「今日も拘束12時間か…」と帰り道でため息をつく薬剤師さん、けっこういると思います。僕も28歳でドラッグストア併設の調剤に移ったとき、これを毎日やってました。
結論から言うと、拘束時間が長い職場にはわかりやすい共通点があります。シフト構造・業態・店舗の人手、この3つでだいたい決まる感じです。逆に言えば、ここを見れば自分の職場が「普通」か「ちょっと異常」かの判断もつきます。
この記事では、4つの職場を渡り歩いて拘束時間を実測してきた僕が、長い職場の特徴と原因、短くする現実的な手をまとめます。きれいごと抜きで書きます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収を480万円→610万円にアップ
- 人気薬剤師向け転職エージェント5社全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
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そもそも薬剤師の拘束時間が長いとはどのくらいか
「長い」と感じる基準は人それぞれですが、まず拘束時間という言葉の中身を分けて考えると、自分の職場の位置がはっきりします。ここを整理してから先に進みます。
拘束時間=勤務+休憩+残業+移動
拘束時間は、実働だけじゃなく休憩や残業、そして家を出てから帰るまでの移動も含めて考えると体感に近くなります。給料に反映されるのは実働と残業だけなので、ここがズレると「働いた割に手取りが…」となりがちです。
たとえば実働8時間でも、休憩1時間、残業1.5時間、片道40分の通勤を足すと、それだけで1日11時間近く拘束されます。これが毎日積み上がると、家でゆっくりする時間がほぼ消えます。
僕が一番つらかったのは、残業が「あって当たり前」になっていた時期でした。定時の概念が職場から消えてる、あの感じです。
10時間超えたら見直しの合図かも
あくまで僕の感覚ですが、1日の拘束が10時間を超える日が常態化してきたら、一度立ち止まったほうがいい気がします。週5でこれだと、睡眠か家族の時間のどっちかが必ず削れます。
逆に、たまに繁忙で伸びるくらいなら、どこの職場でも普通にあります。問題は「毎日」「ずっと」になっているケースです。継続するかどうかで体への効き方が全然違ってきます。
ちなみに勤務時間そのものの中身は、職場ごとにけっこう差があります。実測の話は職場3つで体験した勤務時間の記事に細かく書いたので、数字で比べたい人はそっちもどうぞ。
拘束時間が長い職場に共通する5つの特徴
4業態を渡り歩いて気づいたのは、拘束が長い店には毎回似たサインが出ているということです。代表的なものを5つにまとめました。
- 営業時間が長い・年中無休
- 遅番後の品出しや締め作業
- 慢性的な人手不足
- 調剤以外の業務が多い
- 在宅・予製が時間外に集中
どれか一つずつ見ていきましょう。当てはまる数が多いほど、拘束が伸びやすい職場だと思ってもらっていいです。
営業時間が長く年中無休
一番わかりやすいのが営業時間の長さです。朝9時から夜10時まで、しかも年中無休みたいな店は、その分シフトのコマが増えて拘束が伸びます。ドラッグストア併設の調剤はこのパターンが多いです。
開店前の準備と閉店後の締めも誰かがやるわけで、その当番が回ってくると拘束は一気に伸びます。営業時間が長い=自分の拘束も長い、とほぼイコールで考えていいです。
逆に内科クリニックの門前みたいに、クリニックの診療時間に張り付いている薬局は、終わる時間が読みやすいです。僕が新卒で入った調剤がこれで、拘束は短めでした。
調剤以外の仕事が多すぎる
調剤だけならまだ読めるんですが、OTCの接客やレジ、品出しまで全部やる職場は拘束が読めなくなります。お客さんが途切れないと、自分の作業が後ろにずれていくからです。
僕がDSにいた頃は、調剤の合間にレジ応援に呼ばれて、戻ってきたら処方箋が溜まってる、の繰り返しでした。これだと定時で帰るのは構造的に無理なんですよね。
業務の幅が広いこと自体は経験になるんですが、拘束時間という一点で見ると確実にマイナスに働きます。
慢性的に人手が足りない
これが個人的に一番きつかった原因です。人が足りない店は、誰かが休むたびに残った人の拘束が伸びます。シフトが薄いと、トイレに行くタイミングすら気を使います。
しかも人手不足の店ほど辞める人が多くて、さらに人が減る悪循環に入りがちです。求人がずっと出ている店は、この状態を疑ったほうがいいかもしれません。
新人が辞めると自分のシフトが消える、というのは管理する側になった今だと痛いほどわかります。人手不足は拘束時間の根っこの原因です。
