薬剤師7年目の目標は、「管理薬剤師に進む」「専門を深める」「働く場所を見直す」の3つから1つ選び、1年でやることを行動と数字で書くと決めやすくなります。
「管理薬剤師は何年目からなれるのか」も先に答えておくと、法律に年数の決まりはありません。ただ厚生労働省のガイドラインは、原則として薬局での実務経験5年以上と認定薬剤師であることを重視しています。7年目は、ちょうどこの目安を満たし始める年です。
書いているのは、いま調剤薬局で管理薬剤師をしている僕です。スタッフに店舗の目標を割り振る側で、採用の一次面接も担当しています。
ちなみに僕自身の7年目は、30歳で2回転職した年でした。ドラッグストア併設の薬局を早く抜けたくて焦り、次の薬局を2ヶ月で辞めています。管理薬剤師になったのは、その後に入った今の薬局で2年目のときです。その反省も、目標の立て方に入れています。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
詳しい筆者の経歴はこちら
管理薬剤師は何年目から?薬剤師7年目の立ち位置
法律に年数の決まりはない
管理薬剤師は、薬機法でいう「薬局の管理者」です。薬機法第7条第3項は、管理者に「必要な能力及び経験を有する者」であることを求めています。
ただし、法律の条文に「何年以上」という数字は書かれていません。薬剤師免許があれば、年数だけで管理薬剤師になれないわけではない、というのが法律上の整理です。
国の目安は5年+認定薬剤師
年数の目安が出てくるのは、厚生労働省の「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」です。管理者の選任について、次のように書かれています。
- 原則、薬局の実務経験5年以上
- 認証を受けた制度の認定薬剤師
認定薬剤師は、薬剤師認定制度認証機構などが認証した制度で認定された薬剤師を指します。日本薬剤師会も薬局における法令遵守体制整備の手引きで、この2点の重要性は「当然」としています。
つまり新卒から続けて薬局にいれば、6年目以降で経験年数の目安は満たします。7年目で残る条件は、認定薬剤師を持っているかどうかになりやすいです。認定の種類と取り方は認定薬剤師とは?種類と取り方にまとめています。
実際は会社と空きポスト次第
目安を満たしても、管理薬剤師は1店舗に1人です。いまの管理薬剤師が異動や退職をしない限り、ポストは空きません。
僕の場合、薬剤師としての年数は足りていましたが、今の薬局に入ってすぐではなく、入社2年目での昇格でした。転職先で最初から管理を任されるとは限らない、という点は知っておいて損はないです。
管理薬剤師の実際の仕事は管理薬剤師の仕事内容と1日のスケジュールに書きました。「監査の前日は胃が痛い」「自分の調剤を止めて卸や本部の電話に走る」という立場です。なりたくない人向けの記事もあるので、向き不向きはそちらも見てください。
7年目の年収の目安
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査では、薬剤師・経験5〜9年の月の所定内給与が39.3万円、年間賞与が82.8万円です。
年収にすると約555万円で、残業代は含みません。僕の今の年収は610万円です。7年目の手取りや、僕が480万円から上げた経緯は7年目の年収記事に書いています。
薬剤師7年目の目標は3つの方向から1つ選ぶ
7年目になると、自分の業務はひと通り回せます。だからこそ「全部少しずつ伸ばす」目標は、1年後に何も残りにくいです。
先に方向を1つ決めて、1年後の姿を書いてしまうのがおすすめです。
| 方向 | 向いている人 | 1年後の姿の例 |
|---|---|---|
| 管理薬剤師に進む | 人や店全体を見るのが苦にならない | 認定薬剤師を取り、管理業務の一部を任されている |
| 専門を深める | 患者さん対応や特定の分野を突き詰めたい | 在宅など1分野で、店の中で最初に聞かれる人になる |
| 働く場所を見直す | 今の店では上の2つが望めない | 比べる基準を決め、求人と見学で確かめ終えている |
管理職と専門の分かれ道は、5年目・6年目の記事でも触れてきました。7年目はそこから一歩進めて、「今の店でその方向に進めるか」まで確かめる年だと僕は考えています。
管理薬剤師のポストが当面空かない、在宅をやっていない店で在宅を深めたい。こういう場合は、3つ目の「働く場所を見直す」が目標になります。
