在職中の転職活動が不安な薬剤師へ、先に答えを書きます。応募や面接の段階で、税金や保険の書類から今の職場に知られることは基本ありません。書類が動くのは退職するときです。
バレるとしたら、職場での電話、休み方の変化、同僚への一言といった自分の行動からです。ここを押さえれば、辞めずに動くほうがお金にも判断にも余裕が残ります。
僕は管理薬剤師のたろうです。転職は3回で、うち2回は失敗しました。今は店の一次面接をする側でもあるので、応募者を迎える側から見た在職中の転職活動も書いておきます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師の在職中の転職活動は不安でも、辞めてから動くより安全です
「バレたら気まずい」「両立できる自信がない」。この不安から、先に辞めてしまおうと考える人もいると思います。ただ、辞めてから探すほうが条件は厳しくなります。
辞めると収入の空白ができる
自己都合で辞めた場合、失業給付には7日間の待期のあと、原則1か月の給付制限があります(2025年4月1日以降の離職。群馬労働局・ハローワーク)。5年以内に3回以上の自己都合退職なら3か月です。
収入が止まると、ピンとこない求人でも「とりあえず受かったところ」で決めたくなります。在職中なら給料が入り続けるので、合わない求人は断れます。この断れる余裕が、次の職場選びでいちばん効きます。
面接する側の立場で考えても、職歴の空白は理由を確認したくなるところです。説明できれば問題ありませんが、在職中なら最初から説明がいりません。
薬剤師は在職中でも動きやすい
調剤薬局やドラッグストアはシフト制が多く、平日に休みがある人も少なくありません。見学や面接は平日の日中に入ることが多いので、休みの日に寄せれば有給を使い切らずに回せます。
活動期間の目安は、登録から内定まで1〜2か月、在職中で退職と入社の手続きまで含めると3〜4か月です。入社日から逆算した具体的なスケジュールは薬剤師の転職の流れと準備にまとめました。
薬剤師の在職中の転職活動が職場にバレる経路と防ぎ方
「バレる」と一口に言っても、書類からの経路と行動からの経路があります。書類のほうは、実は退職を伝えるまで動きません。
- 職場で電話やメールを見てしまう
- 休みの取り方が急に不自然になる
- スカウト機能で同業に見つかる
- 同僚や知人につい話してしまう
税金や保険の書類からは分からない
登録・応募・面接・内定までの間に、今の職場へ届く書類はありません。雇用保険の資格喪失や源泉徴収票、住民税の手続きが動くのは、退職が決まってからです。
退職のときは知られる情報もあります。住民税を新しい職場の給与天引きで続ける場合、前の職場が「給与所得者異動届出書」の上段を書いて新しい職場へ引き継ぎます(さいたま市「新勤務先で特別徴収を継続する手続」)。このとき、今の職場は次の勤め先を知ることになります。
逆方向もあります。同じ年のうちに転職すると、新しい職場の年末調整で前の職場の源泉徴収票を出すのが基本です(国税庁「中途就職者の年末調整」)。短期間で辞めた職場を書類から外すと、ここで分かる場合があります。書き方は2ヶ月で辞めた職歴の書き方で解説しています。
応募先が今の職場に問い合わせる心配もあると思います。今の職場が本人の同意なく個人データを第三者に渡すことは、個人情報保護法で原則禁じられています(個人情報の保護に関する法律 第27条)。一次面接をする側から見ても、選考中に応募者の今の職場へ連絡する理由はまず思い当たりません。
職場のPCやスマホで活動しない
行動からの経路で一番多いのはここだと思います。休憩中にエージェントの着信が鳴る、共有PCの履歴に求人サイトが残る、といった事故です。
転職の連絡は私用スマホと自宅のPCに限ります。ロック画面に通知の中身が出る設定なら、プレビューを切っておくと安心です。エージェントには最初に「日中は出られないのでメールかLINEで」と伝えておきます。
有給の理由は「私用」でいい
年次有給休暇をどう使うかは労働者の自由で、使用者が干渉できない、というのが最高裁の判断です(最高裁 昭和48年3月2日判決)。面接のための休みでも、理由は「私用」で足ります。嘘の用事を作る必要はありません。
気をつけたいのは休み方の変化です。少人数の薬局ほどシフトの動きは目立ちます。できるだけ公休の日や遅番の前に寄せ、有給は短い期間に固めないほうが自然です。私服勤務の職場なら、スーツは出勤前後に着替える前提で持ち歩きます。
スカウト公開と口の軽さに注意
転職サイトのスカウト機能でプロフィールを公開すると、同業の採用担当に見られることがあります。地域の薬局業界は狭いので、不安なら公開はオフにして、エージェント経由で非公開に進めるほうが安全です。特定の会社に表示しない設定があるかも、登録時に確認しておきます。
