薬剤師8年目の年収は、厚生労働省の統計でみると約555万円が目安です(経験5〜9年・残業代を除く)。月の手取りにすると30万円前後になります。
8年目は、同期の中から管理薬剤師や薬局長が出始める時期です。肩書きの差がそのまま給与明細の差になり、「自分だけ置いていかれている」と感じている人もいると思います。
管理薬剤師のたろう(薬剤師歴10年目・34歳)です。僕の8年目(31歳)は、今の調剤薬局Dに入って2年目で、管理薬剤師に昇格した年でした。この記事では統計の数字と、管理薬剤師になると何が変わるのかを、昇格した側の目線で整理します。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師8年目の給料・年収は統計で約555万円
数字の出どころは、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査(職種・年齢階級・経験年数階級別)です。薬剤師の欄を経験年数ごとに見ると、次のようになります。
| 経験年数 | 月の給与 | 賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 1〜4年 | 35.1万 | 71.9万 | 約493万 |
| 5〜9年 | 39.3万 | 82.8万 | 約555万 |
| 10〜14年 | 42.1万 | 94.1万 | 約600万 |
8年目は「経験5〜9年」の区分に入ります。年齢を30〜34歳に絞ると、同じ経験5〜9年で約540万円です。
読むときに気をつけたいのは、残業代が含まれていないことです。残業の多い職場なら、実際の年収はこの数字より上に出ます。自分の年収と比べるときは、残業代を除いた額で比べてください。
もう一つ、8年目ならではの見方があります。2年後に入る「経験10〜14年」の区分は約600万円で、今の区分との差は約45万円しかありません。年数を重ねるだけでは、ここから先の伸びは緩やかだということです。
8年目の手取りは月30万前後
統計の約555万円から社会保険料と税金を引くと、年間の手取りは約435万円です(30歳前後・独身・扶養なし・協会けんぽ加入の概算)。額面の8割弱が残ると覚えておくと、ざっくり計算できます。
毎月の振込は30万円前後で、残りは賞与として夏と冬に入ります。内訳の計算は薬剤師7年目の給料・年収で、年収ごとの手取りは薬剤師の手取り早見表で出しています。
薬剤師8年目に同期と年収差がつく正体は管理薬剤師
8年目でいちばんモヤモヤしやすいのが、同期との差です。差の大きな理由は、管理薬剤師になっているかどうか。ただ、統計で見る差と、同じ会社の中で生まれる差は大きさが違います。
平均で見ると約246万の差
厚生労働省の第25回医療経済実態調査では、保険薬局の常勤薬剤師の平均が約479万円、管理薬剤師の平均が約725万円です。差は約246万円あります(給料+賞与)。
ただしこれは、全国の薬局の平均どうしを比べた数字です。管理薬剤師のほうが年齢も経験も上の人が多く、その分も差に含まれています。同期が昇格したら年収が246万円上がる、という意味ではありません。
同じ会社なら差は手当の分
同じ会社の同期どうしで生まれる差は、主に管理薬剤師手当です。手当は月3〜5万円が一つの目安で、年にすると36〜60万円になります。月の手取りで数万円の差がついて見えるのは、この手当が大きいです。
そして管理薬剤師の枠は、店舗に1人です。先輩が長く務めている店では、8年目になっても順番が回ってきません。同期との差は、能力より「どの店にいたか」で生まれることが多いと思います。
悩む男性同期との差、能力じゃなくて店の事情だったのか…。
【実体験】僕の薬剤師8年目は管理薬剤師に昇格した年
ここからは統計ではなく、僕個人の話です。僕の8年目(31歳)は、今の調剤薬局Dに入って2年目。この年に管理薬剤師に昇格しました。
8年目までの年収の流れ
まず、8年目にたどり着くまでの僕の年収です。地方の一薬剤師の実額なので、統計の平均とは別物として見てください。
| 年次(年齢) | 職場 | 年収 |
|---|---|---|
| 1〜4年目(24〜27歳) | 調剤薬局A | 約380万→420万 |
| 5〜6年目(28〜29歳) | DS併設調剤B | 550万 |
| 7年目(30歳) | 調剤薬局C(2ヶ月) | 480万 |
| 7年目(30歳) | 調剤薬局D(初年度) | 610万 |
| 8年目(31歳) | 調剤薬局D(2年目) | 610万 |
新卒で入ったAでは、昇給が1回あたり月5千〜1万円で、4年目の420万円で頭打ちになりました。年収に惹かれて移ったDS併設のBでは550万円になったものの、月の残業は45時間。そこから焦って移ったCは、入社2ヶ月で辞めています。
