こんにちは、管理薬剤師のたろうです。28歳でドラッグストア併設の調剤薬局に転職して、激務に潰されて30歳で調剤薬局に戻りました。ただ、戻り方を間違えて2ヶ月で退職するという余計な遠回りもしてます。
「DS辞めたい、調剤に戻りたい」と検索してこの記事に辿り着いた人、わりと僕と近い状況かもしれません。年収は確かに上がったけど、自分の体力と気力が続かない、家族との時間がない、それでもDSを辞めたら年収下がるのが怖い——この板挟み、僕も全部通りました。
この記事では、DSから調剤に戻ることのメリット・落とし穴・年収の現実・面接でのDS経験の伝え方・僕がやらかした「焦り戻り」の話まで、できるだけここから本音で書きます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収を480万円→610万円にアップ
- 人気薬剤師向け転職エージェント5社全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
詳しい筆者の経歴はこちら
長々と読む時間がない人は、DS時代も含めて5社のエージェントを実際に使った僕が薬剤師エージェントおすすめランキングに「どこが戻りの転職に強かったか」をまとめてあるので、そっちだけ先に見てもらえれば十分です。
なぜドラッグストアから調剤に戻りたくなるのか
DSに行った時の動機が「年収」「キャリアの広がり」「市販薬の知識」だった人、僕もそうでした。入る時はみんなポジティブな理由で入ります。それが2〜3年で「やっぱり戻りたい」になる、これにもパターンがあります。
①体力的に続かない:閉店までの拘束
DS併設の調剤は、調剤業務だけじゃなくOTC接客・レジ・品出しも入ります。閉店が22時の店舗だと、薬剤師の遅番は20時〜22時で帰宅が23時。次の日が早番だと睡眠時間4〜5時間。これが週に3回。30歳手前で「もう体が無理」になります。僕は28歳で入って2年で限界でした。
とくに早番の朝は開店前の品出しから始まるので、体力の削られ方が地味にえぐいんですよね。僕がこのDSの早朝品出しで消耗した話は別記事に書いたんですが、「体力的に続かない」のリアルが気になる人はそっちも読んでみてください。
②家族の時間なし:結婚・出産で限界
独身で体力もあるうちは耐えられるんですが、結婚や子どもができると一気に厳しくなります。DSの遅番だと子どもの寝顔しか見られない、土日も交代制で家族と休みが合わない。これで奥さん(または旦那さん)から「働き方を変えてほしい」と言われるパターン、本当に多いです。
③やりたい業務ができない:OTC・レジ
これは薬剤師としてのアイデンティティに関わる話。「処方箋を捌いて服薬指導したい」のに、勤務時間の半分以上がOTCとレジ。「俺、薬剤師じゃなくて店員してるな」って気づいた時、僕は転職を真剣に考え始めました。
DSから調剤に戻ることで手に入るもの
戻ったあとで実感したのは、失うものより取り戻すものの方が大きかった、ということでした。順番に書きます。
①勤務時間が読める:定時退社が増える
調剤専門の薬局なら、営業時間が9〜18時とか9〜19時くらい。閉店後の品出しもない。残業も繁忙期以外はほぼゼロ。これだけで生活が変わります。僕は現職に戻ってから、平日に長女と公園に行ける日が増えました。
②薬剤師業務に集中:服薬指導と薬歴
処方箋を捌いて服薬指導をする、薬歴を書く、疑義照会をする、これが本業に戻ります。OTC接客やレジが消えるだけで、1日の集中力の使い方が全然違います。同じ薬剤師の仕事でも、満足度がかなり違う。
③在宅・管理薬剤師など次が見える
調剤に戻ると、在宅対応・管理薬剤師・認定薬剤師など、次のキャリアの選択肢が一気に増えます。DSだと薬剤師の昇進パスは店長・エリアマネージャーが主流なので、薬剤師としての専門性で上がりたい人には調剤の方が合います。
現職Dは調剤併設型なので、両方の良し悪しが見えてきた感じがあります。事前に職場見学できるならしておくと判断しやすいです。
ドラッグストアから調剤に戻ると年収はどう変わるか
ここが一番気になるとこですよね。ここは隠さず書きます。
短期は下がる:DS550→調剤480〜520万
