「最近、ドラッグストアがやたら多くない?」と感じて検索した方は多いと思います。同じチェーンが歩いて数分の距離に2軒、家の周りに何店舗もある。
なぜドラッグストアはこんなに多いのか、不思議ですよね。
結論から言うと、調剤を併設して医療と小売の二刀流で稼げること、食品で人を集めて利益率の高い薬で取るビジネスモデル、そして高齢化による処方箋需要の伸びが背景にあります。
僕はドラッグストア併設の調剤で2年働いた経験があるので、会社が「なぜ併設店を増やすのか」を中から見た実感も交えて解説します。
理由の解説より先に「で、結局どこで転職活動すればいいの?」を知りたい人は、僕が5社を使い比べた薬剤師転職エージェントのランキングから見てもらってOKです。併設店のリアルを踏まえた選び方をそこに正直にまとめてます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収を480万円→610万円にアップ
- 人気薬剤師向け転職エージェント5社全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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ドラッグストアはどれくらい増えている?まず数字で確認
「多い気がする」だけでなく、実際に数字で見てもドラッグストアは明らかに増え続けています。まずは業界全体の規模感を押さえておきましょう。
日本チェーンドラッグストア協会などの集計によると、2024年度のドラッグストア業界の売上高は10兆307億円と、ついに10兆円の大台を突破しました。
店舗数は2万3723店に達しています。これは11兆円台のコンビニ業界に迫る規模感です。
しかも出店ペースが落ちていません。
年間でおよそ600〜680店のペースで純増を続けていて、業界は2030年までに売上13兆円・店舗数3万5000店という目標を掲げています。
業界自身がまだまだ増やす前提で動いているのが、街にあふれている理由の出発点です。
つまり「最近よく見るな」というあなたの感覚は、気のせいではありません。ここ10年でドラッグストアは生活のすぐそばまで店舗網を広げてきました。
次の章では、なぜここまで増やせるのか、その背景にある5つの理由を一つずつ見ていきます。
読者体感だけじゃなくて、数字でもちゃんと増えてたんだ。
ドラッグストアがこんなに多い5つの理由
DSは「なんでこんなに増えたんだろう」と感じるくらい乱立してます。調剤併設・食品集客・高齢化・ドミナント・コンビニ縮小の5つの構造を、現場で見てきた感覚と一緒に説明します。
理由1:調剤併設で医療×小売の二刀流
最近のドラッグストアは、奥のほうに調剤薬局のカウンターが付いている店が増えました。これが店舗数を押し上げている一番大きな要因です。
日用品や食品を売る小売と、処方箋を扱う調剤を1つの店でやる「二刀流」が今の主流になっています。
大手のウエルシアでは2025年4月時点で約77%の店舗に調剤を併設しており、将来的には80%超を目指すと公表しています。
もはや「調剤がない店のほうが少数派」になりつつあるのが現状です。
なぜ併設にこだわるかというと、処方箋を受け取りに来たお客さんが、その流れで風邪薬や日用品、夕飯の食材まで買ってくれるからです。
薬をもらいに来ただけのつもりが、いつの間にかカゴがいっぱい、という経験は誰しもあると思います。医療で人を呼び、小売で財布を開いてもらう。
この相乗効果が大きいので、各社はとにかく調剤を付けたがるのです。
理由2:食品で集客し薬で利益を取る
ドラッグストアの値段の付け方には、はっきりとした狙いがあります。
卵やお米、飲み物といった食品を驚くほど安く売って人を毎日のように呼び込み、ついでに利益率の高い医薬品や化粧品を買ってもらう、という構造です。
ダイヤモンド・オンラインなどの分析によると、食品の粗利率はおよそ15%でコンビニの半分以下。逆に医薬品(OTCと調剤)の粗利率は40%超とされます。
安い食品は集客のエサで、本当のもうけは薬にあると言われるのはこのためです。利益が出る商材があるからこそ、食品を赤字覚悟で安くしても店を増やせるわけですね。
理由3:高齢化で処方箋需要が伸びる
日本は高齢化が進み、薬を飲む人がどんどん増えています。
