こんにちは、管理薬剤師のたろうです。薬剤師5年目の目標は、「管理職か専門性か」を仮に決めて、どちらにも効く研修認定を取りにいくことから立てるのが現実的だと僕は考えています。
理由は、厚労省のガイドラインが管理薬剤師の目安として「薬局での実務経験が少なくとも5年」と「認定薬剤師」をセットで挙げているからです。5年目は、その片方がちょうど満たされる年です。
僕自身の5年目は、4年いた調剤薬局Aを出て、ドラッグストア併設の調剤Bに移った1年目でした。年収は420万から550万に上がりましたが、月の残業は45時間。振り返ると、目標と呼べるものは「年収を上げる」だけでした。この記事では、その反省も含めて5年目の目標の立て方を書きます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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目標の立て方より先に「どこに相談すればいいか」だけ知りたい人は、薬剤師転職エージェントおすすめランキングを見てください。僕が転職で実際に使った5社の感想も載せています。
薬剤師5年目の年収・スキルレベルの現在地
年収の目安は統計で約555万
目標を立てる前に、今の年収がどのあたりかを押さえておくと判断がぶれません。令和6年賃金構造基本統計調査(職種・年齢階級・経験年数階級別)で薬剤師の経験5〜9年を計算すると、約555万円です(所定内給与×12+年間賞与、残業代は含みません)。
経験1〜4年は約493万円なので、5年目は統計上も一段上がる時期です。僕の5年目はDS併設調剤で550万でしたが、これは月45時間の残業代込みの額でした。内訳と手取りは薬剤師5年目の年収に書いています。
業務スキルは「教える側」になる時期
5年目になると、新人の指導やOJTを任されることが増えます。人に説明してみると、自分の理解が浅いところがはっきりします。これも5年目の収穫です。
「同期の差」が業態で大きく開く
調剤一筋の同期は服薬指導や疑義照会に慣れ、病院に行った同期は病棟業務の経験を積んでいる。5年目は、業態の違いがスキルの差として見え始める時期です。
年収の差も業態で出ます。第25回医療経済実態調査では、薬剤師の平均年収は病院で約581万円、薬局の一般の薬剤師で約479万円、薬局の管理薬剤師で約725万円でした。経験年数を問わない平均なので、5年目の人にそのまま当てはまるわけではありません。
薬剤師5年目の僕が「年収」だけを目標にして後悔したこと
4年目で頭打ちを感じてDSへ
新卒で入った調剤薬局Aは、内科クリニックの門前でした。年収は1年目の約380万から4年目で420万。給料もスキルも頭打ちに感じて、28歳で年収550万のドラッグストア併設調剤Bに移りました。これが僕の5年目の始まりです。
残業45時間で気力が残らない
Bの仕事は、調剤に加えてOTCの接客、レジ、品出しでした。週の半分は遅番で、閉店後の品出しが終わると夜10時。月の残業は45時間になりました。
お金は増えたのに、使う時間も体力もない。認定の勉強や、次のキャリアを考える余裕もありませんでした。結局Bには2年いて、30歳で抜けています。
足りなかったのは働き方の目標
今思うと、5年目の僕には「どんな働き方をしたいか」という目標がありませんでした。年収は結果として付いてくる数字で、それ自体を目標にすると、何を差し出しているかが見えなくなります。
なので5年目の目標は、年収の額より先に「管理職か専門性か」「残業は月何時間までなら続けられるか」を決めておくのがおすすめです。以下の2つのルートは、その材料として読んでください。
薬剤師5年目の目標例:専門性を深めるルート
①認定薬剤師の取得
まず目標にしやすいのは、研修を受けて単位を集める研修認定薬剤師です。後で書くとおり、管理薬剤師の目安にも入っているので、専門性と管理職のどちらに進んでも無駄になりません。
その先に、がん薬物療法や在宅など分野ごとの認定があります。病院なら日本病院薬剤師会の認定も視野に入ります。
一つ知っておいてほしいのは、認定を取っても給料に直結するとは限らないことです。僕は現職の調剤薬局Dで研修認定を取り、かかりつけ薬剤師として同意患者をピーク時で約30名持っていました。それでもDにはかかりつけ手当がありません。認定で年収を上げたいなら、今の会社に資格手当や評価の仕組みがあるかを先に確かめてください。
②在宅対応への参加
患者宅への訪問、退院時カンファレンス、多職種との連携。在宅の経験は、5年目から積み始めると他の薬剤師との違いになります。今の職場に在宅がなければ、在宅に力を入れている薬局への転職も選択肢です。詳しくは訪問薬剤師の条件を見てください。
③特定領域への特化
緩和ケア、精神科、小児科、透析、無菌調剤など、特定の領域に詳しい薬剤師は替えが利きにくくなります。その領域の処方を多く受ける薬局や病院を選ぶ、という動き方もあります。
薬剤師5年目の目標例:管理職を狙うルート
①要件の目安は実務5年+認定
薬機法そのものには「実務何年以上」という数字はありません。ただ、厚労省の法令遵守ガイドラインは、管理者を選ぶ目安として次の2つを「重要である」としています(日本薬剤師会「薬局における法令遵守体制整備の手引き」に抜粋があります)。
- 薬局での実務経験が5年以上
- 認証機関の認定を受けている
5年目で満たせるのは経験年数のほうです。認定を持っていなければ、5年目の目標は「研修認定を取る」が最初の一歩になります。会社によって基準は違うので、社内の昇格条件も上司に確認しておきましょう。
