6連勤は、労働基準法の「週1日の休日」の範囲に収まるので、それだけでは違法になりません。7連勤以上も、週の区切り方や休日の決め方によっては違法とは限りません。
ただ、法律の線と体がもつ線は別です。厚生労働省は、脳・心臓疾患の労災認定で「休日のない連続勤務」を負荷の要因として扱っています。きついと感じるのは甘えではありません。
僕は28歳から2年、ドラッグストア併設の調剤で月45時間ほど残業していました。今は管理薬剤師として、店のシフトを組む側にいます。法律の線、自分の職場の確かめ方、シフトを直してもらう伝え方の順にまとめます。
- 6連勤だけでは違法でない
- 週の区切り次第で12連勤も
- 休日の働きは35%割増
- 連勤×残業が一番危ない
- 相談は休みの「並び」で
- 人手不足なら職場を変える
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師は何連勤まで違法じゃない?労基法の休日ルール
「自分の連勤は法律的にセーフなのか」を先に片づけます。ポイントは、連勤の日数そのものではなく、休日がどう決められているかです。
原則は週1日の休日
労働基準法35条は、毎週少なくとも1回の休日を与えるよう定めています。この休日を「法定休日」と呼びます。
週に1日休みがあれば条件は満たすので、6連勤は原則の範囲内です。見落としやすいのは、週の区切りをまたぐと連勤がもっと伸びる点です。
たとえば週を日曜から土曜で区切る場合、1週目の日曜と2週目の土曜が休みなら、どちらの週にも休日が1日あります。それでも月曜から翌週の金曜までは12連勤です。
4週4休なら連勤はさらに伸びる
35条2項には例外があり、4週間を通じて4日以上の休日を与えれば、毎週1日の休日でなくてもかまいません。変形休日制と呼ばれるしくみです。
この場合、4週間の起算日を就業規則などで明らかにする必要があります(労働基準法施行規則12条の2第2項)。理屈の上では、4週の最後に4日休めば、それまで24日続けて働かせても休日の規定には反しません。
シフト制の薬局やドラッグストアでも、この形を使っているかどうかは就業規則を見れば分かります。
1年単位の変形は連続6日まで
逆に、上限がはっきり決まっている制度もあります。1年単位の変形労働時間制では、連続して働かせる日数の限度は6日です(施行規則12条の4第5項)。
ただし協定で「特定期間」とした繁忙期は、1週間に1日の休日が確保できる日数まで、つまり最長12日まで伸ばせます。
| 休日の決め方 | 連勤の目安(理論上) |
|---|---|
| 週1日(原則) | 12日まで |
| 4週4休 | 24日まで |
| 1年単位の変形 | 6日(特定期間12日) |
表は「休日の規定に反しない最大の日数」です。これより長くても、36協定で休日労働を定めていれば、法定休日に働かせること自体はできます。その場合は次の条件がつきます。
休日出勤は36協定と35%割増
法定休日に働かせるには、36協定で休日労働を定めて届け出ていることが前提です(労働基準法36条)。法定休日の労働には、政令で35%以上の割増賃金が必要です。
週休2日の職場で、2日の休みのうち片方に出た場合は、法定休日の労働ではないことがあります。その日に週40時間を超えていれば、今度は時間外労働として25%以上の割増の対象です。
連勤の日数も見逃せません。1日8時間で週6日働けば週48時間で、変形労働時間制でなければ8時間分は時間外労働です。割増がきちんと払われているかは、薬剤師の残業代が出ないときの記事で確認の順番をまとめています。
薬剤師の連勤がきついのは甘えではない理由
法律の範囲に収まっていても、つらいものはつらいです。その感覚を「根性がない」と片づけなくていい理由を書きます。
国も連続勤務を負荷と見ている
厚生労働省は2021年に脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し、労働時間以外の負荷の要因として「休日のない連続勤務」をはっきり挙げました(厚生労働省リーフレット)。
