年次面談で「3年目の目標は?」と聞かれて、ペンが止まりました。1年目みたいに「監査を覚える」とはもう書けない。
一通りできるようになった分、何を目標にすればいいか急に分からなくなったんです。
僕も3年目のとき、内科門前の調剤薬局で年収約405万、毎月の昇給は数千円に鈍ってきて「この先どこまで伸びるんだろう」と初めて立ち止まりました。
今思えば3年目は、スキルが完成する年であると同時に、初めて”この先どこへ行くか”を考え始める「キャリアの分岐」の入口だったんです。
この記事では、僕が3年目当時にやってみて立てた目標を①専門・加算②後輩教育③自分の市場価値の3つに分けて、当時の生の感覚ごとお話しします。
面談シートにそのまま書ける例文も用意しました。
長い前置きはいいから方向性だけ先に知りたい、という人は、5社を実際に使った僕の薬剤師転職エージェントおすすめランキングに先に目を通してもらえれば十分です。3年目で「外の物差し」を当てる準備にもなります。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
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「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師3年目はどんな時期?「できる」が完成し初めてキャリアを考える分岐
3年目は、日々の業務がほぼ一人で回せるようになる「スキル完成期」です。だからこそ、これまで見えなかった先のことが急に視界に入ってきます。
1年目は監査や調剤を覚えるだけで精一杯、2年目は応用を効かせる練習で精一杯でした。
ちなみに、その2年目で僕が伸び悩みながら立てた目標は薬剤師2年目の目標として実際に立てた4つにまとめています。3年目の手前で何を考えていたか、流れで読むと分岐の入口が見えやすいです。
それが3年目になると、処方箋を見た瞬間に流れが頭に浮かぶようになって、初めて「次は何を目指せばいいんだろう」と考える余白が生まれるんです。
つまり3年目の正体は、「できる」が完成すると同時に、初めて”この先どこへ行くか”を考え始める分岐の入口です。
目標が思いつかないのは能力不足ではなく、この分岐に立っているサインだと僕は思っています。
面白いもので、1年目や2年目は「目標は?」と聞かれても答えに困りません。覚えることが山ほどあるから、それがそのまま目標になるんです。
ところが3年目は基本がひと通り身につく分、目の前の”やること”が減って、代わりに”考えること”が増えます。この空白に戸惑う人がとても多い印象です。
僕の周りでも、3年目あたりで「最近やりがいが薄い」「成長してる実感がない」とこぼす同期が一気に増えました。
これは成長が止まったのではなく、伸びしろの方向が”作業の習得”から”キャリアの設計”に切り替わったサインです。
だからこそ、ここで一度立ち止まって目標を整理しておく価値があるんです。
管理薬剤師たろう「目標がない」じゃなくて「考える段階に来た」だけなんですよね。
薬剤師3年目の目標の立て方=専門・加算/後輩教育/市場価値の3レイヤー
目標が漠然とするのは、全部を一緒くたに考えているからです。僕は3年目当時、目標を3つのレイヤーに分けて整理しました。
この3つは「今を伸ばす」と「先を考える」の両方をカバーしています。順番に見ていきます。
①専門・加算で知識を深める
一番取り組みやすいのが、専門領域や加算に関する知識を深める目標です。
次のような、自分の薬局で関わる算定や疾患を1つ深掘りすると、業務の解像度が一気に上がります。
- 在宅
- かかりつけ薬剤師指導料
- 吸入指導
- 糖尿病療養
僕は3年目に吸入薬の指導を自分のテーマに決めて、デバイスごとの手技を全部頭に入れました。
患者さんの「これ前のと吸い方が違うのね」のひと言にちゃんと答えられた時、初めて「専門性って気持ちいいな」と思えたんです。
ポイントは、いきなり大きな資格を狙わないこと。まずは自分の薬局でよく見る処方や算定を1つ選んで、患者さんに自分の言葉で説明できるレベルまで持っていくのがおすすめです。