在宅や予製が時間外に寄る
在宅対応をしている薬局だと、日中は外来をさばいて、在宅の予製や報告書作りが夕方以降に回ることがあります。これが残業の固定枠になっている職場は拘束が伸びがちです。
在宅自体はやりがいもあるし、これからの薬剤師に必要なスキルだとも思います。ただ人員配置がうまくいってないと、しわ寄せが時間外に来るのも事実です。
在宅の働き方が気になる人は訪問薬剤師になる条件の記事もあわせて見ておくと、入る前のミスマッチを減らせると思います。
締め作業や品出しが薬剤師持ち
閉店後のレジ締めや品出しまで薬剤師が抱える店も、拘束が読めません。本来は事務やスタッフと分担できる作業が、人がいないと全部回ってくるからです。
僕がDSで夜10時まで残っていたのは、まさに閉店後の品出しが原因でした。営業は終わってるのに帰れない、あの脱力感はけっこう効きました。
この5つのうち、いくつ当てはまるか数えてみてください。3つ以上だと、たぶん体感どおり長い職場です。
実測10時間超だった僕のDS時代の話
ここはちょっと自分語りになります。拘束が長いってどういう感覚なのか、数字だけだと伝わらない気がするので、当時の僕の一日を書いてみます。
管理薬剤師たろう正直、思い出すと今でも肩のあたりが重くなります。
朝9時前から夜10時までの一日
28歳のとき、年収550万に釣られて新卒の調剤からドラッグストア併設の調剤へ移りました。給料は上がったんですが、拘束が一気に伸びたんです。
遅番の日は、開店準備に間に合うよう朝に家を出て、閉店後の品出しが終わる夜10時くらいまで店にいました。休憩を挟んでも拘束は軽く10時間を超えていて、家に着くと風呂に入る気力もなかったです。
月の残業は45時間くらい。手帳に「今日は早く帰れた」と書いた日が、定時から1時間オーバーだったのを覚えてます。基準が壊れてたんですよね。
しかもこの残業、全部が残業代に乗っていたわけじゃないんです。サービス残業になっていた分の話と、それって違法なのか調べたことは残業代が出なかった僕の体験談に詳しく書いたので、心当たりがある人は見てみてください。
お金は増えたのに余裕は消えた
暗い部屋でコンビニ弁当を食べながら、「俺、何のために年収上げたんだっけ」とぼんやり考えた夜が何度もありました。お金は増えたのに、それを使う時間も体力も残ってなかったんです。
2年いて気づいたのは、年収という数字だけで職場を選ぶと、こういう拘束地獄にハマるということでした。数字は嘘をつかないけど、数字だけ見ると足元をすくわれます。
このあと僕は焦って次に移って、そこでも別の失敗をするんですが…その話は長くなるので省きます。気になる人は後のリンクから。
拘束時間を短くするための現実的な手
じゃあどうすればいいのか。いきなり転職じゃなく、今の場所でできることから順に並べます。打てる手は意外とあります。
まず今の職場で減らせるか試す
最初にやるべきは、今の拘束が「構造的なもの」か「やり方で減らせるもの」かの切り分けです。属人化した作業の分担や、予製のタイミング見直しで減るなら、転職せずに済みます。
僕も管理側になってから、報告書の作成を日中に前倒ししたり、締め作業を分担したりで、現場の残業をかなり減らせました。やり方で削れる部分は意外とあるんです。
具体的な減らし方は残業を減らす方法の記事に手順でまとめてあります。まず職場で試したい人はそっちが役立つと思います。
業態を変えると拘束は一気に縮む
職場で工夫しても限界がある場合、業態そのものを変えるのが一番効きます。営業時間が短いクリニック門前や、終わりが読める職場に移ると、拘束は構造から短くなります。
僕自身、DSから別の働き方に移ったあとは、長女の寝顔を見られる日が増えました。お金で買えない時間って、こういうことかと思った瞬間でした。
ただ、ここで焦って次を決めると、僕みたいに別の地雷を踏みます。業態を変えるなら、入る前に職場の実態を確かめるのが絶対条件です。
入る前に営業時間と人員を確認する
転職するなら、求人票の「残業少なめ」を鵜呑みにしないことです。営業時間・年中無休かどうか・薬剤師の人数、この3つは入る前に必ず確認したほうがいいです。
僕は2回失敗したあと、職場見学を必ず入れるようにしました。空気と人の数は、その場に立たないと本当にわからないんですよね。求人票だけだと拘束の実態は見えません。
ここで役立ったのがエージェントでした。僕は5社使って、一番良かったのがそのエージェントです。職場見学を必ずセットしてくれて、担当が変な急かし方をしなかったのが大きかったです。拘束時間や残業の実態みたいな、求人票に出ない情報まで聞いてくれたのは助かりました。