僕の祖母も高血圧などで10種類以上の薬を飲んでいましたが、こうした多剤併用の高齢者が地域に増えるほど、処方箋を持って薬局に来る人も増えます。
処方箋を扱う調剤は、景気に左右されにくく長く安定して売上が見込める分野です。
実際、ドラッグストア併設の調剤の売上は前年比109%前後で伸びているとされ、各社が「これから確実に伸びる柱」として併設を急いでいるのも納得できます。
食品や日用品は人口減少やネット通販の影響を受けやすいですが、薬は体の不調がある限り必ず必要になります。
だからこそ、高齢者が多い住宅地やクリニックの近くに、調剤併設店を狙って出すケースが目立つわけですね。需要の地図に合わせて店が増えていく、というイメージです。



高齢化と処方箋需要は、会社にとって読みやすい成長エンジンなんです。
理由4:地域集中のドミナント戦略
「同じチェーンが近所に何軒もある」と感じる最大の理由が、このドミナント戦略です。
特定の地域に店を集中して出すことで、その地域での知名度を一気に高め、物流や広告の効率も上げる出店手法のことです。
ツルハなどがこの戦略を進めており、あえて自社の店同士を近くに並べてエリアごと面で押さえにいきます。密集して見えるのは偶然ではなく、意図的な作戦なんですね。
ライバルに出店余地を渡さない狙いもあります。
さらに2025年12月には、ツルハとウエルシアという大手の2社が経営統合し、売上2兆円規模の巨大グループが誕生しました。
こうした大手の合従連衡で資本がさらに集まると、出店スピードはもっと上がります。「気づいたら近所が全部同じ系列だった」という現象は、これからも続きそうです。
理由5:コンビニ縮小の受け皿になった
かつて街の便利な店といえばコンビニでしたが、近年は人手不足などで出店ペースが鈍っています。その空いた場所と客層を、食品も日用品も薬も揃うドラッグストアが取り込んでいます。
利益率の高い薬や化粧品があるぶん食品を安くできるので、コンビニやスーパーの客を価格で引き寄せやすいのです。
「生活インフラの主役がコンビニからドラッグストアへ移りつつある」と指摘されることもあり、これも店が増えて見える一因になっています。
都会より地方のほうが多い?その理由
「都心より、むしろ地方の幹線道路沿いのほうがドラッグストアだらけ」と感じたことはありませんか。実はこれも気のせいではなく、出店戦略に明確な狙いがあります。
車社会と広い駐車場が相性抜群
地方は移動の中心が自家用車です。広い駐車場を備えてロードサイドに大型店を出せば、近所だけでなく車で数キロ圏内の客まで取り込めます。
土地が安く広い区画を確保しやすいぶん、都心のように家賃で利益が削られないのも地方出店の強みです。
かつて地方の買い物の中心だった駅前商店街やショッピングモールに代わり、郊外の幹線道路沿いがドラッグストアの主戦場になりました。
「イオンに匹敵する地方の覇者」と呼ばれるほど、生活の足場を押さえています。
コンビニ・スーパーとの違い
同じ「近所の便利な店」でも、コンビニやスーパーとドラッグストアでは稼ぎ方が違います。
コンビニは食品中心で粗利を取り、スーパーは生鮮で集客しますが、ドラッグストアは利益率40%超の医薬品・化粧品を持つぶん、食品を赤字すれすれまで安くできます。
だから地方の高齢者ほど「食品も日用品も薬もここで揃って、しかも安い」とドラッグストアに集まります。
人手不足で出店が鈍ったコンビニや、生鮮の鮮度管理にコストがかかるスーパーが減ったエリアの受け皿になっているのも、地方で目立つ理由です。



地方で増えてるのは、車社会と安さの相性がいいからなんだ。
中から見た本音|DS併設調剤で2年働いた僕の実体験
ここまでは業界全体の話でしたが、僕は28歳のときに調剤薬局からドラッグストア併設の調剤に転職し、2年間そこで働きました。
会社が「なぜ併設を増やすのか」を、中の薬剤師として肌で感じた話をします。
年収550万に釣られて飛び込んだ
新卒で入った調剤薬局は給料もスキルも頭打ちで、4年目で420万くらい。そこへドラッグストアから「550万出します」と声がかかり、正直その数字だけで決めてしまいました。
当時は併設店が増えていく時期で、薬剤師の枠もどんどん募集していたんです。
面接で店長が「これからは全店に調剤を付ける方針なんですよ」と前のめりに話していたのを覚えています。会社にとって薬剤師は、店を増やすための必須ピース。
