薬剤師の男女比は、男性38.0%・女性62.0%で、およそ4:6です。厚生労働省の最新統計(2024年12月末時点)で、届出のあった薬剤師329,045人を数えた結果です。
ネットで「3:7」という数字を見かけることもあります。これは数える範囲を絞ったときの数字に近いです。薬局と病院・診療所で働く人だけなら約35:65、薬局で管理者ではない薬剤師だけなら約25:75になります。
つまり、薬剤師の男女比は「どの職場を数えるか」で大きく変わります。
僕は調剤薬局で働く男性の管理薬剤師で、統計の区分でいうと「薬局の勤務者(管理者)」に入ります。応募者の一次面接をする側でもあるので、数字の読み方は現場の目線でも補足していきます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
詳しい筆者の経歴はこちら
薬剤師の男女比は最新統計で男38%・女62%
全体は男38%・女62%
厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師統計」は2年に1回、全国の薬剤師の届出をまとめたものです。最新の2024年版と、前回の2022年版を並べるとこうなります。
| 区分 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 2024年 (329,045人) | 38.0% | 62.0% |
| 2022年 (323,690人) | 38.4% | 61.6% |
| 薬局・医療施設 のみ(2024年) | 34.9% | 65.1% |
全体の数字には、製薬会社・大学・行政で働く人や、いま仕事をしていない人も含まれます。薬局と病院・診療所に絞ると女性の割合は65.1%まで上がります。
12年間ほぼ変わっていない
薬局・医療施設で働く薬剤師の女性の割合は、2012年が66.5%、2024年が65.1%です。この12年、2年ごとの数字はずっと65〜67%の間に収まっています。
人数は2012年の約20.6万人から約26.1万人に増えましたが、男女の比率はほぼ動いていません。「最近になって女性が増えた」のではなく、女性が多い状態がずっと続いている職業です。
30代は男性が4割
年代別に見ると、男性の割合は30代がいちばん高くなります。薬局・医療施設で働く薬剤師の男性の割合は次のとおりです(2024年)。
| 年代 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 29歳以下 | 33.4% | 66.6% |
| 30〜39歳 | 40.5% | 59.5% |
| 40〜49歳 | 34.4% | 65.6% |
| 50〜59歳 | 29.6% | 70.4% |
| 60〜69歳 | 32.8% | 67.2% |
| 70歳以上 | 38.1% | 61.9% |
30代では10人のうち4人が男性で、「男性はほとんどいない」というほどではありません。逆に50代は女性が7割を超えます。同じ職場でも、年代によって男女の見え方はかなり違うはずです。
国試合格者も女性が6割強
薬剤師になる入口の時点で、すでに女性が多数派です。2026年2月に行われた第111回薬剤師国家試験の合格者8,749人のうち、女性は5,557人(63.52%)でした。
6年制の新卒に限っても、合格者6,711人のうち女性が64.34%です。合格率は男性64.76%・女性70.83%で、受験者の段階から女性が6割を超えています(厚生労働省「第111回薬剤師国家試験の合格発表」)。
医師・歯科医師とは逆
同じ統計で医師と歯科医師を見ると、男女の割合は薬剤師と逆になっています。
| 職種 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 医師 | 75.6% | 24.4% |
| 歯科医師 | 72.8% | 27.2% |
| 薬剤師 | 38.0% | 62.0% |
処方箋を書く医師は4人に3人が男性で、それを受けて調剤する薬剤師は6割が女性です。同じ医療職でも、男女の構成はまったく違います。
都道府県で50〜76%の差
働いている場所(都道府県)別に、薬局・医療施設の薬剤師の女性の割合を計算すると、地域差がかなりあります。
- 兵庫県:女性75.6%
- 奈良県:女性73.0%
- 東京都:女性72.7%
- 北海道:女性50.0%
- 島根県:女性50.2%
- 青森県:女性51.0%
北海道・島根・青森では男女がほぼ半々で、兵庫・奈良・東京などでは女性が7割を超えます。数字は統計表9の人数から計算したものです。地域差の理由までは統計に書かれていないので、ここでは差があるという事実だけにとどめます。
薬剤師の男女比は職場(業態)でこれだけ違う