薬剤師7年目の目標管理シートの記入例
ここからは、目標管理シートにそのまま写せる形の記入例です。欄は「目標・達成基準・期限・行動計画」の4つで考えます。シートの基本的な書き方は1年目の目標記事で欄ごとに説明しています。
管理薬剤師を目指す人の例
ガイドラインの目安のうち、自分で埋められるのは認定薬剤師です。まずここを1年の目標に置きます。
| 欄 | 記入例 |
|---|---|
| 目標 | 研修認定薬剤師の申請に必要な単位をそろえる |
| 達成基準 | 申請できる状態になっている |
| 期限 | 来年3月末 |
| 行動計画 | 月に1回は研修会かe-ラーニングで単位を取る |
僕も研修認定は、今の薬局に入ってから取りました。単位は一気には取れないので、月ごとに分けて書いておくと進み具合が見えます。
認定と並べて書きやすいのは、管理業務を1つだけ引き受ける目標です。
- 発注と在庫の確認を週1回担当
- 使用期限チェックを月1回回す
- 新人の教育係を1人受け持つ
面談では、管理薬剤師に興味があることも口に出して伝えてください。ポストが空いたとき、候補として思い出してもらえるかどうかが変わります。
専門を深める人の例
専門の目標は「認定を取る」だけで終わらせず、店の中で頼られる形まで書くと評価する側にも伝わります。
| 欄 | 記入例 |
|---|---|
| 目標 | 在宅の患者さんを担当として受け持つ |
| 達成基準 | 訪問と報告書を一人で回せる |
| 期限 | 9月末 |
| 行動計画 | 担当者の訪問に同行し、報告書の下書きを毎回書く |
在宅に関わる条件や始め方は訪問薬剤師になる条件にまとめています。がんや緩和など領域の認定を狙う場合は、症例の記録が要る制度もあるので、先に要件を読んでから期限を決めてください。
すでに管理薬剤師の人の例
7年目で管理薬剤師になっている人は、店舗目標を自分の目標に落とし込む欄で手が止まりがちです。
僕の店では、本部から件数の目標が降りてきます。いまは服薬フォローアップの実績件数などで、それをスタッフに割り振るのが僕の役目です。
| 欄 | 記入例 |
|---|---|
| 目標 | 店舗のフォローアップ件数を、スタッフ全員で分担して達成する |
| 達成基準 | 月ごとの件数と、担当ごとの内訳を毎月確認できている |
| 期限 | 毎月末 |
| 行動計画 | 月初の朝礼で担当を決め、中旬に進み具合を1回見る |
もう1つ置いておきたいのが、スタッフの定着です。管理薬剤師をしていると、新人が1人辞めるだけで、そのシフトは自分が埋めることになります。
ただ、定着は数字だけを目標にすると苦しくなります。僕は以前、辞めたいと相談してきた新人に「逃げるのも選択肢だよ」と言い、その子は本当に辞めました。あの一言が正しかったのかは、今も分かりません。
だから定着の目標は「辞めさせない」ではなく、「困っていることを早く聞ける場を作る」ほうが書きやすいと思っています。たとえば「新人と月1回、業務外の話も含めて15分話す」のような形です。
管理側が7年目に頼みたいこと
管理薬剤師の立場から、7年目の人が目標に入れてくれると助かることを挙げておきます。
- 新人の質問の一次受け
- 薬歴の書き方をそろえる
- 自分の担当業務の手順書化
薬歴をそろえる、を入れたのには理由があります。僕は管理薬剤師2年目に保険薬局の個別指導を受けました。前日に薬歴を全部直そうとして深夜まで残り、当日いちばん頭が回らなかったのが最大の反省です。
薬歴は、日ごろの書き方がそろっていれば直前に慌てずに済みます。7年目の人が後輩の薬歴を見る役を引き受けてくれると、店全体の備えになります。
薬剤師7年目で転職を目標に入れるなら
目標は「比べる基準」から書く
7年目に転職を目標に入れるなら、「転職する」ではなく「何で比べて決めるか」を先に書くことをすすめます。これは僕の7年目の失敗からです。
当時の僕はドラッグストア併設の薬局で月45時間の残業が続き、とにかく早く抜けたい一心でした。年収を550万円から480万円に下げてまで次の薬局を決め、2ヶ月で辞めています。
長いあいだ「求人票に騙された」と思っていました。でも後で読み返すと、求人票に嘘は書かれていませんでした。本当は、職場見学の提案を「日程が合わない」と自分から断っていたんです。騙されたのではなく、確かめなかっただけでした。