範囲を絞ると、半年もすれば「この分野なら誰よりも答えられる」という小さな自信が積み上がります。その手応えが、次の認定取得や在宅参加への足がかりになっていきます。
②後輩教育で周りに還元する
3年目になると、後輩や新人を見る場面が増えます。教えることは、自分の知識を言語化する最高のトレーニングです。
「なんとなくできる」を「言葉で説明できる」に変えると、自分の理解が一段深まります。
後輩のミスを未然に防げた時、「自分はもう教わる側だけじゃないんだ」という手応えが出てきます。これも立派な3年目の目標です。
具体的な目標にするなら「新人の調剤チェックを任される」「勉強会を1回担当する」あたりが現実的です。
教える側に回ると、自分が感覚で処理していた部分がはっきり見えてきて、そこを言葉にする過程で知識が定着します。
そして地味ですが、教育実績は面談でも転職時の自己PRでも”効く”材料になります。
③市場価値=外でも通用するか
3つ目が、いま見落とされがちな「自分の市場価値」です。今の職場で評価されることと、外の世界で通用することは別物です。
3年目はそのギャップを初めて意識し始めるタイミングでもあります。
転職する/しないに関わらず、「自分は外でいくらの価値があるのか」を一度知っておくこと自体が3年目の目標になると僕は考えています。これは後半でもう一度ふれます。
薬剤師3年目の目標を面談シートに書く例文【3レイヤー別】
「考え方は分かったけど、結局シートに何て書けばいいの?」という人が一番多いはずです。僕も当時そうでした。
ここでは、さっきの3レイヤーをそのまま面談シートに落とし込める例文を用意しました。コピペして、自分の薬局の処方や算定に置き換えればOKです。
- 領域名は自分の薬局に置換
- 「いつまでに」を必ず添える
- 数で測れる形にする
専門・加算レイヤーの例文はこうです。「下半期中に吸入指導のデバイス手技を全種類習得し、該当患者には自分の言葉で説明できる状態にする」。
領域は在宅でも糖尿病でも、自分の薬局でよく出るものに差し替えれば成立します。
後輩教育レイヤーなら「新人1名の調剤監査チェックを担当し、四半期に1回ペースで店内勉強会の講師を務める」。
市場価値レイヤーは少し書きにくいので「キャリアの棚卸しとして、自分の経験・スキルを言語化し直す」と書けば角が立ちません。転職前提に読まれないので安心して書けます。
面談シートでありがちな失敗が「在宅をがんばる」のような達成したかどうかを後から判定できない目標です。
「いつまでに・何を・どの状態にするか」の3点を入れるだけで、上司の評価もブレなくなり、自分の振り返りもしやすくなります。



これなら面談シートの空欄、埋められそうです。
【体験談】薬剤師3年目に立てた3つの目標と年収405万で感じた昇給の壁
ここからは、僕が新卒で入った内科門前の調剤薬局A時代、3年目に使ってみて立てた目標と当時感じていたことを生のままお話しします。
3年目の僕は年収が約405万円でした。1年目が約380万、2年目が約395万、そして3年目で405万。
数字だけ見れば上がっているんですが、よく見ると昇給は年に数千円〜1万円に鈍っていて、明らかに頭打ちの気配がしていました。
※これはあくまで地方の内科門前薬局で働いていた僕個人の実額です。薬剤師1年目の世間の平均年収はおおよそ420万円前後と言われていて、僕の数字は平均より低め。
だから、もしあなたの年収がこれより上でも下でも「自分はダメだ」なんて思う必要は全然ありません。職場の規模や地域で普通に変わる話です。
給与明細を開いて、前年とほとんど変わらない手取りを見た夜のことを今でも覚えています。
3月の面談で「3年目の目標は?」と聞かれてペンが止まり、家に帰ってソファに座ったまま「このまま10年いたら、いくらになるんだろう」と電卓を叩いてしまいました。
出てきた数字に、正直ゾッとしたんです。
でも、当時の僕は転職なんて考えていませんでした。新卒で入った薬局で「ここで頑張るのが当たり前」だと思い込んでいたし、辞めるという発想すら浮かばなかったんです。
だからこそ「今いる場所で何を伸ばすか」に振り切って、3つの目標を立てました。
- 吸入指導を自分の武器にする
- 後輩の新人指導を任される