同じ統計の「施設・業務の種別」ごとの男女比です。人数は2024年12月末時点のものです。
| 職場 | 男性 | 女性 | 人数 |
|---|---|---|---|
| 薬局(全体) | 35.2% | 64.8% | 197,437 |
| 薬局の勤務者 (管理者以外) | 24.8% | 75.2% | 132,085 |
| 薬局の勤務者 (管理者) | 51.4% | 48.6% | 49,537 |
| 薬局の開設者 (管理者) | 71.6% | 28.4% | 12,591 |
| 病院 | 36.2% | 63.8% | 57,595 |
| 診療所 | 12.8% | 87.2% | 5,695 |
| 製薬会社など | 62.5% | 37.5% | 24,102 |
| 店舗販売業 | 49.1% | 50.9% | 5,090 |
| 医薬品卸 | 40.8% | 59.2% | 4,959 |
| 大学 | 70.8% | 29.2% | 5,011 |
| 行政・保健所など | 51.0% | 49.0% | 6,906 |
薬局の一般薬剤師は女性75%
薬剤師の6割は薬局で働いていて、薬局全体の女性の割合は64.8%です。そのうち管理者ではない「薬局の勤務者」だけを見ると、女性が75.2%になります。
調剤薬局に就職したり、患者として薬局に行ったりして「女性ばかり」と感じるのは、この層をいちばんよく目にするからだと思います。
管理者になると男女半々
ところが、同じ薬局の勤務者でも「管理者」になると男性51.4%・女性48.6%で、ほぼ半々です。薬局を開設している人や法人の代表(管理者を兼ねる人)では男性が71.6%です。
薬局で働く男性のうち、勤務者として管理者をしている人は36.7%です。女性では18.8%なので、男性のほうが約2倍の割合で管理者になっています。
理由は統計からは分かりません。管理薬剤師の仕事には、発注や在庫の管理、スタッフのシフト、本部への数字の報告、行政の監査への対応が加わります。フルタイムで店にいることが前提になりやすい役割です。
短時間勤務やパートを選ぶ人が多い層ほど管理者を引き受けにくい。僕はそれが大きいと見ていますが、あくまで現場からの推測です。管理薬剤師の実際の仕事は管理薬剤師の仕事内容と1日のスケジュールに書いています。
病院は女性64%
病院で働く薬剤師は57,595人で、男性36.2%・女性63.8%です。薬局全体とほとんど同じ比率です。病院の薬剤師は平均年齢が42.5歳と、薬局(46.8歳)より若いのも特徴です。
診療所は女性87%
いちばん女性に偏っているのが診療所(クリニック)で、女性が87.2%です。人数は5,695人と少なく、平均年齢は58.4歳と高めです。
製薬企業・大学は男性が多数
男性が多数派になるのは、製薬会社など(男性62.5%)と大学(男性70.8%)です。研究・開発や営業、教育の仕事では男女比が逆転します。
ただし、医薬品関係企業で働く薬剤師は2022年の37,086人から34,184人へ、2年で7.8%減っています。男性が多い職場の枠は広がっていない点も、進路を考えるなら知っておきたいところです。
ドラッグストアの数え方
この統計に「ドラッグストア」という区分はありません。調剤室があるドラッグストアで働く薬剤師は、薬局として許可を受けた場所で働いているので「薬局」に入ります。
表の「店舗販売業」は、調剤をしない一般用医薬品の販売店で働く人です。ここは男性49.1%・女性50.9%でほぼ半々です。僕が以前いたドラッグストア併設の調剤は、統計上は薬局側に数えられる働き方でした。
薬剤師に女性が多い理由
入口の時点で女性が6割
いちばん単純で大きい理由は、薬剤師になる人そのものに女性が多いことです。先ほどの国家試験の合格者は女性が63.52%でした。入口で6割強なら、職業全体が6割前後になるのは自然な流れです。
男性は企業・大学へ分かれる
薬局や病院で女性の割合がさらに高くなるのは、男性が別の職場に分かれるからです。男性薬剤師の15.7%は医薬品関係企業で働いていますが、女性では7.2%です。
男性が企業や大学に多く流れるぶん、薬局・病院に残る割合は女性のほうが高くなります。全体で62%の女性比率が、薬局・医療施設だけで65%になるのはこのためです。
出産後も資格で戻りやすい
ここからは統計ではなく、仕事の性質から言われていることです。薬剤師は免許の仕事なので、出産や育児でいったん離れても、同じ資格で職場に戻れます。
どの薬局でも調剤の基本は同じなので、職場が変わっても一から覚え直す部分が比較的少ない仕事です。長く続けやすいことが、女性の進路として選ばれる理由のひとつになっていると思います。
短時間・パートの枠が多い
薬局は開局時間が長く、午前だけ・夕方だけの人手が必要になります。そのため短時間勤務やパートの枠が珍しくありません。
