薬局の派閥って、求人票にも面接にも一切出てこないのに、入った瞬間から地味に削られていくやつですよね。「あの人とあの人は仲が悪い」「ここに座ると誰かが不機嫌になる」みたいな。僕は薬剤師歴10年で職場を何度か変えてきたんですが、正直この派閥のめんどくささだけは、どの薬局にもちょっとずつあった気がします。
この記事では、派閥に巻き込まれて気疲れしないための立ち回りと、「もうここは無理かも」のラインを、僕の本音で書きます。きれいごとは少なめにします。
- 派閥はどっち付かずが一番ラク
- 無理に好かれようとしない
- 悪口の同調だけは絶対避ける
- 仕事で信頼を貯めると効く
- 胃が痛む職場は逃げてOK
- 環境は人より変えやすい
薬剤師の派閥がめんどくさい理由は「逃げ場の狭さ」
そもそもなんで薬局の派閥はこんなに重く感じるのか。僕なりに考えると、原因は人間関係そのものより「逃げ場のなさ」にある気がします。ここを言語化できると、少し冷静になれます。
一般企業みたいに部署異動も席替えもない。狭い調剤室で毎日同じ顔ぶれと一日中過ごすので、合わない人とも物理的に距離を取れないんですよね。
少人数すぎて中立でいられない
調剤薬局って、薬剤師と事務を合わせても数人〜十数人の職場が多いです。これくらいの規模だと、AさんグループとBさんグループみたいに割れたとき、自分がどっちにも属さない「中立」でいるのが意外とむずかしい。
大人数なら埋もれられるのに、少人数だと「あなたはどっち側?」が透けて見えてしまう。誰とランチに行くか、誰と休憩がかぶるか、その程度のことが妙に意味を持ってしまうんです。
で、気を遣って両方にいい顔をすると、今度は両方から薄く警戒される。このバランス取りが、地味にいちばん疲れるところだと思います。
女性が多く「お局」構造が生まれやすい
薬剤師も事務も女性比率が高い職場が多くて、勤続年数の長いベテランを中心にしたグループができやすい構造があります。これは性別というより、長く同じ場所にいる人が情報と発言力を握るから、という話だと僕は思っています。
新人や転職組から見ると、その「中心の人」の機嫌が職場の天気みたいになっていて、最初は誰が誰だか分からず探り探りになりますよね。挨拶の返り方ひとつで察するみたいな。
ここを「めんどくさい」と感じるのは普通の感覚なので、自分が神経質すぎるんだとは思わなくて大丈夫です。環境の構造の問題で、あなたの性格の問題じゃないことが多いです。
仕事に直接ひびくから無視できない
ただの仲良しグループなら放っておけばいいんですが、薬局の派閥がやっかいなのは、申し送りや監査ダブルチェックみたいな「仕事の連携」に影響してくる点です。仲が悪いと情報が回ってこない、なんてことが普通に起きます。
聞きたいことが聞きづらい、ミスを指摘し合えない。これって患者さんの安全にも関わるので、笑って流せないんですよね。だから「めんどくさいけど無視もできない」という板挟みになる。
つまり派閥対策は、メンタルの話であると同時に、安全に仕事をするための実務でもある、というのが僕の実感です。
管理薬剤師たろう派閥に疲れるのは弱いからじゃなくて、構造的に疲れる場所だから、です。
派閥に巻き込まれず気疲れしない立ち回り5つ
ここが本命だと思うので、僕が自分でやってきた「消耗しない立ち回り」を具体的に書きます。どれも特別なテクじゃなくて、地味に効くやつです。一つずつ見ていきましょう。
- どっち付かずを貫く
- 悪口に同調しない
- 全員に塩対応の平等で
- 仕事の信頼を貯める
- 休憩で距離を調整する
どっち付かずを堂々と貫く
結論から言うと、僕がいちばんラクだったのは「どっちのグループにも深入りしない」でした。どっちかに入れば確かに後ろ盾はできるけど、もう片方を敵に回すし、内輪のいざこざに巻き込まれます。割に合わない。