調剤を付けたくても薬剤師がいなければ店が開けないので、採用にとにかく積極的だったんだな、と今なら分かります。手当や入社祝い金を厚めに出してくる会社も多かったです。
ちなみに、その面接で前のめりに話していた店長がどれくらいもらっているのかは当時すごく気になっていて、併設薬局から間近で見た店長のお給料の実態はドラッグストア店長の年収の本音のほうにまとめています。薬剤師より上の役職の懐事情が気になる人は読んでみてください。
調剤だけじゃない、レジも品出しも
ただ、働いてみると「調剤薬剤師」という言葉のイメージとはだいぶ違いました。
処方箋を捌くだけでなく、OTCの接客で「この風邪薬どっちがいい?」と聞かれ、人が足りなければレジに入り、夕方は飲料や日用品の品出しもする。
閉店後に段ボールを開けていて、気づいたら夜10時ということもありました。
月の残業は45時間ほど。週の半分は遅番でした。
中にいて感じたのは、併設店の薬剤師は「薬の専門職」であると同時に「小売の戦力」でもあるということ。
だからこそ会社は、調剤も小売も任せられる薬剤師を確保して店を増やせるんだと、現場で腹落ちしました。



白衣で調剤だけ、というイメージで入ると、ちょっと面食らうかも。
お金は増えたが、心はすり減った
年収は確かに上がりました。でも帰宅は遅く、休みは品出しの疲れでぐったり。
「俺、何のために年収を上げたんだっけ」と暗い部屋でつぶやいた夜のことは、今でも忘れられません。お金は増えたのに、それを使う時間も体力も残っていなかったんです。
誤解してほしくないのですが、ドラッグストア併設が悪いわけではありません。合う人にはとても良い環境です。
給料は高めですし、接客や売場づくりまで幅広く経験できる。体力に自信があって、いろんな仕事を任されるのが楽しいタイプなら、むしろ向いていると思います。
問題だったのは、僕が「年収という数字だけ」で職場を選び、働き方の中身を確かめなかったこと。
同じ「DS併設」でも、店の立地や処方箋枚数、スタッフの人数で忙しさは全然違います。求人票の年収だけ見て決めた僕は、その違いを知らないまま飛び込んでしまいました。
これが僕の転職1回目の失敗です。
DSが多い=薬剤師にとってチャンスでもある
ここまで読むと併設店は大変そうに見えるかもしれませんが、薬剤師の立場から見るとドラッグストアが増えていることには大きなメリットがあります。視点を変えると、これは追い風です。
店が増える=求人が増える
調剤併設店が増えれば、その店を回す薬剤師が必ず必要になります。実際、業界の出店拡大に伴って薬剤師の需要も増え続けています。
店が多いということは、それだけ働き口の選択肢が多いということ。条件を比べて選べる余地が大きいのは、転職する側にとって有利です。
ドラッグストア各社の働き方や年収を業態ごとに比べたい方は、薬剤師の転職の基本もあわせて読んでみてください。
ただし「多いから安心」ではない
でも、求人が多いからといって飛びつくのは危険です。僕がまさにそれで失敗しました。
給料や立地といった条件だけで選ぶと、入ってから「思っていた働き方と違う」とギャップに苦しみます。
店によって残業や雰囲気は本当にバラバラなので、数だけ見て安心するのは禁物です。
とくにドラッグストアの併設店は、調剤専門の薬局と比べて求められる仕事の幅が広めです。
OTCの接客やレジ、品出しまで含めて「自分はそれをやりたいのか」を入る前に整理しておかないと、僕のように後悔しかねません。
選択肢が多いことと、自分に合うことはイコールではないんですね。
僕が3回目の転職でようやく成功できたのは、応募前に必ず職場見学を入れ、職場の雰囲気まで正直に教えてくれる担当者に出会えたからでした。
選択肢が多い今だからこそ、条件ではなく中身で選ぶ目が大事になります。



選択肢が多い今は、焦らず中身で選べるチャンスでもあります。
後悔しない選び方は情報量で決まる
結局のところ、後悔しない転職は「その職場の中身をどれだけ知れるか」で決まります。求人票の良い言葉だけでは中の残業や人間関係は分かりません。
僕は転職3回のうち2回失敗しましたが、最後はエージェントを5社使い比べて、職場の雰囲気まで教えてくれる担当に絞り込みました。
たとえば、応募前に職場見学を必ずセットしてくれるか、配属先の残業や人間関係といったネガティブな情報まで正直に教えてくれるか。ここが担当者によって本当に差が出ます。