自分の口から漏れるのもよくあるパターンです。仲のいい同僚でも、内定が出て退職を申し出るまでは話さないのが無難です。
もしバレたときの返し方
上司に聞かれたら、まだ決まっていない段階なら「今後のことを考えている」くらいで十分です。細かい応募先や条件まで話す必要はありません。
困るのは処分より、その後の気まずさと引き止めです。引き止めへの答え方や退職日の決め方は、薬剤師の退職交渉の進め方で順番に書いています。
薬剤師の僕が在職中の転職で削ってはいけなかった確認
在職中の転職で本当に怖いのは、バレることより「忙しいから」と確認を削ることでした。僕の2回目の失敗は、まさにこれです。
見学を日程で断って失敗した
28歳で入ったドラッグストア併設の調剤は、月の残業が45時間ありました。2年たった30歳のとき、1日でも早く抜けたくて次を探しました。
そのとき職場見学を提案されたのに、「日程が合わない」と自分から断っています。求人票の「アットホームな職場です」を信じて入った調剤薬局は雰囲気が合わず、入社2ヶ月で退職しました。
長いあいだ「求人票に騙された」と思っていました。でも本当は、確かめる機会を自分で手放していました。在職中の忙しさは、確認を削る言い訳になりやすいです。
管理薬剤師たろう見学を断ったのは、在職中で時間がないのを言い訳にしただけでした。
3回目は見学を必ず入れた
3回目の転職では進め方を変えました。応募する前に必ず職場見学を入れ、エージェントの担当者には過去2回の失敗を正直に全部話しています。そのうえで選んだのが、今働いている調剤薬局です。
在職中に見学の時間を作るなら、シフトの希望休を出す締め日より前に、見学に行ける日を担当者へ伝えておくのが現実的です。空気はその場に立たないと分からないので、ここは有給を使ってでも入れる価値があります。
転職の話を家族にどう切り出すか迷っている人は、妻に転職を反対されたときの記事も参考になると思います。
退職は内定が出てから伝える
退職を申し出るのは、内定が出て労働条件を書面で確かめてからです。先に辞めると、最初に書いた収入の空白に追われます。
就業規則の退職の申し出時期、管理薬剤師の場合の伝える時期、引き継ぎと有給消化の順番は、在職中に転職活動を進める段取りから続けて読めるようにしてあります。
一次面接をする管理薬剤師から見た、在職中の応募者
ここは面接する側としての考えです。在職中の応募者を迎える側が何を気にするかを知っておくと、不安がひとつ減ると思います。
在職中なのは不利にならない
働きながら応募してくるのは、面接する側からすると普通のことです。面接の日程が平日の夜や休みの日に限られるのも、在職中なら当然だと受け止めます。
入社できる時期は正直に言う
僕の店では、退職者が出ると欠員の理由や希望する勤務時間帯を本部に上げて募集をかけます。欠員を埋める募集だと、店としては早く来てほしいのが本音です。
それでも、就業規則や引き継ぎを無視した入社日を約束されるほうが後で困ります。「今の職場の規則だと◯月末が最短です」と根拠つきで言ってもらえれば、調整はできます。
辞める理由は悪口にしない
在職中の人は、今の職場の不満が生々しいぶん、面接で話しすぎてしまいがちです。面接する側が知りたいのは、次の職場で同じ理由で辞めないかどうかです。
「残業が多い」なら、どのくらいなら続けられるのか。「人間関係」なら、どんな体制なら働きやすいのか。不満を条件に置き換えて話すほうが、聞く側は判断しやすいです。
薬剤師が在職中の転職活動でエージェントに頼むこと
働きながら全部を一人でやると、求人探し、日程調整、条件の確認、退職の段取りまで抱えることになります。エージェントを使うなら、在職中の人は最初の面談で次の3つを伝えておくと負担が減ります。
- 連絡がつく時間帯と手段
- 見学・面接に使える曜日
- 退職の申し出に要る期間
3つ目は就業規則を見れば分かります。これを最初に伝えておくと、入社時期が無理な求人を先に外してもらえます。
担当者と合わない、連絡が多すぎると感じたら、条件を言い直すか担当の変更を頼んで大丈夫です。僕が3回目にうまくいったのも、担当者に過去の失敗を隠さず話して、避けたい職場をはっきりさせたからだと思っています。
今申し込めるエージェントの違いは比較記事にまとめました。たとえばMC-ファーマネットは公式のQ&Aで、就業中でも登録でき、電話は時間指定もできること、在籍中の人の退職の相談にも応じることを案内しています。僕自身は使っていませんが、在職中に連絡時間を絞りたい人には合う使い方だと思います。
薬剤師に在職中の転職活動が向かないケース
ここまで在職中をすすめてきましたが、全員に当てはまるわけではありません。
心身がもう限界の人