僕の場合はDS550万→C薬局480万でした(このCが2ヶ月退職した黒歴史なんですが)。一般的にDSから調剤に戻ると、初年度は50〜80万くらい下がる印象。これは時給換算で考えると当然で、DSは長時間労働の代わりに高い、調剤は短時間で安定的に、というトレードオフ。
中期は取り戻せる:管理で600万超も
3〜5年で管理薬剤師に昇格できれば、月3〜5万円の手当がつくので、年収ベースで600万超えは現実的。僕は3回目の入社時に提示560万→交渉で初年度610万でスタートして、現在も610万キープ。DS時代の550万は超えてます。
年収交渉で「DS時代の年収」を活用
調剤に戻る時、「DS時代に550万でした」を交渉カードとして使えます。「現職と同等以上を希望」と伝えると、薬局側も「550万までは出さないと取れない」と意識します。僕は提示560万→610万に上げてもらいましたが、これも前職DSの数字があったから動けた交渉です。詳しいやり方は年収交渉の記事に書いてます。
面接でドラッグストア経験を強みとして伝える方法
調剤の面接でDS経験を話すとき、「激務だったから辞めた」だけだと逃げの印象になります。DSで身についた強みを言語化して伝えると、評価が変わります。
①対人スキルと回転:処方箋40枚/日
DSは1日の患者数が多く、待ち時間のクレームも多い。これに耐えてきた経験は、混雑する調剤薬局でも即戦力になります。「DSで1日◯枚の処方を捌いていました」と具体数字で伝えると刺さる。
②OTC知識:セルメディ相談に強い
調剤薬局でも、患者から市販薬の相談を受ける場面は意外と多い。OTCの成分・効能・受診勧奨の判断ができる薬剤師は、調剤しかやってこなかった薬剤師よりも一段上の対応ができます。これも強みです。
③店舗運営の感覚:在庫管理・売上意識
DSでは在庫回転・売上目標が日常の話題。これは管理薬剤師になった時に活きる視点です。面接で「将来は管理薬剤師を目指したい、DSで身につけた在庫管理の感覚を活かしたい」と言うと、長期戦力として見てもらえます。
僕の「焦り戻り」失敗:2ヶ月で退職した話
ここはここは正直に書きますね。僕がDS→調剤の戻りで最初に踏んだ薬局Cは、2ヶ月で退職してます。原因は「DSを抜けたい一心」で焦って決めたこと。
求人票には「アットホームな職場です」「人間関係良好」と書いてあって、当時の僕はそれを真に受けました。年収は550→480万に下げてもいいから、とにかく早くDSを抜けたかった。面接1回でその場で内定を承諾、入社まで2週間。
結果、入った薬局Cはアットホームの真逆。誰も目を合わせない、質問しても「自分で考えて」、休憩室で1人。出勤前に胃がキリキリして、駐車場で動けない朝が増えて、2ヶ月で退職しました。職歴に書けない短さです。
この失敗で学んだのは、「今の場所から逃げたい」が一番強い動機になると、次の場所の選び方が雑になる、ということ。冷静に複数の選択肢を比較する余裕、これがなくなった瞬間に、転職はだいたい失敗します。
ドラッグストアから調剤に戻る前にやるべき3つのこと
①職場見学を必ず入れる
これは僕の2ヶ月退職で痛感したこと。求人票と面接だけで決めると、現場の空気が分かりません。応募する前か面接後に必ず職場見学を組んでもらう、これだけで失敗確率は劇的に下がります。見るべきポイントは職場見学チェックリストの記事にまとめてます。
②現職を続けながら転職活動:在職中
DSを先に辞めてから次を探すと、焦りが出て条件で妥協します。経済的なプレッシャーもかかる。在職中なら「いい求人が出るまで待てる」余裕が持てるので、選択肢を冷静に比較できます。僕の3回目の転職は在職中で動きました。
③エージェント2〜3社で地雷を避ける
同じ求人を複数のエージェントに評価してもらうと、地雷物件が浮き上がってきます。1社だけに頼ると担当者の善し悪しに全部依存するので、最低2社、できれば3社使うのが安全です。詳しくは複数登録の記事で。
DSから調剤に戻る転職におすすめのエージェント
3回目で僕がいちばん良かったのは、当時いちばん合っていたエージェントでした。DSから調剤に戻る転職を扱った経験が豊富で、職場見学を当たり前に組んでくれます。調剤薬局の求人数も多く、交渉力もある印象でした。