- 在宅の同行を経験しておく
吸入指導はさっき書いた通り。後輩指導は、その春に入ってきた新人さんの教育係を自分から手を挙げて引き受けました。
最初は「自分が教えるなんて」と怖かったんですが、説明できない部分が自分の弱点だと気づけて、結果的に一番勉強になりました。
在宅の同行も、先輩にお願いして月に数回ついて回らせてもらいました。施設のベッドサイドで患者さんの残薬を一緒に確認したり、ケアマネさんと連携したり。
薬局のカウンター越しでは見えない景色があって、「薬剤師の仕事ってこんなに広いのか」と純粋に視野が広がったのを覚えています。
正直に言うと、これらの目標を全部やり切っても、昇給の壁は変わりませんでした。スキルは確実に伸びたのに、年収は数千円しか動かない。
「努力の方向は合っているのに、報われ方が職場の天井で決まってしまう」という違和感が、3年目の終わりにずっと胸に残っていたんです。
この違和感が、後にドラッグストアへの転職(しかも失敗)につながっていくんですが、それはまた別の話。
3年目の僕に伝えたいのは「目標を立てたのは間違いじゃなかった、ただ視野が”職場の中”だけだった」ということです。
「このままでいいのか」と思ったら=3年目キャリアの3つの分岐
3年目で「このままでいいのか」と感じたら、進む道は大きく3つに分かれます。どれが正解ということはなく、全部を知った上で選ぶのが大事です。
専門を深めて今の場所で伸ばす道
1つ目は、今の職場で専門性を深めていく道です。認定薬剤師の取得、在宅への本格参加など、積み上げが評価される環境ならこれが王道です。
腰を据えて1つの領域を掘り下げたい人に向いています。
ただし、いくらスキルを積んでも給与テーブルの上限が低い職場だと、僕のように昇給の壁にぶつかります。「伸ばした分がちゃんと返ってくる場所か」を冷静に見ておく必要があります。
管理職を目指して責任を取る道
2つ目は、管理薬剤師やエリアマネージャーなど、マネジメント側へ進む道です。判断軸はシンプルで、「人を育てる・店舗を回す側に回りたいか」。
僕自身は現職で管理薬剤師になりましたが、発注・在庫・シフト・採用面接まで抱える分、調剤に集中したい人にはしんどい働き方でもあります。
給与面では管理薬剤師手当が月3〜5万円ほど上乗せされるのが一般的で、年収を上げやすいのは確かです。
ただ「監査の前日は胃が痛い」みたいな責任も込みなので、手当だけで選ぶと後悔します。目指すなら「管理薬剤師候補」の求人で経験を積むルートが現実的です。
環境を変えて市場価値を試す道
3つ目は、環境を変えて自分の市場価値を試す道です。ここで僕が強く言いたいのは、「すぐ転職しなくても、自分の市場価値を知るだけで3年目の目標になる」ということ。
僕自身は3年目で動かず、結果として4年目以降に焦って2回も転職を失敗しました。
年収だけ見て飛びついたドラッグストアは月残業45時間の激務で、次に焦って移った薬局は雰囲気が最悪で入社2ヶ月で辞める羽目に。
今思えば、3年目のうちに「外の物差し」を持っていれば、あんなに焦って失敗しなくて済んだはずなんです。
だからこそ伝えたいのは、転職する/しないを決める前に「外でいくらの提示が来るか」を知っておくだけで、判断がぐっと冷静になるということです。
転職エージェントに登録して年収相場や求人を見るだけでも、自分の立ち位置が客観的に見えてきます。動くのはそれから決めればいい。
情報を持っているかどうかで、3年目以降の選択の質が大きく変わります。
実際にどのエージェントを使ったか、どこが良かったかは薬剤師転職エージェントの比較でまとめています。
情報収集だけなら無料なので、3年目のうちに「外の物差し」を一度当ててみるのはおすすめです。
なお、3年目の給料のリアルは薬剤師3年目の給料・年収にまとめています。
薬剤師3年目の目標についてよくある質問
- 薬剤師3年目で目標が思いつかないのは普通ですか?
むしろ普通です。1〜2年目は覚えることがそのまま目標になりますが、3年目は一通りできる分やることが減って、代わりに考えることが増えます。目標が浮かばないのは能力不足じゃなく、キャリアの分岐に立ったサインだと僕は思ってます。
- 3年目の目標は具体的に何を立てればいいですか?
