ドラッグストアの早朝品出しがきついと言われる理由は、主に4つです。暗いうちに起きること、中腰と段ボールで腰に来ること、開店までの時間制限、少人数で黙々と進めることです。
一方で「慣れれば大変ではない」という経験者の声もあります。きつさは、何人で入るか・納品量はどのくらいか・終わらない分を引き継げるかで大きく変わります。この記事では、そこを見分ける材料をまとめました。
書いているのは管理薬剤師のたろうです。28歳から2年間、ドラッグストア併設の調剤薬局で働きました。調剤とOTCの接客、レジに加えて品出しもあり、週の半分は遅番でした。
僕が受け持っていたのは閉店後の品出しで、帰りは夜10時ごろでした。早朝シフトの経験はありません。なので早朝ならではの話は経験者の声を引き、品出しの体の負担と、医薬品の棚のルールは自分の立場から書きます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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ドラッグストアの早朝品出しがきつい4つの理由
①早朝勤務:暗いうちに起きる
早朝品出しの求人は、開店前の2〜3時間を切り出した枠がよく見られます。たとえば6時〜9時や7時〜9時です。通勤を含めると、5時台に起きる生活になる人も多いはずです。
このリズムに体が合う人もいれば、何ヶ月たっても眠気が抜けない人もいます。仕事そのものより、前の晩に早く寝られるかどうかで続くかが決まりやすいです。
②腰の負担:中腰と段ボール
品出しは、段ボールやオリコン(折りたたみコンテナ)から商品を出して棚に並べる作業です。下の段に並べるときは中腰になり、洗剤やペットボトルの箱は持つだけでも重さがあります。
一つひとつの商品は軽くても、かがんで立つ回数が多いのが効いてきます。重さより回数で腰が疲れる、というのが品出しの特徴です。
③開店までに終わらせる時間制限
早朝品出しは、開店時刻というはっきりした締め切りがあります。納品が多い日ほど、時計を見ながら手を動かすことになります。
終わらない分を日中のスタッフに引き継げる店なら、焦りはだいぶ減ります。逆に「全部終わらせて」が前提の店だと、慣れるまではかなりきついと思います。
④少人数で黙々と進める
開店前は人が少なく、1人か2人で回す店もあります。黙々と作業できるのが気楽な人もいれば、分からないことを聞ける相手がいないのが不安な人もいます。ここは性格で感じ方が分かれるところです。
ドラッグストアの早朝品出しの仕事の流れ
細かい手順は店やチェーンで違いますが、大まかにはこの順番で進むことが多いです。
- 届いた納品を確認する
- カゴ車を売場へ運ぶ
- 冷蔵品から先に並べる
- 常温の商品を並べる
- 前出しで棚を整える
- 段ボールを片づける
- 残りを日中へ引き継ぐ
冷蔵品を先にするのは、温度管理が必要だからです。前出しは、奥にある商品を手前にそろえて棚が埋まって見えるようにする作業のことです。
ドラッグストアは食品を扱っていても、スーパーに比べると重い商品は少なめだと言われます。そのかわり、小さな商品の種類がとても多く、どの棚に戻すかを覚えるまでに時間がかかります。
ドラッグストアの早朝品出しの口コミと面接で聞くこと
実際に働いた人の投稿を見ると、「きつい」「楽」の評価は店の体制で分かれています。公開されている質問と回答から、目立ったものを3つ紹介します。
スギ薬局の早朝品出しについて、体力に自信がない人が相談した投稿です(2025年1月)。回答者は特にハードではないとしています。理由として、冷蔵品のあと常温品を並べる流れ、重い物は台車、複数人での分担を挙げていました。
同じくスギ薬局の経験者の回答です。2人で2時間の勤務で、全部終わらなくても早番や中番に引き継ぐ形だったそうです。慣れれば大変ではない一方、終業時刻ちょうどに上がるよう厳しく言われる、という話もありました。
