「この職場、合わない人ばっかりだな…もう辞めたい」。そう思いながら出勤して、薬局の駐車場で一回ためいきをついてから車を降りる。僕も昔そうでした。
管理薬剤師のたろうです。薬剤師歴10年で転職を3回、うち2回は派手にやらかしてます。30歳のときに入った調剤薬局Cは、人間関係がしんどすぎて入社2ヶ月で辞めました。
この記事で一番伝えたいのは、「合わない人ばかりで辞めたい」と思うこと自体はぜんぜん悪くない、ということです。問題はその状態が「辞めていいサイン」なのか「もう少し様子を見ていいサイン」なのかを、感情だけで決めないこと。僕が3回の転職で使うようになった判断軸を、正直に書いていきます。
- 合わないと感じるのは正常です
- 辞めたい=即辞めるではない
- 体に出てるならもう限界かも
- 辞める前にやることが3つ
- 次も同じ失敗を防ぐ軸が要る
「合わない人ばかりで辞めたい」は甘えじゃないです
まず先に言っておきたいことがあります。それは、合わない人だらけの職場で消耗するのは、あなたが弱いからじゃないということ。
薬局って、少人数で長時間ずっと同じメンバーと過ごす空間です。逃げ場が物理的にない。だから人間関係の比重がやたら大きくなるんですよね。
薬局は人間関係の逃げ場が少ない
調剤室って、ほんと狭い箱です。数人で一日中、肩が触れそうな距離で仕事をします。だれか一人と気まずくなるだけで、空気が一気に重くなる。
一般企業みたいに部署異動でリセット、みたいなのが基本ありません。合わない人がいたら、その人と毎日ずっと顔を合わせ続けることになります。だからしんどさが積もりやすいんです。
「自分の心が狭いのかな」と責める人が多いんですけど、構造的にしんどくなりやすい職場、というだけの話だと僕は思ってます。
合う合わないは相性で、優劣じゃない
あと勘違いしやすいのが、「合わない=相手が悪い or 自分が悪い」と白黒つけたくなること。でも合う合わないって、ほとんどの場合ただの相性です。
僕がDSにいた頃、めちゃくちゃ詰めてくる先輩がいました。当時は「この人最悪だ」と思ってたんですけど、たぶん別の人にはちゃんと面倒見のいい先輩だったんだと思います。僕とは合わなかった、それだけ。
だから「合わない人ばかり」と感じる職場は、あなたとその職場の相性がたまたま悪いケースが多い。相性が悪い場所で無理に頑張る必要はないです。
管理薬剤師たろう合わない自分を責めるより、合う場所を探すほうが何倍も健全ですよ。
辞めていいサインと、もう少し様子を見ていいサイン
ここが一番知りたいところだと思います。「辞めたい」と「辞めるべき」は別物なので、僕なりの線引きを正直に書きます。一つずつ見ていきましょう。
- 体に症状が出ているか
- 原因が個人か職場全体か
- 改善の余地が残っているか
体に症状が出たら辞めていい
これは僕の中で一番強い基準です。出勤前に胃がキリキリする、夜眠れない、日曜の夕方になると動悸がする。こういう体のサインが出てきたら、もう様子見してる場合じゃないと思ってます。
僕がC薬局にいた2ヶ月、出勤前に胃が痛くて、駐車場で車を停めたまま動けない朝が何回もありました。あれは今思っても危なかった。気合いでどうこうできる段階を超えてました。
心や体に症状が出ているなら、それはあなたの体が先に限界を教えてくれているサインです。ここは我慢する場所じゃないです。
原因が職場全体なら環境を変える
次に見るのは、しんどさの原因が「特定の一人」なのか「職場全体の空気」なのか、という点です。ここで打ち手が変わります。
原因が一人だけなら、その人の異動・退職で状況が変わる可能性があります。でも誰も挨拶を返さない、質問すると「自分で考えて」と突き放される、定時で帰ると無言の圧、みたいに空気そのものが冷たい場合。これは個人じゃなく文化の問題なので、自分一人の頑張りでは変わりにくいです。
僕のC薬局がまさに後者でした。誰か一人がどう、じゃなくて全体がそういう空気だった。こういう所は、自分が変わるより環境を変えたほうが早いと今は思ってます。
改善の余地があるなら一度試す
逆に、まだ試してないことが残ってるなら、辞める前に一回やってみる価値はあります。たとえば苦手な人とのシフトを調整してもらう、薬局長に相談する、業務の分担を変えてもらう、とか。
正直、僕はこれをやらずに焦って辞めて失敗したクチです。だから偉そうには言えないんですけど、動ける余地があるうちは一度ぶつけてみてもいい気はします。
ただ、相談しても何も変わらなかった、むしろ立場が悪くなった、というなら、それはもう改善の余地がないという答えが出たということ。そこまで来たら次を考えていいと思います。
僕がC薬局を2ヶ月で辞めたときの話
ここからは僕の黒歴史を正直に書きます。きれいな話じゃないので、似た状況の人の参考になれば。
30歳のとき、それまでいたドラッグストア併設の調剤が激務で、とにかく早く抜け出したかった。月の残業が45時間あって、心も体もすり減ってたんですよね。で、求人票の「アットホームな職場です」を信じて、年収を550万から480万に下げてまでC薬局に移りました。
