薬剤師との結婚は、収入と働き方の面では安定しやすいです。ただ、同じ薬剤師でもどの業態で、どの立場で働いているかで生活リズムがまるで違います。
僕は管理薬剤師のたろうです。30歳ごろに結婚し、同年代の妻と2歳の長女と暮らしています。結婚したばかりの頃、転職に失敗して入社2ヶ月で辞め、そのことをしばらく妻に言えませんでした。
その経験から、この記事では年収や時短の数字だけでなく、結婚前に相手に聞いておきたいことまで、薬剤師側の目線で書きます。薬剤師との結婚を考えている人にも、結婚を控えた薬剤師本人にも読んでもらえる内容です。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師が結婚相手として安心されやすい3つの理由
①平均年収は約571万円
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査から計算すると、薬剤師の年収は男女計で約571万円です。男性は約618万円、女性は約531万円でした。
これは毎月の所定内給与×12か月に年間賞与を足した数字で、残業代は入っていません。平均年齢の高い人も含むので、20代〜30代前半ならもう少し下がります。経験年数ごとの数字は薬剤師の年収ランキングにまとめています。
ちなみに僕は新卒1年目が約380万円で、今の職場で610万円です。同じ資格でも勤務先で200万円以上変わるので、「薬剤師だから高収入」とひとくくりにはできません。
②免許で全国どこでも働ける
薬剤師免許は国家資格なので、引っ越しても資格はそのまま使えます。配偶者の転勤についていく場合でも、仕事を一から探し直す必要はありません。
ただ、求人の数や条件は地域によって差があります。「どこでも同じ条件で働ける」わけではない点は、転居の話が出たときに頭に入れておくと安心です。
③時短・パートに切り替えやすい
子どもが3歳になるまでは、1日原則6時間の短時間勤務制度を使えることが法律で決まっています(厚生労働省 育児休業制度特設サイト)。これは薬剤師に限らない制度ですが、薬剤師は時短で戻る人も多く、職場側も受け入れ慣れていることが多い印象です。
パートの時給が高いのも薬剤師の特徴です。同じ調査の短時間労働者で見ると、薬剤師の1時間あたり所定内給与は2,639円でした(令和6年賃金構造基本統計調査 短時間労働者 職種第1表)。
薬剤師の男女比と、男性・女性で違う結婚事情
薬剤師は女性が多い職業です。厚生労働省の令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計では、男性38.0%・女性62.0%でした。
職場も女性の比率が高く、小さな薬局だと薬剤師が数人しかいないことも珍しくありません。独身の男性薬剤師にとっては、職場での出会いが少ない環境になりがちです。
年収は上で書いたとおり男性が約618万円、女性が約531万円で、男女で差があります。女性は出産後に時短やパートを選ぶ人が多いぶん、結婚後の働き方の選択肢をどう持つかが大事になります。その話は結婚後の働き方で詳しく書きます。
薬剤師との結婚で見逃しがちな4つの注意点
①勤務時間は業態で大違い
同じ「薬剤師」でも、働く場所で帰宅時間も休みもかなり変わります。
- 調剤薬局:病院の診療時間次第
- ドラッグストア:遅番がある
- 病院:夜勤・当直がある所も
調剤薬局は近くのクリニックに合わせて開くことが多く、土曜の午前も営業している店がよくあります。僕が28〜30歳で働いたドラッグストア併設の調剤では、週の半分が遅番で、閉店後の品出しで帰りが夜10時になる日もありました。残業は月45時間ほどでした。
付き合っている段階で「彼の帰りが遅いのは本当に仕事のせい?」と気になっている人もいると思います。その見極め方は薬剤師の彼氏が忙しい理由で、本物の激務かどうかの見抜き方まで詳しく書いています。
②職場の悩みが家に響く
薬局は少人数の職場が多く、合わない人がいると毎日顔を合わせることになります。逃げ場が少ないぶん、職場の悩みがそのまま家に持ち込まれやすい仕事です。
僕が30歳で入った薬局では、挨拶が返ってこない職場になじめず、出勤前に駐車場で車を停めたまま動けない朝がありました。結局2ヶ月で辞めましたが、結婚したばかりだったので妻に言えず、眠れない夜を過ごしました。
薬剤師の相手が急に職場の話をしなくなったら、うまくいっていないサインかもしれません。責めずに聞ける雰囲気があるだけで、抱え込む時間はかなり短くなると思います。
③転職は珍しくない職業
薬剤師は免許があれば次の職場を見つけやすいので、転職する人は珍しくありません。僕自身も3回転職していて、そのうち2回は失敗です。