採用が決まったあと、店長から「早朝は基本的に1人」と説明されて戸惑った人の質問です(2022年1月)。回答では、1人で任される店は珍しくないとされていました。
この3つを並べると、同じ「早朝品出し」でも中身がかなり違うことが分かります。応募するなら、面接でこのあたりを聞いておくと入ってからのズレが減ります。
- 何人で入るのか
- 1日の納品はどのくらいか
- 終わらない分は引き継げるか
- 重い物に台車を使えるか
- 服装と靴の決まり
僕はいまの薬局で、管理薬剤師として採用の一次面接をする側でもあります。面接する側から見ても、仕事の中身を具体的に聞くのは自然なことです。遠慮せず聞いておくほうがいいと思います。
ドラッグストアの品出しで腰を痛めない対策
ここは厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」を下敷きにしています。品出しそのものの指針ではありませんが、重い物の扱いと姿勢の考え方はそのまま使えます。
①腰ベルトは合う人だけ使う
腰のサポーターやコルセットは、つけると安心する人が多い道具です。ただ指針では、腰部保護ベルトは人によって効果が違うので、全員一律ではなく個人ごとに効果を確かめて使うよう書かれています。
ベルトをしているから重い物を無理に持つ、となると本末転倒です。まず次の持ち方を身につけるほうが先だと思います。
②持ち上げは膝を曲げて腰を落とす
床の段ボールを持ち上げるときは、片足を少し前に出し、膝を曲げて腰を十分に落とします。荷物を体に引き寄せて抱え、膝を伸ばす力で立ち上がる。指針に書かれているのはこの手順です。
腰だけを曲げて手で引き上げる形と、持ったまま体をひねる動きは避けます。向きを変えたいときは、足ごと体の向きを変えます。
重さの目安も指針にあります。18歳以上の男性が人力だけで扱うのは体重のおおむね40%以下、女性はその60%くらいまでです。これを超えそうな箱は、台車を使うか2人で運びます。
③下段は膝をつく・休憩で伸ばす
下の段を並べ続けるときは、中腰のままより片膝をついた姿勢に変えるほうが腰の負担は減ります。指針でも、中腰を膝をついた姿勢に置き換えることが挙げられています。
休憩中は、筋肉を伸ばした状態でゆっくり止める静的なストレッチがすすめられています。反動をつけて勢いよく伸ばす必要はありません。
④痛みが続くなら整形外科へ
数日休んでも痛みが引かない、脚にしびれが出る。こういうときは我慢せず整形外科で診てもらってください。仕事中の動作で痛めた場合は、労災の対象になることもあるので、店長や会社の担当者にも伝えておきます。
ドラッグストアの品出しが遅いと言われるときのコツ
最初のうちは、商品の場所を覚えていないので遅くて当たり前です。そのうえで、手の速さより段取りで差がつくところを押さえておくと、時間内に終わりやすくなります。
- 始める前に全体の量を見る
- カゴ車を売場の順に並べる
- 同じ通路の商品をまとめる
- 前出しは最後に回す
- 終わらない時は早めに報告
とくに最後の報告は大事です。開店直前に「半分残っています」と伝えるより、途中で見通しを伝えたほうが、周りも手を回しやすくなります。遅さを責められるより、黙って間に合わないほうが困る、というのが店側の本音だと思います。
ドラッグストアの品出しで医薬品の棚だけは注意すること
品出しで一つだけ、薬剤師として知っておいてほしいことがあります。医薬品の棚は、どこに何を置くかが法律で決まっているということです。
医薬品は、ほかの商品と区別して、リスクの区分ごとに分けて陳列するルールがあります。たとえば第1類医薬品は専用の区画の中か、鍵のかかる棚などお客さんが直接手に取れない場所に置きます。指定第2類医薬品は、薬の相談を受ける場所から7メートル以内に置くのが原則です(医薬品医療機器等法施行規則 第218条の4)。
