「地方の薬剤師って年収低いんでしょ?」って思ってる人、ちょっと待ってください。僕は地方の調剤薬局で働く34歳・薬剤師歴10年目の管理薬剤師なんですが、地方=損とは限らないんですよね。
むしろ都会より年収が高い地方も普通にあります。求人の数とか、薬剤師が足りてるか足りてないか(飽和してるか)で、同じ「地方」でも全然変わってくるんです。
この記事では、地方薬剤師の年収相場の実態と、地方で年収を損しないための立ち回りを、僕の実体験ベースで正直に書きます。都会へ出るべきか地元に残るべきか迷ってる人の判断材料にしてもらえたらうれしいです。
「地元に残ったら年収は頭打ちかも」と思っているなら、先に同じ町の求人をいくつか並べてみてください。地方は薬局ごとに提示される年収の差が大きくて、1社だけ見て決めると損に気づけません。
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「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
詳しい筆者の経歴はこちら
地方の薬剤師の年収は実際いくら?まず相場から
いちばん気になるとこから答えますね。「地方」だけをまとめた公的な相場は見当たらないので、全国の数字から。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で計算すると、薬剤師の平均年収は約532万円です(残業代を除く)。
同じ調査を都道府県別に計算すると、低い県で約445万円、高い県で約651万円と幅があります。東京は約506万円、大阪は約492万円で、どちらも全国平均より下でした。人数の少ない県は年によって数字が大きく動くので、順位より「県でこれだけ違う」という目安で見てください。
管理薬剤師たろう東京や大阪が全国平均より下というのは、ちょっと意外ですよね。
ここで大事なのが、これはあくまで世間の相場の話だってことです。僕個人の年収(後で出します)とは分けて読んでくださいね。人によって職場も経歴も違うので、「自分は相場より低い…」って落ち込む必要はまったくないです。
業態でこんなに違う
同じ地方でも、働く場所のタイプで年収はけっこう変わります。調剤薬局、ドラッグストア、病院、それぞれ給料の出方がぜんぜん違うんですよ。ざっくり傾向だけ並べておきますね。
- 調剤薬局:安定。昇給はゆるやか
- ドラッグストア:高めの提示が多い
- 病院:やりがい型。やや低めが多い
地方でとにかく年収を上げたいなら、ドラッグストアが手っ取り早いのは事実です。でも僕はDSで2年潰された経験があるので、お金だけで選ぶのはおすすめしないかな…という本音もあります。このへんは後の体験談で書きます。
業態ごとに僕の手取りが実際どれくらい違ったかは、勤務先ごとの僕の実額を業態別にまとめた記事に明細つきで書いてます。「給料が安いのは田舎だから?」って悩んでる人は、田舎より業態のほうが効いてたりするので、そっちも合わせて読んでもらえたらと。
年代別のざっくり感
年代でも変わります。同じ調査で計算すると、25〜29歳で約459万円、30〜34歳で約497万円、35〜39歳で約557万円、45〜49歳で約631万円です。これは全国の数字で、地方だけの年代別は出ていません。自分のペースと比べすぎないでくださいね。
もっと細かい年代別・年次別の数字を知りたい人は、年収の全体像をまとめた記事があるので、そっちを見てもらうのが早いです。薬剤師10年目の年収を手取り明細つきで公開した記事に、僕の実額も載せてます。



相場の数字は「自分の現在地を知る地図」くらいに使うのがちょうどいいです。
地方の薬剤師はなぜ都会より年収が高いことがあるの?
