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薬剤師の退職代行と薬局の手続き|辞めたあと店で何が進み、次の面接でどう見えるか

2026 9/11
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転職の進め方・基礎知識
2026年9月8日2026年9月11日
薬剤師 退職代行 薬局|薬局側で進むことと面接でどう見えるか

薬剤師が退職代行を使ったとき、薬局の側で最初に動くのは怒りではなく事務です。保健所への届出と、厚生局への届出と、シフトの埋め合わせ。この3つが淡々と進みます。

僕は地方の調剤薬局で管理薬剤師をしているたろうです。転職は3回、うち2回が失敗でした。いまは店の欠員募集と一次面接を担当していて、人が辞めたあとに何が起きるかを、自分の仕事として見ています。

この記事では、退職代行そのものの使い方ではなく、使ったあとに薬局側で進むことと、次の面接でどう見えるかを書きます。あなたがいちばん知りたいのは、たぶんそこだと思うからです。

先に言っておくと、「まずは自分の口で伝えましょう」から始めるつもりはありません。それをやって握りつぶされたから、いまこの言葉で検索しているはずです。

この記事を書いた人
  • 調剤4年→DS2年→調剤4年
  • いまは管理薬剤師(34歳)
  • 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
  • 3回目で年収を480万円→610万円にアップ
  • 薬剤師向けの人気転職エージェント5社を全部利用

「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。

詳しい筆者の経歴はこちら

詳細記事:薬剤師ブログ|転職で2回やらかした僕が年収130万上げた話

管理薬剤師たろう
管理薬剤師たろう
目次

薬剤師が退職代行を調べるとき、いちばん重いのは費用ではない

薬剤師 退職代行 薬局|薬剤師が退職代行を調べるとき、いちばん重いのは費用ではない

相場は調べればすぐ出てきます。それでも指が止まるのは、お金の問題が残っているからではありません。

先に、数字を1つ置いておきます。パーソル総合研究所が2025年12月2日に発表した「離職の変化と退職代行に関する定量調査」(2025年8月21日〜9月1日実施、回答者は全体で1,829名)では、5年以内に離職経験のある正社員のうち5.1%が退職代行を利用していました。20人に1人です。あなたが特殊なことをしようとしているわけではありません。

薬剤師が退職代行を調べるとき、いちばん重いのは費用ではない
  • 代わりがいないから店が閉まる、という感覚
  • 業界が狭いから、次に伝わる気がしている
  • 薬歴と鍵を置いたまま消えることへの引っかかり

代わりがいないから店が閉まる、という感覚

常勤2人の店で1人が抜けたら、開けられない日が出ます。一人薬剤師なら、明日の朝から誰もいません。この計算が頭にあるので、辞める話が自分と会社の話で終わらず、患者の話になってしまいます。

ここは正直に書きます。実際、店は困ります。困りますが、それを埋めるのは会社の仕事です。人員の配置と募集は薬局開設者の側の責任で、辞める薬剤師個人が背負う設計になっていません。あとで手続きの話をしますが、法律上の届出義務も全部、開設者側についています。

業界が狭いから、次に伝わる気がしている

同じ県内で、同じ系列で、同じ卸の担当者が回っている。薬剤師の世界は縦にも横にも狭いので、「代行を使った人」という札が自分に付いて回るように感じます。

これは記事の後半で、一次面接をしている側の立場から具体的に書きます。結論だけ先に言うと、書類に書く欄がありません。ただし「絶対に伝わらない」とも書きません。条件によっては別なので、そこも正直に分けて書きます。

薬歴と鍵を置いたまま消えることへの引っかかり

これが、いちばん言葉になっていない部分だと思います。白衣や名札は郵送で返せます。ロッカーの鍵も送れます。返せないのは、書きかけの薬歴と、明日フォローの電話をする約束をしていた患者さんです。

その引っかかりは、たぶん正しい引っかかりです。ただ、それは代行を使うかどうかで消えるものではありません。自分の口で辞めると言っても、退職日の翌日から薬歴は他の人が続けます。薬歴は個人ではなく店に残る記録なので、引き継ぎは残った側が引き受ける前提で組まれています。

管理薬剤師たろう

患者さんへの申し訳なさと、会社への義理は、分けて考えていいと思います

退職代行で辞めたあと、薬局側で進むのは3つの事務です

薬剤師 退職代行 薬局|退職代行で辞めたあと、薬局側で進むのは3つの事務です

ここが、薬剤師向けの退職代行の記事でいちばん抜けている部分です。一般企業の退職と違って、薬局は行政に届出を出します。それが誰の義務なのかを知っておくと、不安の半分は形が変わります。

