「薬剤師の仕事、もう飽きたな…」。朝の調剤室でふとそう思った人、たぶんあなただけじゃないです。僕も8年目くらいで、同じ薬を同じ手順で監査して、同じ説明を口が勝手にしゃべってる自分にぞっとした時期がありました。
結論から言うと、「飽きた」は危険信号でもあるけど、いきなり辞める前にできることが意外とあります。僕は転職を3回して2回失敗してるので、勢いで辞める怖さも、変えて楽になった感覚も両方知ってるつもりです。この記事では、飽きの正体と、辞める前に試した5つを正直に書きます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収を480万円→610万円にアップ
- 人気薬剤師向け転職エージェント5社全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
詳しい筆者の経歴はこちら
薬剤師の仕事に飽きたのは、あなたが薄情だからじゃない
まず安心してほしいのが、薬剤師の仕事に飽きるのはわりとよくある話だってことです。僕の周りでも、口に出さないだけで似たことを言う同期は何人もいました。
薬剤師の業務って、毎日の処方の中身は違っても、流れ自体は驚くほど決まってます。受付して、監査して、調剤して、投薬して、薬歴を書く。1日100枚近い処方をさばいてると、頭はフル回転なのに心は無風、みたいな状態になりやすいです。
だから「飽きた=やる気がない・向いてない」じゃないんですよね。むしろ業務を覚えきって、余裕が出たからこそ気づく感情だったりします。そこは自分を責めなくていいと思います。
管理薬剤師たろう僕も「こんなこと思う自分は薬剤師失格かも」って勝手に落ち込んでた時期がありました。
その「飽きた」、正体は2種類のどっちかかも
ひとくちに「飽きた」と言っても、中身を分けると対処が変わってきます。ざっくり2種類あると考えると整理しやすいです。一つずつ見ていきましょう。
刺激が足りない「マンネリ型」
業務に慣れて、新しく覚えることがほぼなくなった状態です。ミスもしないし定時で帰れる、でも面白くない。成長してる手応えがなくて、心がヒマしてる感じですね。
このタイプは、実は職場が悪いわけじゃないことも多いです。安定はしてるんだけど刺激がない。だから「新しい役割」や「新しい業態」を足すと回復しやすい気がします。
僕が新卒で入った調剤薬局Aがまさにこれでした。4年目には昇給が年5千円くらいで頭打ちになって、給料もスキルも止まった感覚があったんです。
疲れてすり減った「消耗型」
こっちは要注意です。残業続き、人間関係がしんどい、ずっと気を張ってる。そういう状態だと、脳が「もう何も感じたくない」って省エネモードに入って、それを「飽きた」と勘違いすることがあります。
僕がドラッグストア併設の調剤Bにいた頃が、たぶんこれでした。月残業45時間で、調剤もOTC接客もレジも品出しも全部。気持ちが擦り切れて、何も楽しくなかったです。
消耗型なら、刺激を足すより先に休むか負荷を減らすのが先です。ここを取り違えると、転職してもまた同じ壁にぶつかる気がします。
辞める前に試した5つ|僕がやって効いた順に並べました
ここからが本題です。「飽きた=即転職」じゃなくて、その前に試せることが5つあります。僕がやって手応えがあった順で並べました。一つずつ見ていきましょう。
- ①新しい役割を1個もらう
- ②勉強し直して武器を増やす
- ③在宅や別業務に手を挙げる
- ④働き方そのものを変える
- ⑤業態ごと変える(最終手段)
①新しい役割を1つもらう
一番手っ取り早いのがこれです。新人教育、発注の見直し、在宅の同行とか、今の職場で「やったことない係」を1個引き受けるだけで、頭の使いどころが変わります。
マンネリ型の飽きなら、これで結構持ち直すことがあります。僕も管理薬剤師になってから、面接や本部報告みたいな新しい業務が増えて、良くも悪くも飽きてるヒマはなくなりました。胃は痛いですけどね。
ただ、消耗型の人がこれをやると単純に仕事が増えてしんどいだけになります。自分がどっちのタイプか見極めてからにしてください。
②勉強し直して武器を増やす
認定薬剤師の取得とか、苦手な領域を本気で勉強し直すのも効きます。新しく覚えることが増えると、それだけで日々の手応えが戻ってくる感覚があります。
正直、最初は「今さら勉強かよ」ってだるかったです。でも在宅や疑義照会で前より深く突っ込めるようになると、同じ業務でも見える景色が変わるんですよね。
飽きの一部は「成長が止まった感覚」から来てるので、そこに手を入れるイメージです。資格の話は僕の経歴をまとめた自己紹介でも少し触れてます。