3回目の転職で入ったDで、提示560万円を交渉して初年度610万円になりました。8年目に管理薬剤師へ昇格し、34歳の今も年収は610万円です。7年目に職場が3つ変わった経緯は薬剤師7年目の記事に、失敗の全体は自己紹介の記事に書いています。
昇格して増えた仕事
管理薬剤師は、薬機法上の薬局の管理者です。いつもの調剤に、次のような仕事が乗ってきます。
- 発注・在庫・期限の管理
- 薬歴の監査
- シフト作りと新人教育
- 採用の一次面接
- 本部への数字の報告
加えて、監査や行政の対応では矢面に立ちます。監査の前日は、今でも胃が痛くなります。
昇格していちばん変わったのは、自分の手を止める場面が増えたことでした。調剤の途中で卸や本部からの電話に走り、新人が辞めれば、その穴は自分のシフトで埋めます。
仕事の中身と1日の流れは、管理薬剤師の仕事内容で詳しく書いています。
求人を出す側に回った
管理薬剤師になってからは、退職者が出たときの欠員募集にも関わっています。うちの会社では、求人原稿を作るのは本部です。店から上げるのは「欠員の理由」「希望する勤務時間帯」「常勤かパートか」の3点だけです。
上がってきた原稿を見て、「うちの残業はこんなに少なくない」と思ったこともあります。でも、店に書き換える権限はありません。求人票を信じて2ヶ月で辞めた僕が、求人票を出す側に回ったわけです。
この経験から、転職先の年収や残業は、求人票ではなく見学や面接で直接確かめるのが確実だと考えています。



手当は増えても、背負うものも一気に増えます。額面だけで決めないでくださいね。
薬剤師8年目で管理薬剤師を打診されたら確かめたいこと
8年目は、管理薬剤師の話が来てもおかしくない時期です。引き受けるか迷ったら、返事の前に次の5つを確かめておくと判断しやすくなります。
- 手当は月いくらか
- 残業代の扱いは変わるか
- 店の薬剤師は何人いるか
- 前任者はなぜ抜けたか
- 本部から何の数字を求められるか
1と2はセットで見てください。会社によっては、昇格で手当が付く代わりに残業代の扱いが変わることがあります。手当が残業代より少なければ、昇格して手取りが減ることもありえます。給与規程や上司の説明で、両方を数字で確かめておくのが安全です。
3と4は、昇格後のしんどさを左右します。少ない人数で回している店だと、欠員が出たときに埋めるのは管理薬剤師です。5は店によって違い、僕の場合はかかりつけの同意件数の目標を、本部からスタッフに割り振る役も回ってきました。
逆に、打診がまったく来ない場合は、上司に「次の管理薬剤師の予定はあるか」を聞いてみてください。枠が空く見込みがなければ、待つか動くかを決める材料になります。
薬剤師8年目から年収を上げたいときの選び方
今の職場で上げる道と、職場を変える道があります。8年目の立ち位置によって、向いている道が変わります。
今の職場で昇格を待つ
枠が近く空く見込みがあるなら、職場を変えずに手当を取りにいくのが近道です。慣れた店で昇格できれば、人間関係を一から作り直す必要もありません。
一方で、昇給の幅そのものは職場の給与テーブルで決まっています。僕がいたAでは1回あたり月5千〜1万円で、年に直すと6〜12万円(賞与を除く)でした。昇格の見込みがないまま待つと、統計の平均との差はなかなか縮まりません。
高い提示には残業を確かめる
ドラッグストア併設の調剤は、提示される年収が上がりやすいです。僕も420万円から550万円になりました。ただ月の残業は45時間で、2年で離れています。
なお、業態別の年収について、ドラッグストアや企業の薬剤師だけを取り出した公的な統計は見当たりません。業態別の相場をうたう数字を見たら、出典と残業代込みかどうかを確かめるのがおすすめです。業態ごとの向き不向きは薬剤師の転職の基本記事で整理しています。
転職で給与レンジを変える
いちばん大きく動くのは、給与水準の高い職場へ移ることです。僕が610万円に届いたのも、職場を変えたからでした。8年目の経験があれば、管理薬剤師候補として募集している求人も選択肢に入ります。
ただ、僕は転職3回のうち2回失敗しています。2ヶ月で辞めたCの求人票には、嘘は書かれていませんでした。足りなかったのは、常勤の人数、欠員か増員か、前任者がいつ辞めたか、という書かれていない情報です。そして本当は、職場見学の提案を「日程が合わない」と自分で断っていました。
転職すると決めていなくても、自分の経験でどのくらいの提示が出るかを聞いておくと、残るかどうかの判断材料になります。たとえばファゲット薬剤師は、公式サイトで中小の調剤薬局や病院の求人に強いと案内している転職サービスです。僕自身は使っていませんが、相談は無料と書かれています。
提示額の交渉のしかたは薬剤師の年収交渉に、ほかのサービスとの違いは薬剤師転職エージェントのおすすめ比較にまとめています。
薬剤師8年目の年収に関するよくある質問
- 薬剤師8年目の年収は平均でいくらですか?
