ワンオペ育児をしながら薬剤師の仕事を回してると、ある日ふっと「もう無理かも」って糸が切れる瞬間が来ますよね。朝から子どもの支度、保育園、満員の調剤室、帰ってからまた家事。これを毎日やってたら誰だって限界が来ます。
先に言っておくと、今あなたが限界を感じてるのは、努力が足りないからでも甘えでもないです。仕組みのほうがおかしい。この記事では、僕が現場で見てきたママ薬剤師の話と、自分が転職で2回失敗して学んだことをもとに、辞める以外も含めた「逃げ道」を正直に書いていきます。
- 調剤4年→DS2年→調剤4年
- いまは管理薬剤師(34歳)
- 転職を3回経験し、うち2回は失敗。
- 3回目で年収を480万円→610万円にアップ
- 人気薬剤師向け転職エージェント5社全部利用
「同じ失敗をしてほしくない」という思いで、薬剤師のリアルを本音で書いてます。
詳しい筆者の経歴はこちら
ワンオペ育児と薬剤師の仕事で限界なのは、あなたが弱いからじゃない
まず一番伝えたいのは、限界を感じてるのは仕組みのせいだってことです。薬剤師の現場は人手が足りなくて、休みも取りづらい。そこにワンオペ育児が乗ったら、容量オーバーになるのが普通です。
薬剤師の仕事は「途中で抜けられない」構造がきつい
調剤って、処方箋が来たら止められないんですよね。子どもの発熱で早退したくても、自分が抜けたら誰がやるんだという空気がある。特に人数の少ない店舗だと、休む=同僚に直接しわ寄せが行くので、心理的にすごく休みづらいです。
僕は管理薬剤師としてシフトを組む側もやってますが、ギリギリの人数で回してる店舗は本当に多い。だから「迷惑かけてる」と感じてしまうのは、あなたの感受性が強いからじゃなくて、現場が薄すぎるからです。
そこに保育園からの呼び出しが重なると、もう謝ってばかりの毎日になる。気力がすり減るのは当然なんです。
「限界サイン」が出てたら立ち止まっていい
朝起きるのがつらい、子どもにイライラして後で自己嫌悪、休みの日も気が休まらない。こういうのが続いてたら、それは頑張りどころじゃなくて、立ち止まるサインかもしれません。
僕も昔、別の理由で出勤前に胃がキリキリして駐車場で動けなくなった時期がありました。あのとき思ったのは、体が先に「もう無理」って言ってるなら、頭で頑張ろうとしても限界はあるってことです。
無理を続けて倒れてしまったら、結局子どもにも職場にも穴をあけることになる。だから早めに手を打つのは、逃げじゃなくて守りなんですよね。
管理薬剤師たろう頑張れてた自分を責めなくていいです、むしろよくここまで回してきたなと思います。
限界のときに考えたい4つの逃げ道
「辞めるか続けるか」の2択で考えると苦しくなります。実はその間に、働き方を変えるという選択肢がいくつもあるんです。負担が軽い順に4つ見ていきましょう。
- 時短勤務に切り替える
- パートで時間を取り戻す
- 派遣で高時給×短時間
- 負担の軽い職場へ転職
時短勤務で「抜けられる体制」を作る
一番ハードルが低いのが、今の職場で時短勤務に切り替えることです。3歳未満なら法律で時短を申請できますし、職場によっては小学校就学まで使えるところもあります。
ただ正直に言うと、制度はあっても現場が回らなくて使いづらい店舗もあります。そこは上司やエリアマネージャーに早めに相談して、人員を足してもらえるか確認したほうがいい。言いづらいけど、これは権利なので遠慮しすぎなくて大丈夫です。
収入は下がりますが、辞めて資格を眠らせるより、時短で続けたほうが復帰もしやすいです。
パートで「自分の時間」を取り戻す
時短でもきついなら、思い切ってパートに切り替える手もあります。薬剤師のパートは時給が比較的高くて、週3〜4日でもそれなりに稼げるのが強みです。
「正社員を手放すのが怖い」という気持ちはすごく分かります。でも子どもが小さい数年だけパートにして、手が離れたらフルタイムに戻る、という人を僕は何人も見てきました。薬剤師はブランクがあっても戻りやすい仕事なので、一度下げても取り返しがききます。
収入と心の余裕、どっちを優先する時期なのかで決めればいいと思います。
パートの時給相場や上げ方は、別記事でくわしく書いてます。
派遣なら「短い時間で高時給」も狙える
意外と知られてないのが派遣という選択肢です。薬剤師の派遣は時給が高めで、勤務日数や時間を自分で選びやすいのが特徴なんですよね。
子どもの行事や長期休みに合わせて調整しやすいので、ワンオペとの相性は悪くないです。ただし契約期間が決まってたり、ボーナスや退職金がなかったりするので、安定を最優先する人には向かないかもしれません。
メリットも不安な点も整理した記事があるので、気になる人はこちらをどうぞ。