結果は真逆でした。誰も目を合わせてくれない。朝の挨拶も返ってこない。わからないことを聞いたら「自分で考えてください」。アットホームどころか、ずっと氷の上を歩いてるみたいな職場でした。
結婚したばかりで、妻に「また転職した職場、しんどい」なんて言えなくて。天井をにらんだまま眠れない夜が続きました。で、出勤前に胃が痛くなって、ある朝とうとう車から降りられなくなって。結局入社2ヶ月で辞めました。短すぎて、今でも職歴に書くか迷うやつです。
今ふり返ると、しんどさから「逃げる」ことだけが目的になってて、次の職場の中身をまったく見てなかった。求人票の言葉を鵜呑みにして、自分の目で確かめなかった。これが失敗の全部だったなと思います。逃げたい気持ちは正しかったけど、逃げ方を間違えたんですよね。
このときの「人間関係がつらい」状態の細かい対処については、人間関係に悩む薬剤師向けにまとめた記事のほうに僕の本音をもう少し書いてます。今まさにきつい人はこっちも見てみてください。
辞めたいと思ったら、辞める前にやること3つ
「辞めたい」と思った瞬間に勢いで辞表を出すのが一番危ないです。僕がそれで失敗してるので。先にやっておくと後がラクになる3つを書きます。一つずつ見ていきましょう。
- しんどい理由を書き出す
- 在職中に次を探し始める
- 職場見学で空気を確かめる
何がしんどいかを紙に書き出す
まず、何が嫌なのかを具体的に紙に書き出してみてください。「人間関係が嫌」だとふわっとしすぎて、次も同じ失敗をします。
「特定の先輩に詰められるのが嫌」なのか「職場全体が冷たいのが嫌」なのか「業務量が多すぎて余裕がないのが嫌」なのか。ここを分解すると、次の職場で何を確かめればいいかが見えてきます。
僕はこれをやらずに「とにかく逃げたい」だけで動いたから、次の地雷を踏みました。書き出すの、地味だけど効きます。
在職中に次の選択肢を探す
これは強く言いたいんですけど、辞めてから探すんじゃなくて、辞める前に探し始めてください。仕事がある状態のほうが、心に余裕を持って選べます。
無職の期間が長くなると、焦りで「もうどこでもいい」になります。これがまさに僕がC薬局を選んだときの心理状態。焦りで決めた転職は、ほぼ失敗します。
給料をもらいながら、ゆっくり比べる。これだけで失敗の確率はかなり下がると思います。薬剤師は売り手市場なので、急がなくても選択肢は意外とあります。
職場見学で空気を自分の目で見る
そして最後、これが僕の中で一番大事になった項目です。応募前に必ず職場見学を入れてください。求人票やネットの口コミだけじゃ、空気は絶対わかりません。
その場に立ってみると、スタッフ同士の会話のトーン、挨拶があるか、薬剤師の表情、なんとなくピリついてないか、肌で感じられます。僕が3回目の転職で成功できたのは、この見学を必ず入れたからだと思ってます。
見学のときに何を見て何を聞けばいいかは、職場見学のチェックリスト記事に14項目でまとめてあります。これ持って行くと地雷をだいぶ避けられます。
次こそ合う職場を選ぶために、僕が変えた判断軸
2回失敗して、3回目でようやく合う職場に出会えました。何が変わったかというと、職場の探し方そのものを変えたんです。
失敗してた頃の僕は、年収とか勤務地とか、条件で職場を選んでました。でもそれだと「働きやすさ」が一切わからない。3回目は、人間関係と職場の雰囲気を最優先にして選びました。
あと大きかったのが、転職エージェントの担当に、過去2回の失敗を恥を忍んで全部正直に話したこと。「人間関係で2回やらかしてるんで、今度こそ雰囲気のいい所がいい」って。そこまで言ったから、担当も雰囲気込みで求人を絞ってくれました。
僕はエージェントを5社使い比べたんですけど、一番良かったのは調剤特化のエージェントでした。理由は、職場見学を必ずセットしてくれたのと、担当が「早く決めましょう」と急かしてこなかったこと。焦って失敗してきた僕には、この急かさない感じが本当にありがたかったです。あと提示560万を610万に上げる年収交渉まで、僕の代わりにやってくれました。
もちろん合う合わないはあるので、気になる人は5社の評判を忖度なしでレビューした記事で良いところも微妙なところも見てから判断してください。僕の体験だけじゃなく利用者の声も載せてます。
こういう人は今すぐ動かなくていい
逆に、正直に言っておきます。全員が今すぐ転職すべきとは思いません。たとえば入社して数ヶ月で、まだ職場に慣れてないだけかもしれない人。これは合わないんじゃなくて、ただ環境に体が馴染んでない途中の可能性があります。
あと、苦手な人が一人いるだけで、その人がもうすぐ異動・退職する見込みがあるなら、ちょっと待つ手もあります。状況が勝手に変わることもあるので。
体に症状が出てなくて、まだ試してない打ち手が残ってるなら、いきなり辞めなくてもいいかもです。情報だけ集めて、いつでも動ける状態にしておく、くらいが安全かなと思います。
よくある質問
- 合わない人ばかりで辞めたいのは甘えですか?