退職代行で辞めたあと、薬局側で進むのは3つの事務です
  • 保健所への変更届。出すのは会社です
  • 厚生局への異動届。保険薬剤師の登録は個人に残る
  • シフトの穴埋めと欠員募集。店から本部に上がるのは3行だけ

保健所への変更届。出すのは会社です

薬局に勤める薬剤師の氏名は、行政に届け出てある情報です。医薬品医療機器等法(薬機法)の第10条第1項に、薬局の管理者その他の省令で定める事項を変更したときは、30日以内に都道府県知事へ届け出る、と書かれています。

その「省令で定める事項」の中身が、同法施行規則の第16条第1項です。第4号が薬局の管理者、そして第5号に「薬局の管理者以外の当該薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師又は登録販売者の氏名又は週当たり勤務時間数」とあります。つまり管理薬剤師でなくても、常勤の薬剤師が1人抜ければ届出の対象になります。

ここで押さえてほしいのは中身より主語のほうです。条文の主語は「薬局開設者」です。届け出るのは会社であって、辞めるあなたではありません。代行を使ったかどうかも、この届出には関係しません。書式にそんな欄がないからです。

もしあなたが管理薬剤師本人なら、変更届の対象は第4号のほうになります。それでも義務者は開設者のままです。後任が決まっていないと会社は困りますが、困る主体は会社で、あなたに届出義務が移ることはありません。

厚生局への異動届。保険薬剤師の登録は個人に残る

もうひとつが地方厚生局への届出です。保険薬局は、退職した人の氏名・保険薬剤師登録の記号および番号・退職年月日を「保険医療機関・保険薬局届出事項変更(異動)届」に記入して提出します。中国四国厚生局が公開している保険薬局向けのよくある質問にも、その手順が書かれています。

ここも提出するのは保険薬局です。そして大事なのは、保険薬剤師の登録そのものは個人につくということ。勤務先が変わっても登録が消えるわけではありません。次の薬局に入ったら、今度は次の会社が採用者として同じ様式で届け出ます。

「代行を使うと保険薬剤師の登録に傷が付くのでは」と心配する人がいますが、この様式に記入するのは氏名と登録番号と退職年月日だけです。辞め方を書く欄はありません。

シフトの穴埋めと欠員募集。店から本部に上がるのは3行だけ

3つ目が現場の話です。ここは僕の担当業務なので、自分の店の手順として書けます。

常勤が1人抜けたとき、店から本部に上げるのは3点だけです。

  • 欠員の理由
  • 希望する勤務時間帯
  • 常勤かパートか

これだけです。求人原稿の文面は本部が作ります。給与のレンジも、休日の書き方も、店には決められません。この仕組みについては求人票の「アットホーム」がどう作られるかを書いた記事で詳しく書きました。

気づいてほしいのは、この3行に「どうやって辞めたか」が入っていないことです。欠員の理由は「自己都合退職」で処理されます。代行だったのか、本人が直接言ってきたのかは、本部に上がる情報の中に入っていません。

穴が空いた分は、たいてい近隣店からの応援か、残った人の勤務時間で埋まります。後任が入るまで数ヶ月かかることもあります。それは辛いことですが、店が閉まるかどうかは会社の体力の話であって、辞めた個人が引き起こしたことではありません。

辞められた側にいた管理薬剤師の僕が、あのとき最初に考えたこと

薬剤師 退職代行 薬局|辞められた側にいた管理薬剤師の僕が、あのとき最初に考えたこと

ここは、書ける範囲を先に区切っておきます。

辞められた側にいた管理薬剤師の僕が、あのとき最初に考えたこと
  • 僕が経験したのは代行ではなく、直接の退職届でした
  • 本部に詰められたのは、定着率の数字でした

僕が経験したのは代行ではなく、直接の退職届でした

管理薬剤師になって2年目の秋、新人に「辞めたいです」と相談されました。調剤室の奥で、夕方の混む時間が終わったあとの、5分もない隙間でした。

僕は自分の失敗を先に話して、最後に「逃げるのも選択肢だよ」と言いました。その子は1ヶ月後に退職届を出しました。代行は挟まっていません。本人が自分の口で言って、書面を出して辞めています。