もちろん合う合わないはあるので、無理に使う必要はないです。気になる人だけ評判を見てから判断してください。
評判の中身を先に知りたい人は薬剤師転職エージェントの比較もどうぞ。良いとこも微妙なとこも正直に書いてます。
拘束時間が長くても辞めない方がいい人
ここまで読むと「じゃあ長い職場は全部ダメなの?」と思うかもですが、そうとも限りません。拘束が長くても今は動かないほうがいい人もいます。
繁忙期だけ一時的に長い人
インフルや花粉の季節みたいに、一時的に拘束が伸びているだけの人は、慌てて辞めないほうがいいです。繁忙が落ち着けば元に戻るなら、それは構造の問題じゃないからです。
どの職場にも忙しい時期はあります。問題なのは、繁忙でもないのに毎日長い場合です。一年通して拘束がどう動くか、一度振り返ると判断しやすいと思います。
スキルの伸びを優先したい時期の人
在宅や無菌調剤みたいに、拘束は長いけど確実にスキルが積める環境にいる人も、時期によっては残る選択がアリです。経験がそのまま次の年収や選択肢につながることがあるからです。
ただし体を壊してまでやる価値はないので、そこは線引きが必要です。僕みたいに「お金のため体を壊す働き方」になってきたら、それはもう撤退のサインだと思います。
拘束の長さと得られるものを天秤にかけて、まだ得るほうが重いなら、もう少し踏ん張る判断もあっていいです。
- 薬剤師の拘束時間が長いのは普通ですか?
業態によります。クリニック門前は終わりが読めて短めですが、DS併設や年中無休の店は長くなりやすいです。毎日10時間超が常態化しているなら、普通とは言い切れないと思います。
- 拘束時間が一番長い業態はどこですか?
僕の体感だと、ドラッグストア併設の調剤です。営業時間が長く、調剤以外にレジや品出しも入るので拘束が読めません。閉店後の作業まで抱えると、夜遅くまで残ることになります。
- 残業代が出ていれば長くても問題ないですか?
お金は出てもいいんですが、削れた時間と体力は戻ってきません。僕も年収は上がったのに余裕がゼロになりました。残業代の有無と、続けられるかどうかは別の話だと思います。
- 拘束が短い職場は年収も下がりますか?
必ずしも下がりません。僕は最終的に拘束を減らしつつ年収を上げられました。業態や交渉次第で、両立できるケースはあります。下がる前提で諦めなくていいです。
- 求人票の「残業少なめ」は信じていいですか?
正直、鵜呑みは危ないです。僕は「アットホーム」を信じて2ヶ月で辞めた過去があります。営業時間と薬剤師の人数を確認して、できれば職場見学で実態を見たほうがいいです。
- パートでも拘束時間は長くなりますか?
人手が足りない店だと、パートでも延長を頼まれることがあります。逆に時間がきっちり決まっている職場を選べば、フルタイムより拘束は読みやすいです。職場選びが効いてきます。
- 在宅対応の薬局は拘束が長いですか?
人員配置によります。日中に外来をさばいて在宅が夕方に寄ると伸びます。逆に在宅専従の体制が整っていれば読みやすいです。中の回し方を見学で聞くのがおすすめです。
- 辞めたいけど拘束が長くて転職活動できません
これ、めちゃくちゃわかります。僕もそうでした。エージェントを使うと求人探しや日程調整を任せられるので、忙しい人ほど向いています。スキマ時間でも進められます。
- 拘束が長いのは管理薬剤師だからですか?
管理薬剤師は発注や報告など業務が増えるので、一般より伸びやすいのは事実です。ただ手当もつくので、業務量と手当のバランスで見るといいです。回し方次第で減らせる部分もあります。
- 今すぐ辞めるべきか見極める基準はありますか?
毎日10時間超が続いて、繁忙期でもないのに改善の見込みがない。これに当てはまるなら動いていいと思います。出勤前に胃が痛いレベルなら、迷わず手を打ってほしいです。
まとめ:拘束時間は構造で決まる
薬剤師の拘束時間が長いかどうかは、根性や気合いじゃなく、業態とシフトと人手の構造でほぼ決まります。だから「自分が遅いせいだ」と抱え込まなくて大丈夫です。
まずは今の職場で減らせるか試して、無理なら業態を変える。その時は焦らず、入る前に営業時間と人員を確認する。僕の2回の失敗から言えるのは、これだけは外さないでということです。
- 長い職場は構造で決まる
- DS併設は拘束が伸びやすい
- 僕の実測は1日10時間超
- 人手不足の店は危険信号
- 業態を変えると一気に縮む
- 見学で営業時間を必ず確認
僕がどう2回やらかして年収まで上げ直したかは自己紹介の記事に全部書いてます。今がしんどい人の参考になればうれしいです。