②管理薬剤師の仕事を知る
管理職を目指すか決める前に、中身を知っておくと判断しやすくなります。今の僕の仕事は、普段の調剤に加えて次のようなものです。
- 発注・在庫・期限の管理
- 薬歴の監査
- シフト作成と新人教育
- 採用の一次面接
- 本部への数字の報告
管理薬剤師手当は月3〜5万円です。その代わり、監査の前日は胃が痛くなりますし、自分の調剤を止めて卸や本部の電話に走ることもあります。新人が辞めれば、自分のシフトが消えます。
運営や人の管理が苦にならない人には合う道です。現場で患者さんと深く関わりたい人は、専門性のルートのほうが満足しやすいと思います。
③エリアM・本部スタッフへ転身
チェーン薬局なら、管理薬剤師を経てエリアマネージャーや本部スタッフに進む道もあります。現場を離れて運営側に回るキャリアです。5年目の時点では、社内にそういうポストがあるか、どんな人が就いているかを見ておく程度で十分です。
④現職で空きがないなら転職も
管理薬剤師のポストが何年も空かない職場なら、転職先で管理薬剤師を目指す道もあります。求人の中には、管理薬剤師として入社する募集も見かけます。
僕の場合は、30歳で今の調剤薬局Dに一般の薬剤師として入り、2年目に管理薬剤師に昇格しました。Dの年収は、入社時の交渉で初年度から610万です。入社前に昇格の道筋があるかを聞いておくと、入ってからのずれが少なくなります。
薬剤師5年目で「軸が定まらない」時の考え方
5年目で「自分の軸はこれだ」と決まっている人は少数派だと思います。僕も5年目は、DSの忙しさに追われて考える余裕がありませんでした。
焦って異業種に飛ぶ前に業態見直し
「薬剤師そのものが向いていないかも」と思ったときも、業態を変えると感じ方が変わることがあります。MRや治験コーディネーターに移る前に、別のタイプの調剤薬局や病院を検討するほうがリスクは小さいです。
ただし、焦って決めないでください。僕はDSを早く抜けたい一心で次の職場を決め、入社2ヶ月で辞めています。職場見学の提案を、自分から「日程が合わない」と断っていました。
5年目の見直しの相談先
転職エージェントに登録して、5年目の自分にどんな求人が来るかを見ておくと、今の職場を比べる物差しができます。応募する義務はないので、情報収集だけの使い方でかまいません。登録するときに「今すぐ転職するつもりはない」と最初に伝えておくと、話が噛み合いやすくなります。
候補の一つがファゲットです。僕は使っていませんが、公式サイトは中小の調剤薬局や病院の求人を強みとして挙げています。「大手チェーン以外で管理薬剤師を目指せる職場も見てみたい」という人には合うと思います。
ほかの会社と比べてから決めたい人は、下の比較ページもどうぞ。
薬剤師5年目で起きやすい3つの停滞感とその抜け方
5年目にありがちな「停滞感」についてです。どれも目標が決まらない原因になりやすいので、抜け方と合わせて書きます。
①新人でもベテランでもない中間
5年目になると、周りは「もう聞かなくても分かるよね」という接し方になります。でも実際は分からないこともまだある。聞きたいのに聞けない、間違えたら恥ずかしい、という圧が地味に効きます。
抜け方は、開き直って聞き直すことです。「すみません、ここの監査の考え方をもう一度教えてください」と言ってしまう。年下のスタッフにも素直に聞く。プライドを一段下げると、かえって楽になります。
②昇給ペースの停滞
調剤薬局の昇給は、1回あたり月額5千〜1万円くらいが多い印象です。僕の調剤薬局A時代も、年収は1年目の約380万から4年目の420万まで、4年で40万ほどしか伸びませんでした。このペースに気づくと、10年先の年収が見えてしまって気が遠くなります。
僕はここで焦ってDSに移り、残業で消耗しました。昇給に不満があるなら、管理薬剤師への昇格か、残業込みかどうかまで確かめたうえでの転職が現実的な手です。具体的な方法は薬剤師が年収を上げる方法にまとめています。
③同期との比較で消耗する
SNSを開くと「認定を取りました」「管理薬剤師になりました」という報告が目に入ります。毎日見ていると、自分だけ遅れている気がしてきます。
投稿されるのは、うまくいった人のうまくいった瞬間です。平均の姿ではありません。比べて落ち込むなら、見る頻度を減らすのも一つの手です。
薬剤師5年目の3ヶ月・半年・1年の目標例
3ヶ月:自分のキャリア軸を1つ決める
3ヶ月以内に「管理薬剤師」「専門性」「今の働き方を保って家庭を優先」のどれを軸にするか、仮でいいので決めます。あわせて「残業は月何時間まで」という線も決めておくと、後で年収だけに引っ張られにくくなります。
半年:軸に沿う行動を1つ始める
軸ごとの行動の例です。
- 管理職:上司に意思を伝える
- 専門性:研修認定の単位集め
- 家庭優先:勤務形態を相談
研修認定はどの軸でも役に立つので、迷ったらここから始めてかまいません。半年の目標は「何か一つを動かすこと」です。
1年:軸に沿った成果か、転職判断
1年たった時点で振り返ります。管理薬剤師の話が出てきた、認定の単位がたまった、働き方が変わった。こうした前進があれば、その軸で続ければいい。今の職場では実現できないと分かったなら、転職を考えるタイミングです。
薬剤師5年目の目標についてよくある質問
5年目の目標について、気になりやすいところをまとめました。気になる質問だけ開いてみてください。
- 5年目で目標が決まらないのはまずいですか?