なぜこの話をするかというと、店で起きたことが、代行だった場合とほとんど変わらないからです。届出の様式は同じです。本部に上げる3行も同じです。シフトが崩れる度合いも同じでした。違ったのは、辞める日までの2週間ほど、気まずい空気の中で全員が働いたことくらいです。

「直接言えばきれいに終わる」というほど、直接も穏やかではないです。

本部に詰められたのは、定着率の数字でした

翌月の面談で、本部から定着率の数字を出されました。新卒1年目が抜けたことについて説明を求められて、僕が出したのは面談の記録です。「本人の意思を尊重した」と書いた気がします。嘘ではないですけど、自分を守るために選んだ言葉でした。

シフトはその月から回らなくなって、僕が入る日が増えて、土曜の休みが消えました。

これを読んで「やっぱり迷惑をかける」と思ってほしくて書いているのではありません。逆です。詰められたのは管理薬剤師の僕であって、辞めた本人ではありませんでした。本部から本人に何かが行くことはなかったです。定着率は店を管理する側の指標だからです。

あの子が辞めたのが正しかったのかは、いまも分かりません。半年後に「元気です」とLINEが1通来て、僕は返事を打てないままです。ただ、あの子が背負わされたものは、少なくとも店の数字ではなかったです。

薬剤師の退職代行は3種類あって、代わりに交渉できるかが違います

薬剤師 退職代行 薬局|薬剤師の退職代行は3種類あって、代わりに交渉できるかが違います

ここは料金より先に見てほしい部分です。同じ「退職代行」でも、法律上できることの範囲が3つに分かれます。

薬剤師の薬剤師の退職代行は3種類あって、代わりに交渉できるかが違います
  • 民間の業者は「伝える」までしかできない
  • 労働組合が運営するものは交渉ができる
  • 弁護士は請求と紛争まで扱える

民間の業者は「伝える」までしかできない

弁護士法第72条は、弁護士や弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で法律事務を取り扱うことを禁じています。ここでいう法律事務には、代理や和解が含まれます。

そのため、労働組合でも弁護士でもない業者にできるのは、本人の意思を会社に伝えることまでです。有給を何日消化させろとか、退職日をいつにしろという話は交渉になるので、扱えません。

薬局の場合、ここが実務的に効いてきます。引き継ぎの範囲、鍵や白衣の返却方法、最終出勤日の扱い。この辺りは会社と話し合いが必要な項目です。伝えるだけの業者だと、店から出た要望をあなたに右から左に流すだけになります。

労働組合が運営するものは交渉ができる

労働組合法第6条に、労働組合の代表者または委任を受けた者は、組合員のために使用者と交渉する権限を有する、と書かれています。加えて同法第7条第2号で、会社が正当な理由なく団体交渉を拒むことは不当労働行為とされています。

つまり組合型は、加入したうえで、有給の消化日数や退職日について会社と話ができます。料金は民間業者と大きく変わらないことが多く、有給が残っている人はここを選ぶ意味が出てきます。

弁護士は請求と紛争まで扱える

未払い残業代を請求したい、会社から損害賠償をほのめかされている、という段階まで来ているなら弁護士です。費用は上がりますが、争いになった時点で組合の範囲を超えます。

選び分けの目安を書いておきます。

  • 有給ゼロで、明日から行かないだけでいい → 民間業者で足りる
  • 有給が残っている、退職日を調整したい → 組合型
  • 未払い賃金がある、賠償を言われている → 弁護士

薬剤師が退職代行で辞めるまでの日数と、お金が動く期限

薬剤師 退職代行 薬局|薬剤師が退職代行で辞めるまでの日数と、お金が動く期限

「就業規則に3ヶ月前と書いてある」と言われて動けなくなっている人が多いので、条文を置いておきます。

薬剤師が退職代行で薬剤師が退職代行で辞めるまでの日数と、お金が動く期限
  • 民法627条の2週間は、月給制でも同じです
  • 有給は残日数を先に見る
  • 賃金と返還は、請求から7日以内

民法627条の2週間は、月給制でも同じです

民法第627条第1項は、雇用の期間を定めなかったときは各当事者がいつでも解約を申し入れることができ、雇用は申入れの日から2週間を経過することによって終了する、と定めています。

同条の第2項と第3項には、報酬の定め方によって申入れの時期を制限する規定がありますが、条文上これは「使用者からの解約の申入れ」についての話です。労働者から辞めるときの制限ではありません。月給制だから翌月まで辞められない、という理解は条文と合っていません。