③在宅や別業務に手を挙げる
今の薬局に在宅対応や別の業務があるなら、そこに手を挙げてみるのもアリです。患者さんの自宅に行くと、調剤室で見えてた景色とはまったく違う情報が入ってきます。
僕の現職Dは在宅対応があって、これが地味に飽き対策になってます。相手の暮らしまで見えると、薬の説明にも自然と熱が入るというか。
ただ、移動や時間管理の負担は増えます。すでに消耗型の人には正直おすすめしません。余力がある人向けの一手です。
④働き方そのものを変える
残業を削る、勤務日数を見直す、パートや派遣に切り替える。働き方を変えるだけで、飽き以前に擦り切れてた気持ちが回復することがあります。
消耗型の人は、まずここを疑ってほしいです。「飽きた」と思ってたものが、ただの疲労だったってこと、わりとあります。残業を減らす具体策はエージェント活用の記事でも書いてます。
僕は年収を130万上げたときに残業も一緒に減って、娘の寝顔を見られる日が増えました。働き方が変わると、仕事への感情も変わる気がします。
ちなみに派遣は情報が少なくて、そこで検討が止まる人が多い印象です。中身が気になる人はファル・メイトで案件を覗いてみた記録を見てみてください。
⑤業態ごと変える(最終手段)
①〜④を試してもダメなら、業態を変える転職を考える段階です。調剤・ドラッグストア・病院・在宅、それぞれ業務も人の雰囲気も別物なので、同じ薬剤師でも飽きが一旦リセットされます。
ただ、これは一番リスクもある手です。僕みたいに焦って変えると、刺激は増えても別の地獄に当たることがあります。詳しくは次の章で正直に書きます。
業態ごとの違いや向き不向きは業態別の年収・働き方を比べた記事も参考になると思います。
「飽きた」を理由に勢いで辞めて、僕は2回やらかした
ここは僕の失敗談です。飽きや不満を勢いで「辞める」に変換すると、痛い目に遭うことがあります。僕の場合は2回ありました。
1回目は28歳。新卒の調剤に「給料もスキルも頭打ち」で飽きて、年収550万に釣られてドラッグストア併設の調剤Bへ。刺激は増えました。でも残業45時間で、暗い部屋で「俺、何のために年収上げたんだっけ」ってつぶやく羽目に。飽きは消えたけど、心がすり減りました。
2回目は30歳。DSを早く抜けたくて焦って調剤Cへ。求人票の「アットホームな職場です」を信じたら、現場は誰も目を合わせない、質問しても「自分で考えて」。出勤前に胃がキリキリして、駐車場で車を停めたまま動けない朝もありました。入社2ヶ月で辞めました。短すぎて職歴にも書けないやつです。
結婚したばかりで妻に言えず、天井をにらんで眠れない夜。正直、今思い出しても情けないです。「今がイヤだから辞める」だけで動くと、次も外す確率が高いです。
3回目でやっとうまくいったんですけど、変えたのは行き先より「選び方」でした。条件じゃなく雰囲気を最優先にして、応募前に必ず職場見学を入れて、担当に過去2回の失敗を恥を忍んで全部話した。これだけで結果がまるで違いました。
このとき使ったのが薬剤師転職エージェントの比較で、エージェントを5社使った中で僕が一番良かったところです。職場見学をすんなり組んでくれて、地雷を踏まずに済んだのが大きかったです。
辞めない方がいい人・辞めた方がいい人
飽きたからって全員が辞めるべきじゃないです。タイプによって動くべきか違うので、正直に分けて書きます。一つずつ見ていきましょう。
まだ動かない方がいい人
今の職場の人間関係や働き方に大きな不満がなくて、ただ刺激が足りないだけの人。これは①〜③の「足し算」でだいぶ変わるので、辞めるのはもったいない気がします。
あと、心がすり減ってる消耗型の人も、その状態で転職先を選ぶのは危ないです。判断力が落ちてるので、まず休むか負荷を減らすのが先だと思います。
僕の2回目の失敗が、まさに消耗したまま焦って選んだパターンでした。同じ轍は踏まないでほしいです。
動いた方がいい人
①〜④を試しても気持ちが戻らない人、給料やスキルが完全に頭打ちで先が見えない人は、業態を変える転職を考えていい段階だと思います。我慢し続けても飽きは深まる一方なので。
ただし動くにしても、勢いじゃなくて情報集めから始めてください。求人をいくつか見て、相場や別業態の中身を知るだけでも気持ちが整理されます。
転職の進め方や情報の集め方はエージェントの使い方をまとめた記事に細かく書いたので、動くと決めたらそっちを見てもらえたらと思います。
情報集めの最初の3ステップ
- 今の不満が「飽き」か「消耗」か書き出す
- 他業態の求人を5件だけ眺めて相場を知る
- 気になる職場は必ず見学を入れてから決める
よくある質問
- 薬剤師の仕事に飽きたら、すぐ転職すべきですか?