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まずくないです。5年目で軸がはっきり決まっている人のほうが少ないと思います。仮でいいので方向を置いて、1年かけて確かめるくらいで間に合います。
- 専門性と管理職、どちらを目指すべきですか?
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現場で患者さんと深く関わりたいなら専門性、運営や人の管理が苦にならないなら管理職が向いています。どちらもピンとこないなら、両方の目安に入っている研修認定から始めるのが無駄のない順番です。
- 5年目の年収はどのくらいが普通ですか?
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令和6年賃金構造基本統計調査で薬剤師の経験5〜9年を計算すると、約555万円です(残業代を除く)。業態や地域、会社の規模で差が大きいので、目安として見てください。
- 認定薬剤師は5年目から取るべきですか?
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管理職を目指す場合も、専門性を伸ばす場合も、持っていて損はありません。ただし給料に反映されるかは会社しだいです。資格手当や評価の仕組みがあるかを先に確認してください。
- 5年目で管理薬剤師になれますか?
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法律に経験年数の決まりはありませんが、厚労省のガイドラインは「薬局での実務5年以上+認定薬剤師」を目安にしています。5年目なら経験年数は満たすので、あとは認定と、職場にポストの空きがあるかどうかです。
- 同期と年収に100万円の差がついていて焦ります。
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5年目は業態で差が見え始める時期なので、珍しいことではありません。額面が高くても残業代込みの場合があります。僕のDS時代の550万も、月45時間の残業込みでした。額だけでなく働く時間とセットで比べてみてください。
- 5年目の転職は不利になりませんか?
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5年の経験があれば、一通りの業務を任せられる人として見てもらいやすい時期です。不利になりやすいのは年数よりも、辞める理由と次にやりたいことが説明できない場合だと思います。
- 薬剤師そのものが向いていない気がします。
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業態を変えると感じ方が変わることがあります。MRや治験に移る前に、別のタイプの調剤薬局や病院を検討してみてください。資格を直接使わない仕事に移ると、戻るときの壁が高くなりがちです。詳しくは薬剤師の異業種転職に書いています。
- 目標を立てても続かないんですが、どうすれば?
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3ヶ月で軸を一つ決める、半年で行動を一つ始める、くらいまで小さく刻むと続きやすいです。大きい目標を一度に立てるより、最初の一歩を具体的にするほうが動けます。
- まだ転職する気はないけど登録だけしてもいいですか?
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大丈夫です。応募の義務はないので、5年目の自分にどんな求人があるかを見ておくだけでも、今の職場を比べる材料になります。最初に「情報収集です」と伝えておくと、無理に急かされにくくなります。
まとめ:薬剤師5年目は分岐点だけど、決めなくていい
5年目は専門性か管理職かの分岐点ですが、この時点で固定する必要はありません。仮の軸を置いて研修認定を進め、6〜7年目で固めるくらいのペースで十分です。年収の額だけで次の一手を決めることだけは避けてください。
その「固める」やり方は、次の年次で書いています。6年目で立てた3つの軸を見ておくと、5年目で仮置きした部分をどう絞るかのイメージがつかめます。
関連記事として、4年目の目標、7年目の目標、10年目の目標、5年目の給料は5年目の年収もどうぞ。
軸を試すうえで、外の求人を見ておくのは役に立ちます。どこに相談するか迷ったら、薬剤師転職エージェントおすすめランキングから、自分の軸に合いそうな会社を選んでみてください。今すぐ転職しない人でも、求人を見ておく使い方で十分です。