就業規則の「退職は3ヶ月前に申し出ること」は、社内の運用ルールです。円満に辞めたいなら合わせる価値はありますが、法律が2週間で終了すると定めている以上、規則が上に来るわけではありません。

ただしこの2週間は、期間の定めのない雇用、つまり常勤の正社員の話です。契約期間が決まっているパート・契約社員・派遣の薬剤師は民法第628条のほうで、やむを得ない事由があるときに直ちに解除できる、という書き方になっています。契約期間の途中で抜けたい人は、ここが別扱いになることだけ頭に入れておいてください。何が「やむを得ない事由」に当たるかは個別の判断になるので、揉めそうなら弁護士型を選んだほうが早いです。

有給は残日数を先に見る

2週間の待機期間を有給で埋められれば、実質的に明日から出勤しなくて済みます。ここが、代行を申し込む前に確認しておく価値がいちばん高い数字です。

会社には時季変更権がありますが、退職日より後ろに動かす先がないので、退職前の消化については実質的に使えません。だからこそ、残日数を知らないまま「有給は捨てるつもりで」と申し込むのはもったいないです。給与明細か勤怠システムに出ているはずなので、今夜のうちに見ておいてください。

逆に、残日数がゼロという結果になる人もいます。労働基準法第39条第1項は、雇入れの日から6ヶ月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に10日の有給を与える、という作りです。入社から半年たっていない人は、そもそも1日も付与されていない可能性が高いです。転職して数ヶ月で限界が来ている人は、まずここを疑ってください。

有給がゼロだった場合、明日から出勤しない2週間は欠勤の扱いになります。在籍はしているが給与は発生しない期間が2週間できる、ということです。行かなくてよくなる代わりに、次の給与が思ったより少なくなります。ここを知らずに申し込んで、あとで振込額を見て慌てる人がいるので、先に書いておきます。

そもそも有給が申請しても通らない職場だった人は、薬局で有給が取れない構造について書いた記事のほうも読んでおくと、残日数の見当がつきやすいと思います。

賃金と返還は、請求から7日以内

労働基準法第23条第1項は、労働者の退職の場合において、権利者の請求があった場合には7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない、と定めています。

ポイントは「請求があった場合」という条件です。黙っていれば通常の給与支払日まで動きません。積立金や、退職時に返ってくるはずのものがあるなら、請求したという記録を残しておくのが先です。代行を使う場合は、この請求も伝えてもらう項目に入れておくと抜けません。

退職代行での損害賠償と「薬剤師免許に傷がつく」は、どこまで現実か

薬剤師 退職代行 薬局|退職代行での損害賠償と「薬剤師免許に傷がつく」は、どこまで現実か

夜中に検索している人がいちばん怖がっているのがこの2つだと思うので、分けて書きます。

退職代行での損害賠償と「薬剤師免許に傷がつく」は、どこまで現実か
  • 請求されることと、認められることは別です
  • 薬剤師名簿に辞め方は載りません

請求されることと、認められることは別です

会社が「損害賠償を請求する」と言うこと自体は誰にでもできます。ただ、実際に認められるには、あなたの行為と会社の損害の因果関係を会社側が立証しないといけません。退職の申入れは民法が認めた権利なので、権利を使ったこと自体を理由にするのは筋が通りません。

とはいえ、ゼロだと断言もしません。麻薬や向精神薬の管理に関わる引き継ぎを放置した、鍵を返さずに店が業務に支障をきたした、というような具体的な損害があれば話は別です。だから返却物は必ず郵送で返してください。着払いにせず、送った記録が残る方法で送るだけで、争点はほとんど消えます。

「賠償する」と言われた時点で相手が本気なら、業者ではなく弁護士の領域です。そこは迷わず切り替えてください。

薬剤師名簿に辞め方は載りません

薬剤師名簿は免許の登録簿です。退職の経緯を記録する仕組みではありません。保険薬剤師の登録についても、さっき書いたとおり、薬局が出す異動届に書くのは氏名と登録番号と退職年月日だけです。

免許が汚れる、という表現を使う情報を見かけますが、行政の側に「辞め方」を記録する場所がありません。ここは安心していい部分だと思います。

退職代行は次の薬局に伝わるのか|一次面接をしている側から見た話

薬剤師 退職代行 薬局|退職代行は次の薬局に伝わるのか|一次面接をしている側から見た話

ここからは、僕が面接する側でやっていることをそのまま書きます。あなたが不安に思っている「業界が狭い」問題への、僕なりの回答です。

退職代行は次の薬局に伝わるのか|一次面接をしている側から見た話
  • 書類に「退職代行を使った」と書く欄がない
  • 前の職場に問い合わせることはしません
  • 見ているのは在籍期間と、空白の長さです