体調を崩していたり、出勤前に動けなくなったりしているなら、在職中の転職活動にこだわらなくていいです。僕も2ヶ月で辞めた職場では、駐車場で車を停めたまま動けない朝がありました。
まず受診して、休むことを考えてください。業務外の病気で連続3日休んだあと、4日目以降も働けない日には、健康保険の傷病手当金が出る場合があります(協会けんぽ「傷病手当金」)。退職後も続けて受けるには加入期間などの条件があるので、辞める前に確認しておきます。
職場の人間関係で限界に近い人は、人間関係がつらい薬剤師向けの記事のほうが今は役に立つかもしれません。
抜けると店が回らない人
一人薬剤師の店や管理薬剤師だと、面接の時間を作ること自体が難しい場合があります。連絡と日程調整はエージェントに任せて、自分の手数を減らすのが現実的です。
それでも回らないなら、繁忙期を避けて動き出す時期をずらします。薬局には管理者を置く決まりがあるので(医薬品医療機器等法 第7条)、管理薬剤師は後任の手配を含めて、退職の申し出を早めに考えておく必要があります。
薬剤師が在職中の転職活動で抱きやすい不安Q&A
- 住民税の手続きで転職活動がバレますか?
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活動中はバレません。住民税の手続きが動くのは退職するときです。新しい職場で給与天引きを続ける場合は、前の職場が異動届出書を書いて引き継ぐので、そこで次の勤め先を知ることになります。
- 面接のために有給を取るとき、理由は何と言えばいいですか?
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「私用」で足ります。有給をどう使うかは労働者の自由だというのが最高裁の判断です。わざわざ嘘の用事を作る必要はありません。
- 在職中だと転職活動の時間が取れないのでは?
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求人探しや日程調整をエージェントに任せれば、自分の手数はかなり減ります。見学と面接は公休や遅番前に寄せれば回せます。
- 応募先が今の職場に問い合わせることはありますか?
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考えにくいです。今の職場が本人の同意なく個人データを第三者に渡すことは、個人情報保護法で原則禁じられています。面接する側から見ても、選考中に連絡する理由はまず思い当たりません。
- 退職はいつ切り出せばいいですか?
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内定が出て、労働条件を書面で確かめてからです。就業規則の申し出時期を確認して、入社日から逆算して伝えます。
- スカウト機能はオンにすべきですか?
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バレるのが不安ならオフが無難です。公開していると同業の採用担当に見られることがあります。エージェント経由で非公開に進めるほうが安全です。
- 在職中の転職活動はどのくらいかかりますか?
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登録から内定まで1〜2か月、退職と入社の手続きまで含めると3〜4か月が目安です。急いで決めなくていいのが在職中の強みです。
- 同僚に転職活動を相談してもいいですか?
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退職を申し出るまでは話さないのが無難です。仲がいい人でも、どこから話が広がるかは分かりません。相談するなら家族やエージェントにとどめます。
- エージェントに複数登録すると管理が大変では?
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2〜3社に絞れば回せます。担当者や求人を比べられるので、合わない担当に時間を取られにくくなります。
薬剤師の在職中の転職活動が不安なときのまとめ
在職中の転職活動は、書類から今の職場に知られることは基本なく、バレるとしたら自分の行動からです。連絡・休み方・口の3つを押さえれば、不安の多くは段取りで潰せます。
本当に気をつけたいのは、忙しさを理由に見学や確認を削ることです。僕はそこで2ヶ月の職歴を作りました。在職中のまま、確かめてから決めてください。
- 辞めてから動くほうが危ない
- 書類は退職時まで動かない
- 連絡は私用スマホに限る
- 有給の理由は「私用」でいい
- 見学は有給を使ってでも入れる
- 退職は内定と書面確認の後