大事なのは、こそこそ中立でいるんじゃなくて、堂々とどっちとも普通に話すこと。引け目を感じてオドオドすると、逆に「あの人は何考えてるか分からない」と警戒されます。誰にでも同じテンションで挨拶する、それだけでいい。
「八方美人っぽくて嫌われない?」と心配になるかもですが、仕事をちゃんとやってる人がフラットなのは、案外みんな許してくれます。むしろ後で頼られたりします。
悪口の同調だけは絶対にしない
これは唯一の絶対ルールにしていいと思います。誰かが誰かの悪口を言ってきたとき、つい話を合わせたくなるけど、ここで同調すると「あの人もそう言ってた」と必ず一人歩きします。派閥の燃料は基本これです。
かといって「そんなこと言っちゃダメですよ」と正論で返すと、今度はこっちが浮く。おすすめは「へえ〜、そうなんですね」で受け流して意見を言わないこと。否定も肯定もしない、が安全地帯です。
地味だけど、悪口に乗らないだけで「あの人は陰で言わない」という信用が静かに貯まっていきます。長い目で見るとこれが一番効きました。
仕事で信頼を貯めて発言力を持つ
派閥のしんどさって、結局「自分の立場が弱い」ときに一番刺さるんですよね。新人や転職直後は特にそう。だからこそ、人間関係を攻略するより先に、仕事で信頼を貯めるほうが回り道に見えて近道だったりします。
具体的には、レセプトでも在庫でも疑義照会でも、誰かが面倒がる仕事を黙って拾う。これを続けると「あの人がいると助かる」になって、派閥がどうこう言われにくいポジションになれます。実力は派閥の上に立てる数少ない武器です。
僕も新しい職場では、まず半年くらいは余計なことを言わず仕事で覚えてもらう、を意識してきました。信頼が先、距離感はその後です。
休憩とランチで距離を微調整する
意外と効くのが、休憩時間の使い方です。毎回同じグループとべったりだと自動的に「その派閥の人」認定されるので、たまにひとりでコーヒー飲んだり、別の人と話したりして、固定化を避けていました。
無理に輪に入る必要もないです。「すみません、今日はちょっと調べ物があって」とスマホ見てる日があってもいい。距離は近すぎても遠すぎても角が立つので、その日の空気で微調整する感じです。
正直ここは性格も出るところで、僕は人といるのが得意じゃないので、ひとり休憩を堂々とやる側でした。それでも仕事さえちゃんとしてれば、誰も文句は言ってこなかったです。
期待しすぎず「仕事の場」と割り切る
最後はマインドの話で恐縮ですが、職場に「居心地のいい仲間」を求めすぎないこと。友達を作りに来てるわけじゃなくて、お金をもらいに来てる場所、と一回割り切ると、派閥の重さがふっと軽くなります。
嫌われたくない、馴染みたい、という気持ちが強いほど派閥に振り回されるので、「全員と仲良くなれなくて当たり前」を前提にする。これだけで、相手の機嫌に一喜一憂しなくなります。
もちろん割り切れない日もあります。それでいいと思います。割り切るのは目標であって、毎日できなくても自分を責めなくていいです。
僕が派閥でいちばん消耗した薬局の話
偉そうに立ち回りを書きましたが、僕自身、派閥でメンタルを削られて失敗した経験があります。むしろそっちが先で、痛い目を見て上の立ち回りを覚えた感じです。
30歳のとき、前のドラッグストアの激務から早く抜けたい一心で、求人票の「アットホームな職場です」を信じて小さい調剤薬局に転職しました。これが最大の黒歴史です。
入ってみたら、アットホームどころか中で人間関係がくっきり割れてました。古株の人を中心にしたグループがあって、その輪に入らない人には情報が回らない。僕は転職組のうえ中立でいようとしたので、結果どっちからも「よく分からない新人」扱いでした。