書類に「退職代行を使った」と書く欄がない

履歴書にも職務経歴書にも、辞めるときの手段を書く欄はありません。書式上そもそも存在しないので、書かなかったことが経歴詐称になることもないです。

僕の手元に来るのは、応募書類と、エージェント経由なら担当者の紹介文です。そこに辞め方は載っていません。

前の職場に問い合わせることはしません

採用の可否を決めるために前職へ照会する、ということを僕はしません。本人の同意なく前の会社へ聞くのは、やっていいことではないからです。うちの本部から前職に連絡が行くこともないです。

ただ、ここで「絶対に伝わらない」とは書きません。伝わりうる場面が2つあります。

  • 同じ会社・同じ系列にもう一度応募する場合(社内に記録が残っています)
  • 応募先に前職の知り合いがいる場合(薬剤師は転職で人が動くので、これは起こります)

この2つは、代行を使ったかどうかとは別に、辞め方そのものが話題になりうる場面です。避けようがないので、あらかじめ「短期間で辞めた理由」を自分の言葉で説明できるようにしておくほうが実利があります。

見ているのは在籍期間と、空白の長さです

一次面接で僕が気にするのは、代行の有無ではないです。在籍が短いこと自体でもありません。短く辞めた理由を、その人が説明できるかどうかを見ています。

僕自身、30歳のときに入った薬局を2ヶ月で辞めています。短すぎて職歴に書けないやつです。だから「合わなかったので早く出ました」と言われても、それだけで落とすことはありません。むしろ、何が合わなかったのかを具体的に言える人のほうが、うちで同じことが起きるかどうかを判断しやすいです。

言い方の例を1つ置いておきます。「体調を崩す前に出る判断をしました。次は、常勤の人数と残業の実態を確認してから決めたいと思っています」。これで十分です。前の職場の悪口を並べるより、次に何を確かめるつもりかを言われるほうが、採る側としては安心します。

そして、その「確かめる」を1人でやると角が立ちます。常勤が何人いるか、今回が欠員か増員か、前任者がいつ辞めたか。間に人が入れば、これは普通の質問になります。薬剤師向けだとファゲットのようなサービスで、最初に「見学ができない求人は紹介しなくていい」と条件を渡しておくやり方があります。届く求人は減りますが、入ってから知って驚くことが減ります。

断っておくと、僕はこのサービスを転職で使った本人ではありません。運営元と条件を調べたうえで紹介しています。僕が実際に使った5社の話と、いま申し込める会社の比較はエージェントを使い比べたレビュー記事のほうに分けて置いてあります。

そのうえで書いておきますが、今日登録する必要はまったくないです。辞める手続きと次を探す作業を同じ夜にやると、どちらも雑になります。次の話は、出勤しなくてよくなってからで間に合います。

退職代行を使う前に今夜やるのは、2つの確認だけです

薬剤師 退職代行 薬局|退職代行を使う前に今夜やるのは、2つの確認だけです

ここまで長くなったので、今夜の作業を2つに絞ります。

  • 有給の残日数(給与明細か勤怠システム)
  • 就業規則の退職申出期間(何日前と書いてあるか)

この2つが分かると、選ぶべき代行の種類が決まります。有給が残っているなら交渉できる組合型、ゼロなら伝えるだけの業者で足ります。逆に言うと、この2つを見ないまま申し込むと、選び方の根拠がないまま料金だけで決めることになります。

それから、まだ限界の手前にいる人へ。代行を使わずに済む道が残っているなら、そちらのほうが選択肢は広いです。伝える順番と言い方だけで通ることもあるので、2回失敗した僕が整理した退職の切り出し方を先に読んでみてください。もう暴言や無視が日常になっている段階なら、パワハラの薬局から抜けた話のほうが近いと思います。店の忙しさや人の少なさで消耗しているだけなら、調剤薬局がきついと感じたときの整理も置いてあります。

薬剤師の退職代行についてよくある質問

薬剤師 退職代行 薬局|薬剤師の退職代行についてよくある質問
管理薬剤師でも退職代行は使えますか?