すぐじゃなくて大丈夫です。まず飽きが「刺激切れ」か「疲労」かを見極めて、辞める前に試せる手を先に回した方が失敗しにくいです。僕は焦って2回やらかしました。
- 飽きたと感じるのは、薬剤師に向いてないからですか?
そうとは限らないです。業務を覚えきって余裕が出たからこそ飽きを感じることも多いので、向き不向きとは別の話だと思います。
- 飽きたまま我慢して働き続けるとどうなりますか?
ミスが増えたり、心が省エネモードのまま固まったりしやすいです。小さく役割を変えるだけでも違うので、完全に擦り切れる前に手を打つのがおすすめです。
- 調剤からドラッグストアに変えれば飽きは消えますか?
刺激は増えます。でも残業や接客の負担も増えるので、飽きが消えても別のしんどさが来ることがあります。僕がそれで消耗しました。
- 飽きを理由に転職して、面接で不利になりませんか?
「飽きた」とそのまま言うと印象は良くないかもです。新しい業務に挑戦したい、みたいな前向きな言い換えにすると伝わりやすいです。
- 年収を下げずに飽きを解消する方法はありますか?
今の職場で新しい役割を引き受けたり、在宅に手を挙げたりは年収を下げずにできます。業態を変える場合は下がることもあるので事前確認が必要です。
- パートや派遣に変えるのは逃げですか?
逃げじゃないと思います。働き方を変えて気持ちが回復するなら立派な一手です。消耗型の人にはむしろ向いてることが多いです。
- 飽きと燃え尽きの違いはどう見分けますか?
休日に回復するなら飽き寄り、休んでも何もする気が起きないなら燃え尽き寄りかもしれません。後者なら転職より先に休養を考えてください。
- 転職エージェントは飽きが理由でも使っていいですか?
もちろん使っていいです。むしろ他業態の求人や相場を知るだけでも気持ちが整理されます。僕は5社使って情報集めに役立てました。
- 何回試しても飽きが戻らないときはどうすれば?
その場合は業態を変える転職を本格的に検討していい段階です。ただ焦らず、職場見学まで入れて中身を確かめてから決めてください。
「いっそ違う仕事に…」まで考え始めている人は、薬剤師を辞めて違う仕事に進んだ人の本音と年収の記事を先に読んでみてください。後悔する人としない人の分かれ目が分かります。
まとめ:飽きたは、立ち止まるサインかもしれない
薬剤師の仕事に飽きたと感じるのは、あなたが薄情だからでも向いてないからでもないです。多くの人が通る感情で、ちゃんと中身を見れば打ち手があります。
大事なのは、勢いで辞めないこと。僕は2回それで外したので、まずは辞める前にできる5つを試してほしいです。それでもダメなら、情報を集めてから動けば大丈夫です。
- 「飽きた」は普通の感情です
- 正体は刺激切れか疲労のどっちか
- 辞める前に試せる手が5つある
- 業態を変えるだけで景色が変わる
- 動くなら情報集めから始める
- 勢いで辞めるのが一番危ない
飽きは、今の働き方を見直すいいきっかけかもしれません。あなたが少しでも前を向けたら嬉しいです。