なので、棚が空いているからと別の場所に薬を置くのはやめてください。見た目が同じような箱でも、区分が違えば置ける場所も違います。置き場所に迷ったら、手を止めて薬剤師か登録販売者に聞くのがいちばん確実です。
もう一つは使用期限です。新しく届いた商品を手前に並べると、奥の古いものが残って期限切れにつながります。古いものを手前に出し、新しいものを奥に入れる並べ方が基本です。
ドラッグストアの早朝勤務が体に合わない人の判断基準
早起きには、合う人と合わない人がいます。始めてから1〜3ヶ月たっても次のような状態が続くなら、根性で慣れるのを待つより、働き方を見直す目安だと僕は考えています。
①休日に寝だめしないと回復しない
休みの日に昼過ぎまで寝ないと動けない状態は、平日の睡眠が足りていないサインです。一度の寝だめで取り戻せる量には限りがあります。
②昼間ずっと眠くミスが増えた
品出しのあと、午後になっても眠気が抜けない。本業や学校、家事でのミスが増えてきた。早朝の仕事が生活全体に響き始めているなら、時給以上のものを失っている可能性があります。
③体調の変化が続いている
食欲や体重が大きく変わった、肌荒れが治らない、風邪をひきやすくなった。どれも早朝勤務だけが原因とは限りませんが、始めてから続いているなら一度立ち止まる材料になります。長引くときは医療機関にも相談してください。
ドラッグストアの早朝品出しを続けるか辞めるかの判断ライン
早朝品出しは、会社によって早朝手当がついて時給が上がることがあります。ただ、法律で決まっている深夜の割増は午後10時から午前5時までです(労働基準法 第37条)。
5時以降に始まるシフトの早朝手当は、会社が独自に決めているものです。金額も条件も店ごとに違うので、求人票と面接で確かめてください。そのうえで、体の状態と天秤にかけます。
続けてOKのライン
- 腰痛や寝不足が出ていない
- 休日にちゃんと回復できる
- 続ける目的と期限がある
学費を貯めるまで、日中の仕事が始まるまで、といった期限つきの目的があるなら、割り切って続けるのも一つの選び方です。
辞めた方がいいライン
- 腰痛が慢性化している
- 休日も疲れが抜けない
- 昼間のミスが増えている
- 毎朝「行きたくない」と思う
このうち2つ以上当てはまるなら、まずは時間帯や日数を減らせないか相談してみてください。それでも変わらなければ、辞めることを考えていい段階だと思います。
ドラッグストアの早朝品出しがつらいときの次の選択肢
①バイトなら時間帯を相談する
品出しの作業自体は嫌いではなく、早起きだけがつらいなら、同じ店で日中や夕方の枠に移れないか聞いてみる手があります。昼以降の品出しやレジの枠がある店もあります。
②薬剤師なら調剤薬局へ
ここからは、薬剤師として働きながら品出しも兼ねている人向けです。僕がドラッグストア併設の薬局にいた2年間は、調剤・OTC・レジ・品出しを全部やり、月の残業は45時間ありました。
品出しやレジに「これは薬剤師の仕事なのか」とモヤモヤする人も多いと思います。その話は薬剤師なのにレジに立たされるのが嫌な話や、ワンオペがきつい理由と限界サインの記事にも書いています。
僕はその後、調剤薬局に戻りました。ドラッグストアから調剤に移るときの注意点は、ドラッグストアから調剤薬局に戻る転職にまとめています。
③在宅対応や調剤専門の薬局へ
在宅対応の多い薬局や調剤専門の薬局は、そもそも物販の売場が小さいか、ありません。品出しの負担はかなり減ります。ただし年収はドラッグストアより下がることが多いので、どこまで下げられるかは先に決めておくと迷いません。
品出しの有無は求人票に書かれていないことが多く、職場見学で業務の分担を直接見るのが確実です。
ドラッグストアの早朝品出しでよくある質問
- ドラッグストアの早朝品出しは何時から何時までですか?
開店時刻とチェーンによって違います。求人では6時〜9時や7時〜9時のような、開店前後の2〜3時間の枠がよく見られます。応募する店の求人票で確認してください。
- 早朝品出しの服装はどうすればいいですか?