「地方は給料安い」って思い込んでる人、多いと思います。でも実際は逆のことがけっこうあるんですよね。理由はシンプルで、薬剤師が足りてるか足りてないかなんです。
- 薬剤師が足りてるか(飽和)
- その地域の競争のはげしさ
- 住むコスト(家賃・物価)
この3つが地方の年収を決めます。一つずつ見ていきましょう。
薬剤師が足りない地域は給料が上がる
都市部は薬剤師が集まりやすいので、薬剤師がだぶつき気味です。人が余ってると、薬局側は給料を高くしなくても人が採れる。だから都会は意外と上がりにくいんです。
逆に過疎地や交通の不便な地域は、来てくれる薬剤師が少ない。だから「来てくれるなら給料出します」状態になりやすいんですよね。相場より高い年収の求人が地方の山間部に出るのは、これが理由です。
飽和してる地方もあるから注意
ただ、ここは正直に書いておきます。地方ぜんぶが高いわけじゃないです。地方の中でも、薬科大が近い県庁所在地とか、人気のある中核市はけっこう飽和してます。
「地方だから絶対高い」って思い込んで動くと、思ったより上がらなくてガッカリすることもあるかも。同じ県内でも、市の中心部と郊外で求人の出方が違ったりします。だから「地方かどうか」より「その町が飽和してるか」で見たほうがいいです。
飽和しているかどうかは、求人の出方である程度読めます。
| 見るところ | 足りない町 | 飽和ぎみ の町 |
|---|---|---|
| 求人の残り方 | 同じ求人が長く残る | 出てもすぐ消える |
| 手当の書き方 | 住宅手当や赴任費用が付く | 手当の記載が少ない |
| 年収の幅 | 上の額が高い | 幅がせまい |
人が来ない地域ほど、会社は条件を足してでも埋めようとします。住宅手当や引っ越しの費用が求人票に書いてあるのは、その表れです。
高い年収には、たいてい人が来ない理由がセットで付いています。一人薬剤師の時間が長い、通勤に時間がかかる、前の人が続かなかった、といった事情です。高い数字を見たら、「なぜこの額なのか」を担当者か薬局に聞いてください。
生活コストまで含めると逆転する
あと忘れちゃいけないのが、地方は家賃も物価も安いってこと。たとえば同じ年収600万でも、都心で家賃15万を払う場合と、地方で6万で住む場合とでは、手元に残るお金が全然ちがいます。
額面だけ見ると都会のほうが高く見えても、生活コストを引いた「実質の豊かさ」だと地方が勝つこともよくあります。車社会だからガソリン代はかかるんですけどね…そこは差し引いて考えてもらえたら。
地方の薬剤師が年収を損しないための立ち回り3つ
じゃあ地方で損しないためにどうするか。むずかしいテクニックはいらなくて、やることはシンプルです。3つだけ意識すれば、だいぶ変わると思います。
同じエリアでも複数の求人を比べる
これがいちばん効きます。1社だけ見て「こんなもんか」と決めちゃう人が多いんですが、もったいないです。同じ町でも、薬局によって提示される年収にはけっこう差が出ます。
地方は求人がネットに出てないことも多くて、表に出ない好条件の枠があったりします。比べないと、その存在にすら気づけないんですよね。
比べるときは、年収の数字だけを横に並べると判断を誤ります。同じ項目でそろえてください。
- 年収に入っている残業代と手当
- 賞与の実績
- 薬剤師の人数と処方箋の枚数
- 遅番や土日の回数
- 住宅手当が出る期間
年収が高く見える求人ほど、固定の残業代や期限つきの手当が入っていることがあります。住宅手当に期限があるなら、切れたあとの額で比べ直します。
僕がDSに移ったときに見ていたのは、550万という数字でした。同じ項目で並べていれば、週の半分が遅番という働き方にも先に目が行ったはずです。
年収交渉をちゃんとやる
地方の薬剤師不足エリアは、交渉が通りやすいです。薬局側も「他に取られたくない」から、ある程度なら乗ってくれる。僕も提示額から上げてもらった経験があります。
自分で言うのが気まずいなら、間に人を入れて交渉してもらうのもアリです。やり方は提示560万を610万にした年収交渉の記事に細かく書いたので、参考にしてみてください。
管理薬剤師の手当を狙う
地方は人手が足りないぶん、管理薬剤師のポジションが空きやすいです。管理薬剤師になると手当が月3〜5万つくのが目安で、年収にすると36〜60万円の差になります。ただ、手当の出し方は会社ごとに違います。僕は今の薬局で管理薬剤師になりましたが、年収は入社時の610万のままです。
責任は重くなるし、監査の前日とか胃が痛くなる日もあるんですけど、収入を底上げする手としては地方ではかなり現実的です。若いうちにポジションが回ってきやすいのも地方の利点かなと。
地方とDS、両方で働いた僕の年収の実話
ここからは僕個人の話です。さっきの相場とは別物として読んでくださいね。僕は地方で4つの職場を経験してきて、年収もけっこう上下しました。
新卒で入った地方の調剤薬局は、1年目が約380万でした。地方だから低かったというより、内科の門前で昇給が年5千円とかで頭打ちだったのが大きいです。4年やって420万まで。正直「このままじゃ上がらないな」って焦ってました。