僕が最後に頼った担当は、過去2回の失敗を正直に打ち明けても急かさず、地雷になりそうな店をきちんと外してくれました。
どのエージェントが自分に合うかは人それぞれです。僕が実際に5社を使って比較した結果は、下のランキングにまとめています。
こんなに多くて大丈夫?今後と淘汰の話
ここまで増え続けてきたドラッグストアですが、「さすがに多すぎて、これから潰れる店も出るのでは?」と気になる方も多いはずです。
結論から言うと、国内市場は飽和に近づきつつあり、これからは増える店と消える店がはっきり分かれていきます。
市場は飽和、これからは再編へ
業界の売上は10兆円を超えましたが、国内市場はすでに飽和しつつあるとされ、今後は成長スピードが鈍ると見られています。
出店余地が減れば、各社は「数を増やす」から「強い者が弱い者を飲み込む」段階へ移ります。
その象徴が大手の経営統合です。業界はトップ数陣営への集約が一気に進んでいるのが今の局面です。
スギホールディングスが中堅のセキ薬品を持分法適用会社にするなど、大手による中堅・中小のM&Aも続いています。
淘汰されるのは弱い店から
「全部の店が今後も安泰」というわけではありません。100m以内に同業が乱立するほど密集したエリアでは、客の取り合いに負けた店から閉鎖や統合が進みます。
価格競争に耐える資本力や、調剤併設で安定収益を持つ店ほど生き残りやすい構図です。
これは働く薬剤師にも関わる話です。資本力のある大手グループに入っている店ほど雇用は安定しやすく、逆に体力の乏しいチェーンの店は統廃合で配属が変わるリスクもあります。
店の数だけでなく、その会社が再編の波で残る側かを見る視点が、これからの転職では大事になります。
このあたりが気になる人は、調剤薬局とドラッグストアの将来性を10年スパンで比べた話も読んでみてください。両方で働いた経験から、生き残る側にどう乗るかを正直に書いてます。



これからは数より「どこが生き残るか」を見る時代なんです。
ドラッグストア業界に関するよくある質問
- ドラッグストアはこれからも増え続けますか?
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頭打ちの兆しが出始めています。上位チェーンによる中堅買収で、店舗数は微増・運営会社は減る方向です。
- ドラッグストアの薬剤師は将来余りますか?
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OTC専門業務は登録販売者で代替可能なので、調剤併設店にシフトしておくと安全です。
- ドラッグストアと調剤薬局はどちらが将来安泰ですか?
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どちらも調剤メインの体制にシフトしているので、将来性に大差はありません。働き方の好みで選んで大丈夫です。
- ドラッグストアの再編で職を失うリスクは?
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薬剤師は資格職なので、買収側に転籍するケースが多く、失職リスクは低いです。
まとめ|ドラッグストアが多い理由と薬剤師の向き合い方
ドラッグストアが街にあふれているのは、調剤併設・食品集客・高齢化・ドミナント戦略・コンビニの受け皿という複数の理由が重なった結果です。
地方ほど多いのは車社会と安さの相性のよさが背景にあります。ただし国内市場は飽和に近づき、これからは再編で生き残る店と消える店が分かれていきます。
- 調剤併設で医療×小売の二刀流
- 食品で集客し薬で利益を取る構造
- 高齢化で処方箋需要が伸び続ける
- 地域集中のドミナント戦略で密集
- コンビニ・スーパーの客層を奪取
- 店が多い=薬剤師求人も多い
ただし「求人が多い=安心」ではありません。僕のように数字や条件だけで選ぶと痛い目を見ます。
選択肢が多い今だからこそ、職場の中身まで知ったうえで選ぶことが大切です。
僕が5社を使い比べた結果は薬剤師転職エージェントおすすめにまとめているので、次の一歩の参考にしてください。
僕みたいに年収の数字だけで決めて後悔してほしくないので、職場見学までセットしてくれる担当の見分け方も使ってよかったエージェントの比較に書いておきました。迷ってるなら、ここだけ先に覗いてもらえれば大丈夫です。