同じ一覧には「拘束時間の長い勤務」「勤務間インターバルが短い勤務」も並んでいます。遅番の翌日に早番が入るような組み方は、これにも重なります。
違法かどうかとは別に、体に負担がかかる働き方として国が見ている、ということです。きついと感じるのは、その負担を体が正しく受け取っているからだと思います。
本当に危ないのは連勤×残業
連勤の日数より怖いのは、そこに残業が重なることです。6連勤でも定時で帰れるなら、休みの日に回復が間に合うこともあります。
週6日・1日8時間で、毎日1時間ずつ残業がつくとします。週40時間を超えるのは8時間+6時間の14時間で、4週で56時間です。36協定の原則の上限である月45時間を、それだけで超えます(労働基準法36条4項)。
労災の認定基準では、発症前2〜6か月の平均で月80時間を超える時間外労働が、業務との関連が強いとされる目安です。連勤の多い月は、日数と残業時間をセットで見てください。拘束時間から残業を逆算する表は薬剤師の拘束時間の記事にあります。
調剤薬局とDSで連勤のきつさは違う
同じ日数でも、業態で疲れ方が変わります。クリニックの門前薬局は診療時間に合わせて動くので、終わる時間が読みやすい傾向です。
ドラッグストア併設だと、調剤にOTCの接客、レジ、品出しまで乗ってきます。営業時間が長く年中無休の店が多いので、遅番と早番が混ざり、連勤の中身も重くなりがちです。
休憩が取れていないなら、連勤中ずっと休めていないのと同じです。昼休みの扱いは薬剤師の休憩が取れないときの記事で、労基法34条の線を書いています。
薬剤師の僕がDS時代にきつかったのは遅番だった
連勤の話で、僕自身の経験を書いておきます。
週の半分が遅番で夜10時
28歳のとき、年収550万に釣られて、新卒から4年いた調剤薬局からドラッグストア併設の調剤へ移りました。仕事は調剤にOTCの接客、レジ、品出しまで全部です。
週の半分は遅番で、閉店後の品出しが終わると夜10時。月の残業は45時間ほどでした。今振り返ると、効いていたのは連勤の日数より、この遅番の多さだったと思います。
休みがあっても体力が残らない
お金は増えたのに、それを使う時間も体力も残っていませんでした。暗い部屋で「俺、何のために年収上げたんだっけ」と考えた夜があります。
休みの日数が足りていても、回復しきれない働き方はあります。連勤がきついと感じたら、日数だけでなく、夜の遅さや残業も一緒に書き出してみてください。DSを抜けたあとの転職で僕がもう一度失敗した話は、自己紹介の記事に書いています。
シフトを組む管理薬剤師から見た、連勤が生まれる理由
ここからは、今シフトを組んでいる側としての見方です。連勤は誰かの悪意より、組み方の都合で生まれることが多いと感じています。
欠員の穴は動ける人に寄る
誰かが辞めたり長く休んだりすると、その枠は残った人で埋めるしかありません。管理薬剤師の立場だと、新人が辞めると自分のシフトが消えます。
埋める先は、どうしても「言えば入ってくれる人」に偏ります。断らない人ほど連勤が増えるのは、この構造のせいです。
休みの数は足りても並びが偏る
シフトを組むとき、まず合わせるのは一人ひとりの「月の休日数」と、各日の必要人数です。数が合うと、その時点で表が完成したように見えます。
ところが休みの並びまで見ると、月の前半に休みが集まり、後半が7連勤になっている人がいたりします。休日数は規定どおりでも、連勤は生まれるということです。
固定休の希望が重なる
子どもの行事や通院などで、曜日を固定して休みたい人はいます。その希望を優先すると、残りの人の休みは空いた日に押し込むことになります。
固定休のない人ほど並びが崩れやすいので、自分から希望を出しておく価値はあります。
管理薬剤師たろう組む側は「数」を先に見ます。だから相談は「並び」で伝えてもらえると、すぐ直せることが多いんです。
薬剤師が自分の連勤を確かめる3つの書類
相談する前に、自分の職場のルールを確かめておくと話が早くなります。見るのはこの3つです。
- 就業規則の休日の欄
- 36協定の休日労働の欄
- シフト表と勤怠の記録
就業規則では、休日が「週1日」か「4週4日」か、変形労働時間制を使っているか、週や4週の起算日がいつかを見ます。就業規則は、職場で見られる状態にしておくことが会社の義務です(労働基準法106条)。