で、28歳のとき年収550万に釣られて地方のドラッグストア併設の調剤に転職したんです。たしかにお金は上がった。でも中身は調剤+レジ+品出し+週半分遅番で、月の残業が45時間。閉店後の品出しで夜10時とか普通でした。



お金は増えたのに、帰りは夜10時。年収の数字だけ見て決めた結果がこれでした。
「何のために年収を上げたんだっけ」と思う毎日でした。お金はあるのに使う時間も体力もない。地方でDSは年収高いけど、これはこれでしんどいです。手放しでおすすめはできないかな…。
そのあと焦って別の調剤に移って2ヶ月で辞めるっていう黒歴史もあるんですが、それはまた別の話。最終的に今は地方の在宅対応ありの調剤薬局で、管理薬剤師になって年収610万です。残業も減って、娘の寝顔が見られる日が増えました。
僕の年収の動きを並べると、こうなります。
| 職場 | 年収 |
|---|---|
| 新卒の調剤薬局 (1年目) | 約380万 |
| 同じ薬局 (4年やって) | 420万 |
| DS併設の調剤 | 550万 |
| 今の調剤薬局 (管理薬剤師) | 610万 |
地方でも、業態と職場を選べば年収は上げられる。でも「年収という数字だけ」で選ぶと僕みたいに後悔します。このへんの失敗の全部は転職で2回やらかした失敗談の記事にまとめてあります。



年収は大事。でも地方は「時間とお金のバランス」で選ぶと後悔しにくいです。
地方の薬剤師求人を比べるなら、どうやって探す?
「比べたほうがいい」と言われても、地方は求人がそもそも見つけにくいですよね。ハローワークや薬局のサイトを一つずつ見るのは、正直しんどいです。
僕は転職のときエージェントを5社使ったんですが、地方の求人探しと年収交渉でいちばん助かったのは、3回目の転職で使ったファルマスタッフでした。調剤の求人に強くて、職場見学を入れてくれたので、入る前に職場の空気を確かめられたんです。地方は外れ職場を引くと逃げ場が少ないので、これは大きかった。5社それぞれの違いは薬剤師転職エージェントの比較にまとめています。



入る前に職場の空気を確かめられるかどうか。地方の転職では、ここがかなり効きます。
あと、僕がDSと2ヶ月退職でやらかしてた過去を担当者に全部話したうえで、提示額から年収を上げる交渉までやってもらえました。いまは提携していない会社なので申し込みを勧めるつもりはなくて、僕が使った中で一番合っていた、という体験の話です。
もちろん合う合わないはあるので、エージェント選びの全体像は5社使った僕のおすすめ比較を見て、自分に合いそうなところを選んでもらえたらと思います。地方なら複数登録して求人をかき集めるのが結局いちばん損しないです。
地方転職をおすすめしない人
正直に書いておきます。都会の刺激や買い物・娯楽が生活の軸になってる人は、地方に来ると年収が上がっても満足度が下がるかもしれません。車がないと生活しづらい地域も多いです。
あと、専門特化のキャリア(がん専門とか治験系とか)を積みたい人は、症例や求人が都市部に偏るので地方だと選択肢が狭まりがち。年収だけで地方を選ぶ前に、自分が何を大事にするかを一回考えてもらえたらと思います。
手順を開く
- 無料登録して希望エリアを伝える
- 担当から地方求人を出してもらう
- 気になる職場の見学を入れる
- 年収を交渉してもらう
- 納得できたら内定・入社
ここまで読んで「自分の町は足りない側なのか、飽和ぎみなのか」が気になった人は、求人を実際に出してもらうのがいちばん早いです。登録は転職の決断ではなく、比べる材料を集める手段です。
地方の求人を出してもらったら、担当者にこの3つを聞いてみてください。
- その年収になっている理由
- 薬剤師の人数と処方箋枚数
- 住宅手当が出る期間
求人票に載らない人員体制や前任者が辞めた理由は、応募の前に聞いてもらえる場合があります。1社の提示だけで決めると、同じ町にもっと合う条件があっても気づけません。
下の表の3社は複数に登録して比べてかまいませんし、合わない求人は断れます。病院や大手調剤も見たいならメディウェル薬剤師、中小の調剤薬局を中心に見たいならファゲット、派遣や単発も考えるならMC-ファーマネットの列からどうぞ。
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| こんな人向け | ||
| 病院や 大手薬局 を希望 | 派遣や 単発も 考える | 中小薬局 や病院を 希望 |
| 雇用形態 | ||
| 正社員 契約社員 パート 派遣 | 常勤 パート 派遣 | 正社員 パート 派遣 |
| 相談・連絡の方法 | ||
| メール 電話 | 対面 オンライン 電話 | Web 電話 |
| 運営会社 | ||
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- 地方の薬剤師の年収はだいたいいくらですか?
