入社2ヶ月で辞めた職歴は、原則として履歴書に書くのが安全です。常勤で2ヶ月働いていれば、雇用保険の手続きや年末調整の書類から、前の職場が分かる場合があるからです。
書かずに入社して後から分かると、「短く辞めた人」ではなく「経歴を隠した人」として見られます。就業規則によっては、経歴詐称として処分の対象にもなり得ます。
僕も30歳のとき、焦って入った調剤薬局Cを2ヶ月で辞めて、「短すぎて職歴に書けない」と本気で思いました。今は管理薬剤師として、応募してきた人の一次面接をする側にいます。書く側と読む側、両方の立場から、書き方と伝え方をまとめます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収480万→610万にアップ
- 人気転職エージェント5社を全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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薬剤師が2ヶ月で退職した職歴は書くべき?まず結論
一番知りたいところから答えます。判断の軸は「常勤として雇われたかどうか」と「書かなかったときに説明がつくか」の2つです。
原則は書く。履歴書も経歴書も
履歴書の職歴欄に「何か月以上なら書く」という法律上の決まりはありません。ただ、職歴を書く欄がある以上、正社員として入社した職場を抜くと、事実と違う経歴を出すことになります。
書かなければ、その2ヶ月は空白期間になります。面接で「この間は何を?」と聞かれたとき、嘘を重ねるか、そこで打ち明けるかのどちらかになってしまいます。
短く辞めたこと自体より、説明できない空白や、あとから出てくる食い違いのほうが困る。面接する側に立ってみて、そう感じています。
書かなくていい例外は限定的
雇用保険は、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上働く見込みがあれば、パートでも常勤でも加入するのが原則です(厚生労働省「雇用保険の被保険者について」)。
会社は、加入した月の翌月10日までにハローワークへ届け出ることになっています(厚生労働省・事業主向け案内)。常勤で2ヶ月働いたなら、記録が残っていると考えておくほうが自然です。
「手続きされていないはず」と自分で判断して省くのは危ういです。例外といえるのは、単発のスポット派遣や、学生時代のアルバイトくらいだと思います。
2ヶ月の職歴を書かないとどうなる?薬剤師がバレる経路と経歴詐称のリスク
「2ヶ月くらい黙っていれば分からないのでは」と考える気持ちは、僕にもよく分かります。実際にどこから分かり得るのかを、順番に見ていきます。
- 雇用保険の加入手続き
- 年末調整の源泉徴収票
- 地域の薬剤師のつながり
雇用保険の記録で分かる場合
雇用保険の被保険者番号は、転職しても同じ番号を引き継ぎます。入社するときは、新しい職場に被保険者証や番号を伝え、会社がハローワークで加入の手続きをします。
このとき出す書類や手続きの過程で、直前の加入先や加入期間が見える場合があります。どこまで見えるかは書類や会社の確認のしかたで変わるので、「必ず分かる」とは言えません。ただ、記録そのものは公的に残っているという前提で考えてください。
なお、年金の加入記録は本人の個人情報なので、会社が勝手に中身を見られるものではありません。ここから分かる可能性は、雇用保険や源泉徴収票にくらべると低いと考えています。
同じ年なら源泉徴収票で分かる
その年の途中で転職すると、新しい職場の年末調整では、前の職場で受け取った給与も合わせて計算します。そのため、前の職場の源泉徴収票を提出するのが基本です(国税庁「中途就職者の年末調整」)。
源泉徴収票には支払った会社の名前が載っています。2ヶ月で辞めて同じ年のうちに次へ移るなら、ここで履歴書にない職場の名前が出てくるわけです。
年末調整を受けずに自分で確定申告をすれば、提出はしなくて済みます。ただ、それは隠すための手間を毎年抱え込むことでもあります。
薬剤師業界は意外と狭い
同じ地域の薬局どうしは、思っている以上に顔見知りが多いです。卸の担当者や、勉強会で会う薬剤師を通じて、「前にあそこにいた人」と伝わることはあり得ます。
2ヶ月で辞めたこと自体は、話せば分かってもらえることが多いと思います。でも「履歴書に書いていなかった」が後から分かると、辞めた理由より、隠したことのほうが印象に残ってしまいます。
経歴詐称になると何が起きる
厚生労働省のモデル就業規則には、懲戒解雇の事由として「重要な経歴を詐称して雇用されたとき」が挙げられています(厚生労働省「モデル就業規則」令和7年12月版 第68条)。多くの会社の就業規則にも、似た規定があります。
2ヶ月の職歴を書かなかっただけで、すぐ懲戒解雇になるとは限りません。「重要な経歴」に当たるか、処分が重すぎないかは、会社の規定や事情ごとに判断されます。
それでも、入社後に食い違いが見つかった時点で、信用は大きく下がります。処分がなくても、隠していた事実を抱えたまま働き続けるのは、かなりしんどいはずです。