求人票に書かれていなかったのは、次の3つです。今は求人を出す側にいますが、応募する側として確かめるならやはりここだと思っています。
- 常勤の薬剤師は何人か
- 欠員補充か増員か
- 前任者はいつ辞めたか
この3つと職場見学を、目標の行動計画にそのまま入れてください。管理薬剤師のポスト目当てなら、「入社後いつから管理を任される想定か」も聞いておくと、入ってからのずれが減ります。
求人を見て今の店と比べる
7年目の自分にどんな求人が出てくるかを見ると、今の店の条件が高いのか低いのかが分かります。転職するかどうかは、そのあとで決めても遅くありません。
中小の調剤薬局や病院の求人を見たい人は、ファゲットのように、そうした求人を強みとするエージェントに条件を伝えて探してもらう方法があります。僕自身は使ったことがなく、公式サイトに書かれている内容からの紹介です。
ほかのエージェントとの違いは薬剤師転職エージェントのおすすめランキングで比べています。内定後に条件を上げたい人は年収交渉のやり方もどうぞ。
薬剤師7年目で燃え尽きそうなときのサイン
7年目は任される仕事が増えるうえ、結婚や出産など生活の変化も重なりやすい時期です。目標を立てる前に、次のような状態が続いていないかも見てください。
- 休日も店の在庫が気になる
- 何をしても達成感がない
- 家で仕事の愚痴ばかり
当てはまるなら、新しい目標を足すより先に、業務量を減らす相談をしたほうがいいと思います。追い込まれた状態で「辞める」を即決すると、僕のように次の職場選びで焦ります。
残業そのものを減らしたい人は、薬剤師の残業を減らす方法も参考にしてください。
薬剤師7年目の目標についてよくある質問
- 薬剤師7年目は何を目標にすればいいですか?
「管理薬剤師に進む」「専門を深める」「働く場所を見直す」の3つから1つ選び、1年でやることを行動と数字で書くのがおすすめです。全部を少しずつ伸ばす目標は、1年後に何も残りにくいです。
- 管理薬剤師は何年目からなれますか?
法律に年数の決まりはありません。ただ厚生労働省の法令遵守ガイドラインは、原則として薬局の実務経験5年以上と認定薬剤師であることを重視しています。実際には会社の判断とポストの空き次第です。
- 7年目で管理薬剤師になれていないのは遅いですか?
遅いとは思いません。管理薬剤師は1店舗に1人なので、ポストが空かなければ年数があってもなれません。僕も今の薬局に入って2年目での昇格でした。
- 7年目の年収はどのくらいですか?
令和6年賃金構造基本統計調査で、薬剤師・経験5〜9年は年収にすると約555万円です(残業代を除く)。店や地域で差が出るので、詳しくは7年目の年収記事を見てください。
- 管理薬剤師にならないとダメですか?
そんなことはありません。人を見るより患者さんや特定の分野に向き合いたい人は、専門を深めるほうが合っています。管理を打診されて迷っている人は管理薬剤師になりたくない人向けの記事も読んでみてください。
- 7年目で転職するのは遅いですか?
遅くないと思います。大事なのは時期より、何で比べて決めるかです。常勤の人数、欠員か増員か、前任者がいつ辞めたかを確かめ、職場見学をしてから決めてください。
- 7年目で成長が止まった気がします。
同じ店・同じ業務に慣れて、刺激が減っているだけのことも多いです。在宅や認定など、新しい分野を1つだけ目標に入れてみてください。今の店でそれができないなら、働く場所を見直す目安になります。
- 目標管理シートには目標をいくつ書けばいいですか?
7年目でも1〜3個で十分です。方向を1つ決め、その中で「何を・どれくらい・いつまでに」を書きます。欄ごとの書き方は1年目の目標記事にまとめています。
- 7年目で異業種や開業を考えるのは早いですか?
早すぎることはないと思います。ただ僕は薬局以外で働いたことも、開業したこともありません。収入や資金の見通しは、実際に移った人や開業した人の話で確かめてください。
- 7年目で燃え尽きそうです。辞めるべきですか?
まずは業務量を減らす相談と、しっかり休むことを優先してください。追い込まれた状態で即決すると、次の職場選びで焦りやすくなります。僕は焦って決めた転職を2ヶ月で辞めています。
まとめ:薬剤師7年目の目標は方向を1つに絞る
7年目の目標は、方向を1つに決めて、シートに行動と数字で書けば十分です。
- 管理薬剤師は年数の決まりなし
- 国の目安は5年+認定薬剤師
- 目標は3方向から1つ選ぶ
- 転職は比べる基準を先に書く