僕の会社でも、欠員が出たときに店から本部へ上げる項目のひとつが「常勤かパートか」です。家庭の事情に合わせて働く時間を変えやすいことは、子育て中の人には大きな条件です。
転居しても働き続けられる
薬剤師免許は全国共通で、薬局や病院は全国どこにでもあります。結婚や配偶者の転勤で引っ越しても、新しい土地で仕事を探しやすい職業です。
薬剤師の男女の年収差を統計で見ると
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(2024年)で、薬剤師の月給と賞与を男女別に見ました。年収は「毎月の給与×12+年間賞与」で計算しています。
| 項目 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 年収(計算値) | 約651万円 | 約556万円 |
| 平均年齢 | 42.7歳 | 39.3歳 |
| 月の給与 | 47.25万円 | 39.58万円 |
| 年間賞与 | 84.12万円 | 80.88万円 |
| 月の労働時間 (所定内+残業) | 162+9時間 | 157+7時間 |
男女で約95万円の差があります。ただ、女性の平均年齢は3.4歳若く、労働時間も月に7時間ほど短くなっています。この調査は短時間労働者を除いた数字ですが、それでも年齢と働く時間の差がかなり含まれています。
同じ年齢・同じ役職・同じ時間で比べた数字ではないので、「女性だから給料が低い」とは読めません。業態別・年代別の相場は薬剤師の年収完全ガイドにまとめています。
女性薬剤師が選べる働き方
フルタイムで続ける
出産後もフルタイムに戻り、そのまま管理薬剤師を目指す働き方です。上で見たとおり、薬局の管理者の半数近くは女性です。育休から戻った実績がある職場かどうかは、入る前に確かめておきたい点です。
育児中は時短勤務にする
育児・介護休業法により、3歳未満の子を育てる人のために、1日原則6時間の短時間勤務制度を設けることが事業主に義務づけられています(厚生労働省「育児・介護休業法について」)。
制度があっても、少人数の薬局では夕方の人手が足りず使いにくいこともあります。実際に時短で働いている人がいるかは、見学や面接で聞いておくと安心です。ママ薬剤師の転職にも両立しやすい職場の条件を書いています。
パートで働く
曜日や時間を決めて働くパートは、子育て中の人が選びやすい形です。扶養の範囲内で働くなら、年収の上限と勤務時間を先に決めてから求人を探すと、あとで調整に困りにくくなります。時短・パート・フルタイムの年収の違いはママ薬剤師の年収で比べています。
ブランク後に復職する
数年離れても資格は失効しないので、復職はできます。最初は調剤の流れや新しい薬を思い出すのに時間がかかります。研修や受け入れの体制があるかを先に確かめるのが大事です。詳しくは薬剤師のブランク復職をどうぞ。
男性薬剤師は女性が多い職場でどう働くか
管理者を任されやすい
薬局で働く男性の3人に1人以上が管理者、というのが統計の数字です。僕も現職の薬局に入って2年目で管理薬剤師になりました。
管理薬剤師は手当がつく一方で、監査の前や新人が辞めたときに負担が一気に来る役割です。「男性だから重宝される」と聞いて期待だけするより、任される仕事の中身を知っておくほうが役に立ちます。男性薬剤師の立場については薬剤師の男は負け組?でも書いています。
男性が多い職場を選ぶなら
男性の割合が高いのは、大学(70.8%)、製薬会社など(62.5%)、行政・保健所など(51.0%)です。一方、診療所は男性が12.8%しかいないので、職場で男性が自分ひとりということも十分ありえます。
女性が多い職場の人間関係がきついかどうかは、男女比より店ごとの差のほうが大きいと僕は感じています。少人数で閉じた職場ほど相性が出やすいので、見学で空気を確かめるのが確実です。
薬剤師の男女比を職場選びに活かす見方
ここは転職や就職を考えている薬剤師・薬学生の方向けです。統計の男女比は全国の平均なので、実際に入る職場の構成は見学や面接で確かめるしかありません。見学で聞いておきたいのは次の4つです。
- 常勤薬剤師は何人いるか
- パートは何人・何時まで
- 募集は欠員か増員か
- 前任者はいつ辞めたか
この4つは、求人票にはほとんど書かれていません。僕が2か月で辞めた薬局の求人票も、書かれていた条件自体は本当でした。足りなかったのは、書かれていなかった人員の中身を自分で確かめることでした。
男女比そのものより、「夕方や土曜を誰が回しているか」を聞くと、自分の働き方が想像しやすくなります。
職場を変えることを考えていて、どこに相談するか迷っているなら、転職サイトの選び方を比較した記事も参考にしてください。
薬剤師の男女比に関するよくある質問
- 薬剤師の男女比は実際どのくらいですか?