薬剤師の2ヶ月退職を職歴に書く書き方【記入例つき】
書くと決めたら、あとは書き方です。ポイントは「履歴書は事実だけ、説明は職務経歴書と面接で」の役割分担です。
履歴書の職歴欄は事実だけ淡々と
履歴書の職歴欄は、入社と退職の年月を、ほかの職歴と同じ形で並べるだけで十分です。退職理由は「一身上の都合により退職」で問題ありません。
| 年 | 月 | 職歴 |
|---|---|---|
| 20XX | 4 | 株式会社〇〇(調剤薬局)入社 |
| 20XX | 6 | 一身上の都合により退職 |
試用期間中に辞めた場合は、「試用期間中に一身上の都合により退職」と書く人もいます。欄の中で長い弁明を書く必要はありません。
職務経歴書では理由を1〜2行で
説明を足すなら職務経歴書のほうです。前の職場の悪いところを並べるのではなく、「何が合わなかったか」と「次はどう選んでいるか」を短く書きます。
たとえば、次のような書き方です。
入社前に職場の体制を十分に確認しないまま決めたため、働き方が合わず短期間で退職しました。現在は、応募前に職場見学で薬剤師の人数や業務の流れを確認しています。
自分の見極めの甘さを一言入れて、次の行動で終える形です。言い回しに迷ったら、建前と本音の例文をまとめた記事も使ってみてください。
「わずか2ヶ月」と自虐しない
年月が正確なら、「わずか2ヶ月で退職」のような言葉をわざわざ足す必要はありません。読む側は年月から自分で計算します。
隠さない。でも、必要以上に自分を不利な言葉で塗らない。この2つを両立させるのが、書類づくりのコツだと思います。
次の職場で同じことを繰り返さないための見分け方は、別の記事で8つのサインにまとめました。
一次面接をする管理薬剤師が2ヶ月の職歴で見ていること
僕は今の薬局で、欠員が出たときの応募者の一次面接を担当しています。ここは、面接する側としての僕の見方です。
履歴書で短い在籍期間を見つけたら、正直なところ「何があったんだろう」とは思います。ただ、それだけで不採用と決めることはしません。店にとって一番困るのは、採用した人が数ヶ月でまた辞めて、欠員に戻ることだからです。
面接で確かめたいのは、次の3つです。
- 何が合わなかったのか
- 自分の側の反省はあるか
- 今回は何を確かめたか
3つめが一番大事です。「長く働きたいです」という気持ちより、「見学で残業と人数を確認しました」という行動のほうが、続く根拠として伝わります。
逆に困るのは、書類と話が食い違うケースです。短い職歴が書いてあることより、あとから出てくる職歴のほうが、面接する側としてはずっと扱いに迷います。
薬剤師の面接で2ヶ月退職をどう説明する?伝え方と回答例
職歴に書けば、面接ではほぼ確実に聞かれます。準備しておけば、それほど怖い質問ではありません。
前職の悪口で終わらせない
「前の薬局がひどくて」で話が終わると、面接する側は「うちでも同じことを言われるかも」と身構えます。事実だとしても、そこで止めないことです。
職場の状況は短く事実だけにして、「確かめずに決めた自分の甘さもあった」と一言添える。これだけで受け取られ方が変わります。
反省と次の行動をセットで話す
面接する側が知りたいのは、過去の失敗より「同じことを繰り返さないか」です。反省のあとに、今回の転職で実際にやっていることを続けます。
1分以内で話せる長さの回答例です。
前の職場は、早く転職先を決めたい気持ちが強く、見学をせずに入社を決めました。入ってみると人員体制や職場の雰囲気が想像と違い、2ヶ月で退職しています。確かめずに決めたのは自分の判断の甘さでした。今回は応募前に見学させていただき、薬剤師の人数や一日の流れを確認したうえで応募しています。
突っ込まれたときの答え方や、よく聞かれる質問は別の記事にまとめています。
第三者に整えてもらう手もある
2ヶ月退職の説明を一人でまとめると、書いているうちに言い訳っぽくなりがちです。客観的にどう聞こえるかは、自分では分かりにくいんですよね。
僕は3回目の転職のとき、エージェントの担当者に過去2回の失敗を正直に全部話しました。事情を知ってもらえたことで、同じ理由で辞めそうな職場を避ける相談ができ、見学も必ず入れてもらえました。
今申し込めるエージェントの違いは、比較記事にまとめています。たとえばMC-ファーマネットは、公式のQ&Aで、職場の雰囲気や人間関係の情報を提供し、担当者が職場見学や面接をセッティングすると案内しています。見学で確かめたい人には合う使い方だと思います。
担当者に話すときは、2ヶ月の職歴も最初に伝えておくのがおすすめです。書類に書く内容と話す内容をそろえられますし、合わない担当なら変えてもらえば大丈夫です。
2ヶ月で辞めて「職歴に書けない」と思った薬剤師の僕の話
ここからは、僕自身の話です。きれいな成功談ではありません。
30歳のとき、ドラッグストア併設の調剤で月45時間の残業が続き、一日でも早く抜けたくて調剤薬局Cに移りました。年収は550万から480万に下がりましたが、脱出を優先しました。