ちなみに派遣会社ごとに、短時間や単発の案件の多さはけっこう違います。僕が登録して求人だけ見てみた会社の話はファル・メイトに登録して求人を見た記録にあります。
負担の軽い職場に転職する
職場そのものが原因なら、転職で環境を変えるのが一番効くこともあります。同じ薬剤師でも、内科門前で落ち着いた小規模薬局なら、残業も呼び出し対応も全然違います。
ただ転職は、焦って決めると逆に悪化するので最後の手段くらいに考えてください。後半で僕の失敗談を書きますが、求人票の「アットホーム」を信じて地獄に落ちたことがあるので、ここは慎重にいきましょう。
ママ薬剤師が両立しやすい職場の条件は、別の記事でまとめてます。
収入が下がるのが怖い人へ|数字で考えると意外と冷静になれる
逃げ道の話をすると、ほぼ全員が「でも収入が…」で止まります。ここは僕も悩んできたところなので、正直に書きます。
薬剤師は「下げても戻せる」資格だと知っておく
普通の仕事だと、一度キャリアを落とすと戻すのが大変です。でも薬剤師は資格職なので、数年パートにしても、子どもが大きくなったらまたフルタイムに戻れます。
僕自身、転職でいったん年収を480万まで下げてから、結果的に610万まで持ち直しました。状況が変われば収入も戻せる、という事実を知ってるだけで、目の前の選択がだいぶ楽になります。
今は守りの時期、と割り切るのも立派な戦略です。
「時短・パートの実額」を見て不安を具体化する
不安って、ぼんやりしてるから大きく見えるんですよね。時短やパートでいくらになるかを数字でちゃんと見てみると、思ったより悪くないと感じる人も多いです。
ママ薬剤師の働き方別の実額をまとめた記事があるので、まずここで「自分が選んだ場合いくらか」を確認してみてください。漠然とした不安は、数字にすると小さくなります。
そのうえで世帯の家計と照らせば、何を選べるかが見えてくるはずです。
僕が「限界の働き方」を抜けたときに変えた考え方
ここは育児じゃなくて僕自身の話なんですが、限界の働き方から抜けた経験として参考になればと思って書きます。
28歳のとき、年収550万に釣られてドラッグストア併設の調剤に転職したんです。調剤して、OTC接客して、レジ打って、品出しして。閉店後の作業で夜10時、月の残業は45時間。お金は増えたのに、それを使う時間も体力も残ってませんでした。
暗い部屋で「俺、何のために年収上げたんだっけ」ってつぶやいた夜のことは今でも覚えてます。当時はまだ子どもがいなかったけど、これでワンオペ育児まで乗ってたらと思うと、正直ぞっとします。たぶん潰れてた。
そのあと焦って別の薬局に移ったら、今度は人間関係が最悪で2ヶ月で辞めました。これは完全にやらかしで、求人票だけ見て雰囲気を確かめずに決めたのが原因です。
3回目でようやく落ち着いた職場に入れたんですが、そのとき変えたのは「条件より、雰囲気と人間関係を最優先にする」という基準でした。年収より、毎日無事に帰れて家族との時間が取れること。育児中の人なら、なおさらここが大事だと思います。
今は残業が減って、長女の寝顔を見られる日が増えました。きれいにまとまった話じゃないけど、限界の働き方は変えられる、というのだけは身をもって言えます。
転職を考えるなら|地雷を踏まないための進め方
もし環境を変える方向に気持ちが傾いてるなら、僕の失敗を踏まえて、ここだけは気をつけてほしいことを書いておきます。
求人票の言葉を信じず、自分の目で確かめる
「アットホーム」「残業少なめ」みたいな言葉ほど当てになりません。僕が2ヶ月で辞めた薬局も、求人票はやさしい言葉だらけでした。
だから応募前に職場見学を入れて、自分の目でスタッフの表情やピリピリ感を確かめてください。育児との両立なら、子どもの急な発熱で休んだ人がどう扱われてるか、見学のときにそれとなく聞くのが一番効きます。
空気はその場に立たないと分からない、というのは何度失敗しても本当でした。
エージェントには「育児の事情」を全部話す
一人で求人を探すと、どうしても条件の数字に引っ張られます。僕は5社のエージェントを使い比べましたが、育児や残業の事情を正直に全部話したときほど、ズレない求人を出してもらえました。
中でも一番良かったのがそのエージェントでした。職場見学を必ずセットしてくれて、担当が「年収より働きやすさ重視で」とこっちのペースを急かさなかったのが大きかったです。地雷を回避できたのは、見学と本音の相談のおかげだと思ってます。
もちろん合う合わないはあるので、担当と相性が悪ければ遠慮なく変えてもらってください。複数社を併用して比べるのが、結局いちばん失敗しにくいやり方でした。
他社との比較や使う順番は、エージェントおすすめ記事でまとめてます。
よくある質問
- ワンオペ育児で薬剤師を辞めたら、もったいないですか?