相手の経歴に転職が何回かあっても、回数だけで判断しなくて大丈夫です。見るべきなのは「なぜ辞めたか」と「次はどう選んだか」。僕の場合、年収だけで選んで失敗し、焦って選んでまた失敗しました。3回目で職場見学を必ず入れるようにして、やっと落ち着きました。
④管理薬剤師は責任が重い
管理薬剤師は、店舗の医薬品管理の責任者です。調剤に加えて、発注・在庫管理、スタッフのシフトや採用面接、本部への報告まで担います。管理薬剤師手当は月3〜5万円が一つの目安ですが、そのぶん気を張る場面も増えます。
僕の実感では、監査の前日は胃が痛くなりますし、スタッフが1人辞めるとその穴を自分のシフトで埋めることになります。「管理薬剤師=高給」だけで見ると、家庭への影響が想定外になるかもしれません。
薬剤師と結婚した家庭で起きたこと(たろうの場合)
①転職の失敗を妻に言えなかった
2ヶ月で辞めた薬局は、ドラッグストアを早く抜けたい一心で決めた職場でした。年収も550万円から480万円に下げていたので、結婚したばかりの妻に、また職場を辞めたとはなかなか言えませんでした。
今振り返ると、失敗そのものより、1人で抱えた時間のほうがしんどかったです。薬剤師と結婚する人に伝えたいのは、相手の転職を「失敗」と決めつけず、理由を聞いてほしいということです。
②職場選びの基準を変えた
家庭を持って「次こそ失敗できない」と思い、3回目の転職では選び方を変えました。条件より職場の人間関係と雰囲気を優先し、応募前に必ず職場見学をしました。
その結果、今の薬局に入って年収は480万円から610万円になりました。お金以上に大きかったのは残業が減ったことで、長女の寝顔を見られる日が増えました。
③繁忙期は家族の時間が削れる
管理薬剤師になってからは、普段は落ち着いていても、急に忙しくなる時期があります。保険薬局の個別指導を受けたときは、事前に出す書類の作成に土日を2回分使いました。
毎月あることではありませんが、立場によってはこういう時期が来ます。相手が管理薬剤師なら、忙しい時期がいつ来るのかを先に聞いておくと、家庭の予定も立てやすいです。
結婚後の薬剤師が選べる4つの働き方
①フルタイムで続ける
今の職場でフルタイムを続ければ、年収はそのまま保てます。夫婦とも薬剤師なら、男性と女性の平均年収を単純に足すと約1,150万円になる計算です。
続けるなら、その職場で育休から戻った人がいるかを確認しておくのが大事です。制度があっても、実際に使った人がいない職場では戻りにくいことがあります。
②短時間勤務に切り替える
育休から戻ったあと、子どもが3歳になるまでは1日原則6時間の短時間勤務を選べます。フルタイムが1日8時間なら、働く時間は4分の3です。給与も働く時間に合わせて下がるのが一般的なので、事前に金額を確認しておくと安心です。
③パートに切り替える
子育てを優先したい時期はパートに切り替える人もいます。時給が高いので、短い時間でも一定の収入になります。
扶養の範囲で働く場合は、税金と社会保険の条件がここ数年で見直されています。働く時間を決める前に、最新の条件を職場や自治体で確認しておくのがおすすめです。
④負担の軽い職場に移る
今の職場で時短やパートが難しいなら、職場を変える選択肢もあります。見ておきたいのは、1日の処方箋枚数、薬剤師の人数、閉局時間、土曜の営業です。人数に余裕がある店ほど、急な休みにも対応してもらいやすくなります。
子育て中の職場選びはママ薬剤師の転職、業態ごとの違いは薬剤師の職場の選び方に詳しく書いています。
薬剤師との結婚前に相手に聞いておきたい4つの質問
①業態と勤務時間を聞く
調剤薬局なのか、ドラッグストアなのか、病院なのか。同じ業態でも店舗によって生活は変わるので、次の3つは聞いておきたいところです。
- 平日は何時に帰れるか
- 土日・祝日は休みか
- 夜勤や遅番はあるか
②将来のキャリアの考えを聞く
管理薬剤師を目指すのか、専門性を深めたいのか、独立も考えているのか。管理職になれば収入は上がりやすい一方、上で書いたように責任と忙しい時期も増えます。どちらを選んでも、家庭との折り合いを話せていれば大丈夫です。
③転勤の可能性を聞く
店舗の多いチェーン薬局やドラッグストアでは、異動や転勤がある会社もあります。自分の仕事との兼ね合いもあるので、転勤の有無と範囲は早めに確認しておくのが安全です。
④仕事の悩みを話せるか
これは質問というより、2人の関係の確認です。僕は転職の失敗を妻にすぐ言えなかったので、ここがいちばん大事だと思っています。
「職場で困ったら話してほしい」と一度言葉にしておくだけでも、相手は話しやすくなります。薬剤師の職場は少人数で逃げ場が少ないぶん、家が相談できる場所になっているかどうかは大きいです。
薬剤師との結婚でよくある質問
- 薬剤師と結婚すると生活は安定しますか?