求人票には「アットホームな職場です」とありました。実際は、挨拶が返ってこない、質問すると「自分で考えて」、定時で帰ろうとすると無言の圧。出勤前に胃がキリキリして、駐車場で車を停めたまま動けない朝もありました。
入社2ヶ月で辞めました。そのとき真っ先に浮かんだのが、「短すぎて職歴に書けない」でした。結婚したばかりで妻にも言えず、夜中に天井をにらんで眠れなかったのを覚えています。
長いあいだ、この失敗を「求人票に騙された」と人のせいにしていました。でも本当は、職場見学の提案を「日程が合わない」と自分から断っていたんです。騙されたのではなく、確かめなかった。そこを認められたのは、ずっと後のことです。
3回目の転職では、選び方を変えました。
- 条件より職場の雰囲気を優先
- 応募前に職場見学を必ず入れる
- 担当に失敗を全部正直に話す
2ヶ月で辞めたとき、「もう経歴は終わった」と思っていました。でも実際には、次の職場で4年目を迎え、今は管理薬剤師をしています。短く辞めた事実より、その後にどう選び直したかのほうが、ずっと大きかったと感じています。
管理薬剤師たろう書けないと思い込んでいた2ヶ月より、確かめなかった自分と向き合うほうが大事でした。
そもそもなぜ2ヶ月で辞める職場を選んでしまったのかは、あの求人票を今から読み直した記事に書きました。読み返しても嘘は1行もなくて、決定的だったのは書かれていなかったほうでした。
あの2ヶ月は、初日の朝に挨拶が返ってこなかった時点で予兆が出ていました。新しい職場の1日目を終えたばかりの人は、初日の違和感を2週間後まで判定しない方法を書いた記事を先に読んでおくと、同じ道をなぞらずに済みます。
薬剤師の2ヶ月退職・職歴に関するよくある質問
同じ立場の人が引っかかりやすい疑問を、先にまとめておきます。
- 2ヶ月の職歴は履歴書に絶対書かないとダメ?
- 何か月以上なら書くという法律上の決まりはありませんが、常勤で入社した職場は書くのが原則です。書かずに入社して後から分かると、経歴を隠したと受け取られ、就業規則によっては処分の対象にもなり得ます。
- 書かなかったらバレますか?
- 必ずではありませんが、雇用保険の加入手続きや、同じ年に転職した場合の年末調整(前職の源泉徴収票)で分かる場合があります。地域の薬剤師どうしのつながりから伝わることもあります。
- 年金の記録から会社に分かりますか?
- 年金の加入記録は本人の個人情報なので、会社が勝手に中身を見ることはできません。分かり得る経路としては、雇用保険や源泉徴収票のほうが現実的です。
- 試用期間中に辞めても書く必要がある?
- 試用期間中でも雇用契約は始まっていて、条件を満たせば雇用保険にも加入しています。書く前提で考え、「試用期間中に一身上の都合により退職」とする書き方もあります。
- 退職理由は履歴書に詳しく書くべき?
- 履歴書は「一身上の都合により退職」で十分です。詳しい背景は、職務経歴書に1〜2行で書くか、面接で話します。
- 2ヶ月退職があると次の転職は不利?
- 理由を聞かれるのは避けられません。ただ、一次面接をする立場からは、短さそのものより「次は続く根拠があるか」を見ています。見学で何を確かめたかを話せれば、十分に挽回できると思います。
- 面接で2ヶ月退職を突っ込まれたら?
- 前の職場の悪口で終わらせず、自分の見極めの甘さを認めたうえで、今回の転職で実際にやっていること(見学など)を話します。感情を抜いて、事実を短く話すのがコツです。
- 空白期間にするのと2ヶ月職歴を書くのどっちがマシ?
- 書くほうです。空白にすると、面接で聞かれたときに嘘を重ねるか、その場で打ち明けるかになります。最初から書いて理由を添えるほうが、面接する側の不安は小さくなります。
- エージェントにも2ヶ月の職歴は伝えるべき?
- 伝えたほうがいいです。事情が分かっていれば、同じ理由で辞めそうな求人を避けやすくなり、書類や面接での伝え方も一緒に考えてもらえます。
- 同じ失敗を繰り返さないコツは?
- 求人票の言葉だけで決めず、応募前に職場見学で雰囲気や薬剤師の人数を自分の目で確かめることです。焦って決めそうなときほど、見学を省かないようにしてください。
まとめ:薬剤師の2ヶ月退職は書いて説明すれば怖くない
2ヶ月で辞めた職歴は、隠すより書いて説明するほうが安全です。記録は公的に残っていて、分かったときに失うのは「短く辞めた」以上の信用だからです。
僕も「職歴に書けない」と思い込んで眠れない夜を過ごしました。でも本当に向き合うべきだったのは、書くかどうかより、確かめずに決めた自分の選び方でした。
- 2ヶ月でも職歴は原則書く
- 雇用保険や年末調整で分かる
- 履歴書は年月を淡々と書く
- 理由は職務経歴書に1〜2行
- 面接は反省+今回の行動で
- 次は見学で確かめて選ぶ
「次こそ失敗したくない」なら、職場の選び方そのものを見直すのが近道です。見学で何を見て、何を聞けばいいかは職場見学チェックリストにまとめてあります。同じ夜を、もう過ごさなくて済みますように。