36協定では、休日労働をさせられる日数が決められているかを見ます。協定に休日労働の定めがないのに法定休日に出ているなら、それ自体が問題になり得ます。
最後に、シフト表と実際の出退勤を2〜4週分並べ、最長の連勤と、その間の残業時間を数えます。この記録は、相談にも残業代の確認にも使えます。
薬剤師の連勤がきつい時に今の職場でできる対処
いきなり転職を考える前に、今の職場で試せることがあります。順番に見ていきます。
シフト作成者に「並び」で相談
シフトを組んでいる管理薬剤師や店長に、連勤がきついことを伝えてみてください。黙っていると、組む側は休日数が合っている限り問題ないと思い込みがちです。
伝え方は、気持ちより具体的な並びのほうが通ります。たとえば「来月の後半が7連勤になっているので、真ん中に1日休みを移せませんか」。休日数は変えずに済むので、組む側も動かしやすいです。
毎月同じ形になるなら、「連勤は5日まで」のように自分の上限を先に伝えておく手もあります。
有給を連勤の間に挟んで休む
シフトが動かないなら、有給で連勤を切る方法があります。年休は、労働者が請求した時季に与えるのが原則です(労働基準法39条5項)。
会社は、事業の正常な運営を妨げる場合に限って時季を変えられます。年10日以上の年休がある人には、年5日を取らせることも会社の義務です(同条7項)。
それでも有給すら取りにくいなら、次の段階に進んだほうがいいサインだと思います。
人手不足が原因なら改善は遠い
連勤の根っこが慢性的な人手不足なら、相談しても根本は変わりにくいです。一時的に並びを直してもらえても、次の欠員でまた元に戻りがちです。
店長や管理薬剤師で止まっているなら、本部や人事に人員の相談として上げてください。法定休日に働いているのに割増が払われていない、休日の規定を下回っている、といった場合は、労働基準監督署に相談する道もあります。
体調を崩して休めないところまで来ているなら、個人の工夫で立て直せる段階ではありません。薬剤師が体調不良でも休めないときの記事も参考にしてください。
薬剤師が連勤の少ない職場へ移るときの見極め方
今の職場で打つ手がなくなったら、職場を変えるのは普通の選択です。ただ、同じ構造の職場に移ると連勤も付いてきます。
門前の調剤は休みが読みやすい
クリニックの休診日に合わせて閉まる門前薬局は、休みの曜日が決まりやすい傾向です。年中無休の店より、連勤が組まれにくくなります。
ただし同じ業態でも、薬剤師の人数が少ない店は一人欠けると崩れます。業態で絞ったあとは、店ごとの人員を見ることが大事です。選び方の順番は薬剤師の職場の選び方にまとめています。
見学と面接で休みの組み方を聞く
求人票に「年間休日120日」とあっても、休みの並びまでは分かりません。僕は今、欠員が出たときに求人を出してもらう側にいますが、原稿を作るのは本部です。店のシフトの組み方までは載りません。
だから見学や面接で、次のことを直接聞いてください。
- 休みは固定かシフトか
- 最長で何連勤があるか
- 常勤薬剤師は何人か
- 欠員補充か増員か
- 有給は誰が穴を埋めるか
一次面接をする側としても、働き方を具体的に聞いてもらえるほうが、入ってからのずれを減らせます。聞きにくい質問は、転職エージェントの担当に確認してもらう方法もあります。
確認はエージェントに任せてもいい
在職中で連勤が続いていると、見学の日程を合わせるだけでも大変です。僕が3回目の転職で使ったエージェントは、応募前の職場見学を必ず組んでくれました。
今このサイトで紹介しているエージェントのひとつがファゲットです。公式サイトでは中小の調剤薬局・病院の求人を強みにしています。僕自身は使っていません。登録したら最初に「最長の連勤と休みの組み方を確認したい」と伝え、答えの具体さで担当を見極めてください。調べた内容はファゲットの評判記事にまとめています。
ほかのサービスとも比べてから決めたい人は、良いところも弱いところも並べた比較記事をどうぞ。
薬剤師の連勤がきつい時のよくある質問
連勤で悩む人から出やすい疑問に答えます。
- 薬剤師の連勤がきついのは甘えですか?