僕は専門・加算/後輩教育/市場価値の3レイヤーで考えました。たとえば吸入指導を自分の武器にする、新人指導を任される、外でいくらの価値があるか知る、みたいな感じです。全部やらず1〜2個でも十分です。
- 面談シートにそのまま書ける例文はありますか?
あります。「下半期中に吸入指導のデバイス手技を全種類習得し、該当患者に自分の言葉で説明できる状態にする」みたいに、いつまでに・何を・どの状態にするかを入れると上司の評価もブレません。領域は自分の薬局に置き換えてください。
- 3年目の年収はどのくらいが普通ですか?
地域や薬局の規模でかなり変わります。僕は地方の内科門前で3年目405万くらいでした。世間の平均より低めです。だから周りより上でも下でも気にしすぎなくていいと思います。
- 3年目で昇給が止まった気がします。気のせいですか?
気のせいじゃないかもしれません。僕も3年目で昇給が年数千円〜1万円に鈍って、頭打ちの気配を感じました。スキルを伸ばしても職場の天井で報われ方が決まることはあるので、一度確かめておく価値はあります。
- 3年目で転職するのは早すぎますか?
早すぎることはないです。ただ僕は3年目で動かず、4年目以降に焦って2回も失敗しました。すぐ転職しなくていいので、外でいくらの提示が来るかだけ先に知っておくと、いざ動くときの判断が冷静になります。
- 転職しないなら市場価値を知る意味はありますか?
あります。転職する/しないに関わらず、外の物差しを持っておくと「今の職場が割に合ってるか」を客観的に見られます。情報収集だけなら無料なので、3年目の目標の1つとして当ててみるのはおすすめです。
- 後輩教育を目標にしても評価されますか?
されます。教えることは自分の理解を言語化する一番のトレーニングですし、教育実績は面談でも転職時の自己PRでも地味に効く材料になります。新人の調剤チェックを任される、勉強会を1回担当するあたりが現実的です。
- 管理薬剤師を目指すのはアリですか?
アリです。手当が月3〜5万ほど乗るので年収は上げやすいです。ただ発注・在庫・シフト・採用まで抱える分、調剤に集中したい人にはしんどい働き方でもあります。手当だけで選ぶと後悔するので責任込みで考えてください。
- 3年目のうちに転職エージェントに登録してもいいですか?
登録自体は無料ですし、年収相場や求人を見るだけでも自分の立ち位置が見えてきます。動くかどうかはそれから決めれば大丈夫です。僕がどこを使ってどこが良かったかは比較記事にまとめてあります。
まとめ:薬剤師3年目の目標は「今を伸ばす」と「先を考える」の両輪
3年目は「できる」が完成する年であると同時に、初めてキャリアの分岐に立つ年です。目標が思いつかないのは、悩むべき正しいタイミングに来ている証拠だと僕は思います。
専門・加算で今を伸ばし、後輩教育で還元し、そして市場価値で先を考える。この3レイヤーの両輪で進めば、目標は自然と具体的になっていきます。
面談シートには、今日の例文をそのまま流用してもらって大丈夫です。僕の3年目の反省も含めて、あなたの一歩のヒントになればうれしいです。
最後にもう一度だけ。3年目で目標が見つからないのは、立ち止まるべき正しい場所に立っているからです。
焦って大きな決断をする必要はありません。今の場所で1つ専門を深めながら、外の物差しもそっと当てておく。
この”両にらみ”こそが、3年目以降のキャリアを後悔しないための一番の保険だと、2回の転職失敗を経た今の僕は本気で思っています。
- 3年目は「スキル完成」の年
- 同時にキャリアの分岐点
- 目標は3レイヤーで考える
- 専門・加算/後輩教育/市場価値
- 面談シートは例文を流用でOK
- 今を伸ばすと先を考えるの両輪で
転職3回で2回失敗した僕のリアルなキャリアの全体像は自己紹介記事に書いています。同じ失敗をする薬剤師を1人でも減らせたら、このブログをやっている意味があります。
そして3年目で「このまま今の職場でいいのか」と少しでも引っかかったなら、まずは外の相場を見てみてください。どこに登録するか迷ったら、5社を使い比べた僕のおすすめランキングで自分に合いそうな1社から当ててみるのが、焦って失敗しないための一番ラクな第一歩です。