使えます。管理薬剤師が抜けると薬機法第10条第1項に基づく変更届が必要になりますが、届出の義務者は薬局開設者であって本人ではありません。後任が決まっていないことを理由に、あなたの退職の申入れが無効になるわけでもないです。ただ、鍵や帳簿の所在は伝えておいたほうが、あとの連絡が減ります。

白衣や名札、ロッカーの鍵はどうやって返せばいいですか?

郵送で構いません。代行を使う場合、書類や返却物のやり取りは郵送で、という取り決めから入るのが一般的です。送った記録が残る方法を選んでください。返却を放置すると、そこだけが会社側の言い分になり得ます。

書きかけの薬歴を残したまま辞めても大丈夫ですか?

薬歴は個人ではなく薬局に残る記録なので、続きは残ったスタッフが引き受けます。気持ちの面では引っかかると思いますが、直接辞める場合でも退職日以降は同じ扱いです。どうしても気になるなら、未記載の患者さんの人数だけでも代行経由で伝えてもらう手はあります。

一人薬剤師の店です。明日から行かないと薬局が閉まります

閉まる可能性はあります。ただ、人員配置は薬局開設者の責任で、行政への届出義務も開設者側にあります。実務としては、近隣店からの応援や本部の薬剤師が入って営業を続ける会社が多いです。あなた1人で店の存続を背負う構造にはなっていません。

退職代行を使うと離職票や源泉徴収票はもらえませんか?

会社の義務なので、代行を使ったかどうかで変わりません。ただ、送付先の住所が正しく伝わっていないと止まります。代行に依頼する時点で、書類の送り先を最初に伝えてもらってください。届かないまま2週間過ぎたら、代行経由で催促するのが早いです。

「退職届は受け取らない」と言われています。それでも辞められますか?

受け取る受け取らないは、会社が決められることではありません。民法第97条第1項で、意思表示は通知が相手方に到達した時に効力を生じるとされていて、同条第2項では、相手が正当な理由なく到達を妨げたときは通常到達すべきだった時に到達したものとみなす、と定めています。だから内容証明のように到達した記録が残る形にしておくのが確実です。代行を使う場合も、書面をどう送るかは最初に確認しておいてください。

次の面接で、退職代行を使ったことを自分から言うべきですか?

聞かれていないなら言わなくていいと思います。書類に欄がなく、僕は前職に照会もしません。ただ在籍期間が短い場合はほぼ必ず理由を聞かれるので、そこは自分の言葉で説明できるようにしておいてください。辞め方より、次に何を確かめるつもりかのほうを見ています。

まとめ|薬剤師は辞め方より、辞めたあとの数ヶ月のほうが長い

薬剤師 退職代行 薬局|まとめ|薬剤師は辞め方より、辞めたあとの数ヶ月のほうが長い

薬局側で進むのは届出と募集の事務で、そこにあなたの辞め方を書く欄はありません。それが、この記事で伝えたかったことのほとんどです。

この記事のまとめ
  • 保健所・厚生局への届出は、会社の義務
  • 本部に上がる欠員情報に辞め方は入らない
  • 民法627条1項で、申入れから2週間
  • 有給が残るなら交渉できる組合型
  • 返却物は記録が残る方法で郵送する
  • 面接で見られるのは在籍期間と説明

僕は2ヶ月で辞めた店を、逃げるように出ました。代行は使っていませんが、初日から良くしてくれた事務のパートさんに、直接の挨拶をしないまま帰っています。同じ地方で働いている以上どこかで会いそうで、いまも引っかかっています。

ただ、引っかかっているのはその1人に対してだけです。会社にも、届出にも、名簿にも、あの2ヶ月の辞め方は残っていません。

今夜は、有給の残日数と就業規則の申出期間の2つだけ見てください。申し込むかどうかは、それを見てから決めれば間に合います。

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調剤薬局4年→ドラッグストア2年→調剤薬局4年(現在は管理薬剤師)。転職を3回経験し、うち2回は失敗しました。3回目でようやく年収を480万円→610万円に上げられた、しくじり多めの薬剤師です。転職活動では薬剤師向けエージェントを5社すべて実際に使って比較しました。薬学部6年制卒・薬剤師国家試験は1発合格。「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師転職のリアルな失敗談と成功談を本音で発信しています。

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管理薬剤師たろう

管理薬剤師たろう

薬剤師歴10年・34歳。調剤→ドラッグストア→調剤と転職3回(うち2回失敗)、年収は480→610万に。エージェント5社を使い倒した実体験を発信しています。

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