甘えじゃないです。薬局は少人数で逃げ場が少なく、人間関係の比重が大きい職場なので、合わないと感じやすい構造があります。自分を責める必要はないと思います。
- 入社してすぐ「合わない」と思いました。辞めていい?
数ヶ月だとまだ慣れてないだけの可能性もあります。ただ、体に症状が出ているなら別です。胃痛や不眠があるなら、期間に関係なく早めに動いていいと思います。
- 体に症状が出ているか、どう判断すればいい?
出勤前の胃痛、寝つけない、日曜の夕方に動悸がする、食欲がない、などが続いているかが目安です。これらが出ているなら、もう我慢する段階ではないと僕は思います。
- 短期間で辞めると次の転職で不利になりませんか?
正直、短期離職は説明を求められます。でも僕も2ヶ月退職を経験しましたが、理由を正直に話せば次は決まりました。隠すより、何を学んだかを話せるかが大事です。
- 辞める前に職場に相談したほうがいいですか?
改善の余地が残ってるなら一度試す価値はあります。シフト調整や業務分担の相談などです。ただ相談しても変わらない、立場が悪くなる職場なら、それも一つの答えだと思います。
- 在職中に転職活動をしてもバレませんか?
普通に動けばまずバレません。面接を有給や休日に入れる、現職の人に話さない、を守れば大丈夫です。むしろ在職中に探すほうが、焦らず選べて失敗しにくいです。
- 次も人間関係で失敗しないか不安です。
求人票の言葉を信じず、応募前に職場見学で空気を自分の目で確かめてください。これだけで地雷をかなり避けられます。僕が3回目で成功した一番の理由がこれです。
- エージェントに人間関係の悩みまで話していいの?
むしろ話したほうがいいです。僕は過去の失敗を全部正直に話したら、担当が雰囲気込みで求人を絞ってくれました。本音を隠すと、また条件だけで選ぶことになります。
- 年収を下げてでも合う職場に移るべき?
僕は脱出優先で年収を下げて失敗しました。下げること自体が悪いんじゃなく、中身を確かめずに焦って決めるのが危険です。見学して納得できるなら、下げる選択もアリです。
- 転職以外に状況を変える方法はありますか?
シフト調整、薬局長への相談、業務分担の見直しなど、まず動ける余地はあります。それでも変わらず、体に症状が出ているなら、環境を変えるのが現実的な打ち手です。
まとめ:合わない場所で消耗しなくていい
「合わない人ばかりで辞めたい」と思うのは、あなたが弱いからじゃありません。相性の悪い場所で消耗してるだけです。大事なのは、その気持ちを感情のまま勢いで処理せず、辞めていいサインかどうかを冷静に見ること。
僕は焦って逃げて2回失敗しました。同じ後悔をしてほしくないので、最後にもう一度だけ要点を置いておきます。
- 合わないと感じるのは正常
- 体に症状が出たら辞めていい
- 勢いで辞めず先に次を探す
- 職場見学で空気を確かめる
- 条件より雰囲気で次を選ぶ
今しんどい人は、まず辞表より先に「何が嫌か」を紙に書くところから始めてみてください。それだけでも、次の一歩がだいぶ見えてくるはずです。あなたが消耗しない場所で働けますように。