甘えではありません。厚生労働省は脳・心臓疾患の労災認定基準で「休日のない連続勤務」を負荷の要因として挙げています。違法かどうかとは別に、体に負担がかかる働き方です。
- 6連勤は違法ですか?
6連勤だけでは違法になりません。労働基準法35条は週1日の休日を求めていて、6連勤なら週1日の休みは確保できるからです。ただし1日8時間で週6日なら週48時間になり、変形労働時間制でなければ8時間分は時間外労働として割増の対象です。
- 7連勤以上は違法ですか?
違法とは限りません。週の区切りをまたげば週1日の休日を守ったまま12連勤になり得ますし、4週4休の職場ならさらに長くなります。1年単位の変形労働時間制なら連続6日(特定期間は12日)が限度です。
- 休日出勤に割増はつきますか?
法定休日の労働には35%以上の割増賃金が必要です。週休2日のうち法定休日でない日に出た場合は、週40時間を超えた分が25%以上の時間外割増の対象になります。
- 連勤がつらいとき誰に相談すればいい?
まずはシフトを組んでいる管理薬剤師や店長です。休日数を変えずに休みの並びを動かす相談なら通りやすいです。店舗で止まるなら本部や人事、割増の未払いなどがあれば労働基準監督署に相談できます。
- 連勤を有給で切るのは迷惑ですか?
年休は労働者が請求した時季に与えるのが原則です(労働基準法39条5項)。会社が時季を変えられるのは、事業の正常な運営を妨げる場合に限られます。早めに申し出れば、シフトを組む側も調整しやすくなります。
- 連勤が多い職場の特徴はありますか?
慢性的に人手が足りない職場、営業時間が長く年中無休の職場は連勤が増えやすいです。休日数は合っていても、欠員の穴埋めで休みの並びが偏っていることもあります。
- 連勤が少ない業態はどこですか?
クリニックの休診日に合わせて閉まる門前の調剤薬局は、休みの曜日が決まりやすい傾向です。ただし薬剤師の人数が少ない店は一人欠けると崩れるので、店ごとの人員も確認してください。
- 求人票で連勤の多さは分かりますか?
年間休日の数は載っていても、休みの並びや最長の連勤までは分かりません。見学や面接で「休みは固定かシフトか」「最長で何連勤があるか」を直接聞くのが確実です。
- 連勤で限界。すぐ辞めても大丈夫?
体調を崩しているなら、まず休むことと受診を優先してください。そのうえで次を探すなら、勢いで辞めるより、在職中に見学つきで職場を選ぶほうが同じ失敗を避けやすいと思います。
薬剤師の連勤がきつい時のまとめ
6連勤は週1日の休日の範囲内で、7連勤以上も休日の決め方によっては違法とは限りません。それでも、休日のない連続勤務は国が負荷の要因として見ている働き方です。
- 6連勤だけでは違法でない
- 週の区切り次第で12連勤も
- 休日の働きは35%割増
- 連勤×残業が一番危ない
- 相談は休みの「並び」で
- 人手不足なら職場を変える
まずは就業規則とシフト表で自分の連勤を数え、休みの並びを具体的に相談してみてください。それでも変わらないなら、休みの組み方を確かめたうえで職場を変えていいと思います。残業も重なっているなら、薬剤師の残業を減らす方法もあわせてどうぞ。