収入の面では安定しやすいです。令和6年の統計では薬剤師の平均年収は男女計で約571万円(残業代除く)です。ただ業態で帰宅時間が大きく変わるので、家計の安定と生活リズムの安定は分けて考えるといいです。
- 薬剤師の彼の帰りが遅いのが心配です。
まず業態を確認してみてください。調剤薬局はクリニックの診療時間次第、ドラッグストアは遅番あり、病院は当直がある所もあります。帰りが遅い=激務とは限らないので、見抜き方は本文の関連記事を参考にしてください。
- 薬剤師の離婚率は高いんですか?
職業別の離婚率を示した公的な統計は、僕が調べた範囲では見つかりませんでした。職業そのものより、職場の悩みを家で話せるかどうかのほうが影響は大きいと思います。
- 転職回数が多い相手って大丈夫でしょうか?
薬剤師は転職する人が珍しくない職業なので、回数だけで判断しなくて大丈夫です。僕も3回転職しています。大事なのは辞めた理由と、次の職場をどう選んだかです。
- 結婚後も薬剤師の仕事は続けられますか?
続けやすい職業です。フルタイム、短時間勤務、パートと選択肢があり、免許があるので引っ越し先でも働けます。出産で一度離れても、戻りやすいのは大きな強みです。
- 管理薬剤師と結婚するとどうなりますか?
手当がつくぶん収入は上がりやすいですが、店舗の責任者なので監査や行政の指導の前は忙しくなります。僕も個別指導の準備で土日を2回分使いました。忙しい時期がいつ来るかを聞いておくと安心です。
- 薬剤師の男性は性格が悪いって本当?
業界全体の傾向ではないです。少人数の職場なので、合う合わないが極端に出やすいのが実態だと思います。詳しくは薬剤師の男が性格悪いと言われる理由に書いています。
- 薬剤師の女性はプライドが高い?
これも個人差です。仕事柄、確認を重ねる几帳面な人が多い印象はありますが、それとプライドの高さは別の話です。詳しくは薬剤師の女はプライドが高い?に書いています。
- 薬剤師と結婚すると仕事の話が多い?
専門用語が多い仕事なので、最初は戸惑うかもしれません。全部を理解する必要はなく、「今日は忙しかった?」と聞いてもらえるだけで話しやすくなります。
- 結婚を機に職場を変えたいと言われたら?
応援していい流れだと思います。時短や育休からの復帰に慣れている薬局はあります。焦って決めると僕のように失敗しやすいので、職場見学をしてから決めるよう声をかけてあげてください。
薬剤師との結婚を考える人へのまとめ
薬剤師は、平均年収が約571万円で、免許があれば引っ越し先でも働けて、時短やパートにも切り替えやすい職業です。結婚相手としての安心材料は確かにあります。
その一方で、業態によって帰宅時間は大きく違い、少人数の職場の悩みは家に響きやすいです。結婚前に「業態と勤務時間」「キャリアの考え」「転勤」「仕事の悩みを話せるか」の4つを確認しておけば、結婚後のギャップはかなり減らせると思います。
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