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地方だけの公的な相場は見当たりません。令和7年賃金構造基本統計調査で計算した全国平均は約532万円で、都道府県別では約445万〜約651万円と幅があります。個人差は大きいので参考程度に見てください。
- 本当に地方のほうが都会より年収が高いんですか?
-
地域によります。薬剤師が足りない過疎地は高くなりやすいですが、薬科大が近い中核市は飽和して上がりにくいことも。「地方か都会か」より「飽和してるか」で見るのが正確です。
- 地方の中でいちばん年収が高い業態はどこですか?
-
傾向としてはドラッグストアが高めです。ただ僕はDSで残業45時間に潰されたので、年収だけで選ぶのはおすすめしません。時間とのバランスで考えてください。
- 地方は生活コストが安いと聞きますが本当に得ですか?
-
家賃・物価は安い傾向で、手元に残るお金は増えやすいです。ただ車が必須でガソリン代などはかかるので、そこを差し引いて実質で比べるといいです。
- 地方でも年収交渉はできますか?
-
むしろ通りやすいです。薬剤師不足のエリアは「他に取られたくない」ので、ある程度なら応じてくれます。自分で言いづらければ間に人を入れる手もあります。
- 地方は求人が少なくて選べないのでは?
-
表に出てない非公開求人があるので、見えてないだけのことが多いです。複数のエージェントに登録して地方求人をかき集めると、選択肢はけっこう出てきます。
- 地方で管理薬剤師になると年収はどれくらい上がりますか?
-
手当は月3〜5万が目安で、年収にすると36〜60万円の差です。出し方は会社ごとに違うので、求人票と面接で確かめてください。地方は人手不足でポジションが空きやすい面もあります。
- 地方転職で失敗しないコツはありますか?
-
入る前に職場見学を入れることです。地方は外れ職場を引くと逃げ場が少ないので、空気を自分の目で確かめるのが効きます。僕はこれで地雷を避けられました。
- 地方転職が向かない人はどんな人ですか?
-
都会の娯楽や買い物が生活の軸の人、専門特化のキャリアを積みたい人です。年収が上がっても満足度や選択肢の面で合わないことがあるので、慎重に考えてください。
- 都会から地方に戻ると年収は下がりますか?
-
下がるとは限りません。薬剤師不足の地域なら維持〜アップも普通にあります。生活コストまで含めると実質は上がるケースも多いので、額面だけで判断しないことです。
まとめ:地方薬剤師は損じゃない、比べる人が得をする
地方=低年収って思い込みは、いったん捨てていいです。むしろ薬剤師が足りない地方は年収が高くなりやすいし、生活コストまで含めれば手元に残るお金は地方が勝つことも多いです。
大事なのは「地方かどうか」より「その町が飽和してるか」、そして求人をちゃんと比べること。1社だけ見て決めず、複数の求人と条件を並べた人が結局いちばん損しないです。
- 地方=低年収とは限らない
- むしろ都会より高い地方も多い
- カギは「飽和してるか」
- 過疎地ほど高時給になりやすい
- 全国平均は約532万円
- 損しない人は求人を比べてる
僕も地方で4つの職場を経験して、失敗しながら年収610万までたどり着きました。同じ失敗をする人が少しでも減ったらうれしいです。地方で動くか迷ってる人は、まず求人を比べるところから始めてみてください。
地方で動くかどうかは、まだ決めなくて大丈夫です。今日やるのは、自分の町にどんな条件の求人が出ているかを知ることだけで足ります。
都会に出るか地元に残るかで迷っている人も、両方の地域の求人を並べてみると、額面と生活コストの差を数字で考えられます。在職中のまま相談できて、連絡の方法や時間帯の希望を伝えられる会社もあります。
気になる1〜2社に、希望のエリアと「まず求人を見たいだけ」ということを伝えてみてください。比べた結果、今の職場がいちばん良いと分かれば、それも収穫です。
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