辞めるより、時短やパートで資格を活かしながら続ける道もあります。薬剤師はブランクから戻りやすいので、いったん下げてもキャリアは取り返せます。今を乗り切ることを優先していいと思います。
- 時短勤務を申請したら、職場に嫌な顔をされませんか?
正直、人手不足の店舗だと使いづらい空気はあります。でも時短は権利なので、上司やエリア担当に早めに相談して人員を足してもらうのが現実的です。言いづらくても遠慮しすぎないでください。
- パートにすると収入はどのくらい下がりますか?
働く日数や時間によりますが、薬剤師パートは時給が高めなので、週3〜4日でもそれなりに残ります。働き方別の実額をまとめた記事で、自分のケースを確認してみてください。
- 派遣はワンオペ育児中でも続けられますか?
勤務日数や時間を選びやすいので、行事や長期休みに合わせやすいです。ただ契約期間やボーナスなしなどの不安点もあるので、安定を最優先する人は向かないかもしれません。
- 転職と今の職場で働き方を変えるの、どっちが先ですか?
まずは今の職場で時短やシフト調整ができないか試すのが負担が軽いです。それでも環境が変わらない、職場そのものが原因という場合に、転職を検討する順番がおすすめです。
- 転職活動する余裕なんてないのですが…
その気持ちすごく分かります。だからこそ、求人探しや日程調整を代わりにやってくれるエージェントを使うのが現実的です。忙しい育児中ほど、自分で全部やろうとしないでいいと思います。
- 夫に協力してもらえず、自分だけで抱えています
家庭の分担まで僕が口を出せる立場じゃないですが、働き方を変えることで物理的に余白を作るのは有効です。仕事の負担が減れば、家庭の調整に向ける気力も少し戻ってきます。
- 在宅対応の薬局や訪問は、育児中でもできますか?
在宅は移動や時間管理が読みやすい反面、運転や患者対応の負担もあります。職場によって運用が全然違うので、見学のときに1日の流れを具体的に聞いて判断するのが安全です。
- 薬剤師そのものを辞めたい気持ちもあります
限界のときは何もかも嫌になりますよね。ただ資格を手放す判断は、心に余裕が戻ってからのほうがいいです。まず働き方を軽くして、それでも嫌なら考える、の順番をおすすめします。
- エージェントに登録したら、無理に転職させられませんか?
急かしてくる担当に当たることはありますが、その場合は遠慮なく担当を変えてもらえます。「今すぐじゃなく情報収集だけ」と最初に伝えておけば、ペースを乱されにくいです。
まとめ|限界なら、働き方を変えていい
ワンオペ育児と薬剤師の仕事で限界なのは、あなたが弱いからじゃなくて、両方の負担が重なりすぎてるからです。今の働き方を変えるのは、逃げじゃなくて自分と子どもを守る選択だと思います。
- 限界なら働き方を変えていい
- 時短・パート・派遣・転職の4択
- 薬剤師は下げても戻せる
- 収入は数字で見ると冷静に
- 転職は焦らず見学必須
- 一人で抱えず人に頼る
まずは今の職場でできる調整から。それでも変わらないなら、無理せず環境を変える方向で動いてみてください。あなたの毎日が、少しでも楽になりますように。