質問しても「自分で考えて」と返される。定時で帰ろうとすると無言の圧。挨拶しても目を合わせてもらえない朝が続いて、出勤前に胃がキリキリして、駐車場で車を停めたまましばらく動けない日もありました。あの胃の感じ、今でも思い出せます。
結局、僕はそこを入社2ヶ月で退職しました。短すぎて職歴にも書けないやつです。結婚したばかりで妻にもなかなか言い出せず、天井をにらんで眠れない夜が何日かありました。情けないですけど、これが本当のところです。
このとき学んだのは、派閥が濃すぎる職場は個人の立ち回りでどうにかなる範囲を超えてる、ということ。立ち回りで耐えるべき派閥と、逃げていい派閥があるんだと、痛い形で分かりました。
あと、これは後悔として残ってるんですが、入る前に職場見学をしてれば空気の異常さに気づけたはず、という点。求人票の言葉は本当に当てにならないです。ここは別記事でも詳しく書いてます。
ちなみに僕の転職の失敗まわりの全体像は転職で2回やらかした僕の自己紹介にまとめてあるので、似た状況の人は読んでもらえると「自分だけじゃない」と思えるかもです。
立ち回りでも無理なら環境を変えていい
ここは正直に書きます。立ち回りでなんとかなる派閥もあるけど、ならない派閥もあります。我慢が美徳みたいに言われがちですが、消耗しきってから動くより、早めに見切るほうが結果的にうまくいくことが多いです。
逃げていい派閥のサイン
「これはもう個人の努力の範囲じゃない」と判断していいサインを、僕の経験から挙げます。一つでも当てはまるなら、自分を責める前に環境を疑っていいと思います。
- 出勤前に毎朝お腹が痛くなる
- 仕事の情報が意図的に回らない
- 無視や挨拶スルーが日常化
- 管理者も派閥側で頼れない
特に最後の「管理者やトップが派閥の中心」だと、立ち回りでの解決はかなり厳しいです。誰に相談しても握りつぶされるので。こういう職場は、あなたが悪いんじゃなく、構造が壊れてます。
転職するなら職場見学で派閥を見抜く
もし環境を変えるなら、次こそ同じ失敗をしないために、応募前の職場見学を強くおすすめします。僕が2ヶ月退職をやらかした最大の反省がこれで、求人票や面接だけだと派閥の空気は絶対に見えません。
見学では、スタッフ同士の会話のトーン、新人らしき人への接し方、休憩室の空気をこっそり観察するといいです。挨拶が自然か、誰か一人だけ浮いてないか。たった30分でも、文字情報よりずっと多くが分かります。
3回目の転職で今の薬局に決めたとき、僕は職場見学を必須条件にして、担当の人に過去2回の失敗を恥を忍んで全部話しました。そのうえで雰囲気重視で選んだら、ようやく人間関係で消耗しない職場に当たった、という感じです。
見学や雰囲気はエージェントに頼ると早い
とはいえ、職場の雰囲気や派閥事情を自分一人で調べるのは限界があります。求人票には絶対に書いてないので。ここは転職エージェントに「内部の人間関係の雰囲気まで教えてほしい」と頼むのが一番早かったです。
僕はエージェントを5社使ったんですが、いちばん良かったのは調剤特化のエージェントでした。理由は、職場見学を当たり前にセットしてくれて、担当が「ここは入れ替わりが激しいですよ」みたいなネガティブ情報も正直に教えてくれたから。急かしてこなかったのも、2回失敗した僕には大きかったです。
もちろん担当者の当たり外れはあるし、合わなければ変えてもらえばいいです。エージェントの正直な使い方は5社使った僕のエージェント比較や、5社の評判レビューで本音を書いてるので、気になる人だけどうぞ。



派閥はあなたが変えるより、自分が動くほうがだいたい早いです。
薬剤師の派閥のよくある質問
最後に、派閥で悩む人からよく出る疑問に、僕の本音でまとめて答えます。気になるところだけ拾ってください。
- どの薬局にも派閥はあるんですか?