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厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査で、薬剤師・経験5〜9年は月の所定内給与39.3万円、賞与82.8万円です。年収にすると約555万円で、残業代は含みません。30〜34歳に絞ると約540万円です。
- 薬剤師8年目で年収500万円は低いですか?
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統計の約555万円よりは低めですが、統計は残業代を除いた数字です。比べるときは自分の年収からも残業代を除いてみてください。それでも低いなら、職場の給与テーブルや役職の有無が原因のことが多いと思います。
- 8年目の手取りはだいたいいくらですか?
-
統計の約555万円なら、30歳前後・独身・扶養なしの概算で年間の手取りは約435万円、毎月の振込は30万円前後です。残りは賞与として夏と冬に入ります。
- 同期が管理薬剤師になり、年収差がつきました。
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同じ会社なら、差の多くは管理薬剤師手当です。目安は月3〜5万円、年36〜60万円ほどです。枠は店舗に1人なので、差は能力より店の事情で生まれることが多いと思います。上司に次の管理薬剤師の予定を聞いておくと、待つか動くかを決めやすくなります。
- 管理薬剤師と一般の薬剤師で、年収はどれくらい違いますか?
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第25回医療経済実態調査では、保険薬局の常勤薬剤師が平均約479万円、管理薬剤師が約725万円です。ただ全国平均どうしの比較で、年齢や経験の差も含まれます。同じ会社で昇格したときに増えるのは、主に手当の分です。
- 管理薬剤師の打診を受けるべきか迷っています。
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手当の額、残業代の扱い、店の薬剤師の人数、前任者が抜けた理由、本部から求められる数字の5つを確かめてから決めるのがおすすめです。手当が残業代より少ないと、昇格で手取りが減ることもありえます。
- 8年目で昇給が止まった気がします。気のせいですか?
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気のせいではないことが多いです。統計でも、経験5〜9年の約555万円から10〜14年の約600万円まで、差は45万円ほどです。昇給が1回あたり月5千〜1万円なら、年収では年6〜12万円しか増えません。
- 8年目で転職しても年収は上がりますか?
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移る先の給与水準しだいで上がる余地はあります。僕は7年目の転職で、提示560万円を交渉して初年度610万円になりました。ただ年収だけで選ぶと働き方が崩れるので、残業や人員とセットで見てください。
- 転職してまた失敗しないか不安です。
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その不安は大事にしてください。僕は転職3回のうち2回失敗しています。常勤の人数、欠員か増員か、前任者がいつ辞めたかを確かめ、職場見学で空気を見てから決めると失敗しにくくなります。
薬剤師8年目の給料・年収のまとめ
薬剤師8年目の年収は、統計で約555万円(経験5〜9年・残業代を除く)が目安です。手取りにすると年約435万円、月30万円前後になります。
- 統計の目安は約555万円
- 手取りは月30万前後が目安
- 同期との差は管理薬剤師の有無
- 同じ会社なら差は主に手当
- 打診の前に確かめる5つ
8年目は、同期の中で役職がつく人とつかない人が分かれ始める時期です。ただ、その差は能力より店の事情で生まれることが多く、昇格すれば手当と一緒に背負うものも増えます。
僕は8年目に管理薬剤師になり、年収は今も610万円です。今の額に納得できないなら、まず昇格の見込みと、よその職場で出る提示額を確かめるところから始めてみてください。
その後の年収は薬剤師9年目の給料・年収と薬剤師10年目の給料・年収に、前の年次は6年目と7年目の記事にあります。