制服やエプロンが用意されている店もありますが、決まりは店ごとに違うので面接で確認するのが確実です。かがむ・運ぶ動きが多いので、動きやすい服と滑りにくい靴を選ぶと楽です。
- ドラッグストアの早朝品出し、何ヶ月続ければ慣れますか?
商品の場所と段取りは、続けるうちに覚えていきます。早起きのリズムは人によって差が大きいです。1〜3ヶ月たっても休日に寝だめしないと回復しないなら、体に合っていないサインかもしれません。
- 品出しの腰痛がもう慢性化してます。続けて大丈夫ですか?
慢性化しているなら、まず整形外科で診てもらってください。持ち方や姿勢である程度は負担を減らせますが、痛みを抱えたまま続けると悪化することもあります。仕事中に痛めた場合は労災の対象になることもあるので、店にも伝えておきましょう(参考:厚生労働省「腰痛の労災認定」)。
- 薬剤師なのに品出しをやらされるのは普通ですか?
ドラッグストア併設の薬局だと、人手が足りない時間帯に薬剤師が品出しを手伝う店は珍しくありません。僕もドラッグストア併設の薬局にいた頃は、閉店後の品出しをしていました。「薬剤師の仕事じゃない」と感じるなら、調剤専門の薬局に移るとこの負担はかなり減ります。
- 早朝品出しの時給が高いので、健康と天秤でどう考えればいいですか?
学費を貯めるなど、期限つきの目的があるなら割り切るのもありです。ただ腰痛や慢性的な疲れ、出勤前の憂うつが出ているなら、時給の差より体を優先したほうがいいと僕は思います。
- 品出しを辞めたいけど、甘えだと思われそうで踏み出せません。
甘えではないと思います。体に不調が出ているなら十分な理由ですし、合わない働き方を我慢し続けるほうが長い目で見て損です。いきなり辞めるのが不安なら、まず時間帯や日数を減らせないか相談してみてください。
- 品出しから薬剤師業務メインの職場に移ると、年収はどれくらい下がりますか?
ドラッグストアは給料が高めなので、調剤専門に移ると下がるケースはあります。僕はドラッグストア併設で550万円、その次の薬局で480万円でした。下げ幅は職場や地域でかなり違うので、確保したい年収を先に決めて求人を絞るのがおすすめです。
- また転職を失敗しないか不安です。何を気をつければいいですか?
その不安は自然なことです。僕も3回の転職のうち2回は失敗しています。うまくいった3回目で変えたのは、条件より人間関係を優先する、職場見学を必ず入れる、担当者に過去の失敗を正直に話す、の3つでした。品出しの有無も見学で直接確認できます。
- 品出しのないドラッグストア薬剤師の求人ってありますか?
店舗の規模や運営方針によっては、薬剤師が調剤に専念できるドラッグストアもあります。ただ求人票だけでは見分けにくいので、見学で実際の業務分担を確認するのが確実です。品出しを避けたいなら、最初から調剤専門や在宅対応の薬局も候補に入れると選択肢が広がります。
まとめ:ドラッグストアの早朝品出しは続けるなら覚悟、辞めるなら早めに
ドラッグストアの早朝品出しのきつさは、早起き・中腰・時間制限・少人数の4つです。どれくらいきついかは店の人数や納品量で大きく変わるので、応募前なら面接で体制を聞いておくのが近道です。
働き始めたら、腰は持ち方と姿勢で守り、医薬品の棚は置き場所を変えない。1〜3ヶ月たっても休日に回復しないなら、時間帯を変えるか、辞めることも考えていいと思います。
薬剤師として品出しも兼ねている人は、ドラッグストアから調剤薬局に戻る転職、薬剤師の残業を減らす方法、薬剤師のストレスを溜めない方法も参考にしてみてください。
品出しのない薬局を自分で探すのが不安なら、薬剤師転職エージェントのおすすめランキングで、各社の特徴を比べています。