ドラッグストアから調剤への転職のよくある質問
Q. DS経験は調剤の転職で不利?
不利になりません。むしろDSで培った対人スキル・回転の速さは、忙しい調剤薬局ほど評価されます。「DSにいたなら接客は問題ないですね」と面接官に言われたことが何度もありました。
Q. DS2年は「すぐ辞める」と思われる?
正直に「DSの労働時間が体力的に厳しく、長く薬剤師を続けるために調剤に戻りたい」と伝えれば、ネガティブには受け取られません。逆に長すぎてDSしか経験がないと、調剤の業務に不安を持たれることもあります。2年は適度な経験です。
Q. DS店長から調剤に戻る年収は?
DS店長は手当が厚いので、調剤に戻ると年収100万以上下がるケースが多いです。ただし管理薬剤師経験として評価されるので、調剤の管理薬剤師ポジションを狙えば差が縮まります。DS店長経験はマネジメント経験として強いカードです。
Q. 病院や企業に行く選択肢は?
あります。ただDS経験者が病院や企業(製薬会社)に行くのはハードルが高め。病院は新卒〜若手中心の採用、企業は研究職や臨床開発で経験者枠が狭い。DS→調剤が一番現実的な戻り方というのが僕の体感です。職場の選び方は別記事に詳しく書いてます。
- ドラッグストアから調剤に戻るのに一番いいタイミングは?
「体がもう限界」になる前です。僕は限界まで粘ってから動いたせいで焦って失敗しました。在職中に余裕を持って探せるうちに動き出すのがおすすめです。
- 戻ったら年収はどれくらい下がりますか?
僕の場合はDS550万から調剤480〜520万くらいで、初年度は50〜80万下がる印象でした。ただ管理薬剤師まで行けば3〜5年でDS時代を超えることも普通にあります。
- DS併設の調剤に移れば解決しますか?
業務範囲はDSに近いままなので、レジやOTC接客から離れたい人だと不満が残りやすいです。調剤に集中したいなら、併設じゃない調剤専門を選んだほうが満足度は高いと思います。
- ブランクがなくても戻れますか?
DSでも処方箋は扱っているので、調剤スキルが完全に抜けることは少ないです。心配なら最初の数日でしっかり教えてくれる体制があるか、職場見学で確認しておくと安心です。
- 家族との時間は本当に増えますか?
店によりますが、9〜18時で残業少なめの調剤に移ってから、僕は平日に長女と公園へ行ける日が増えました。閉店後の品出しがなくなるだけでも生活はだいぶ変わります。
- 求人票の「アットホーム」は信じていいですか?
正直、当てになりません。僕が2ヶ月で辞めた薬局も「アットホーム」と書いてありました。言葉より職場見学で見た現場の空気のほうがずっと正直です。
- 職場見学はお願いしづらくないですか?
自分で頼むと気まずいですが、エージェント経由ならごく普通にセッティングしてくれます。むしろ見学を嫌がる薬局のほうが要注意かもしれません。
- 過去に短期離職があっても大丈夫ですか?
僕も2ヶ月で辞めた経歴があります。理由を正直に話して「だから今回は職場見学までして慎重に選びました」と伝えれば、マイナスにはなりにくいです。隠すほうが危険です。
- DSを先に辞めてから探すのはダメですか?
おすすめしません。収入が止まると焦りが出て、条件で妥協しがちです。僕の失敗もまさにこれでした。できれば在職中に並行して動くのが安全です。
- エージェントは何社くらい使えばいいですか?
最低2社、できれば3社くらいがちょうどいいです。同じ求人を別の担当に評価してもらうと、地雷っぽい職場が浮かび上がってきます。1社だけだと担当の当たり外れに全部左右されます。
まとめ:DS脱出は焦らず段取りよく
ドラッグストアから調剤に戻ること自体は、転職としてまったく問題ありません。経験者として歓迎される薬局も多いし、面接でDSの強みを言語化できれば評価も上がります。
ただ、僕みたいに「とにかく早く抜けたい」で焦って決めると、次でまた失敗します。在職中で動く・職場見学を入れる・複数のエージェントを使う、この3つを守れば、戻りの転職は成功しやすいです。
関連記事として、僕の転職遍歴の詳細は自己紹介、転職の全手順は薬剤師の転職全手順、職場の選び方は職場の選び方もあわせてどうぞ。
どのエージェントに頼めば戻りの転職で職場見学まできちんと組んでくれるのか迷うなら、僕が2回失敗したうえで最終的に良かった順に並べた5社使った僕のエージェントランキングを選ぶ基準にしてみてください。