濃さの差はありますが、人が数人いれば多少のグループは自然にできます。ゼロは難しいです。大事なのは、仕事に支障が出るほど濃いかどうか。挨拶が普通に返ってくる職場なら、たいていの派閥は気にしなくて大丈夫です。
- 中立でいると両方から嫌われませんか?
こそこそ中立だと警戒されますが、誰にでも同じテンションで堂々と接していれば、案外嫌われません。仕事をちゃんとやってる人のフラットさは、みんな許してくれます。引け目を感じないのがコツです。
- 悪口に同調しないと浮きませんか?
否定せず「へえ、そうなんですね」で受け流せば浮きません。正論で返すと浮くので、肯定も否定もしないのが安全です。悪口に乗らない人は、長い目で見ると「陰で言わない人」として信用されます。
- 新人で立場が弱いときはどうすれば?
人間関係より先に、仕事で信頼を貯めるのが近道です。誰かが面倒がる仕事を黙って拾うのを続けると、「いると助かる人」になって派閥に巻き込まれにくくなります。最初の半年は余計なことを言わず覚えるのに集中していいです。
- お局さんとはどう付き合えばいいですか?
無理に好かれようとせず、敬意を持って普通に頼るのが楽でした。情報や経験を握っている人なので、「これ教えてください」と立てておくと、敵対しないで済みます。好かれる必要はなく、ぶつからなければ十分です。
- 派閥がしんどくて辞めたいのは甘えですか?
甘えじゃないです。毎朝お腹が痛くなる、情報が意図的に回らない、みたいな状態は個人の努力の範囲を超えています。僕も2ヶ月で逃げました。消耗しきる前に動くほうが、結果的にうまくいくことが多いです。
- 転職先の派閥は事前に見抜けますか?
求人票や面接だけでは無理ですが、職場見学に行けばかなり見えます。スタッフ同士の会話のトーン、新人への接し方、休憩室の空気を観察してください。30分でも文字情報よりずっと多くが分かります。
- 「アットホームな職場」の求人は危ないですか?
必ず危ないわけではないですが、僕はこの言葉を信じて人間関係最悪の薬局に当たりました。言葉だけで判断せず、必ず自分の目で雰囲気を確かめてください。具体的な仕事内容より雰囲気推しの求人は、一度立ち止まる価値があります。
- 派閥事情までエージェントは教えてくれますか?
担当によりますが、「内部の人間関係の雰囲気まで知りたい」と頼めば調べてくれることが多いです。僕は職場見学をセットしてくれて、入れ替わりが激しいといったネガティブ情報も正直に教えてくれる担当に当たって助かりました。合わなければ担当変更を申し出てOKです。
- どうしても人間関係が苦手でも続けられますか?
続けられます。僕も人といるのが得意じゃないですが、仕事で信頼を貯めて、職場を「お金をもらう場」と割り切ることで乗り切ってきました。友達を作る場所だと思わなければ、苦手でも十分やっていけます。
まとめ:派閥は割り切りと環境選びで軽くなる
薬剤師の派閥がめんどくさいのは、あなたが神経質だからじゃなくて、少人数で逃げ場がない構造のせいです。だからまずは「自分のせいじゃない」と切り分けるところからでいいと思います。
そのうえで、どっち付かずを堂々と貫いて、悪口に乗らず、仕事で信頼を貯める。これで多くの派閥はやり過ごせます。でも胃が痛むレベルなら、我慢せず環境を変えていい。そこは正直、逃げ得です。
- 派閥はどっち付かずが一番ラク
- 無理に好かれようとしない
- 悪口の同調だけは絶対避ける
- 仕事で信頼を貯めると効く
- 胃が痛む職場は逃げてOK
- 環境は人より変えやすい
派閥に消耗して「もう人間関係で疲れたくない」と思ったら、人間関係のつらさへの向き合い方は人間関係がつらい薬剤師への対処法でもう少し掘り下げてます。明日の自分が少しでも軽くなるなら、それで十分です。





