って手を動かしている店は、入ってから同じ空気の中に座ることになります。

新人薬剤師が教えてもらえないときのよくある質問

薬剤師 新人 教えてもらえない 放置|新人薬剤師が教えてもらえないときのよくある質問
教えてもらえないのは自分の聞き方が悪いからですか?

聞き方で変わる場面はあります。抽象的に「どうすればいいですか」ではなく、場面を限定して「この患者さんのこの薬で、次に何を確認しますか」と聞くと、急に具体的に返ってくる先輩は実際にいます。ただ、それを3回試しても返り方が変わらないなら、聞き方の問題ではありません。自分を疑う前に、まず記録を取って条件を変えてみてください。変えても同じなら、そこから先はあなたの責任ではないです。

指導担当を決めてほしいと言うのは、生意気に思われませんか?

言い方次第です。「決まっていないので困ります」だと不満に聞こえますが、「同じことを何人にも聞いてしまって申し訳ないので、この件は誰に聞くのが正しいか決めてもらえると助かります」だと業務の相談になります。僕が管理薬剤師として言われる側だとしたら、後者は普通に受け取ります。むしろ、何も言わずに黙って辞められるほうが困ります。

薬剤師の人数が足りない店は法令違反ではないのですか?

省令で決まっているのは、一日平均取扱処方箋数を40で除して得た数以上という下限です。多くの店はこれを満たしています。問題は、この下限が「調剤を回せる最低ライン」であって、新人に教える時間を含んだ人数ではないことです。だから、違法かどうかを調べても現状は変わりません。見るなら、下限からどれだけ余裕があるかのほうです。個別の店が基準を満たしているかどうかの判断は、自分でせずに保健所や都道府県の薬務主管課が扱う領域だと考えてください。

中途入社でも「新人だから教えてもらえない」は起きますか?

起きます。むしろ中途のほうが起きやすいです。「経験者だから分かるだろう」で説明が省かれるからです。前の店とレセコンも在庫の置き方も疑義照会の作法も違うのに、そこは教わらないまま投薬に立たされる。僕自身も転職のたびに経験しました。中途の場合は、遠慮せず「前の店とやり方が違うので、この店の手順を教えてください」と最初の1週間で言い切ったほうが早いです。

1人で監査や投薬に回されるのが怖いです

怖いと感じているうちは、そのまま伝えていいです。「今の段階で一人で見るのは不安なので、最初の何回か確認してもらえませんか」は、安全のための申し出であって甘えではありません。断られた場合は、確認したい点をメモして、投薬後でもいいので見てもらう形に切り替えてください。それも通らない店は、教育の問題というより安全管理の考え方が違います。その場合は残るかどうかの判断材料として数えてください。

本部や人事に言ってもいいものですか?

言っていい話ではあります。教育訓練の実施と評価、人員の確保と配置は、薬機法施行規則で薬局開設者が整えるべき体制として挙げられているものだからです。ただ、店を飛ばして先に本部へ行くと、戻ってきたときの店内の空気は確実に変わります。順番としては、まず管理薬剤師に伝えて、記録を残して、それでも動かない場合に本部、が現実的です。いきなり本部を選ぶなら、その店に残らない前提で動くほうが安全です。

辞めるとしたら、何か月で辞めるのが妥当ですか?

何か月が妥当という一般的な正解はないです。僕は2ヶ月で辞めていて、その前歴は今も職歴に書けていません。それでも辞めたこと自体は後悔していません。目安を出すなら、記録を取って伝えて3か月です。ただし、体調に出ているなら期間の話は後回しにしてください。駐車場で車から降りられない朝が続いている状態は、判定を待つ段階ではないです。

新人薬剤師が明日いちばん先にやること

薬剤師 新人 教えてもらえない 放置|新人薬剤師が明日いちばん先にやること

長く書きましたが、明日やることは1つです。

質問をした場面を、3回だけメモに残してください。何時に、忙しい時間だったか、誰に、どう返ってきたか。スマホのメモで十分です。この4行が、残るか出るかの判断にも、次の面接で話す言葉にも、そのまま使えます。

この記事のまとめ
  • 「教えてもらえない」は3種類に分かれる
  • 担当の名前が即答で出るかを見る
  • 薬剤師の下限は処方箋40枚に1人
  • 下限は教える時間を含んでいない
  • 教育訓練の体制は会社の義務
  • 指示と監督の権限は管理者にある
  • 新人が読む資料の有無で分かる
  • 質問の返り方を3回記録する
  • 3か月で変わらなければ構造
  • 次の面接では確認した事実を話す

最後に、組む側としての本音を書いておきます。僕は、新人に「自分で考えて」と返す人を庇う気はありません。ただ、あの言葉が出る店は、たいてい誰か1人が悪いのではなく、教える時間が誰の担当にもなっていません。

あなたが我慢したところで、その設計は変わらないです。変えられるのは、自分が何を確かめたかという記録だけ。それだけは、この店に残っても出ても、必ず持っていけます。

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この記事を書いた人

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調剤薬局4年→ドラッグストア2年→調剤薬局4年(現在は管理薬剤師)。転職を3回経験し、うち2回は失敗しました。3回目でようやく年収を480万円→610万円に上げられた、しくじり多めの薬剤師です。転職活動では薬剤師向けエージェントを5社すべて実際に使って比較しました。薬学部6年制卒・薬剤師国家試験は1発合格。「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師転職のリアルな失敗談と成功談を本音で発信しています。

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管理薬剤師たろう

管理薬剤師たろう

薬剤師歴10年・34歳。調剤→ドラッグストア→調剤と転職3回(うち2回失敗)、年収は480→610万に。エージェント5社を使い倒した実体験を発信しています。

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