厚生労働省の2024年の統計で、男性38.0%・女性62.0%です。およそ4:6です。薬局と病院・診療所で働く人だけに絞ると、男性34.9%・女性65.1%になります。
- 「薬剤師の男女比は3:7」は間違いですか?
薬剤師全体の数字としては正確ではなく、2024年の統計では約4:6です。ただ、薬局の管理者以外の薬剤師に絞ると約25:75なので、薬局の現場の体感としては3:7に近く感じることがあります。
- なぜ薬剤師は女性が多いんですか?
まず国家試験の合格者の6割強が女性で、入口の時点で女性が多いからです。さらに男性は製薬会社や大学に分かれるため、薬局・病院では女性の割合が上がります。資格で復職しやすいことや、パートの枠が多いことも続けやすさにつながっていると思います。
- 男性が多い薬剤師の職場はどこですか?
2024年の統計では、大学(男性70.8%)と製薬会社など(62.5%)で男性が多数です。薬局の開設者・代表で管理者を兼ねる人も男性が71.6%です。
- 男性薬剤師は職場で浮きませんか?
30代では薬局・医療施設の薬剤師の4割が男性なので、珍しい存在ではありません。人間関係は男女比より店ごとの差が大きいと僕は感じています。見学のときに挨拶が返るか、スタッフ同士の会話の様子を見ておくと雰囲気はだいたい分かります。
- 男女で年収に差はありますか?
2024年の賃金構造基本統計調査から計算すると、男性約651万円・女性約556万円です。ただ女性の平均年齢は3.4歳若く、労働時間も短いので、同じ条件での差を示した数字ではありません。
- 薬学部の学生も女性が多いですか?
2026年の第111回国家試験では、受験者の61.41%、合格者の63.52%が女性でした。6年制の新卒の受験者でも女性が64.21%なので、薬学部を卒業する段階で女性が6割を超えていると考えられます。
- 出産後も薬剤師を続けられますか?
続けている人は多いです。3歳未満の子を育てる人向けに、1日原則6時間の短時間勤務制度を設けることが事業主に義務づけられています。ただ少人数の薬局では使いにくいこともあるので、実際に時短で働いている人がいるかを入る前に確かめると安心です。
- ブランクがあっても復職できますか?
資格は失効しないので復職できます。最初は調剤の流れや新しい薬を思い出すのに時間がかかります。研修や受け入れの体制があるかを見学で確かめてから決めると安心です。
- 女性が多い職場は人間関係がきついですか?
店によります。女性が多いからきついというより、人数が少ない閉じた職場だと相性が出やすいのだと思います。つらいときの考え方は、人間関係の悩みをまとめた別の記事にも書いています。
薬剤師の男女比と女性が多い理由のまとめ
薬剤師の男女比は、2024年の最新統計で男性38.0%・女性62.0%、およそ4:6です。薬局・医療施設では65%が女性で、この比率は12年間ほとんど変わっていません。
ただし職場によって差は大きく、薬局の一般薬剤師は女性75%、診療所は女性87%です。反対に、薬局の管理者は男女ほぼ半々、製薬会社や大学は男性が多数派です。
女性が多い理由は、国家試験の合格者の時点で女性が6割強を占めること、男性が企業や大学に分かれることが土台にあります。そこに、資格で戻りやすく、働く時間を選びやすい仕事の性質が重なっています。
人間関係がつらくて職場の男女構成が気になっている方は、人間関係がつらい薬剤師へもあわせて読んでみてください。

